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イイね!
2015年09月16日

ハイマウントストップランプの修理をやってみた

ハイマウントストップランプの修理をやってみた んなワケで、引越しでテンヤワンヤしてる時にやった作業の第2弾なり。

「ハイマウントのLED切れてますよ」と、他人から言われて気が付いた。
ペダル踏みをお願いして確認すると、6個ある光点のうち右から2つ目が消えている。

「どうせ自分で治すんでしょ?(笑)」…いや、こういうのは中身がどうなってるのか判んないのだが、万能と思われても困る。やるけどな(笑)


しかし、作業中はハイマウントが無くなってしまうので、なんとかせねば。
ためしにハゲ競売を漁ってみた。

2・3個ほど中古品が出品されているんだが、どれも\3000から\4000ほどで、中には\5000を超える強気な値付けがされている。
実は新品でも\6500ほどで買える事を、出品者も入札者も知らずに売買してるのだろうか。
世に出回っているシエンタの数からすると出品数が少ないのは、商品としてのバックドアと一体で取り扱う為に単体では出ないんだと思われる。

プレミア市場には付き合ってらんないので、しばらく取り外して作業する間は大穴を黒の布テープで隠す事にした。
と思ったら、ランプユニットを留めているタッピングスクリューの受け側がバカになってやがんの。
回しても回しても外れない。 前オーナーめ!(笑)

つーコトで、まずは樹脂製のタッピングナットを発注するハメに。
いつもいつも数十円とか数百円のパーツ発注ですいません、ネッツトヨタ奈良様。

バックオーダー無しで翌日パーツが届いたので、まずは薄刃マイナスドライバーをあてがいながら慎重にタッピングスクリュー外し。

無事に外れてくれたので、ランプユニットを取り外してナットの除去。
左はすでに除去済みの画、ナイロン系素材なのでカッターやニッパーでカット。
後ろに転がっても手が入るので安心作業なり。

すでに常識だが、シエンタのルーフスポイラーはハイマウントストップランプに被さって固定されているので、取付けネジを緩めてスポイラーをバックドアから浮かさないとランプユニットは外せない。
薄刃マイナスドライバーかトリムリムーバーで化粧パネル2個を外し、10mmソケットで4ヶ所の6mmネジを緩めればオッケー。


新品のナットは挿し込むだけで交換終了。
頭が赤く塗ってあるランプユニットの取付けネジ、モノ自体は普通のタッピングスクリューなんだが、ネジ単体でパーツ供給されないので失くさないように。
別にホームセンターで売ってる同サイズの一般品でも問題は無いんだが、頭が赤くないだけで結構、違和感が出んだよな…


天気は良かったので、そのまま放置してランプユニットを自宅へ持ち帰り。
裏側のベース部分と表側の赤いレンズは非分解前提の接着剤固定なので、何とかして殻割りしないといけない。

人によって技はあるんだろうが、いつもやるのは「接着部分をアクリルカッターで溝切りしてから力技で割る」
出来る限り接着剤の部分をV溝で削り落とし、強度が落ちたトコで一気に外すワケ。

たまーに接合面以外の樹脂部分とかで割れるコトもあるけど、このランプユニットの接合面は表から絶対に見えない部分なので、汚らしい割れ方をしても問題は無い。
それよりも再結合時にキチンと接着して防水処理を行うコトが重要で。

で、中にある基板とご対面。

コイツが問題児の右から2番目。
それにしても外観は普通のFLUXタイプのLEDなんだが、足は放熱効率とスポット溶接に対応する為のカスタム品の様だ。


基板は小さいタッピング2本と、これまた非分解前提な樹脂熱融解によりベース部分に固定されている。
ドリルで融解部分をモんで飛ばし、やっとLED基板だけを取り外し。

+12V電源で確認してみると、ちゃんと点灯してやがる。
おかしいな、と思い当該LEDを指で触ってみると、何かの弾みで接触不良になって消灯する事が判った。
スポット溶接部分が劣化したのか、酸化したのか、とにかくLEDの不良では無く接触不良を起こしているらしい。
しかも他の5個を調べてみると、もう1個怪しい奴が見付かった。

