エツ　幻の固有種　珍味　でもちらし寿司

葦の葉の形。

僕が子供のころ地域の老人は子供たちに自慢げに話した。

昔、弘法大師が葦の葉を取って筑後川に投げ入れるとそれは魚になって泳いでいった、それがエツ。

僕は100回位聞いただろう。うんざり。理知的なからけん少年は、思った。そんなことあるはずない。バカが錯覚しただけだ。


しかし、からけん一家の年中行事でこの季節、エツをいただく。それは僕が中学になるまで続いた。

楽しくない。そもそも子供がじょうずに箸を使えるか。親は毎年、残すな残すなと繰り返した。怒られながら何を食ってもうまいはずない。

しかも醤油で煮締めた田舎の味付け。しょっぱい。これを親は、「旨かろーが」と恩着せがましく言う。


隔世の感とはこのこと。今は刺身もある。お吸い物付きのフルコース。大体今月いっぱい。

エツは筑後川の汽水域に生息する。固有種。初夏にしか味わえない。それがまたいいのよ。いつも食えたらありがたみが薄れるね。弘法大師ありがと。




で、今回エツを食いに行ったが、そこでちらし寿司を食うという変則技を使った。

ま、気分気分。このところ海鮮丼に凝っていた。それは柳川市の夜明け茶屋でぼくは満足。ちらし寿司とは、はみ出さない海鮮丼だな。お行儀良くまさに箱入り。好みだ。

玉手箱だ。日本は素晴らしい。ほら、




この精緻さ、ビジュアル。僕のためにあるのだ。ねっ。



だってこれだよ、





（エツの画像はネットからのものです）