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2025年式RAV4 Adventure感想文(第二版) - RAV4
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ノイマイヤー
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トヨタ / RAV4
アドベンチャー_E-Four(CVT_2.5_ハイブリッド) (2025年) -
- レビュー日:2026年7月10日
- 乗車人数:2人
- 使用目的:その他
おすすめ度: 3
- 満足している点
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1.初代を継承した操安
2.マイルドな乗り心地
3.軽くなったドア操作力
4.充分な動力性能と省燃費のバランス
5.寄らば大樹の陰という安心感 - 不満な点
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1.残クレを意識?490万円という開始価格
2.ボディサイズは実質的に国内フルサイズ。
3.グレード間格差のあるNV性能
3.誤動作し易いエレクトロシフトマチック
4.退化した前席シートのホールド性
5.痛し痒しの仕様設定(パドルシフトやアダプティブハイビーム) - 総評
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諸般の事情により画像の見直しを実施した改訂版の再発行となった
遠ざかったのはRAV4なのか?我々なのか?
新型RAV4はヒット作ゆえの“合理的すぎる正常進化”であり、革新より維持を選んだ。その結果、ユーザーとの距離が生まれつつあると感じた。
日本のライトクロカンの草分け的存在で世界的なコンパクト(?)SUVとなったRAV4が2025年12月に全面改良された。大ヒットした先代は従来までのシティ派SUVからアウトドアゴリゴリのオフローダー風のポジションへ。おりからのアウトドアブームに波に乗ることに成功し今の地位を築いた。
6代目となる新型は先代のキープコンセプトである。ハンマーヘッドなる共通化した顔つきと先代より長くなったルーフとワゴンライクに切り立ったバックドアによって新型だと分かる。
軸距は先代と同じでP/Fも先代の改良レベルゆえボディサイズも大きく変わらない。全長4600mm×全幅1860mm×全高1690mmという3サイズは国際的にはスモールSUVでも日本国内では大柄な国際サイズで狭隘な旧い住宅街では難儀する事だろう。室内空間も大きく変わらず、従ってステアリング位置が中央へずれているなど先代の欠点も引き継がれている。

E/Gは先代までの2LガソリンE/Gは輸出向けのみとなり、国内では2.5LのHEVとPHEVのみとなった。動力性能や燃費性能は既に高いレベルにあり、先代で大変気になった低レベルなNV性能(同クラスで最も賑やか)は6年分の進化だけはさせてあるが、誇れるレベルには達していない。グレード間格差もあり、ZとAdventureでは後者の方が騒がしく、恐らくタイヤの差だけではない仕様差もありそうだ。
一方でハイブリッドのパイオニアとしてのプライドが感じられる燃費性能は動力性能を上げているのに未だにクラストップレベルを維持しているのは偉大だ。また初代から守られてきた操縦性の良さもあってRAV4らしさも残っている。
残念なのは先代との比較で内装の質感はグレードダウンし、恐らくその余力は新OS「アリーン」に使われているのだろう。車が高度に情報化していく中で、各装備との連携や多くの情報を処理するためにOSの刷新が必要だったと思われるが、その頭出しをRAV4で行うというあたりがチャレンジングだ。
アリーンによって運転支援機能のレベルアップが図れ、今後のOTA(Over The Air)によるソフトウェアアップデートなどのメリットがあるが、コネクテッドカーのメリットはユーザーよりもビッグデータを得るメーカー側にメリットが多い。初期のコネクテッドカーの様に車とメールができるとか意味不明な機能ではなく運転支援というメリットがあるだけ多少はマシになっていると言える。
日本仕様のグレードラインナップは最上級のZとアドベンチャーの二種類でどちらも2.5THSのE-FOUR一本である。海外仕様にはあるガソリン車がカタログ落ちしたことで税込み開始価格が450万円とびっくりするレベルになった。
旧アドベンチャーTHS(433.2万円)から比べれば17万円アップだが、旧ガソリンFF車(323.7万円)からは約125万円もいままでRAV4を支えてきた一般的購買層には敷居が高くなっている。彼らに現金で買わせない、残クレで契約させるというつもりなら都合がいい設定だとは思う。
人気のあるRAV4を手堅くFMCさせたことでしばらくはこのクラスのベンチマークとして競合と有利な戦いを繰り広げるはずだ。今後はハリアーやレクサスNXのFMCが控えているのだろうがRAV4がこの価格帯だとハリアーは500万円台スタートになりクラウンSUV系の領域に踏み込んでしまう事も懸念される。そろそろSUVが増えすぎて市場が飽和してくるのではないか。
RAV4と競合する国産ブランドはRAV4を徹底的に調査したうえで対策を練るのだろう。NVに力を入れる日産、ガソリン車がある事で廉価で4WD性能が高いスバルなどは戦いやすいが、ホンダは既に4年前に発売されたCR-Vをタイからの輸入に頼りながら、割高な価格で闘わざるを得ず、厳しい。また昨今のラージ系SUVの商業的失敗によって自信を無くしたのか堅実なマイルドハイブリッドを積んでプライスリーダーとなったマツダは質感低下の指摘を受けないか懸念がある。さすが激戦区のセグメントゆえ、このクラスを検討するなら各社の個性が際立って選び甲斐がありそうだ。
RAV4は王者らしく、更新済の既存プラットフォームを上手に使い将来のSDV(Software Defined Vehicle)を意識した車内OSの一新などに投資を行いつつ、いわゆる自動車としての基本性能は据え置き、もしくは簡素化されている。それは致命的な欠点があって対策せざるを得ないとか、競合との戦い方を変えるためキャラ変に投資を行うといった必要が無いヒット作らしいフルモデルチェンジである。元よりトヨタが培ってきた信頼性とリセールバリュを維持し、出力を向上させつつも燃費は向上している。
「これで売れているんだから別に良いだろ!」という奢りを感じないわけではないが、非常に作り手にとって合理的なフルモデルチェンジとなった。致命的な欠点は無く、燃費もいいが総合的に内容を考えればお買い得とも言えない。もちろん、RAV4の楽しいキャラクターを元に足りないところをカスタムするなら良いのだが、それにしても価格の割高感は拭えず、もっと安く手に入れたい。
人に相談されたと仮定して新型RAV4のベストバイは一番安いAdventure。こだわり派には敢えてPHEVのZを薦める。しかし、クルマに求めるものが明確なら選択肢が豊富なこのクラスの競合車をしっかり確かめてから決めた方が良い。