んなコトより不可解なのは、直列接続が基本のLEDがなんで1個だけ消えるのか。
基板を見てみると、その理由が判った。

トップ画像の回路図の様に、普通は6個のLEDを点灯させるのであれば左側の回路を想定する。
半導体は負の温度係数を持っているので並列は御法度である(温度が上がると見かけの抵抗値が下がるので電流量が増え、さらに温度が上がるの繰り返し)
並列された半導体に温度差が少しでも出ると、温度が高い側に電流が多めに流れ出し、それによりさらに温度が上がって、最終的に片側に電流が偏って負荷がかかりトラブってしまうからだ。
にも関わらず、このランプユニットは完全な並列接続で設計されている。

要するに、熱による不均等な状態にまで至るほど、長時間点灯し続けるワケでは無いストップランプであり、1個でも切れると前後全てが道連れで消灯してしまう直列回路よりは、並列ペアの相方に負担がかかってしまっても単体でしか消灯しない並列回路を、安全面から選んだんだろう。
ただし並列ペアの相方には通常の倍の電流が流れるので、それを見越した余裕を持つ設計と仕様にしていると思われる。

まあ、10年間ノントラブルで頑張ってくれたんだから文句は言うまい。
けど、シエンタのハイマウントストップランプはハンダ割れとか、何かとトラブルが多いらしいから、信頼性の面でもこの基板を使い続けるのは不安だ。
仕方が無い、基板から自作してやるか(笑)


時間がかかるので、まずはバックドアの穴を塞がねば。


なんかヤッツケ仕事に見えるかも知れないが、これが意外に、

そのとおりである(笑)


さて、純正基板から寸法取りをして、オリジナル基板のデザインに。
縦19mm、横140mm、左上角だけ斜めにカット要。

他に何も作る予定が無かったので、意味も無く5台分も生産。
後にコレが全部無駄になる事を、この時は知る由も無かった…



茶目っ気を起こして、「純正がLED6個で、同じモノを作っても意味が無い。 直列回路で設計するから、LED切れで変な消灯の仕方をしないように、2系統を左右対称に配置しよう」とか考え、7個のLEDを「1212121」(1/2は各系統を表す)に配する様にデザイン。

LEDが切れて系統まるごと消灯しても、「1*1*1*1」か「*2*2*2*」みたいに左右対称な点灯をする様にしたワケで。
しかもそれぞれの系統を上下に5mmほど千鳥配置に。
自作したんだから「純正となんか違う」モノにしたかった下心である。
いや、スケベ心か。



使用したLEDは秋月で取り扱ってるオプトサプライの1W級。
定格350mA流せる超高輝度LEDを、30mA定電流素子を3個使って、たった90mAドライブで使用する。

LEDは定格に関係無く、投入した電荷に比して出力を得られるので、定格が350mA品だろうが90mA品だろうが得られる光束は、ほぼ同じはずである。
計算上、90mAで純正と同等になるし、350mA品を90mAで使用すれば放熱や耐久性の余裕はかなり得られるのがメリット。

長時間の連続点灯はしないが、夏場の高温環境とかも考えると、ね。



このLEDは端子以外にも、放熱用として裏面にカソード板が露出しているので、端子をハンダ付けする前にCPU用のシリコングリスを塗ってから基板パターンに圧着した。
これで相応な放熱効果が得られるハズで、元より90mAドライブなのと併せて熱トラブルは心配ないと思われる。
放熱に余裕が無いと、信号待ちでブレーキ踏んでても落ち着かんわ…



んでもって完成したLED基板。
5mmほどの上下幅をもって千鳥配置とは、この通り。
上段の4個、下段の3個がそれぞれ別系統。


点灯確認してみる。もちろん予想通りの光り方。
ブレーキを踏んだ時にレンズに浮かぶ「赤い丸」が、緩やかな千鳥を描いて7個光る、そんな甘い想像をしていたあの時(笑)



正面から撮影しても、光束の多さにデジカメの自動絞りが効いてしまって上手く映らない。
横にしても机に反射する光で絞られてしまい目視よりマシになっているが、実際には正面から直視するとしばらく視界から点々が消えなくなる。
レンズが乗っかればある程度落ち着いて見えるだろうし、想定通りの光量だったので安堵。



ベース部分に組み込み開始。
配線はソックリ純正基板から頂いて、ハンダ付け+収縮チューブで処理。
全体が軽量なのでネジも使わず、基板はベース部分に両面テープで固定。



速乾性かつ硬化後も柔軟性を持つ接着剤でレンズを取り付けて、硬化するまでフトン用ハサミで強力に圧着サポート。
ソーラーパワーのアシストでガチガチに接着。


いざ、車両に取り付けて点灯テスト!

