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私が入社した頃、パソコンなんてものは仕事場に有りませんでした。
マイコンが一部マニアに使われ出した程度で、仕事で使う物ではなく、趣味の世界でした。

その後、オフィスコンピュータなるものが導入され始め、給与計算や会計処理、在庫管理などに使われていました。

ワープロは専用機が出始めたくらいで、超高額商品。

そういやFAXも、送信機と受信機が分かれていて、電話機がつながっておりやした。

会社での書類は手書きが基本。業務によってはテレックスという、電話回線のように特定相手に接続して、コチラでタイプした文字が相手側に印字される機械を使ってました。

今の若い方からは想像できないでしょうが、それでも仕事は成立していたし、もっと世の中全体に余裕があったように感じます。

それはともかく
中学とか高校の頃、オリベッティとかブラザーとかのタイプライターに憧れました。
英文なんて書けないけど、KBを押すと先端に活字の付いたアームが起き上がり、インクリボンの上から紙に活字を叩きつけるという動作が、メカ好きにはたまらんものがあったのもんで。

新聞記者や小説家が使っているタイプライター。映画の中しか知りませんが、タイプライターを使っている姿がなんかかっこ良く見えるのは私だけでしょうか。

KBを叩いて行末まで書いたら手で改行させる一連の動作が素敵に見えます。
あと、書き損じた時、紙をビリッ！と破いて丸めて後ろに投げるという行為も憧れでした。



キューブリックの「シャイニング」という作品で、ジャックニコルソン演じる小説家が雪に囲まれたホテルのロビーで小説を書いていて、タイプされた原稿を奥さんが見たら同じ文章が延々と書かれていたというシーンは、夫が狂気な世界に浸っていたことが発覚するきっかけとなる名シーンです。

と、映画の小道具としてもタイプライターは活躍してますね。





そんな「タイプライターを使う人」を主人公にした、夏に公開予定の「タイピスト」という作品が面白そう。
※ このことを書くために、長い前振りでした。

１９５８年が舞台のこの作品、どんなフランス車が登場するのでしょう？
この予告編にもチラチラと何台か映ってますが、一時停止して画面を拡大してもさすがに一部分過ぎて車名はわかりませんでした。



なんか古いアメリカのコメディタッチな気配はあるけど、それが狙いなのかもしれません。


夏の公開が待ち遠しい作品です。

おしまい