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2013年11月23日 イイね!

2013年11月23日 大嵐山から徳倉山まで(奥沼津アルプス・沼津アルプス)

2013年11月23日 大嵐山から徳倉山まで(奥沼津アルプス・沼津アルプス)2013年11月23日。
 
今日は、静岡県の伊豆半島の付け根部分にある静浦山地(通称:沼津アルプス)の縦走をしてきた。
 
この山域は今年の2月に縦走をしているので、今回のブログでは詳細な話は省かせていただく事にする。
 
前回の話の方が今回よりも細かく書いているので、もしも興味を持った方はこちらを読んでいただきたい→
2013年2月10日 奥沼津アルプスと沼津アルプス
 
 
 
 
大嵐山(日守山)の麓にある日守山駐車場にて。
 
今年2月の山歩きの時と同じく、今回も日守山駐車場に車を停めて準備をする。
 
今月に入りエンジンの掛かりが悪くなってきた。
 
今月に、バッテリーの電圧が充分なのにセルが回ってくれないのが2回あった。
 
うち1回は勤務先でうんともすんとも言わなくなったので、仕方ないので社用車にブースターを繋いで事無きを得た。
  
原因はオルタネーターの可能性が高い…過去にオルタネーターが原因で何度も酷い目に遭った。
 
リビルトはいい加減嫌になったので、次は新品を入れる事にしよう。

 
話を戻し、11月に入りめっきり寒くなったので、防寒対策も抜かり無く行っておいた。
 
この間モンベルショップで購入したシャミースの帽子も今回使って見る事にした。
 
…が、すぐに暑くなったので帽子を被るのはやめてしまった。
 
 


 
日守山駐車場の近くから朝の富士山を撮影。
 
11月は天候が安定し富士山が見える日が多くなっているが、今日も天気が良いので富士山もよく見える。
 
ここから見る富士山は、宝永山の爆裂火口がハッキリと見えて迫力のある富士山である。
 
 

 
大嵐山までのハイキングコースは枯葉の絨毯になっているが、常緑樹が多いので赤々としている木は殆ど見えない。
 
私は、秋には割りと多く山歩きをしているつもりだが、あまり紅葉には拘らないので山歩き中に立派な紅葉を見た事が無い。
 
 


 
大嵐山の山頂は広く眺望の良い場所なので、学校の遠足などでも向いていそうに感じる。
 
私が登った時には複数の年配の方達がいて、皆顔見知りのような話し方だった。
 
地元の人達の憩いの場所でもあるのだろう。
 
 


 
山頂からは、富士山や箱根山も良く見える。
 
晴天続きで富士山がずっと見えているのは嬉しい限りだが、他のみん友さん達も指摘されているように雪が減り山肌が露わになっている箇所が増えてきたように感じる。
 
 

 

大嵐山から大平山へ移動。
 
この辺りは静浦山地の中でも奥沼津アルプスと呼ばれている山域で、沼津アルプスと比べて険しいコースで熟練者向きとされている。
 
実際に、前回も今回も大嵐山~大平山間のコースで人を見る事は殆ど無かった。
 
ただ、私の感想では沼津アルプスも充分に険しく、あまり気を遣わずに済むのは日守山駐車場から大嵐山に登るコースと、香貫山くらいのように思う。
 
 

 
晩秋は花が少ない…かろうじて見掛けたのはユウガギクらしき花。
 
 


 
奥沼津アルプスの険しさを物語る梯子場。
 
私は、あまり梯子場は好きでは無い。
 
割りと最近の山歩きでは、剱岳の下山路に長い梯子場があったが、過去で1番怖いと思ったのは八ヶ岳にある赤岳の梯子場…梯子の次に梯子と連続していて怖ろしかった。
 
 
 
 
 

大平山山頂。
 
アップダウンが大きいので、ここに来るまでにかなりの汗を掻いてしまい上着を脱ぎたい気分になる。
 
が、シャツ1枚では汗冷えが怖いのでやめておく。
 
大平山も山頂が広いが、今日は人の姿はあまり見掛けなかった。
 
鷲頭山へ向かう時には結構人とすれ違ったので、やや早い時間帯だったのかもしれない。 
 
 


 
大平山から鷲頭山へ向かう。
 
序盤は木々に囲まれた平凡な稜線歩きだが、段々と海が見えてくるので楽しい稜線歩きとなる。
 
沼津アルプスは、海が近い山域なので特に駿河湾の眺望が良い場所が多い。
 
 
 
 
 
沼津アルプスに限った事では無いが、登山コースやハイキングコースは木々の根が縦横無尽に走っているので、足元をとられやすい。
 
また、落ちれば只では済まないような危険箇所もあるので要注意。
 
 


 
 
鷲頭山山頂。
 
鷲頭山は、標高が392mで沼津アルプスの中で1番標高が高い。
 
標高400mにも満たない山域ではあるが、アップダウンが大きいためここの縦走は想像以上に辛い。
 
 


 
山頂は木々に囲まれているが、隙間から駿河湾方面の眺望が楽しめる。
 
画像では、狩野川河口・沼津港方面がよく見えている。
 
 

 
富士山もよく見えるが、徐々に雲が多くなってきた。
 
 

 
鷲頭山から戸倉山へ向かう途中にある中将さんの祠。
 
 

 

稜線上にある何ともファンシーな名前の展望台。
 
海がよく見える素晴らしいポイント。
 
 

 
常緑樹の多い山域だが、わずかに紅葉している木もあった。
 
 

 
ヤマラッキョウと思われる花。
 
ユウガギクと共に晩秋に咲く数少ない花。
 
 
 


 
 
海側の眺望ポイントが連続する。
 
この辺りは穏やかな稜線なので、ゆっくり休憩しながら楽しむのも良いだろう。
 
 

 
シダの紅葉。
 
 


 
低山ながら海がよく見え自然林が数多いので、歩いていてとても幸せな気持ちになれる稜線。
 
ただし、周辺はアップダウンが激しいので、必ずしも楽に歩いて来れるというわけでは無い。
 
それなりに頑張った人が見れるご褒美と言ったところか。
 
この幸せな稜線の後には、徳倉山へのきつい急勾配が待っている。
 
 

 
徳倉山山頂。
 
お昼近くになった事もあり、山頂には割りと多くの人達がいた。
 
雲が掛かるが、富士山はまだよく見えていた。
 
 

 
徳倉山の下り。
 
徳倉山は、麓から見ると象の姿に似ていて象山とも呼ばれている。
 
画像の階段状の坂道は、象山の鼻の部分に当たる場所。
 
このまま香貫山まで縦走すれば、沼津アルプスの完全縦走となるが、足の親指が痛くなってきたので香貫山まで行かず下山路を利用して麓に下りた。
 
親指が痛くなったのはもちろん靴が原因であるが、昨年末にソール張り替えを依頼して以降足に合わなくなってしまった。
 
今年の5月、御坂山地の毛無山から雪頭ヶ岳を歩いた時にも足の親指が痛くなってしまい、後で指を見たら爪の内側が内出血していて浮き上がってしまった。
 
回復するのに夏まで掛かってしまったので、今後も足が痛くなるのなら靴を諦めるしかない。
 
 