次こそは大きな変革があるのでは無いかと大胆に予想したい。遠ざかったのはRAV4、我々のどちらなのか──その答えは、次の大変革(2030年代?)で明らかになると私は考える。
- デザイン
- 3
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エクステリア
新型RAV4のエクステリアデザインはタイヤの存在を強調した「Big Foot」、キビキビとした高い走破性を想起させる「Lift-up」、なんでもできそうな使いやすい荷室空間を確保する「Utility」をキーワードにデザインされている。この3つの要素で「どこへでも行けそう」なRAV4らしさを表現している。
どこへでも行けそう(実際にいけなくてもいい)という感覚はまさしく初代に乗る私が初代に乗り始めた時に持った感覚である。それをテーマに掲げている点では初代の精神を継承しているとも言えそうだ。
先代同様エッジの効いたシャープなキャラクターラインやパネル分割を行っているが新型はFrマスクがトヨタ共通の「ハンマーヘッド」デザインを採用するという制約を受けつつ、3種類の顔が選べる。一つ目は標準顔、二つ目がアドベンチャー顔、三つ目がGR顔である。

ヘッドライト自体は共通でグリル一体型バンパーで顔つきを変えている。標準顔はボディ同色の幾何学メッシュパターン、AdventureもGRも大きなグリル開口をアピールしているが、近づいてちゃんと見れば実際に空いている開口部は本当にごく一部である。大開口グリル=大排気量E/G=高性能・高級というイメージから脱却できていないセンスが残念なのか、それを見て何となく肯定している我々が残念なのか難しい問題だ。
試乗車はAdventureだが、よく観察すると疑似グリルは洗車の水滴が拭けなくなりそうな鋭角で深い溝が多数あり、セーム革が入らなくて拭上げが難しそうだ。またシボが浅いので飛び石による損傷が目立ちそうな懸念を持った。展示車は早くも傷が付いていた。

ヘッドライトは全車プロジェクター式LEDランプになった。Adventureにはライト下に黒いカバーが付いている。ヘッドランプクリーナー?と思ったが機能を持たず意匠のための黒カバーだった。遠目に見た時にヘッドライトに縦の流れがアドインされて、どこかランクルっぽくもなるのだから面白い。思えばトヨタは上級車種のイメージを上手く下方展開する術に長けていた。「ナントカ・ミニ」みたいに直接的にやらないところが双方のプライドを傷つけずに販売を伸ばす方法だと今もトヨタは分かっているのだ。

サイドビューはベルトラインが水平基調となりバックドアが立てられたことで明るいキャビンと実用的な荷室が得られている。ルーフが伸びたことは空力的にもプラスだろう。そのうえで実用一辺倒の車に見せないようにドアに入れられたキャラクターラインやRrホイールアーチの張り出しによって重たい印象を軽減することに成功している。またデザインを再現する製造品質が先代より向上した。具体的にはFrバンパーとヘッドライトの見切りやベルトラインモール端末の跳ね上がりなどが綺麗に収まっている点は目ざとく確認したがクオリティアップを感じた。



リアビューはプジョー味が感じられるが、アクリル導光板をによる未来的な光り方とワイドなリアビューになった。中央には流行中の離れ文字「RAV4ロゴ」が配置される。この離れ文字も30年経つと「懐かしい」と言われるだろう。
総じてトヨタトレンドを継承した要素によって先代からの違いは感じる。その上で空力や荷室容量を意識したスクエアな諸元を上手くデザインでカバーしていると感じられる。また、装飾的なキャラクターラインがたくさん入っている割には手で触ってみても車体外板の剛性が充分確保されていて「SUVらしく頼れそうな感じ」が演出されているのも良い。
インテリア
内装は先代同様、冒険感があるSUVらしい水平基調のインパネだ。「Inter Locked Big Shell」というテーマなのだそうだ。水平基調で中央には12.9インチのディスプレイが標準装備されている。(AM/FMラジオと入力端子、Apple/Androidと連携機能付き)昨今はディスプレイオーディオのインチ数を競う流れが続いているが、格上のアルファードでは14インチが存在する。定量的で分かり易い部位ゆえにいずれ15、16インチと拡大する傾向はしばらく続きそうだ。

大型化するディスプレイオーディオとは反対に、メーターはフル液晶で12.3インチ。横長で厚みも薄いのでまるでタブレットをそこに置いたかのように存在感がない。こうやって内装の勢力図は時代と共に移り変わっていくのだ。
さて、水平基調のインパネの上部は薄く見晴らし感は良い。中央には骨太センタークラスターが運転席と助手席を隔てており、力強いSUV感を醸し出している。一等地にはドライブモードセレクトスイッチが配置され、その間には一般的にヒーコンの液晶表示が入りそうなものだが、大型ディスプレイオーディオによって統合されて空き地になった事を活かしてスマホを差し込め、非接触充電ができる。もちろんUSBコンセントは5カ所に装備されており、スマホ依存症の皆さんにも配慮している。
ところで、新型RAV4は先代と比べると質感表現(CMF)が退化している点は気になった。元々RAV4という車は質感という言葉からは遠い存在で安いプラスチッキーなインテリアでありながら、道具感や親しみやすさを先行させていた。私が所有する初代も、革シボのカチカチ樹脂を基本としてセンタークラスターとメータークラスターを当時ポピュラーだったCDラジカセに似た質感の黒樹脂を使った。これは当時の若者が良く持っていたレジャー用品をイメージしたからである。当時のRAV4は若者向けで安価である必要があり、伝統的な質感表現(本物感のあるマテリアルの使用)などを使うには予算不足だったのも事実だろう。
そんなRAV4は世代を追うごとに販売台数が伸び、主戦場が北米や中国に移り、SUVがセダンの代わりに選ばれる中心的なボディタイプになると徐々にその質感表現が充実し始める。
先代となる5代目では「カーライクSUV」から土臭さを取り戻したのだが、質感表現は進化してインパネが全面ソフトパッドになった。このほか、実際に手で触れる機会が多いヒーコンダイヤルやドライブモードセレクトのスイッチにはヘリカル模様入りのゴムを巻いた操作性のいいダイヤルを奢るなど、歴代最良の質感を誇った。
先代の次に新型を見ると、明確にグレードダウンしてしまった感じがぬぐえない。インパネはカチカチになり、触感に拘ったスイッチ類は味気ない物理ボタンになっている。新型の低重心で広がり感のある表皮巻きオーナメントやドアトリムとのつながりや「テックカモ」という内装トリムも決して悪くないと私は思うが、事実を述べればインパネの素材選びは2世代前のRAV4に並ぶレベルで現代のBセグ級なのはつらい。

