今回は、前回のブログの続き、8月の連休に行った白馬岳(しろうまだけ)の山歩きの続きを書きたいと思う。
1日目に栂池高原スキー場から登山を開始して白馬大池山荘に泊まった私と友人は、2日目に白馬三山を縦走し天狗山荘に宿泊した。
3日目の予定は、不帰嶮(かえらずのけん)を経由して唐松岳に登った後に八方尾根で下山するつもりだったが、3日目の天気予報は雨との事なので前日夜にどうしようか相談して、悪天候だったら唐松岳は諦めて下山しようという話になった。
1日目のブログはこちら→2016年8月13日~15日 白馬岳山歩き 1日目は栂池高原スキー場から白馬大池まで
2日目のブログはこちら→ 2016年8月13日~15日 白馬岳山歩き 2日目は白馬三山縦走
スント アンビット2で計測した山歩きのデータ。
移動は、天狗山荘から白馬鑓温泉を経由して猿倉に下山するルートで、朝6時3分に出発し所要時間は約4時間41分だった。
歩いた距離は8.59km、平均速度は1.8km、標高2794m地点から1308m地点までの移動で累計標高差は登りが321m、下りが1739mと特に下りの標高差がなかなか凄い事になっている。
体力はもちろん必要だが、下り坂による足腰へのダメージが心配なコースである。
8月15日早朝の天狗山荘。
この日は朝から深い雲に覆われており、雨は弱いものの時々強い風が吹いていた。
前日の夜に縦走しようか下山しようか悩んでいた私と友人だが、悪天候だったら下山しようと決めていたので、今回は唐松岳は諦めて下山する事にした。
天狗山荘から唐松岳に行くには長時間の縦走をしなければならないし、その縦走区間には日本三大キレットの1つと言われる不帰嶮(かえらずのけん)という難所があるので、悪天候の中その難所を越えていくのはあまりにも危険と判断した。
という事で下山を決定したわけだが、実はその下山路もそんなに容易なコースではなかったりする。
天狗山荘の外の様子。
雲の中で景色など見えやしないが、そんな中を登山者達が次々と出発していく。
中には唐松岳方面を目指して行く人達も結構いたが、私達は心配しながら見送るしか出来なかった。
朝食として山小屋から受け取った弁当。
朝食は食堂で食べる事も出来るのだが、朝早く出発する人のために弁当を選択する事も出来る。
例えば、山頂で御来光を見たいという人がいたり、長距離の縦走を予定している人は朝早く出発しなければならないので、朝食などを食べていたらとても間に合わない。
そこで、弁当という選択も出来るようになっている。
自分で食料を用意して自炊すれば朝食抜きや素泊まりにして宿泊代を若干浮かせる事も可能で、友人は山小屋の朝食に満足出来ないようで朝は自炊する事が多いようだ。
弁当の画像を見ても分かるように、正直なところボリュームという点では少々物足りない。
食堂で食べる朝食は、弁当と比べればもう少しボリュームはあるのだが、それでも平地の宿泊施設で食べる朝食と比べてシンプルなのは間違いない。
体力を使う登山では、ボリュームのある朝食のほうがありがたいと思う時はある。
ただし、腹いっぱい食べてしまうと暫く動きが辛くなってしまうので程々にだが。
友人は早速ストーブを使い湯を沸かしてレトルト食品などを温めている…私も一応アルファ米の炊き込みご飯とかレトルトのうどんも持ってきているのだが、面倒臭がりな私はストーブはザックの1番底に入れたままで出す気にならなかった。
6時を回ったところで天狗山荘を出発。
強い風が吹き雨も降っているので、私も友人もレインウェアを着て出発する事にした。
北アルプスの稜線は、真夏でも天候が変わればあっという間に怖ろしい寒さに変貌する。