 
麓に下りたものの、バスの時間がタイミング悪かったのでとりあえず歩いていると、どこかで見た事があるラーメン屋が…
 
めん処火拳…みん友の青空スローライフさんが紹介していた店だった。
 
著作とか肖像とか色々心配になりそうな雰囲気の店だが、現在は休業中らしい。
 
せっかくなので寄って行こうかなと思ったが、休みとあっては仕方がない。
 
 

 
代わりに寄ったのがここ…小太郎。
 
以前は富士市にもあった店だが、残念ながら富士店は閉店してしまった。
 
懐かしい気持ちになって入ってみる事にした。
 
 

 
注文したのは、味噌ラーメンと焼き飯。
 
小太郎のスープは、全て豚骨スープがベースなので味噌ラーメンと言っても味噌豚骨味という事になる。
 
麺は博多ラーメンならではの細麺である。
 
肝心の味は私は好みのように感じたが、私はラーメンの味はかなり寛容である事と、山歩きの後で疲れていたので塩っ気に飢えていた可能性もある。
 
でも、ラーメンの味は好みだったが、焼き飯の方はあんまりだったかな。
 
あと、値段が少々高いのは不満だった。
 
 
 

バスを利用して日守山駐車場近くまで戻ってきた。
 
これで今回の山歩きは終了。
 
帰りは、車屋さんに寄ってオルタネーターの注文をしてきた。
 
帰宅後は、靴を洗ったりした後に洗車もしておいた。
 
全てが終わった頃には周りはすっかり暗くなっていた。
 
明日はどうしようか…
Posted at 2013/11/23 23:53:37 | コメント(6) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年11月03日 イイね!

立山・剱岳山歩き7日目 2013年9月20日 室堂から静岡県へ戻る

立山・剱岳山歩き7日目 2013年9月20日 室堂から静岡県へ戻る 今回のブログは、9月14~20日の立山・剱岳山歩き7日目(最終日)のブログです。

前日の6日目、立山登山を終えた私は山小屋に泊まり、立山最後の夜を過ごしました。

7日目は、富山市街地に下山し地元静岡県へ戻る話が主になります。
 
1日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き1日目 2013年9月14日 静岡県から室堂まで移動
 
2日目の活動のブログはこちら→
立山・剱岳山歩き2日目 2013年9月15日 雨のため山小屋で足止め
 
3日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き3日目 2013年9月16日 山小屋で台風の通過を待つ
 
4日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き4日目 2013年9月17日 剣山荘まで移動

5日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き5日目 2013年9月18日 剱岳
 
6日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き6日目 2013年9月19日 立山

 
2013年9月20日。

みくりが池温泉に泊まっていた私は、5時頃に起き今回の山歩き最後の日を迎えた。

昨日の昼間には立山登山を終えて室堂に着いていたので、そのまま帰る事も出来たのだが、中秋の名月と満月が重なる珍しい時期を立山で過ごしたいという理由や、あまり急いでバタバタと帰ると寄り道が出来なくなるので泊まる事にした。

今回計画していた剱岳と立山の登山は既に終えており、今日はもう下山をするのみである。
 
 

 
朝の暗いうちに起きた私は、山小屋の外に出て夜明け前の月を眺めていた。

いつもより明るい月の光は、ライトが要らないくらい明るく地面を照らしていた。

画像の月は、9月20日5時19分頃に撮影したもの。

まだ太陽は出ておらず、月が無ければ真っ暗闇な時間帯である。

前夜にも撮影をしてみたが、三脚無しのコンデジでここまでしっかり撮影出来るというのが意外だった。
 
 

 
こちらは前日の夜(9月19日)19時49分頃に撮影したもの。
 
 

 
夜明け前の富山市街地方面の灯り。

今日は、灯りのする方へ下山して、富山市街地で少し寄り道をする予定。
 


 
朝食を終えて、荷物をまとめて再び山小屋の外に出ると、今度は日の出の時間帯を迎えていた。

室堂は、立山連峰に囲まれているので、日の出の時間は市街地よりもかなり遅い。

画像は6時50分頃、スマホで撮影したもの。

デジカメでも撮影をしたのだが、失敗してしまいあまり綺麗な画像にはならなかった。

立山の富士ノ折立付近から太陽が出ているため、「ダイヤモンド富士ノ折立」と勝手に命名させてもらった。

撮影の技術とか出来・不出来はよく分からないが、今回の山行で最も気に入った画像になった。

デジカメでは無くスマホでというのが少々悔しいが、この画像はいつまでも大事にしておこうかなと思う。
 
 


 
チェックアウトをして山小屋を出発。

今回の山行では1週間近く立山に滞在したが、そのうちみくりが池温泉には合計3泊もしてしまったので、スタッフからも「3泊もしていただきありがとうございました」と言われてしまった。

みくりが池温泉は、山小屋としては異例な程の豪華さで非常に快適であったが、そのうちの2泊は雨と台風による足止めのためであるので、まるまる1週間山歩きをしていたわけではない。

同じく室堂にある室堂山荘も初日に泊まったが、こちらも過ごしやすい山小屋であった。

再び立山を訪れる時には、どちらもまた利用してみたい。

みくりが池温泉を出発した後、帰りのバスに乗るため室堂ターミナルへ移動する。

みくりが池温泉と室堂ターミナルの距離は近く、10分程歩けば到着する。
 
  

 
室堂ターミナルに到着。

平日の朝という事もありターミナル内は人の姿が少ない。

室堂ターミナルには、雄山神社の旧社殿が修理された状態で展示・保管されている。

バスの出発まで時間があるので、とりあえずここで時間を過ごしてみる事にする。

 
 

 

 
室堂ターミナル内にある雄山神社旧社殿。

旧社殿は、万延元年(1860年)加賀藩によって建立され、平成7年(1995年)まで約135年間厳しい立山で耐えてきたが、老朽化が進んだため現在の社殿が建立される事になった。

立山は、積雪量が10数メートルにもなる雪の大谷でも知られるように日本有数・世界有数の豪雪地帯として知られているので、雄山神社も相当厳しい風雪に晒されている事になり、135年もの間耐えたというのは凄い事だと思う。

霊峰立山が開山されたのは、今から1300年以上も昔に遡ると伝えられており、その長い歴史の中で社殿も何度か建て替えられていたりしたのかもしれない。

今回、雄山山頂と室堂ターミナルでそれぞれ雄山神社の現社殿と旧社殿を見れたのはとても印象深かった。
 



 
室堂ターミナルのコンコース。

ここから美女平行き(富山市街地方面)の立山高原バスと、大観峰行き(黒部湖方面)のトロリーバスを利用出来るが、この時間帯は発着しておらずコンコースは閑散としている。

コンコース内には量りが設置されており、荷物が10kgを超える場合には別途料金を払わなければならない。

私のは大型ザックなので、量らなくても優に10kgを超えているのだが、試しに量ってみたら17.5kgを指していた。

今回の山行では水を2.6リットル携行していたが、既に山行を終えており荷物になるので水は抜いておいた。

あと、ウィダーインゼリーなど行動食も消費しているので、行きの時よりも3kg以上軽くなっている可能性があり、元々は20kg以上はあっただろうと思われる。

登山で20kg以上となると、数日のテント泊並になってしまいかなり重い荷物になってしまうのだが、私は特に体力自慢というわけでは無く、むしろザックと私の相性が良かったため背負っても耐えられたのだと思われる。