作り手からすれば「カチカチインパネこそがRAV4の伝統である」と反論するかも知れないが、すでにRAV4は日本で450万円以上という高価格帯に位置する乗用車である。クロカンのスターレット的扱いだった初代(159.8万円~)がカチカチでも文句を言う人は少ないが、高額化した新型だと文句を言いたくなる気持ちは理解できる。特に先代保有層をガッカリさせてしまうだろう。
実際、競合車と比較してもCR-Vやエクストレイルはちょっと世代が旧いことも手伝ってソフトパッドやクロームメッキなどそれなりの質感表現をしている。一方でトランプ関税の中で開発されたRAV4やCX-5の様な新しいモデルはプラスチッキーになったことで、再びこのクラスの質感表現が控えめになる潮流も感じざるを得なかった。やはり価格に見合った質感表現が欲しい。
エクステリア3.5★、内装3★の総合★3だ。先代の内装が好きだった人からすれば★2かもしれない。 - 走行性能
- 3
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試乗車に乗り込んだ。きっとドアを閉めたときに先代ユーザーは感動するだろう。ドアを閉めるのに馬鹿力が不要になった。先代はドアトリムのグリップが前方にあり、重心よりもヒンジ側に近い位置で閉めていたので実力以上に重く、特にRrドアは締め切れずに半ドアになってしまう事もあった。新型では改良されており喜ばしい。

ドラポジは先代と変わらない。各コンポーネントは先代流用だろうから変わらないのは当たり前だ。だから、ステアリングセンターと着座中心がずれている(ステアリング軸が中央寄り)なのも同じだ。

トヨタ車に乗る時に私が予め行う動作がある。それはPDAをOFFにすることだ。しつこいようだが、PDAとは「プロアクティブ・ドライビング・アシスト」の略でドライバーが知らず知らずのうちに危険に近づく、その芽を摘むための装備である。具体的には危険に近づいているとPDAが判断した場合、そこから離れるように減速や操舵を支援する。
例えば市街地で定常走行をしていると、前方で信号が赤から青に変わろうとしているとしよう。自分が通過する時分には信号が青に変わっている事が分かっている場合、アクセルオフしつつ惰行で交差点に近づきたくなるところだが前方の車両が減速を始めると、車間距離を維持しようとして早期に勝手にブレーキをかけてしまう。あらゆるシーンでPDAが私の意図を汲まない安全行動をとってしまう。思い通り走れないという時点で私にとっては許しがたい装備なので即刻OFFにするのだ。これが、前方不注意(携帯を見ながら運転しているなど)状態ならPDAは親切な装備になるが、ちゃんと前を見た上で意図的に車間距離をマネジメントしている時にはお節介甚だしい。
前置きが大変長くなったが、とにかく私はPDAが嫌なのだ。まだカットさせてくれるだけありがたいとは思うが、自動運転に近づくと言うことは安全に対する責任が緩和されると同時に、身体能力を拡張し思い通りに動かす気持ちよさも取上げられてしまうように感じる事は、みんカラを読んでいる人には理解していただけると思う。

さて、RAV4の走り出しがグッドレスポンスで力強いのは最近のTHSらしい美点だ。トヨタの車がTNGAと名乗り始めてからのハイブリッド車はE/Gがかかりにくくなった。市街地走行では余程アクセルを踏み込まない限りモーター走行で走ってくれる。ちょっとした加速や登坂といったシーンでも涼しい顔をしてモーター走行が続くあたりはさすが最新式のハイブリッド車である。10年前のハイブリッド車はアクセルを踏み込んだ途端にE/Gが起動してガッカリしていたからだ。

市街地を走っていてもSUVらしい視界の高さやファットなタイヤゆえか新しいダンパーの底力なのか突き上げが控えめな美点は楽しめる。回生ブレーキのカックン感は既に申し分ないレベルに抑えられているし、ステアリングを切れば癖無く行きたい方向に曲がってくれる。初代RAV4の時代のようにモノコック構造であるがゆえに従来のトラックベースSUVと違って身のこなしが軽いというだけでスポーティと呼ばれる時代ではなくなったが、扱いやすく快適だという事は事実だ。
交差点の右左折で大きな死角もないし、ベルトラインは水平になり、駐車時には左クオーターガラスが大きくなって見易く、シートベルトリトラクタがRr席後方配置のためCピラーが細いのも実用面ではプラスだ。

そして運転支援機能としてもパノラミックビューモニターは当然としても画面がとてつもなく大きくてキレイだ。狭い市街地でUターンなどをする際、最小回転半径5.7mという曲がらない巨体を扱うには役に立つし、新しいショッピングセンターの駐車場(U字区画)なら、モニター頼りでギリギリまで寄せながら駐車すれば大きさを感じることもない。全幅1880mm(Z系は1865mm)という車幅は厄介だが全長4600mmというのがせめてもの救いだ。車幅の大きさは狭い路地のすれ違いなどで効いてくる。モニターとクリソナ警告音を頼りにギリギリまで寄せることで多少はカバーできるが、そういうデバイスを使わず何となく真ん中を走りがちなドライバーがRAV4に乗ると、対向車に怖い思いをさせるだろうし都市の集合住宅に多い機械式駐車場のパレットは幅1850mmを限度としている事が多いのでそれだけでRAV4が選ばれなくなってしまう。(蛇足だが都市部での拡販を目指すといっていた新型CX-5の全幅が1860mmなのも疑問だ)
かつて恐竜に例えられたこともある旧き佳き時代のアメリカ車の全幅は79.9inch(2029mm)現代のフルサイズSUVも2000mm程度である。どういう顧客が求めてるのかさっぱり分からないが、そろそろサチるところまで来ている。車幅が広いとカッコ良いから、と無邪気にスケッチを描いてる場合ではない。国内で使うなら、RAV4はフルサイズと言える車幅である事は留意されたい。(アルファードですら1850mmである)

