からけんのブログ一覧

昨日のブログ記事と同日に行ったもの。佐賀市東与賀（ひがしよか）町。

←バルビゾンの道で、GSR.




佐賀県の空は広い。明治維新の英雄を数多く輩出している。雄藩だ。地平線が見えるところは日本に多くない。

この広い空を見て佐賀藩の若い武士は明治という新しい政府を夢想した。地図ではまことに小さい県だが、いまだに優れた頭脳を輩出する気風が生きている。

江藤がいなかったら近代的な行政組織は存在してない。大隈がいなかったら早稲田はない。佐野常民がいなかったら日本赤十字社はない。・・・佐賀県は明治維新を早産させた。佐賀のアームストロング砲は上野で新時代を告げたのだ。

出張で2回行った佐賀西高。成績はさえないがいわゆる頭がいいのがそろっている。こういう高校生を見ると安心する。

この広い空、豊饒の田園。風土は頭脳をはぐくむ。noblesse obligeを深く理解するCountry Gentlemanの卵たち。県民性と対極にある。



言い足りないがここでやめて、バルビゾン村を抜ける。



突如現れる四角の塔。「ひがさす」だそうだ。たしかに日は差すだろうが安易な名付け方。



期待しないで中を覗くと、café。何とコーヒー100円。この時代に自販機より安い。しかもギャルが話し相手になってくれる。あ、皆さんが行ったら必ずしもそうはならないかも。caféのギャルとしては、話しかけずにはいられないでしょう。僕の教養のせいです。あっという間に30分。


外は一面にシチメンソウ。学名Suaeda japonica。世界でもまれな塩生一年草。日本ではほぼここだけになった。絶滅危惧種（red dater 2）。　諫早湾を締め切り、干潟を死滅させて畑にした世紀の愚行は、有明海の固有種20種を絶滅させつつある。

わずかに残ったこの干潟を人は保存しようとする。拷問の後に善人ぶって栄養注射をしてやろうか、というわけだ。

海の紅葉綺麗だなあ、だけで終わるなんて脳天気すぎる。ま、きれいだったけど。





渡り鳥も来なくなっている。干潟が広かった頃、シチメンソウの上に「・・・シギ立つ沢の秋の夕暮れ」。
「ひがさす」の資料館から。

近くでは、



日本のほかには韓国に群生する。世界でそこだけ。学名を見ろよ。japonicaとは日本ってことだね。無駄な干拓をして何十種類の生き物を絶滅させていいのかい。豊かな国はそこまでしてゼニ儲けをしなくていいはずだ。先進国のくせに環境保護もできないのか。