発車時刻が迫ってくると人が集まりだしたが、やはり人の姿はそんなに多くは無いように感じた。

登山帰りの利用者の姿も見られたので、山の話などをしながら待っていると、やがて発車時刻を迎えバスに乗車した。
 


 
立山高原バスの車内。

やはり利用者は少なくバスの車内も空いている。

ただし、途中で弥陀ヶ原にも停車するので乗客が増える可能性はあるのだが、行きのバス車内や室堂ターミナルの混雑ぶりを考えるとあまりにも差があるので、ちょっと驚いてしまう。

まあ、利用する方としては混んでいるよりも空いている方が楽で良いのだが。
 


 
8時丁度にバスが出発。

腕時計の高度計は2445mを指しているが、室堂ターミナルの標高は約2450mなのでほぼ正確のようである。

ただ、歩いている最中には頻繁に確認する高度計も、実際に山頂に立つと見るのを忘れてしまう事がよくある。

今回も、剱岳でも立山でも山頂で高度計を確認する事は無かった。

高度計に限らずコンパスで方位を確認したり、気圧計で天気の変化を予測したり使い方は様々なので、山歩きを始めた頃から随分とお世話になっている時計になっており、今では大切な相棒的存在になっている。
 



 
素晴らしい立山の景色ともいよいよお別れ。

約1週間過ごした非日常的な日々、これでお終いかと思うと非常に寂しい思いになってしまう。

いつの日かまた訪れてみたい。
 


 
バスの車窓から剱岳の姿が見えた。

今日も剱岳は怖ろしい程の険しさで聳えていた。

非常に厳しい事で知られる剱岳だが、この山に登れた事は生涯忘れられない思い出になるだろう。

約50分程の乗車時間を終えて、美女平に到着した後はケーブルカーに乗り換える事になる。

立山観光・登山は、とにかく乗り物の乗り換え回数が多く忙しい。
 



 
美女平でケーブルカーに乗り換え。

このケーブルカーは、美女平と立山駅を結んでおり標高差は約500mとなっており、所要時間約7分で結んでいる。

今回は利用していないが、黒部湖まで行くにはトロリーバスやロープウェーなど様々な乗り物があり乗り換えが面倒ではあるが、乗り物好きにはたまらない場所であるだろう。

ただし、全線を利用するにはそれなりの費用が掛かり、予想していたよりも高くて驚く人も少なくない。
 



 
ケーブルカーも空いていたので、行きとは違いザックを車内に持ち込んだまま席に座る事が出来た。

行きは、荷物専用の貨車にザックを預け、混雑していたので立ったままであったが、帰りは撮影のため車内を移動するのも楽な程であった。

ただ、片方を壁、片方は深い森に阻まれているので車窓からの景色はあまり楽しめず、移動している最中はケーブルカーならではの非日常的な感覚はあまり味わえなかった。

むしろ車内で放送される解説の方が面白く、こちらを聴いているうちに到着してしまったという感覚の方が強い。

立山駅に到着すると、次は富山地方鉄道の電車に乗り換える。
 
 

  
立山駅で待っていた電車は、何と今年8月に就航したばかりのダブルデッカーエキスプレスであった。
 
 
みん友の紅の猫さんのブログを何度か拝見し興味を持った車両であったが、特急のイメージが強かったのでまさか乗れるとは思ってもいなかった。

念のため女性の車掌さん?に聞いてみたら、普通列車との事なのですぐに乗り込んでみる。

もちろん座るのは2階席である。
 
 
 
 


 
ダブルデッカーエキスプレスの中間車両(2階建て車両)車内。

2階建てと言っても、車両のうちの半分ほどのスペースなので座席数は思ったよりも多くは無い。

シートピッチは意外に狭く、特急と言うよりも普通列車の感覚に近い。

まあ、1番長い路線でも所要時間は約1時間半程なので、そこそこのスペースでも充分だと思うが、網棚の幅が非常に狭いのが妙に気になってしまった。

あれだと、大型ザックはもちろん小型ザックでも載せておくのは難しいように感じる。

荷物置き場も無いので、混雑期はこの辺りが少々厳しいように感じてしまう。

ただし、立山駅ではそんなに乗車数が多くなかったので、車内は空いておりザックを置いておくには困らなかった。

シートピッチは広くないが、シートの座り心地は充分で私は快適に過ごさせてもらった。
 
 
 

 
常願寺川の傍を通り素晴らしい景観のポイントが多い。

車窓の景色を楽しみながら、同時に電車の旅も楽しむ事にする。
 


 
遠方に霞んだ立山連峰と剱岳が見えているが、距離を隔ててしまっているので随分と下界に戻ってきたと実感させられる。

市街地に近付くほど乗車客の流動が激しくなり、立山駅よりも随分と多い乗客数になった状態で電鉄富山駅に到着。
 
 


 
電鉄富山駅に到着。

列車から出ると、9月の暑さが一気に襲い掛かってくる。

涼しい高山帯に1週間近くも滞在すると、平地の暑さがかなり厳しい事がよく分かる。

暑いのをしばらく我慢し、電鉄富山駅でしばらく列車を観察する事にする。

行きどまり式のホームには多彩な列車が発着しており、ずっと見ていても面白く飽きない駅である。

1週間前に来た時は、時間を気にしながらの移動だったが、帰りは時間を気にしなくても良いので、ゆっくり列車を眺めてから駅を出た。 
 
 

 
2015年春に開業する北陸新幹線に備えて、現在の富山駅は改修工事が進んでいる。

さすがに工事は大規模なものなので、以前とは随分と外観が変わってしまうだろうと思われる。

今回泊まった山小屋で、富山県内のテレビ番組を見た時間があったが、富山駅の改修工事で閉店する飲食店の話題があった。

街が新たに開発され発展していくのは喜ばしい事ではあるが、その一方で消えゆく街並みも確実に出てくる事もあるのかと思うととても複雑な気分になってしまう。

また、北陸新幹線開業により北陸本線の一部区間が第三セクター化されるようなので、今後の動向も非常に気になるところである。
 
 
 

 
富山駅前も改修工事が進んでいる。

駅前は、バスや路面電車が頻繁に行き来しており、この辺りは公共交通機関が充実しているように思われる。

バスがどんどん減便・廃止されている私の地元ではとても考えられない光景で、特に路面電車が走る街並みは憧れに強い気持ちがある。

とりあえず、帰りの列車の切符を購入し、大型ザックをコインロッカーに預けて富山駅前を散策する事にした。

ただし、靴が登山靴のままなので、舗装路を長時間歩くのは非常に厳しいので行動範囲は限定される。
 

散策と言っても食べる目的以外は特に決めておらず、あちこちウロウロしただけなので、ブログでも説明は省き簡単にさせてもらう事にする。
 


 
NHK富山放送会館。
 
 

  
富山城址公園。
 

 
こんな感じで街中をウロウロしただけなので、特にこれ!といった場所に入ったわけでも無く、紹介するにはあまりにもつまらない内容になってしまい申し訳ない。

まあ、今回富山市内に立ち寄ったのは別の目的があったためなので、街中を散策したのはあくまでも目的のためという事でご理解願いたい。
 



 
で、今回富山市内に立ち寄った目的がこれ。

西町大喜本店。

富山を代表するご当地ラーメン、富山ブラックの元祖のお店であるが、複数店舗を持つお店の割りに本店は両方を大きな建物に挟まれており、かなーり狭い感じの建物となっている。

