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2011年04月23日

シエンタのL端子について

シエンタのL端子について というワケで前回書いた、シエンタのL端子の事について続き。
また、シエンタも含めてL端子を活用する上での落とし穴など。

L端子と言うのは知る人も多い、オルタネータ(発電機)に付随するレギュレータユニットからの出力線で、リモコンエンジンスターターなどでも使われる様にエンジンが稼働中か否かを知る事が出来る。
エンジン稼働中は(ほぼ)バッテリー電圧がかかり、エンジン停止中は内部回路を通じてグラウンド側に落ちるので、チャージランプのマイナス側に繋がれて点灯・消灯を行っている。

一般的な車両ではエンジン始動と同時にバッテリー電圧がかかり、停止と共にグラウンドに落ちる。
これを単純に「始動で12V、停止でグラウンド」と考えるとトラブる事もある。

昔の車に積まれていたオルタネータではL端子を「チャージランプ制御」と据え、リレーを使って単純に+12Vかグラウンドに切り替えていた事もある。
これならば純粋に「エンジン始動でバッテリーのプラス、エンジン停止でバッテリーのマイナスに繋がる」と同義に捉えて問題無い。
しかしいまどきのオルタネータに積まれているICレギュレータは内部回路にてこれをエミュレーションしている。
発電中にバッテリー電圧が加わるのは同じだが、停止時は上述のように内部回路を経てグラウンドに繋がる。
その回路の内部抵抗にもよるが、直で無い以上は電圧降下が発生する=グラウンドから浮いていて0Vでは無い場合が多い。

それは整備マニュアルでも確認でき、L端子の電圧チェックではチャージランプ消灯時(=エンジン稼働中)「10V-14V」となっているのに対し、点灯時(=IGオンでエンジン停止時)は「4V以下」と記載されていて「0V」では無い。
例えばエンジン停止時にL端子電圧が3Vだったとしても正常であり、それはL端子回路の内部抵抗により電圧降下が起きているに他ならない。
しかしIG電源電圧が12Vだと仮定しても差し引き9Vがかかるので、チャージランプは問題なく点灯する。
12V用の電球が3/4の電圧で使用されるだけであって、12Vかからねば点灯しないワケではない。

しかしその仕組みが半導体回路ではイタズラをしてしまう。
例えばよくあるのが「エンジン稼働中は12Vがかかり、停まると0Vになる」と思い、L端子線から抵抗経由で微小電流を引きトランジスタを駆動したとする。
エンジン稼働中は問題ないし、キーをACC/OFFにすれば問題ない。
ところがIGオンでエンジンを始動させていない場合でもトランジスタがオンになる可能性がある。
たった4V程度でも電圧がかかれば抵抗経由で電流が入り、トランジスタをオンにする。
かかる電圧が1/3なら電流も1/3だが、そこは増幅器。 電流に比例してコレクタ電流が流れてしまう。
前回の回路図でL端子検出部分にツェナーダイオードが入っていたが、これが対策である。
つまり5.6V以上の電圧がかからねばトランジスタがオンにならない=PICマイコンが起動しないのである。

さて、シエンタ特有のL端子トラブル/事象もあるので紹介。
※もしかしたら前期・FFのみ、またはウチのシエンタ固有の話かも知れませんので注意

シエンタのL端子配線は画像の様に、4WDはレギュレータとチャージランプが直結だが(*4のライン)、FFではレギュレータからECUに入っており、チャージランプはECUが間接的に制御している様に見える(*3のライン)
ココでL端子配線を引こうと思うなら、やはり大元である「レギュレータ/ECU間の黄色の配線」だろう。
ところがココに統合コントロールユニットのL端子検出線を繋いだら、エンジン停止を正常に検知できない異常な動作をした。

調べてみると、エンジン始動と同時に12Vがかかるのは良いのだが、エンジンを停止しても4秒間ほど電圧が維持されている。
エンジン停止が数秒間も検出できないのだ。
???と思いながら「じゃあもう一方のECU/チャージランプ間で」と引いてみると、今度はIGオンで一瞬だけエンジンが始動したと見なしてしまう異常動作。

結果として、
・レギュレータ/ECU間の黄色線=エンジン停止後、数秒間電圧を維持するので停止を正確に検出できない
・ECU/チャージランプ間の黒色線=IGオンの瞬間にコンマ数秒のオーダーで電圧がノイズの様に乗ってしまうが、それ以外は普通のL端子
だった

前者はどうにも対処出来ないが、後者はプログラムで回避できる(一旦オンになってもコンマ3秒ほど待って再検出し判断)
なのでL端子検出はユニット1(現・統合ユニット)のみで行い、他のユニットはユニット1が電源をコントロールする事で、個々に判定プログラムを入れる手間を省いているワケである。

以前にネット上で「エンジンスタータが誤動作するのでL端子配線周りにタイマー回路を自作して挿入した」なんてのを見た事があるので、恐らくFFのシエンタでは共通する事象だと思われる。
L端子関連で誤作動したら思い出すといいかも。
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Posted at 2011/04/23 17:10:32

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