昨年の山歩きでも、五竜岳の手前にある五竜山荘付近で冷たい風が吹き怖ろしい思いをしたので、今回の悪天候も厳重に注意していく事にする。
稜線を歩く距離は短いが、痩せた稜線に容赦なく吹く強風にバランスを崩し、顔面に当たる雨で鼻水が止まらない状態で歩いていると、前を歩いていた登山者達が足を止めて何かを見つめている。
何かと思い私と友人もその方向を見てみると…
雲の中で見つけにくかったが、見つけたのはライチョウだった。
こんな悪天候の中を何故?と思う方もおられるかもしれないが、ライチョウは天敵から身を守るため餌を摂る時など悪天候に行動する事が多いという。
今回、私達は悪天候の中を歩いていたためライチョウを見つける事が出来たのかもしれない。
怖ろしい風が吹く稜線を外れて尾根に入って暫くすると、登山道をウロウロするライチョウを見る事が出来た。
人間の姿を見て登山道からハイマツの中へ入っていったが、今度はライチョウの群れが夢中でハイマツの実などを食べていた。
国内のライチョウは、ほぼ中部地方の高山帯にしか生息しない特別天然記念物だが、何しろ数が非常に少ない貴重な鳥なので生息している北アルプスでもなかなか見る事が出来ない。
今回、縦走を諦めて残念な気持ちで下山するはずだったところだが、ライチョウを見れたのは運が良かったと思う。
やがてライチョウは、深い雲の中に隠れ見えなくなったので私達も再び移動開始した。
尾根に入ると猿倉まで高低差1500m以上の下りが待っている。
途中に登り返しもあるので、実際にはそれ以上下らなければならないので、自身の体重以上の衝撃を受け続け足腰に相当な負担が掛かる。
チングルマの群生が素晴らしいお花畑が広がっていて綺麗だったが、晴れの中で見たらもっと綺麗だったに違いない…残念。
尾根沿いにある鎖場。
不帰嶮に比べればそれほどでもないのかもしれないが、下山路として選択したこちらのコースも決して安全というわけではないのが分かる。
しかも雨で鎖も岩場が濡れているから怖い怖い。
まあ、岩場の行き来は非常に怖いのだが、強風吹き荒ぶ稜線を外れ尾根道に入ったら風はピタリと止んだいたので安心した。
むしろ降ったり止んだりする雨には散々悩まされ、風が吹かなくなれば当然暑くなるのでレインウェアを脱ぎたいのだが、レインウェアを脱いで歩いていると雨足が強くなるので再びレインウェアを着たりと手間が掛かるのだ。
友人は、それが面倒なのか稜線を外れて雨が止んでいるのを確認したら、さっさとレインウェアを脱ぎ雨が降っても構わずに歩いていた。
北アルプスとはいえ真夏の暑さは汗の量が半端では無く、いくらゴアテックスとか防水透湿性素材でも汗の量には追い付かないので、雨で濡れなくても自身の汗で濡れてしまうのは仕方のないところか。
雨に濡れたままだと体温はどんどん奪われていき疲労にも繋がると思うので、汗で多少蒸れるのは仕方ないと考えてレインウェアを着る方が正しいと私は思っている。
尾根を更に下って行くと、鎖場は終わり白馬鑓温泉小屋という山小屋に着く。
名前の通りここには温泉が存在し山小屋が併設されているが、日本でも有数の高所の温泉であると同時に豪雪地帯でもあるので、厳冬期には山小屋は解体されているとの事。
よって、山小屋はプレハブ造りの簡素な建物になっている。
ここで友人はトイレに入り、私は少し休憩。
せっかくの温泉、しかも露天風呂があるのでとても入りたかったのだが、雨と汗で濡れた身体を風呂で流したとしても、再び同じ状況の中を歩かなければならないので風呂はやめておいた。
ちゃんと女湯もあるので女性も安心みたい。
どうせ雨や汗で濡れるから入らないという選択はたぶん間違いではないと思うのだが、それでもやっぱりせっかくの温泉なのだから、今頃になってあの時入っておけば良かったかなと後悔している。