富山ブラックは、現在は全国的な知名度となるほど有名になったが、元々はこの西町大喜本店が元祖なのだとか。

2006年に富山市へ出張で訪れた時、この大喜の近くのビジネスホテルを利用した事があるのだが、この時に大喜本店の前で入ろうかどうか迷ったが、当時は富山ブラックを怪しいラーメンとしか思えず同僚たちの反対により入る事は無かった。

私は、後になって入らなかった事を後悔したのだが、結果からすればこの判断はある意味正解でもあり不正解だったように思う。
 
 
 
 
 
外観の通り店内も非常に狭く、店内はカウンター席のみの配置となっている。

みん友のパピ4さんのお話では、右側のカウンターは元々は無くて後で足された物だとか…

かなりの人気店のようだが、私が入った時は親子3人の家族と男性1名のみだった。

平日の開店直後という事もあり、丁度空いているタイミングだったのだろう。
 


 
メニューは、ラーメン1品のみ!で、トッピングは生卵のみ。

一応、小・大・特大と量を決められるようだが、こういうお店だと基準がいまいちよく分からず普通は小・中・大となるので、特大というサイズは頼むのにはさすがに躊躇してしまうので私はパスさせてもらった。

ちなみに私が頼んだのは大だったが、これは結果的には正解だったのか失敗だったのか結論が出ていない…これについては後で書いておきたい。

ジュースの値段が¥100と意外に良心的だが、あまりにも強気な割り切ったメニューなので度肝を抜かされてしまった。
 



 
壁には有名人のサイン色紙が飾られていたが、殆どのサインが誰が誰なのかサッパリ分からなかった。

名前が張られたサインのみ分かるような感じだった。
 


 
お待ちかねの元祖富山ブラックが登場。

見た目が黒いのはもちろんだが、見た目で確認出来るのはネギとメンマ…あと意外にチャーシューの量が多いように感じる。

最初からコショウが振られているので、スープの黒さと相まってかなり濃い味であろう事は容易に想像出来る。

そして実食。

想像していた通りかなり濃い味だったが、辛さよりも塩気の強いしょっぱさが目立つ味であった。

いわゆる激辛系のラーメンは何度か食べた事はあるが、ここまでしょっぱいラーメンは今まで食べた事が無く、その味は正直なところ身体に悪いのではないかと心配になりそうなレベルの濃さだった。

ただし、ただしょっぱいだけとか単純なものでは無く、しっかりとした味付けがされた上での塩気なので私はそんなに苦手では無い。

元々このラーメンは、肉体労働をする人向けに作られたラーメンだそうで、疲労回復やご飯のおかずとして合うように塩気がかなり強くなっているようで、正にこれこそがガッツリ系ラーメンと言えるであろう。

注文を付けるとしたら、メンマの塩気がスープ以上に濃縮されている感じで、メンマだけは食べるのがかなりきつかった。
 

勇気を振り絞りスープも飲み干したが、やはりこのスープは身体を悪くしてしまうのではないかと心配になりそうな程であった。

まあ、今回私は前日まで山歩きをしていたので、山歩き後に塩辛いものが食べたくなる事はよくあるので、若干疲れ気味で富山ブラックの塩気が丁度良かったという可能性もある。
 
ただし、その後500mlのペットボトル飲料を3本以上空ける事になってしまうのだが…

富山ブラックを完食しすっかり満腹になった私は、富山駅方面へ引き返す事にした。
 
満腹感を得られるという点では、元々このラーメンが肉体労働の人向けに作られたメニューという事を考えれば、願ったり叶ったりと言ったところだろうか…食べて腹を満たしたいという願望を叶えるには、このラーメンを食べるのは正解であると言える。
 
ただし、ラーメンの後に他の旨いものを食べたいと思った時は…難しく失敗と言えるかもしれない。
 
 
途中で富山駅前にある富山ステーションフロントCiCに寄って土産物を購入。

同建物内に富山ブラックを扱うお店、麺家いろはがある事を確認したが、既に大喜で食べているので今回はパス。

この麺家いろはがプロデュースした富山ブラックのカップ麺が存在している事を後で知る。
 


 
富山駅内で多彩な列車を見学する。

富山駅からの帰りは、高山本線経由の「ワイドビューひだ18号」で名古屋駅へ向かい、名古屋駅から地元富士までは新幹線を利用する計画であった。

「ワイドビューひだ18号」の発車までまだまだ時間があるが、その間しばらく発着する列車をギャラリーしておこうという考えがあった。
 




 
681系2000番台の特急「はくたか6号」。

東京から富山県や石川県を目指す場合、列車利用をするのなら東京~越後湯沢間を上越新幹線、越後湯沢からは特急「はくたか」を乗り継いで利用するのが最速の手段となる。

「はくたか」が走る北越急行ほくほく線では、在来線最高速の160km運転を可能としており、東京~富山間を最短で3時間20分弱、東京~金沢間を最短3時間50分弱で結んでいる。

だが、2015年春に開業する北陸新幹線の一部列車が「はくたか」の愛称を名乗る事が決定し、現在の在来線特急「はくたか」は廃止される事が決定的となった。

車両は、高速化に対応した681系2000番台もしくは683系8000番台の専用車両に専用カラーリングが採用されているが、これらの車両の今後の動向は分からない。
 


 
681系の特急「サンダーバード」。
 




 
キハ85系の特急「ワイドビューひだ14号」。
 






 
683系の特急「サンダーバード26号」。
 


 
485系の特急「北越」。

正面から見ると分からないが、よく見ると老朽化がかなり進んでおり、傷みがかなり進行している部分があちこちに見られた。


こんな感じで次々と発着する列車をギャラリーして、帰りに乗る予定の特急「ワイドビューひだ18号」を待つ事にしたのだが、何とここでトラブルが発生してしまった。

ちなみにトラブルの理由はこれ↓

 
JR西日本のサイトを確認すると、一応理由らしきものが書かれていたが、正直これでは納得がいかなかった。

各務ヶ原駅~鵠沼駅間で踏切の確認を行ったため、「ひだ18号」の運転は富山駅~猪谷駅間は運転取り止め、猪谷駅~名古屋駅間の区間運転になるという内容だったが、何故踏切を確認したのか理由が書かれていないため全く意味が分からなかった。

駅員からは「富山駅から猪谷駅まで普通列車で移動してくれ」と言われたが、非常に楽しみにしていた「ワイドビューひだ」だっただけに、水を差されてしまいすっかり興醒めしてしまったのでキャンセルをした。