EVモードで走り始める際に外の音が聞こえやすい欠点は多少緩和されたが、完全に消す程のところまで行っていない。途中でE/Gが起動する時の違和感はまだ消し切れていないからだ。THSの場合、モーター走行からE/Gが起動するとE/Gの稼働時間を減らすため最大効率点で運転するため回転数が急に上がってしまう。さらに一瞬こもる感じが出るのも気になるレベルである。ボディの共振周波数コントロールがうまく行っていないのか。
ただし先代RAV4と比べれば、高い音は少し静かになったような気もするが気のせいかも知れない。些細な事だがE/Gルームから室内に音が漏れないようにカウルに着いているシールゴムをギリギリ外まで引き、発泡ウレタンでしっかり隙詰めを行うといったトヨタらしからぬ緻密な作り込みも垣間見えたので多少はなんとかしようと思った人がいたのかも知れない。
逆に後方から聞こえてくる音(Rr荷室から音が通り抜けている)は先代から余り進歩がない。前後席の会話はロードノイズなど外からの音にかき消される感覚が強かった。先代はとても気になるレベルだったので、多少は改善されているのだろうが競合レベルでは劣る。
一方、日産のe-POWERの場合、周囲の騒音に紛れさせるため、低い回転数で発電専用E/Gを回す。そして防音材をしっかりと敷き詰めることでE/Gの存在に気付かせないことを愚直にやっている。この差が「BEV感」に影響していると考えられる。
燃費を良くしたいTHSとBEVの世界をHEVで再現したいe-POWERのコンセプトの差なのだが、THSはもう少しレベルアップを望みたい。日産の持つ「BEV感」をベンチマークしてくれるとTHSの完全勝利になると思うのだが、先代も売れているから特に直す気は無いらしい。
THSはE/Gによって発電した電力を使ってモーター駆動するだけでなく、E/Gで直接駆動を行うモードもあるが、E/Gが始動すると電気式CVTと呼ばれる由縁なのか駆動力やドライバーの意志に関係なくE/Gの起動停止や回転数上昇がある。本当はE/Gの存在感を日産並みに消せれば、THSを不自然なフィーリングと称する否定的な層に対してもアピールになるはずなのにその点が新型RAV4は残念である。
市街地の印象は★3 車体が大柄で運転支援機能に頼った場合の評点。パノラミックビューモニターを標準化しているのは日本国内の取り回し性能を考えてもはや「甘やかしの贅沢装備」ではないからだろう。せっかくのパフォーマンスをボディサイズが邪魔をしていて扱いにくさに繋がっているため、本当は4★だったが1減じた。 - 乗り心地
- 3
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次に高速道路を走らせた。動力性能自体は素晴らしいものでシステム出力は240psと先代(222ps)よりパワーアップを果たしている。0-100KPH加速は7.5秒から8.6秒(ネット情報)らしい。確かに実感としても一致していた。フリーウェイの合流で加速性能が求められる北米仕様と基本的に同じユニットであり、これだけ加速性能があれば物足りないと思うことは無いはずだ。
ここでもNV性能はやはり水準未満のレベル感だ。まず、ロードノイズがうるさく、ゴー音とさらに高いコー音が目立つ。もしかするとAdventure用タイヤが特に悪いのかも知れない。ロードノイズは操安との背反が大きいので、RAV4らしいキビキビ感のトレードオフでこうなっているのかも知れない。また、ミラーからのバサバサ音が大きい事、またEV走行からE/Gが起動する際にショックを感じるのは洗練からほど遠い。
ちなみに、NV性能の中で特にN(Noise)に関してはAdventureよりZの方がレベルが高かった。特にE/GノイズやRrから抜けてくる音が随分良くなっていたので対策が入っていると思われる。Adventureは廉価グレード扱いなので差別化されているのだろう。今後、ノアで行ったようにNVのレベルアップを後加工で実施できるようになるかも知れないが、NVが気になる人は今はZを選ぶ方が良いだろう。
ただ、高速道路での印象は先代から大きく変わらない。長距離ツーリングでもパワーは元々充分だし、どっしりしたステアリングや突き上げのない乗り心地などは継承されている。SUVという枠組みの中ではRAV4は充分納得感がある。追い越し時など敢えて強い加速をさせる様なシーンで深くアクセルを踏み込まない限り、音質の悪いE/Gノイズが室内に入ることはない。登り坂では若干E/Gノイズの脈動感やこもり音が首をもたげるが、もともと新型RAV4はこもり音に対して余りケアできてない様に感じる。これは日本人くらいしかこもり音を気にしないゆえの海外優先の味付けの一種なのだろうか。

RAV4をワインディングへ持ち込んだ。ラリーが行われるようなあの辺りをコースに選んだが、初代以来の「キビキビ」は確かに感じられる。コーナリング中に切り足し/戻しが少なく車体が軋むようなそぶりも見せない。動力性能は充分以上にあるし、Adventureはシフトマチック(7速疑似マニュアルモード)で減速度の調整もでき、フットブレーキのフィーリングも良くなっているからだ。あと少し、操舵初期のロールがもう少し抑制されればさらに安心感が増す。また、シートバックが先代と比べて形状変更されて平板になったため、上部のサポートが不足している事も安心感に対する指摘の原因の一つだ。
ただ、ワインディングは狭い道が多いので、ここでも車幅を感じてしまう。私が好む1700mm未満の小型車だと、自由なライン取りが楽しめて自分の意志を進路に反映できるが、車幅1860mmともなると、車線内に収めて置くだけで手一杯になってしまう。一般的な道路の幅は片側3000mmあるのだが、ワインディング路はコーナーの曲率半径が小さいため、さらに難しくなる。世の中には実際の車幅は大きいがホイールベースも短く、大きさを感じさせない車もあるがRAV4はサイズなりの大きさを感じさせる。海外では小型SUVにカテゴライズされるRAV4だが日本でRAV4らしくキビキビ走らせるには限界に近い。
それでもTHSの洗練度はワインディングでも感じられ、窓を開けてゆっくりと走らせればモーター走行となり鳥のさえずりや滝の音が楽しめる。これは、E/Gがかかりっぱなしの私の初代3ドアでは味わえない新型RAV4らしい贅沢なひと時だ。低速登坂でも1分くらいはモーター走行が続くのも大したものだ。(E/G起動するとじゃみじゃみした音質が直接聞こえるのは残念)

