
で、早速シエンタからビデオスイッチャー本体を降ろし、作り直した基板と入れ替えた。
カメラ切替機能のハードウェアに変更は無いので、新規で追加された配線は音量調整用の2本。
どちらもナビ裏のコネクタに挿すだけなので設置には大した作業も無し。
最新の純正ナビは知らないが、ウチのNHDT-W55(2005年モデル)辺りのトヨタ純正メーカー/ディーラーOPナビにはステアリングパッドスイッチとの接続の為の端子が用意されている。
上の画像の様に、ウチのナビでは冷却ファンの下に陣取る20ピン狭ピッチのコネクタ(配線図での呼称はD29)である。
シエンタではメーカーOPナビの場合のみ、運転席下のナビコンピュータとの通信の為に必要となり、1/2/4/5ピンのみを使用するので、その為にソコだけ配線が入っている。

ディーラーOPナビの場合は不必要なのでコネクタは挿さずに遊んでいるか、挿していても機能に関係が無い。
別置きのコンピュータとの通信も無ければ、シエンタ(つーか少なくとも前期)にはステアリングパッドスイッチの設定が無いからである。
ただしナビ本体側はシエンタ以外の車種にも載る可能性があるので、これらの機能は持っている。
(当時の同時期であれば10系アルファードや20系ラウムなどがステアリングパッドスイッチ搭載グレードがある)
つまりシエンタの車両側ハーネスコネクタに配線が無く、ステアリングパッドスイッチが無いから使えないだけで、配線を繋いでステアリングパッドスイッチと同等の回路を自前で用意すれば、外部から音量やシーク操作が行えるワケだ。
で、これらをやっている先人は多数いらっしゃるし、公開されたデータもある。
ただ、外部スイッチを備えて手動操作をするだけでは面白くない。
そこで今回考えたのが、マイコンによる「車速感応自動音量調整」なワケだ。
今回は音量調整だけなので、D29コネクタの6/7ピンの2つだけで事足りる。
で、トヨタでリペアハーネスを発注しようとしたら、1本500円以上すると言われた。
配線.コムで調べて端子のみを発注しても良かったが、2本だけだし送料や到着までの時間・手間を考えると大した差でも無いので、そのままトヨタで発注した。
届いたリペアハーネスをD29コネクタの6/7ピンに挿して、マイコン側の制御線と接続、コネクタをナビに挿して作業は終わり。
6ピンはナビ内部回路上のグラウンドらしく、7ピンから抵抗経由で6ピンに落とす構成らしい。
1kオームで落とせば音量+1、3.2kオームで落とせば音量-1、おそらく内部の抵抗と分圧を構成し出力電圧を見てると思われ。
実際のスイッチ内部では300オームを経由して700オームか2.2kオームで落としてる様だが、基板製作が面倒なのと、マイコン制御なので同時押しなどの心配も要らないから、簡略化した回路構成にした。
単純に2SC1815を使ったスイッチングだが、不安だったCE間飽和電圧もたかだか0.2V以下程度なので影響も無かったらしく、無事に制御テストも完了できた。

※実際には3.2kは無いので3.3kを使用してます
本番プログラムでは「停車」「25km/hまで」「50km/hまで」「50km/h以上」の4ゾーンに分けて、ゾーン移行ごとに音量を+2/-2してみたが、トラブル無く音量が変化する。
あまりに単純な速度ゾーン分けと調整幅だったので、色々とミスマッチな場面があったが、それは今後の走行時にフィールチェックをして修正していく予定。
車速に合わせて音量が自動で調整され、画面に音量表示が出るのは不思議な気分だがなかなか快適だ。
走行中はガンガン鳴っている音楽も、停車時には外に漏れない程度まで減音されててウフフとニヤけてしまった。
時おり交差点で停車中の車内からド演歌が鳴り響いているオッチャンのクルマが居たりするんだが、あれほどの強心臓を持ち合わせない小心者は、手間と工夫で乗り切るしか無いのである。
ちなみに音量操作の実体プログラムはタイマー0割り込み処理内で行い、メインプログラム側では車速に応じた音量調整幅を数値で指示する構成。
ボタン押下時間は0.15秒、その後無効時間を0.35秒取り、1秒当たり2回の速度で音量調整を行っている。
結局のところ+7も取れば高速道路走行でも聞き取れる程度なんだが、自動で調整してくれるのは意外と有難い。
Posted at 2012/10/05 02:03:46 | |
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