トラブルが起きてしまうのは仕方のない事だが、せめて事故によるものなのか故障によるものかぐらいは教えて欲しい。

代わりに、発車時間が迫っている「しらさぎ12号」に急遽乗る事にして帰る事にした。
 


 
帰りの「しらさぎ12号」の車内にて。

「ワイドビューひだ」は残念だったが、「しらさぎ」は充分に快適な車両なので不満は全く無い。

「ワイドビューひだ」の方は改めて利用してみる事にしたいと思う。

その際には、廃止が決定している「はくたか」も合わせて利用してみたいと思う。


「しらさぎ」車内で快適な時間を過ごしてはいるものの、富山ブラックの腹持ちが良過ぎるのか、ジュースを飲み過ぎたためかいつまでも満腹感が続いていた。

結局この日は飲み物以外は一切口にしなかったのだが、特に体調を崩したとか気分が悪くなったわけでは無い。

単に腹が減らないというだけだったので、今まで経験した事が無い感覚に驚くばかりだった。
 



 
名古屋駅で新幹線700系「こだま」に乗車。

帰りはグリーン車を利用してみたが、いつの間にか中央肘掛けに備え付けられていたオーディオサービスのスイッチが撤去されていた。

イヤホンを用意しないと利用出来ないサービスだったため、私は殆ど利用した事が無かったが、最近「こだま」の車内販売が廃止になったりとサービスの低下が目立っているので、今後も特急列車の質が低下していくのではないかと心配をしている。

一方で、東北新幹線のE5系がグリーン車を上回るグランクラスを設けていたりするので、路線によるサービスの格差はますます広がっていきそうな気がしてしまう。


この後無事に帰宅し、これで今回の立山登山の予定は全て終了となった。

今回の山歩きは9月14~20日と長くなったので、日数毎にブログを書いたため改めてまとめるつもりは無いが、一言で言えば大変満足のいくものであった。

日帰り登山や、予定が迫りバタバタするような登山ではなかなか味わえない感覚なので、 また近いうちまとまった休みを取って複数泊の山歩きをしてみたい。
Posted at 2013/11/03 11:38:59 | コメント(6) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年10月14日 イイね!

立山・剱岳山歩き6日目 2013年9月19日 立山

立山・剱岳山歩き6日目 2013年9月19日 立山  
今回のブログは、先月9月14~20日の立山・剱岳山歩き6日目のブログです。
 
前日は剱岳の山歩きをした後、剱御前小舎まで移動し泊まりました。
 
今回のブログは、6日目の剱御前小舎から立山を縦走した話を書きたいと思います。
 
  
1日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き1日目 2013年9月14日 静岡県から室堂まで移動
 
2日目の活動のブログはこちら→
立山・剱岳山歩き2日目 2013年9月15日 雨のため山小屋で足止め
 
3日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き3日目 2013年9月16日 山小屋で台風の通過を待つ
 
4日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き4日目 2013年9月17日 剣山荘まで移動

5日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き5日目 2013年9月18日 剱岳
 
 
2013年9月19日。
 
昨日は、若い頃からの夢だった剱岳についに登る事が出来た。
 
これ以上ない喜びだったのは間違いないが、今日登るのも剱岳と同じくずっと憧れだった立山なので、最後まで気を引き締めていきたい。
 
登山計画は、剱御前小舎を出発した後まずは別山に登り、真砂岳、富士ノ折立、大汝山、雄山、そして一の越から室堂へ下るという予定だった。
 
 
昨晩は、相部屋の方のいびきに悩まされたが、それでも睡眠はとれたので、不安があるとすれば一昨日から続く便秘くらいである。
 
剱御前小舎では充分な食事が提供されたが、稜線上にある山小屋のため湧き水は無く水は大変貴重品であり、洗面水は雨水を利用するので当然飲用は出来ない。
 
もちろん風呂やシャワーなども無いのは当たり前で、飲み水は有料のものを購入するか雨水の洗面水を沸騰させるしかない。
 
私は、前日に剣沢キャンプ場の湧き水で充分に補充しておいたので、2リットルほどの水がハイドレーションに収まっている。
 
1日数時間の山歩きでは、私は0.5~0.7リットル程度の水分補給が多いので、2リットルなら緊急時を含めても充分な量があると考えている。 
 
準備は前日に済ませておいたが、不安なのは大きく重い50リットルザックで果たして立山縦走が出来るかどうかだ。
 
昨日の剱岳で話をしたカメラマンさんが、立山を縦走してきたそうだが「ガレ場が多く非常に歩き難い」と言っていた。
 
足元が不安定な場所では、出来れば荷物は少なく軽い方が良いのだが、縦走の場合それが出来ないので仕方がない。
 
 


 
朝4時半頃に目が覚めたので、外に出てみて景色を眺めてみた。
 
9月中旬の立山は日が出ていないとさすがに寒く、長袖Tシャツ+薄手のフリースでもちょっと厳しかった。
 
山の稜線上だと風も吹き抜けるだろうし、鞍部になっている室堂や三田平よりも余計に寒さが厳しいのかもしれない。
 
 
まだまだ暗く寒いが、遠くに富山市街地の灯りが綺麗に見えていたので、今日も良い天気が期待出来そうだし、日が出れば気温も充分に上がるだろう。
 
そう言えば、今日は中秋の名月だった。
 
山歩きは今日で終了の予定だが、もう1晩室堂に滞在する予定なので今晩は月を眺める事にしよう。
 
 

 
 
赤く染まり始める空と後立山連峰。
 
唐松岳のギザギザな稜線が、夜見ていても分かるくらい特徴的だった。
 
 



 
剱岳も徐々に姿をはっきりと見せ始めてきた。
 
今日も登山日和なのは間違いなさそうなので、登る人も多いだろう。
 
 

 
朝5時半からの朝食を済まし、6時を回ったところで剱御前小舎を出発する。
 
画像を見ると、剱御前小舎が稜線上にある山小屋である事がお分かりいただけると思う。
 
稜線上だとさすがに湧き水は期待出来ないし、遮るものが無いので風の吹きさらしになりやすい、周辺の山小屋と比べて厳しい立地条件にある山小屋である。
 
だが剱御前小舎のある別山乗越は、室堂へ行くにも立山へ行くにも剱岳へ行くにも大日岳へ行くにも便利な場所にある要衝であり、そんな場所にある剱御前小舎は登山者の安全を見守ってくれる頼もしい山小屋なのである。 

山小屋を出発すると、風が強い稜線を歩いていくので、寒さを我慢しながらの歩きとなる。
 
今回の山歩きでは、秋の北アルプス登山という事で防寒対策は抜かりの無いように気を付けたが、パタゴニアのR1(薄手のフリース)、モンベルのライトシェルジャケット(薄手の保温材が入った防風ジャケット)、そしてゴアテックスのレインウェアを用意しておいた。
 
下は、薄手のズボンの下にサポートタイツを履いていたが、防寒用として中厚手の保温用タイツも用意しておいた。
 
優秀な防寒着としてダウンジャケットがあるが、軽量で温かく魅力的なのは間違いないけれど、濡れると保温性が失われるし汗で蒸れそうなので私は持っていない。
 
 

 
別山へ向かう稜線上にて。
 
せっかくの記念なので、相部屋で一緒になった方にお願いして剱岳を背景に撮影してもらった。
 
剱御前小舎から別山へ向かうには、ガレ場の登り坂を歩いて行く事になるが、前日に剱岳を歩いてしまえばそれほど大変には感じないように思う。
 
ただし、その考えは後で違っていた事に気付く事になるわけだが。
 
 


 
同じく別山へ向かう稜線上にて。
 
遥か遠方に八ヶ岳、富士山、南アルプスが見えているが、この時点ではどの山も山頂部分しか見えていない。
 
しかし、遥か遠方の富士山が見えるのには感動してしまった。
 
富士山の画像は、スマホを使ってみんカラの何シテル?でも投稿したのでご存知の方もいたと思うが、実は前日登った剱岳でも見えていたので、もっとしっかり撮影しておけば良かったと思う。
 