ジャンジャン湧き出たお湯は、勢いよく風呂から飛び出し麓に向かって流れて行く…高山帯を歩いている時にこんな景色を見れるとは思ってもみなかった。
温泉好き…特に秘境的な温泉が好きと言う方は、日本有数の高所温泉である白馬鑓温泉を訪れてみてはいかがだろうか。
ただし、交通機関が利用出来る猿倉から約4時間半の歩き、約800mの高低差を歩かなければならないが。
高所で楽な温泉だとやっぱり立山のみくりが池温泉かな…あそこなら国内で1番高所の温泉だし、公共交通機関を利用してから徒歩10分くらいで着ける場所だし。
ただ、みくりが池温泉は露天風呂じゃないんだよなあ…屋内だから天候気にせず入れて私は好きだけど。
個人的には、剱岳の麓にある仙人湯や阿曽原温泉に行ってみたい…あそこは行くまでの行程が冒険的過ぎて正に秘境の温泉だと思う。
豪雪地帯である事がよく分かる光景。
この分厚い雪渓の下は勢いよく川の水が流れているが、真夏でこれだけの雪が融けずに残っているというのが凄い。
あと、厚さ数メートルはあろうかという分厚い雪の塊が鋭く切れ落ちているのは見ていて怖くなる。
冬は厳しい豪雪地帯だが、短い夏の間にたくさんの植物が花を咲かせる。
そんな豊富な高山植物を目当てに訪れる人も少なくない。
山歩きを始めた当初は花などに興味無かった私も、ここ数年で随分と花好きになってしまった。
冬は厳しい豪雪地帯だから、夏は豊かな水源となり川となり麓へ流れていく。
歩いていると小さな沢を含めて何度も川を横切るので、つくづく川の多い山域だなと思った。
まあ、これは他の山域に行っても同じ事を思うのだろうが。
尾根をどんどん下って行くと、高山植物は終わりガクアジサイのような平地でも見られる植生に変わっていった。
段々と歩きやすい地形に変わったので、急な下りが続きブレーキのように力を入れていた足の力を抜き惰性で動かしてみた。
緩やかな下り坂に変わったので、惰性で動かす足は面白いように動いていき、終盤になって1番調子が良い状態になっていた。
やがて登山道は終わり、登山口のある猿倉に到着し今回の山歩きは終了した。
猿倉には猿倉荘という山小屋があるが、ここにいたカップルが栂池高原スキー場までタクシーで移動すると言うので、私達も同じタクシーに乗って駐車場まで戻る事にした。
栂池高原スキー場に着いた後は、近くの風呂で身体を綺麗にし蕎麦屋に寄って帰った。
蕎麦屋はGoogleMapで探してみたが、人気のお店はやっぱり混んでいて、私達が寄ったこのお店も結構混んでいた。
ただ、私達が入った時は混んでいたけど、食べ終わる時には席にだいぶ余裕が出来ていたので、丁度混む時間帯に寄っていたんだと思う。
早い時間に下山出来たので白馬駅近くのパタゴニアのアウトレットショップに寄ってみた。
ここは以前から寄ってみたいと思っていたお店だったが、良いサイズは売りきれになっているので全然買える物が無かったのが残念。
帰り道は特に渋滞もなく、心配していた諏訪湖の花火大会の渋滞もまだ始まる前だったので全然大丈夫だった。
こんな感じで今回の登山は終わったのだが、今回は豊富な高山植物と見たい景色が見れた事で充分に満足のいく山歩きだった。
ただし課題も多く、特に急勾配の登り坂への対応はしっかり出来るようにしておかないといけないと痛感した。
一方で下り坂は全然平気で歩けてしまうので、得手不得手がハッキリしており今後の課題は登り坂のほうを歩けるようにするのが大事だろう。
以上で、今回の山歩きのブログを終了する事にする。
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