ところで、Zの試乗車を擁するディーラーでZ(HEV)を運転する機会に恵まれた。Adventureで気になったNVの悪さはワンランク上だったことを実感したが、エレクトロシフトマチック(一方向操作方式)というシフト操作は混乱させられた。Pレンジはスイッチであり、READY後はシフトを後ろ(手前方向)に引いてDレンジに入れれば走り出せる。そこからBレンジにシフトするには手前方向に引くのだが、問題はDレンジに復帰させるときも後ろ(手前方向)に引かねばならないロジックが直感的ではなく分かりにくかった。つい、前(進行方向)に押してしまいNに入ってしまう。Rには安全のため入らないが、暴走対策なのかNに入ってしまう。2代目プリウスでお馴染みだったD「右→下」、B「下」というシフトの方が分かり易さは上だと思った。高齢者による暴走事故が増えた時期にプリウス式は分かりにくいと批判を受けたこともあったが、あれはホームポジションに戻ってシフト位置が直感的にわからないからなのに、その部分を維持して更に分かりにくくしてどうするのか。とても無理だとは言わないが、今のドライバーは下り坂や高速道路からSAに入るときなどBレンジで減速しないのだろうか。減速動作を全てフットブレーキで処理する人には理解してもらえない欠点かもしれない。
高速道路ではロードノイズや風切り音が目立つので先代からの進歩はあまり感じなかった。ただしZとAdventureは乗り比べると明らかに前車の方が静かなので購入予定者は乗り比べることを推奨する。それ以外は長距離ツーリングでも疲労感を少なく抑えながら旅行が楽しめる実力はあるだろう。ワインディング路では車幅ゆえ、持て余しがちで慎重なハンドルさばきが求められる。持っているものは悪くないのに大きさがネックだ上記を勘案して★3とする。
また、乗り心地や操縦性は水準よりも高いと感じたが、静粛性が劣るため総じて★3とする。 - 積載性
- 3
-
前述したとおり、新型と言えども先代のコンポーネントの多くを流用したフルモデルチェンジゆえ、居住性や積載性に関して劇的に何かが変わったという印象は無い。
前席は水平基調で視覚的にも広々としており、頭上こぶし2個分の充分なヘッドクリアランスがある。ドラポジは相変わらずステアリング中心がシート中心から数センチズレたままで先代から何も進歩していない。恐らくキャリーオーバーなのだろう。
後席も家族や友人を乗せるには充分な広さがある。前席を私のドラポジに合わせながら後席の余裕を確認すると、頭上こぶし2個分、膝前はこぶし4個分もあるので、脚が組める広さといっても良いかもしれない。ただし、着座姿勢は低めで座面が平板なため、足を前方に投げ出すスタイルになるので足の収まりはあまり良くない。フロアが高く前席座面の下につま先があまり入らないのである。

まさかと思って前席フロアを確認すると丁度ペダルを操作する踵が来る地点より後ろがこんもり盛り上がっていた。あまり変わっていないように見えて、しっかり電動化対応済のP/Fに生まれ変わっている。あと少し後席ペラペラの座面のボリュームを上げてヒップポイントを高めることで足を後に引くように座らせれば違和感も減ったのだが残念だ。しかし、シートを骨格に直置きして操安を高めた構造は継承されたが、足に当たる量自体は減少している点は小さな改良として技術者の誠意を認めたい。(競合はもっとレベルが高いので改良を続けていただきたい)
競合車には後席であってもシートスライドやフルリクライニングを奢ったものもあるがRAV4は一段の簡易リクライニングのみである。フルフラットになります、というアピールはできないが例えば早朝のスキー場で仮眠を取るくらいなら充分役には立ちそうなレベルにはありそうだ。

後席アメニティとしてUSBコンセントやA/C吹出し口が備わっており後席の快適性が確保されている。一応は大人4人がしっかり乗れる空間があるので、後席でもスマホを見たり音楽を聴いたり楽しめそうだ。さらに既に指摘した走行中Rrから抜けてくる騒音レベルをせめて強豪並に引き上げれば、前席の乗員との車内コミュニケーションも弾むのではないか。(Adventureは特に気になる)
収納面ではデザインでも触れたリバーシブルアームレストが最大の売りのようだ。操作するとガチャガチャと音を立てながら所定のギミックをこなす。トレイが浅いのでそんなに何かを置ける感じではないので、最初に数回ガチャガチャ使った後はほったらかしになりそうな予感がある。メーカーからすれば、これを活用して他車に横展開するというより、機能性の演出の一つ程度に考えているのだろう。私などは、これを活用するシーンが思い浮かばず、ディーラーで営業マンが実演してくれるのを見ても「最新の車は凄いですねぇ」と
お世辞を言って作り笑いをするので精一杯だろう。

また、インパネ側面にシークレットボックスが設定されているのはRAV4独自の装備だ。丸い蓋を外すと、ちょっとした小物を収納できる。普段は使わないものを入れておくと良いが、一体何を入れたら良いのか・・・・。梅干し?隠し金庫の鍵?交通安全祈願のお守り?あの重大な証言を記録した音声ファイルが入ったSDカード?
想像力が試されるが、メーカーはこの隙間に用品のランタン(1.1万円)をつけませんか?と提案している。試乗車にはなんと装着されていた。