うおおぉぉぉ……お? アレ?何かおかしい…
左右に寄って光ってる様な、場所によって強弱が激しい様な。


7個のLEDが煌々と光り輝くどころか、妙な光円が偏って光ってる…

よーく見てみると原因が判った。 レンズに施されたカットだ。
純正の6個のLEDがあった位置に合わせて綺麗にスリットが入り、効率的に光円が浮かぶように設計されていたらしい。
そこに7個を均等配置したので、スリットの正面に位置するものは1つも無いもんだから光円が出来ない上に、スリットに近いか遠いかで強弱の差が出来てる様だ。

ダメだコリャ…



落胆をバネに、その夜にデザインし直して新型発表(笑)
レンズカットと純正基板からLED配置を計測して、結局純正と変わらないコンサバなデザインに。
スケベ心を起こさずに最初からやっとけば良かった なんて言わないよ絶対。


まーたランプユニットを殻割りして、基板を入れ替えて、配線をハンダ付けし直して、接着剤攻撃して、再度ハサミ地獄。



試験点灯。
画像では判り難いが、初号機とは比べ物にならないくらいに綺麗な6個の光円が出来ている。
レンズカットって侮ってはいけないんだと勉強になった。
カットが適正になったおかげで見た目の光量も増えて、純正より少し眩しいぐらいだ。
自作だから特権、特権。


ついでに元から短かった配線を延長して防水処理と取り回し変更。



絶対の自信を持って臨んだ車載点灯試験。
初回の車載点灯画像と比べても、偏りの無い光り方が一目瞭然なり。
自作の独自色が無くなったにも関わらず、あまりの美しさにウフフになった。


カメラの絞りを固定して上手く写せた画像。
これでだいたい目視と同じ感じで撮れている。
左右両端だけ少し暗くイビツに見えるのはカメラレンズの正面に無いからで、ヒトが肉眼で見れば綺麗に同じ赤い円が6個並んで見える。

ようやく作業終了。
無駄も多かったけど、なんとかフィニッシュ出来たので80点評価。
今後はLEDが切れても1個単位で交換できるし。


やる人は居ないと思うけど、今回のデータを残しておくことに。

すでに書いたが、基板サイズは縦19mm/横140mm。
LED6個の配置は基板左端から7mm/32mm/57mm/83mm/108mm/133mm。
(いずれもLED発光部分の中心位置が基準)
縦方向はだいたい基板の中央でオッケー。
左上角に基板の向きを固定する切欠きがあるので注意。


結局のところ部品代原価は\2000程度なので、中古品を手に入れるより安価だ。
手間はかかるし自己満足なだけかも知れないけど、それを厭わないちょっとアレな大馬鹿者が集まるのが「みんカラ」なワケで(笑)
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Posted at 2015/09/16 05:55:09

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この記事へのコメント

2015年9月27日 5:52
素晴らしいですネ。^0^ノ
ヤパ~リ、落胆は素早く起死回生に限りますネ。
失敗は放っとくと再始動がムズかしくなりますモンね。

半年ほど前に点灯不良(6つとも)となりましたが、
同じく、原因はLEDではなく、例によって特定できずの「接触不良」。
やる方なく、半田を増し盛して、お茶を濁しましたが、
ブレーキ踏んでて落ち着きません。^^;
自作できる、って良いですねェ~。
コメントへの返答
2015年9月27日 6:19
どもども。

ルームランプでもストップランプでも、自分で基板から起こして自作すると、オリジナリティを持たせられるのもメリットですが、故障した際に自分で修理出来るのもメリットですよね。

パターンデザインとマスク作成はフリーソフトで行えるし、感光とエッチングも慣れれば大したコト無いです。

ユニバーサル基板では使えない表面実装部品やハーフピッチ部品も使えますし、配線の取り回しで座礁する事も無いですしね。

自作観が広がりますので、ぜひ挑戦して下さい。

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