 

 
稜線からの眺望は素晴らしく、やたらと形の良い笠ヶ岳も頻繁に見えた。
 
笠ヶ岳の左側に見える遠方の山は木曽御岳。
 
 

 
別山の山頂に到着。
 
山頂に祠があったので、まずは手を合わせ旅の無事を感謝しこれからの無事も祈る。
 
私は、山歩きをした途中で祠や神社を見つけた時には必ずお参りをするように心掛けている。
 
普段はそれほど信心深いわけではないので、現金な奴だと思われるかもしれないが、山歩きをする事自体が普段とは違う事なので、謙虚な気持ちを忘れないためにも欠かさないようにしている。
 
 
別山の山頂に着いた頃には、青空が広がり強烈な日差しが容赦なく注いでいた。
 
この時になると、多少風が強くても歩いた暑さの方が上回ってくるので汗ばんでいるのが分かるが、汗冷えが怖いのでTシャツ1枚だけには出来ない。
 
 

 
爺ヶ岳の向こうに浅間山。
 
 

 
別山山頂から少し離れた所に別山北峰があるので、ザックをデポして移動してみる。
 
 

 
別山北峰より鹿島槍ヶ岳。
 
別山北峰はやや霧掛かっていたが、眺望は概ね良好だった。
 
 
  
 
特徴的な山容の唐松岳。
 
遮る木が無い高山帯は、何処から見ても素晴らしい眺望という事がよく分かる。
 
 

 
遠方に白山。
 
白山は、周辺に高い山が無いので分かりやすい山である。
 
ここから白山が見えるという事は、富士山や立山を含めた日本三霊山を同時に眺められるという事でもある。
 
 
 

 
別山と別山北峰の稜線にある硯ヶ池。
 
夏を過ぎても融けない雪渓がある一方で、すぐ近くに水を湛える池があるというのも面白いものである。
 
 

 
別山から真砂岳へ向けて稜線を歩く。
 
いかにも山脈の稜線といった場所を歩いている景色だが、足元は石がゴロゴロ転がるガレ場が多く歩き難い。
 
足を滑らせると、引っ掛かるような木や草が無いので、転がり落ちる可能性が高くかなり危険な場所であるとも言える。
 
もちろん落石も起こさないように注意しなければならない。
 
 

 
室堂に居た時は立山の稜線を眺めていたが、今度はその稜線から室堂を見下ろす格好になっている。
 
  

 
今日もせわしなく物資輸送用のヘリが飛んでいる。
 
 

 
真砂岳と思われる山頂に到着。
 
看板などが立っていないため、ここが山頂だとはっきりと分かる術はない。
 
強いて言うなら、周辺よりも高くなっている事だろうか。
 
 

 
相変らず富士山が山頂部分だけ見えている。
 
 

 
真砂岳の近くにある内蔵助山荘では、ヘリが丁度ホバリングしている最中だった。
 
こういった風景も普段なかなか見られないので珍しい。
 
 
  
 
室堂を見下ろす。
 
中央にはミクリガ池やミドリガ池が見えている。
 
池の左上には室堂ターミナルとホテル立山、池の左には室堂山荘、池の右にはみくりが池温泉。
 
箱庭みたいで見とれてしまう。
 
 

 
真砂岳から富士ノ折立を目指す。
 
剱岳と比べれば穏やかではあるが、富士ノ折立付近は傾斜がかなりきつくなっているのが分かる。
 
また、稜線近くまで雪渓がある事から、冬はかなり過酷な場所である事も分かる。
 
冬は過酷だけど、今の時期は日差しが強いので、紫外線が容赦なく注ぎこちらも充分過酷ではある。
 
高山帯歩きで紫外線を浴び続けたため、首や頬のあたりがヒリヒリと痛むようになってきた。
 
袖まくりをしていた腕も少しヒリヒリしていた。
 
結局地元に帰った後、首や耳や頬の皮がボロボロ剥けてしまい、耳の中まで日焼けをしてしまっていた。 
 
 
 
 
急傾斜に苦労しながら登り、何とか富士ノ折立直下の稜線に到着した。
 
さすがに20kg近いザックを背負っての急傾斜はなかなかきつい。
 
だが、体力はまだまだ充分なので、とりあえず目の前にある富士ノ折立の山頂まで行こうかどうか迷う。
 
迷っている理由は、山頂は小さいが急峻な岩山になっているので、歩くというよりもよじ登る感覚に近いのでどれ位危険なのか想像が出来ないため。
 
画像では山頂付近に人がいるのが見えるが、実はこの人達は昨日剱岳で話をしたハイキング部の学生さん達だった。
 
2日連続で会ったのにお互い驚いていたが、こういう偶然もまたなかなか面白いものである。
 
まあ、登攀禁止というわけではないので、せっかくだから山頂まで登ってみる事にする。 
 
 

 
南アルプス。 
 
 

 
富士山。
 
 

 
八ヶ岳。
 
 

 
黒部湖。
 
有名な黒部第四ダム(くろよんダム)も見えている。
 
 


 
富士ノ折立山頂。
 
  
富士ノ折立は、一般的によく知られる立山のピークの1つだが、厳密には立山と呼ばれる山頂は存在せず、雄山、大汝山、富士ノ折立の3つのピークを合わせて立山と呼んだり、雄山神社がある雄山のみを立山と呼ぶ事もある。
 
標高は、剱岳と同じ2999m。
 
 

 

山頂は、さすがに眺望が素晴らしい。
 
何度も同じ事を書いてしまうが、高山帯の山は遮るものが少ないので、どこからでも絶景を拝む事が出来る。
 
 

 
富士ノ折立山頂のパノラマ写真。
 
眺望を楽しんだら、次のピークである大汝山まで向かう。
 
 

 
富士ノ折立から大汝山までは距離が近いので、10~20分もあれば辿り着く事が出来る。
 
大汝山山頂直下には大汝休憩所という山小屋があり、休憩や飲食で利用する事が可能だが、宿泊では利用する事は出来ない(天候の急変など緊急時は除く)。
 
トイレも利用可能だが、当然ながらチップ制となっている。
 
私は、ここでコーヒーを注文したが、オマケで羊羹もいただいてしまった。
 
 

 
山小屋の入り口には、何やら映画の告知のポスターが…
 
2014年6月、「春を背負って」という映画が公開されるらしいのだが、この大汝休憩所が撮影場所になっているらしい。
 
監督は、2009年公開の映画「劔岳 点の記」の木村大作氏。
 
 

 

大汝山山頂。 
 
大汝山も山頂付近のみ険しい岩峰になっているが、富士ノ折立ほどではないので年配の方も普通に登頂する事が出来る。
 
標高は3015mで、立山連峰最高峰である。
 
 
国内の3000m峰は、富士山や木曽御岳を除くと北アルプスと南アルプスにしか存在しないが、北アルプスの3000m峰は槍・穂高連峰や乗鞍岳など南部に多く、実は北部は雄山と大汝山(どちらも立山)のみである。 
 