後年、「あったよねぇ」的な扱いになりそうな予感。
他にも改善されたドアトリムのグリップによって乗車後にドアを閉める操作が大幅に改善されている。先代の(特にRrドア)はうんざりする重さだったが、流石になんとかしようと思ったらしい。ポケット形状なのでスマホを挿したり、お菓子をそこに入れておけそうだ。ドアトリムといえば先代Adventureでは前席がシフト素材で後席は硬質樹脂だったものが、後席もソフト素材にグレードアップした。この点も耐傷付き性という意味で進歩を果たしている。
ラゲージは後席シートバックまでの容積で考えるとさほど変わらないはずだが、フル積載ともなるとQTRピラーを立てたことが効いてくる。デッキボード上段(通常仕様)で481L、天井の高さまで計上すれば705Lもの大容量を誇る。デッキサイドトリムが相変わらずの樹脂カチカチで荷物の積み下ろしで傷つきそうなBセグレベルの仕様なのには閉口した。この価格帯、このサイズでは植毛仕上げであって欲しいし、硬質樹脂ならばせめて何らかの配慮が欲しい。ZR-Vは傷が目立ちにくい意匠パターンを考案し、CX-5は各部をコストダウンしたものの、デッキサイドトリムは植毛で持ちこたえている。あんまりRAV4の顧客は荷物を積んだときの傷つきを気にしない方が多いのかもしれない。(或いは傷つけないように気遣い作業をしているのか)

デッキ床面はフラットで後席を倒した時にさらにフラットになるようにシートバックのアンコを減らしたらしい。若干斜面になっておいて転がりやすいものを置くと車外に出てしまいそうになるので、2段デッキボードを使って床面を下げると良い。

上の写真は用品モリモリなRr荷室スペースである。トノカバーは操作時に掴む部分が大胆に廃止されていて指でつまむようにして操作しなければならないのが非常に不便だ。使う人が少ないのから用品扱いなのは分かるが、わざわざ金を出して売るのだから純正クオリティの使用性を望む。Amazonで粗製濫造される大陸製アクセサリーと同じ感覚では困るからだ。
日常的な買い物からDIY家具や旅行の荷物、あるいは趣味の道具やアウトドア用品を積み込むだけの容積を提供し、豊富なオプション群や3rdパーティ製のアクセサリーを使って作り上げる楽しみも提供されるだろう。その意味ではRAV4はハコさえあれば良く、そこに質感は求められていないということかなとも思った。
居住性・積載性に評点をつけるならば★3だ。ミニバンほどではないが充分な広さがあり、ステーションワゴン的な使い方もできる。ただ、クラスを超えるようなというレベルではないし標準的な域。エクストレイルのようにミニバン的演出(ロールシェードや3ゾーンA/C)は無いが別にスライドドアじゃなくても良いというファミリーユースにも充分使えるし、いざとなったら、CRS(チャイルドシート)をつけていてもセンター席に座れそうだ。ステアリングの左右ズレが改善され、後席のフルリクライニングやスライド機構が備わるなど後席居住性の改善があれば★4も可能だと思う。或いは、後席座面を引き起こし式にするなど工夫して荷台をフラットにする工夫があると良い。 - 燃費
- 5
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初代RAV4は本格クロカン的な見た目でありながら軽量なモノコック構造や副変速機を持たない簡素なメカニズムを採用し、フレーム構造の本格クロカンよりもよく走り、燃費も良いと言う立ち位置であった。ただしその絶対値は褒められたものでは無く、私が所有する3ドアMT車でもリッター10走るか走らないかというレベルである。いまやSUVが実用車の本命となった現代においては2Lクラスであっても実用燃費でも15km/L~18km/Lは堅い。実際に先代RAV4のFFガソリン車を借りて出かけた際、高速を淡々と走っていれば20km/Lに
届きそうなレベルでツーリングが楽しめるほど燃費性能は飛躍的に向上している。
使用頻度を考えると多くの割合を占める、市街地を走らせた時にハイブリッドの底力が開花する。トヨタ独自のTHSはモーター発進、モーター駆動、そしてE/Gを燃費最適領域だけで運転させているので20km/L以上を指すこともしばしばである。よっぽどアクセル全開の加速を繰り返さない限り驚異的な燃費をたたき出す。
新型は全車ハイブリッドとなってカタログ燃費は22.9km/Lを誇る。2.5Lで四輪駆動で1.7t超のSUVの燃費である。部分改良とは言え、HEVシステムはモーター出力向上やPCU改良など、動力分割機構という鉄板メカニズムはそのままに周辺機器の洗練で進化を果たした。この巨体でこの走りで20km/L急の燃費をたたき出す事実は省燃費技術の高さを否応なしに分からせてくる。

写真は今回の試乗でたたき出した燃費である。高速半分、1/4市街地、1/4山道という感じだが高速燃費も大きく悪化しない辺りは、熱効率41%を誇るE/Gの底力かも知れない。もし、低燃費技術だけが自動車の善し悪しを語る世界があるならば、このクラスで世界最良のSUVということになるだろう。
他社も追撃しているものの、カタログ値で超えるものがないということも初代プリウス以来、世界にハイブリッドカーを知らしめたトヨタのプライドを感じさせる。
実際の世界は燃費意外にも動力性能やドライバビリティ、操縦安定性やNV、悪路走破性、内外装の豪華や耐久性など様々なファクターが存在する。もし燃費だけでSUVを選ぶならRAV4を選ぶのが良いだろう。ただ、他のファクターも考える時RAV4が燃費のために切り捨てたものもあるので、安易に数値だけで拙速な判断なきことを祈りたい。
上記コメントでRAV4の燃費を腐すつもりはない。
試乗中、伸びていく燃費記録を見る度「もっと伸ばしたい」とアクセルワークが慎重になっていったほど燃費走行に夢中になった区間も存在するからだ。
今の流れを変えたい勢力によるBEVシフトという声が日増しに強くなる中でもE/G技術を捨てずに磨き続けた成果だと私は思う。得意分野を捨て、流行を追って経営的失敗をした自動車メーカーが少なくない中でこの堅実さが功を奏している。ちなみにテスラと並ぶBEV販売台数のBYDも水面下で地道にE/Gの燃焼技術を磨いている事にも触れておきたい。それでもわたし個人としてはこの燃費余力を乗り味を洗練させる方向に振って欲しいと願っている。
燃費性能は、ベストインクラスゆえ5★。 - 価格
- 2
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下記に新型RAV4の価格を示す。後に追加されたPHEVの価格も併記しておくが、価格に関して最大のトピックは2LガソリンE/Gの設定がなくなり、HEVのみとなった事が挙げられる。