立山室堂や黒部ダムの観光案内などで、周辺に3000m級の山々を眺め…などという説明がよく見られるが、前述の通り周辺の3000m峰は雄山と大汝山のみなので、正確には3000m前後の山々が多いという事になる。
 
あまり知られていないが、大汝山は北陸四県の最高峰、日本国内では最北端にある3000m峰でもあり、大汝山より北側には大汝山より高い地点は国内には無い。
 
ちなみに最南端・最東端の3000m峰は独立峰の富士山で、最西端は独立峰の木曽御嶽山である。 
 
 


 
後立山連峰の向こうに浅間山。
 
 

 
槍・穂高連峰。
 
大汝山も素晴らしい眺望だったので、随分と長い時間居る事になった。
 
剣山荘と剱御前小舎で相部屋になった方も一緒に山頂にいたが、その方はもう少し山頂で景色を見ていたいとの事だったので、私は先に行く事にした。
 
 

  
大汝山から雄山を望む稜線。 
 
遠くから見ても山頂の雄山神社がよく目立っている

大汝山と雄山も距離は近く、移動するのにそんなに時間は掛からない。
 
 
ただし、立山は終始歩き難いガレ場が続き、人気の山という事もあり歩く人が多い。
 
狭いコースだが多くの人とすれ違うので、接触したりして滑落しないよう油断しないようにしたい。
 
 

 

雄山は立山信仰と呼ばれる山岳信仰の山として著名である。
 
開山されたのは701年の飛鳥時代と歴史は長く、富士山や白山と並び日本三霊山とも言われている(ただし、木曽御岳も三霊山に含まれる場合があるので、三霊山という言葉自体曖昧な表現であると言える)。
 
山頂には雄山神社が鎮座し、登山期には多くの人が参拝に訪れるが、この場所は冬が長い豪雪地帯であり冬季には参拝が困難なので、麓にも神社がありそちらでも参拝出来るようになっている。
 
登山期でも、鉄道、ケーブルカー、バスなどを乗り継ぎ、室堂からも500m以上の標高差を登らなければならないので、雄山神社を参拝するのは非常に大変である。
 
鉄道やバスなどが無い時代には終始歩かねばならず、その大変さは想像も付かない。
 
立山信仰では、立山はもちろん神聖な場所であり極楽浄土を示し、室堂周辺にある地獄谷や血の池は名前の通り地獄を示しているという。
 
また、険しい山容の剱岳は針山地獄とされたという。
 
剱岳が長い歴史の中で登頂されなかったのは、険しい山容ゆえが1番の理由だと思われるが、信仰での理由もあったのではと考えてしまう。
 
こういった話は、新田次郎の小説「劔岳 点の記」でも触れられており、映画でも立山と剱岳の関係が語られている場面がある。
 
 

 
もちろん私も参拝をする事に…
 
お札を頂き順番待ちをする。
 
 
 

 
 
 
 
雄山山頂。
 
標高は3003mで、この周辺では大汝山に続き2番目に高い山である。
 
この雄山で、今回の山歩きで計画していた全ての山を登った事になる。
 
 
山頂には神社があるため、あまり多くの人が同時に立つ事は出来ない。
 
ある程度人が集まると、神主さんが丁寧に誘導してくれて御祈祷が始まる。
  
祈祷中は楽な姿勢でも良いとの事なので、体育座りの人が多かった。
 
登山で御祈祷という経験は初めてなので、非常に貴重な体験をする事が出来た。
 
 

 
雄山の一等三角点。
 
雄山の三角点は山頂よりも低い位置にあり、点名は「立山」で標高は2991.6mとなっている。
 
今回の山歩きは雄山で最後なので、ここからは室堂まで一気に下って行く事になる。
 
 

 
雄山からの下り。
 
このコースは地元の子供の遠足でも利用されるという話を聞いた事があるが、歩き難いガレ場と急傾斜なので、子供が歩くには相当大変なような気がする。
 
観光目的の人達の姿が見られたが、登山に向いていない恰好なので歩くのに困難に見えていた。
 
不安定な石の上を歩くのは普通に考えれば怖い事だが、さすがにずっと歩いているとコツが分かってくるので、私は割りと良いペースで下れたと思う。
 
ただ、かなり多くの人が登ってくるので、すれ違いは充分に気を付けないといけないので、落石や滑らないよう充分注意をした。
 
 

 
雄山と浄土山の鞍部にある一の越山荘。
 
時間的に浄土山に登る事も出来たが、登る事をすっかり忘れてしまい室堂に下ってしまった。
 
後で登っておけば良かったかな悔やむ。
 
 

 
一の越山荘付近から雄山を望む。
 
なかなかの急傾斜で、登るのはかなり大変である事が分かる。
 
 

 

一の越山荘付近から室堂への下り。
 
画像左側にミクリガ池が見えており、室堂が段々と近付いてきているのが分かる。
 
今回の山歩きももうすぐ終了。
 
 
 
 
遊歩道のすぐ傍まで雪渓が迫っている所があった。
 
観光目的と思われる外国人達が雪渓上ではしゃいでいたが、遊歩道の近くとはいえ急傾斜の雪渓を普通の靴ではしゃぎ回っているのは見ていて怖い。
 
 

 
先程まで歩いていた立山。
 
遊歩道は既に石畳に変わっており、室堂が近いという事がよく分かる。
 
 

 
室堂山荘が見えてきた。
 
今日は、室堂でもう1泊しようと思うので、室堂山荘にしようかみくりが池温泉にしようか迷ったが、結局みくりが池温泉に泊まる事にした。
 
どちらの山小屋も至れり尽くせりで快適なのでお勧めだが、携帯電話が普及した現代は充電出来る環境が欲しいだろうから、そういった点ではコンセントが枕元にあるみくりが池温泉の方が良いかもしれない。
  
 

 
 
木曜日の昼間だというのに、室堂周辺は大勢の観光客がいた。
 
中には中国からのツアー客と思われる団体もいたので、改めて観光地としての立山の人気ぶりを再確認させられたように感じた。
 
大勢の観光客とすれ違ったり追い越して、やがてミクリガ池に到着し今回の山歩きは終了。
  
実質3日間の山歩きだったが、憧れの剱岳と立山を歩く事が出来て本当に幸せだった。
 
こんなに幸せな山歩きは、将来また体験出来るだろうか。
 
またのんびりと歩きたいものだ。
 
 

 
今回3回目!の宿泊となるみくりが池温泉。
 
チェックイン後にまずしたのは、着替えを用意して風呂に入った事。
 
一昨日の剣山荘ではシャワーは浴びず、昨日の剱御前小舎では風呂そのものが無かったので、まずは身体をサッパリとしたかった。
 
ただ、山小屋に風呂が無いのは珍しい事ではなく、むしろ当たり前の事である。
 
複数泊の登山では何日も風呂に入れないのは当然の事であり、この辺りの事情はご理解いただきたい。 
 
 

 
風呂から上がった後は、ソフトクリームを食べコーヒーを飲みながらノンビリと立山を眺める。
 
風呂上がりにはビール!といきたいところだが、私はビールは飲めず、好きな日本酒も昼間から飲む気にはなれない。 
 
立山の方を見ると、今日歩いた稜線がずらっと見えている。
 
 