先代の人気グレードアドベンチャーがHEV専用の最廉価グレードとして位置づけられ、最上級のZはHEVとPHEVが選べる。そして強烈な加速性能を誇るPHEV専用モデルとして専用外装とシャシーチューンによるGR-SPORTがフラッグシップとして設定される構図だ。
全面改良によって2019年にはFFのXで260.8万円から買えたRAV4が、2025年にはHEV・E-FOURとは言え、450万円と189.2万円も高くなっている。
2LガソリンFFと2.5Lハイブリッド4WDの価格差を比較するのが卑怯というのなら、2024年のアドベンチャー(2.5HEV)が433.2万円だから16.8万円値上げしている。実はRAV4は小改良が入るごとに価格上昇を続けていたのだ。
燃費性能向上やトヨタ独自OS「アリーン」採用による安全性能強化、SDV的性質の付与など基本性能の向上代はある。また置くだけ充電(1.3万円)、ハンズフリーパワーバックドア(7.7万円)、パノラミックビューモニター(8.8万円)が標準化されているのでお得感があるものの、アルミホイールの19→18吋化(約5万円)、シートベンチレーション削減や内外装質感低下など必ずしも良くなったばかりでは無いのである。
下記にRAV4(自動変速5ドア4WD)の価格推移を示す。1995年に「RAV4 V(ファイブ)」として発売された時点では208万円(標準)だったが、徐々に価格上昇していく。これは2代目で欧州、3代目で北米市場での拡販を狙ってボディサイズや搭載E/Gの大型化を行った影響が大きいが、それでも当時の大卒初任給(緑色)と比較すると比較的近いゾーンに位置している。具体的に言えば初代の最廉価は初任給の9.5倍、排気量が2.4Lになった2005年式でも11.1倍だった。(大卒初任給は賃金基本統計調査に拠る)

当時のRAV4のメインターゲットが若年層だったことから、手を出しやすい価格設定になっていたのだろう。ただ、我が国では賃金の上昇が抑えられ、海外との差が開いてしまう一方、RAV4は国際商品としてグローバル基準で商品作りが進んでいく。日本市場で復活を果たした2019年になると、大卒初任給の13.3倍にもなり手を出しにくい車になりつつあった。シティ派ライトクロカンとしてデビューしたRAV4も30年の歴史の中でトヨタのメインSUVとなり、宿敵CR-Vとの戦いに勝ち、主戦場が北米にかわり、ターゲットユーザーも子育てを終えて大きなミニバンが不要になったポストファミリー層になっていた。
TNGAによって動的性能が飛躍的に上がり、内外装のトリムレベルも歴代最高レベルにまで引き上げられていたので価格の高さはあれども、買いやすいグレードが残されたので極端な割高感は感じずに済んでいた。
一方で、2019年からはハイブリッド車が追加され、ガソリンE/Gの最上級とHEV最廉価は近接した価格帯に置かれていた。両車を比較すれば動力・燃費共にHEVが有利であり、従来の最上級を望む顧客層をHEVに取り込もうとしていることは価格差を見ても明らかだった。2021年の改良でもその傾向は変わらずにHEV最上級仕様としてアドベンチャー仕様が追加されている。
この様に廉価価格帯はガソリン車、高価格帯はHEVで棲み分けてきた先代に対して、2025年に発売した現行型は急激な高価格化を遂げている。先代は最上級だったHEVアドベンチャーが最廉価になり、更なる上級仕様Zが設定されている。
我が国の大卒初任給は人手不足や政治の力で徐々に改善(約26.5万円)されるも、最廉価のHEVアドベンチャーは初任給の約17倍になってしまった。これを値上げと言わずして何というのであろうか。
ちなみに、1995年当時のRAV4は初任給の9.5倍だが、17倍(330.1万円)ともなれば、当時のハイラックスサーフSSR-Gワイド(323.5万円)やランクルプラドEXワイド(320.9万円)、ソアラ2.5GT-T(331.9万円)が狙える価格なのである。
果たして機能が充実し、性能も上がったとは言えども、既に「良いのが当たり前」と言われてしまうような価格帯にあると言えるだろう。
先代では一部グレードにはFFがあり、ガソリン車も存在していたので選択肢が広かったが新型は合理化されて選択肢が減った。ユニットはHEV/PHEVで一本ずつ、駆動方式はE-FOURのみ、ボディカラーも明るい色がグッと減った。「リセールを考えると、人気のアドベンチャーか最上級のZが有利ですよ」というセールストークと北米には存在するお買い得グレードを敢えて出さないことで生産種類を減らして量産効果を出しつ高額なグレードへ強制誘導することに成功した。
本来であれば、370万円程度のところにHEVのエントリーグレードが欲しかった。事実、競合するフォレスターやCX-5はこの価格帯に選択肢を残している。燃費性能が高いTHSを積んだRAV4にこの価格帯があれば強力な吸引力があっただろう。もちろん、廉価グレードで台数を稼ぐよりも残クレで上級グレードをそこそこ売った方がビジネスとして旨みがあるのだろう。かつてのように売れ筋を見込み発注したり、奨励金目当てで大量自社登録するような「大量販時代」は過去のものである。
実はトヨタという枠組みの中ではこの価格帯に廉価グレードを設定しなくても、条件次第でbz4Xという選択肢もある。マイナーチェンジによりFFの廉価グレードを新設定し、480万円という価格で売り始めた。国からの補助金が130万円満額適用されるためにRAV4とほぼ同一サイズのSUVが350万円で買えてしまうのである。減価償却を終えたボディに改良されたBEVユニットを組み合わせて実航続距離、そして計器盤に表示される航続距離も信頼できるものになっている。デビュー初期の品質的失敗(例えば未熟なハブボルト構造)を経て商品としては磨きのかかった現行bz4Xはネバーギブアップが信条だった実にトヨタらしい対策モデルである。
つまり、いまの国内の販売現場ではRAV4の代わりにbz4Xもあれば、ハリアーもあれば、カローラクロスもある。かつてのカローラ店やオート店の取り扱い車種の中で顧客に商品提案しなければならなかった時代はとうに過ぎている。だから海外目線で作ったRAV4は海外目線の販売価格で売られ、さらに現金派が価格高騰について来られずに残クレに堕ちてくれれば、高い仕様を売って、金利で稼ぎ、数年後に良質な中古車を仕入れられるのだから言うこと無しである。
先代と比べてキャラ継承・ネガ潰し・収益改善のFMCであり、FF車やガソリン車などの選択肢も減らした結果、実際に購入する顧客目線では大幅値上げに他ならない。せめて装備や内装の質感面ではお客さんに良い車買ったなと思わせて欲しいのだが、そこもBセグ(デミオ/マツダ2)レベルに締め上げられているので辛い。
(続く) - 故障経験
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(価格続き)
これを主戦場のアメリカ視点で考えたい。
RAV4の最廉価仕様LE(日本未導入)は3.19万ドル⇒510.4万円
Adventureに相当するWoodLandは3.99万ドル⇒638.4万円である。
日本とアメリカのサラリーマンの平均年収を比較すると、それぞれ478万円(国税庁 民間給与実態統計調査)と6.2万ドル(米国労働統計局)となる。160円/ドルで換算すれば、992万円となり、アメリカ人は日本人の2倍以上収入が高いのだ。
つまり、各々の国の年収に対する比率で考えれば、Adventure(450万円)は日本人の平均年収相当(94%)という高額な買い物であるが、WoodLand(638.4万円)はアメリカ人の平均年収の2/3相当(64%)と言えるのだ。だからアメリカではRAV4は安いクルマに属する。

今の私たちだって新型RAV4のAdventureが450万円でなく315万円(3割引き)なら安いと思うだろうし、多少のことは目をつぶるだろう。
日本人の給与が思ったほど上がらない(=社会保険料が高いetc.)中で、グローバル商品であるRAV4の原価は世界の動向につられて上がってしまう。その結果、日本で売られているRAV4は日本人の肌感覚だと高くなり過ぎている。しかも、製造元からすれば、ほぼ同じ内容の車を日本で売るよりアメリカで売った方が190万円近く利益が出るのだから、そりゃ日本向けの生産枠を絞ってでも輸出に専念したくなってしまう商人(あきんど)魂も分からないではない。少ない割り当て台数の中で利益を最大化するため、販売店は長年の信用とブランド力を使って高額な仕様を残クレで契約することで、金利による収入と、数年後の返却による優良中古車獲得の二毛作をしたくなるのも当然かも知れない。
RAV4の日本での価格を評価するなら★2である。買って不幸になるような悪い車では無い。但し、そこそこのレベルの商品に高い値付けがされていると私には映る。上に挙げた図で示した初任給との比や、価格曲線、平均年収比で判断して欲しい。無邪気に寄らば大樹の陰とばかりに割高な車だけを選ばず、広く調べてみて欲しい。RAV4に惚れ込んだコアなファンでない限りはじっくり他社と比較して冷静に決めた方が良い。
価格設定に関する記述が多くなってしまい、仕様設定そのものに関する記述が減ってしまったので補足したい。個人的にはAdventureの内外装やNVレベルはさておき、ADH(アダプティブハイビーム)が必要なので、おのずとZ(HEV)グレード以上となる。ところが、このグレードでは電気式シフトレバーとなってしまう。私はこのシフト方式を評価していないので本来はレスオプションで普通の機械式シフトにして欲しいがそれをやってくれない。この電気式シフトであるならばパドルシフトとセットで使いたい。そうなると、おのずとZ(PHEV)グレード以上となってしまうのだ。Z(PHEV)はOPTの20インチが着くだけでなく、シートバック形状がスポーティ仕様になってショルダーのサポートが充実する。充実と言っても、先代並みの形状が継承されるだけなのだが、今度はAdventureですら着いているフォグランプが非装着となる辺り私はおちょくられているのかも知れない。
個人的ニーズでは450万円+ADHのAdventureがあれば十分なのに、Zを選ばねばならなくなる。490万円+パドルシフトのZがあれば十分なのにPHEVを選ばねばならなくなるのだ。600万円だけど、補助金85万円があるから515万円だよ、と言われるかもしれないが本来は欲しいグレードに欲しい装備がオプション設定されるべきだと私は思う。
Z_PHEV(E-FOUR)
MOP
ブラック×マッシブグレー〈M22〉+55,000円
スペアタイヤ(応急用) 165/90D18ST +14,300円
Toyota Safety Sense 緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)
+フロントクロストラフィックアラート[FCTA]+レーンチェンジアシスト[LCA]+78,100円
ITS Connect+27,500円
充電ケーブル AC200V用 15m+8,800円
DOP
フロアマット(ラグジュアリータイプ)+39,600円
ナンバーフレーム(ダーククロームメッキ) フロント+4,950円
ナンバーフレーム(ダーククロームメッキ) リヤ+4,950円
マッドガード+9,240円
車両本体価格:6,000,000円
オプション価格:242,440円
税金・諸費用:115,720円
税金・保険料:53,190円
自動車税種別割:29,000円
自動車重量税:0円
自賠責保険料:24,190円
販売諸費用:62,530円
現金販売時お支払い総額:6,358,160 円
私の希望に沿う仕様には635.8万円という大金が必要。ここからCEV補助金が85万円、自治体によってはさらに補助金が出る場合もある。差し引き550.8万円となるが、値引きは10万あるかないかのレベルだろうから、安くなっても540万円程度である。本体価格で考えると補助金差し引き515万円なので490万円でHEVのZを基準にすれば性能向上代や装備を考えると買い得感があるにはあるが複雑な心境だ。ホイールが真っ黒なのが好みじゃないのでHEV Z用の切削ホイール(新車外し)があればそちらに交換したい。
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