 
時間が進むと、雲が多くなってきた。
 
雄山の山頂が雲に浮かんでいるようで見とれてしまった。
 
昼間は温かかったので長い時間外で過ごし、夕方になり段々肌寒くなったところで部屋に戻る事にした。
 
相部屋は満室状態だったが、話しやすい方達ばかりで安心出来た。
 
若い頃に立山や剣岳を歩き回っていたというベテランの方も2人おられた。
 
お2人は初対面同士だが、昭和30年代の黒部ダムがまだ完成していなかった頃の話をして意気投合していた。
 
現在の一般コースからはとても考えられないような、とんでもないバリエーションルートを話していたりして驚かされるばかりだった。
 
  

 
夕食後、暫く外の景色を見ていた。
 
画像では富山市街地の夜景が見えているが、今日は中秋の名月なので明るく美しい月を眺めようと思っていた。
 
同じ考えの人が結構いたせいか、山小屋の外は薄暗いにも関わらず、それに似つかわしくないくらい賑わっていた。
 
 

 
何とか月を綺麗に撮れないかと思い、やけくそで撮影してみたら思った以上に上手く撮れた。
 
調子に乗ってどんどんズームしていき、最大ズームで撮影したのがこれ。 
 
 
コンデジでこれだけ撮れれば充分だろう。 
 
こんなに美しい月を憧れの地立山で眺める事が出来て、山歩き最後の夜を締めくくるには最高の思い出になったと思う。
 
山歩きを無事に終えられたし、今日は昼寝をしていないので熟睡出来るだろうと思っていたら…
 
毎度お馴染みのいびきと筋肉痛でなかなか眠れなかった。
 
この数日間とても楽しかったが、明日帰らなければならないのかと思うと寂しくも感じた。
 
 
こうして6日目は終了。
 
7日目(最終日)につづく。 
Posted at 2013/10/14 01:03:11 | コメント(6) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年10月06日 イイね!

立山・剱岳山歩き5日目 2013年9月18日 剱岳

立山・剱岳山歩き5日目 2013年9月18日 剱岳

今回のブログは、先月9月14~20日の立山・剱岳山歩き5日目のブログです。  
 
立山室堂に入ってから4日目にしてようやく山歩きを開始し、剱岳直下の剣山荘まで移動しました。
 
5日目は剱岳の山歩きが主な話になります。
 
 1日目の活動のブログはこちら→
立山・剱岳山歩き1日目 2013年9月14日 静岡県から室堂まで移動
 
2日目の活動のブログはこちら→
立山・剱岳山歩き2日目 2013年9月15日 雨のため山小屋で足止め
 
3日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き3日目 2013年9月16日 山小屋で台風の通過を待つ
 
4日目の活動のブログはこちら→立山・剱岳山歩き4日目 2013年9月17日 剣山荘まで移動
 
 
2013年9月18日。
 
前日に剱岳直下にある剣山荘に泊まり5日目の朝、いよいよ剱岳登山の日を迎える事になった。
 
剱岳は、若い頃に読んだ本で強い憧れを抱くようになり、長い年月を経てついにこの日を迎える事が出来た。
 
だが、剱岳は名前の通り非常に険しい山容で見る者を圧倒し、国内の登山対象となる山としては非常に難しく危険な山である。
 
明治時代以降のいわゆる近代登山の時代に入っても、国内の数々の高峰が次々と登頂されていく中、剱岳はその険しい地形と厳しい気象条件により1番最後に登頂された山とされる。
 
 
ただし、奈良時代後期~平安時代初期のものと思われる錫杖や儀式の矛が山頂で見つかっている事から、初登頂は1000年以上も昔だったという事になる。
  
その後の多くの方々のご尽力により、剱岳は一般登山者でも登山が出来る山となったのだが、たとえ一般コースであっても危険である事は変わらず、滑落事故や遭難事故は頻繁に起きている。
 
私自身、険しい岩場の山は全く無経験というわけでは無いのだが、剱岳はその危険度が群を抜いて高いとされているので、最初から最後まで緊張感を抜かないようにと考えた。
 
 

 
5時前に起きて外に出ると東の空が赤く染まり始めていたが、山があるため太陽が見えるのはもう少し先の時間。
 
画像は、後立山連峰の鹿島槍ヶ岳周辺の稜線で、日の出は鹿島槍よりもやや右側の位置からだった。
 
今日も朝は寒さが厳しいが、剣山荘は比較的早い時間から日当たりが良いので、すぐに過ごしやすい陽気になるだろう。
 
 
今日の晴天も約束されたようなものなので、剱岳の山頂からも素晴らしい眺望が期待出来る。
 
前日の夜にお弁当を受け取った人達は、暗いうちからどんどん出発して行く。
 
剣山荘だけでは無く、剱沢キャンプ場や剱澤小屋の方向からもヘッドランプを照らして歩いてくる人の姿が見られた。
 
私は5時半からの朝食を済ませてからの出発となるが、やがて時間になったので食堂へ行き朝食を済ませた。
 
 


 
剣山荘から剱岳の往復は、危険な岩峰を登り下りする事になるので、大型の50リットルザックは剣山荘に置かせてもらい、用意していた小型のザックで剱岳に登る。
 
大型のザックには、着替え、数日分の行動食、洗面用具など生活をするための道具が多く入っているが、同じ場所に戻ってくるピストン(往復)ならこれらの荷物は不要となる。
 
つまり、コンパクトなザックがあれば最低限の装備だけを持っていけるので、それだけでも大きな差が出ると言える。 

画像のザックは、モンベルのバーサライトパック20という容量20リットルのザックで、軽量でコンパクトに折り畳めるので大型ザックに忍ばせておいてもさほど荷物にはならない。
  
軽量・コンパクトゆえ生地は非常に薄く作られているが、木の枝などに気を付ければ充分に丈夫で、ハイドレーションやトレッキングポールにも対応した多機能な作りで便利である。
 

 


   
6時になり剣山荘を出発する。
 
 
明るい日差しと青空が、今日の登山日和を物語っているようで嬉しかった。
 
 
ただ、風は若干冷たく感じたので、長袖Tシャツの上に薄手のフリースを着て登る事にした。
 
段々と暑くなってきたので、前のジッパーを開けて袖まくりをしたら過ごしやすくなった。
 
シャツ1枚で歩いても良かったかもしれないが、その辺りの判断はなかなか難しい。
 
今回私は、パタゴニアのR1という薄手のフリースを用意していったが、9月中旬の寒暖差では割りと使いやすかったように感じる。
  
暑がりな人には良い防寒着になるし、寒がりな人はこの上に雨具をウィンドブレーカー代わりに着ていれば温かくなると思う。
  
 

 
剱岳の別山尾根コース、一服剱より前剱を望む。
 
剣山荘から剱岳に登る場合、別山尾根コースを通り一服剱や前剱というピークを越えて剱岳の本峰を目指す事になるが、これが剱岳登山では最も一般的なコースとなる。
 
もう1つの一般コースは、麓にある馬場島から早月尾根コースを通り、剱岳の本峰を目指す直登のコースがあるが、こちらは馬場島から山頂まで2200mもの高低差となり、北アルプスの中でも屈指の標高差となる。
 
そのため、余程の体力自慢・健脚自慢でなければ途中の早月小屋に一泊するのが良いだろう。
 
これら2つのコースは、一応は一般コースとはなっているものの、他の山々の一般コースとは全く違い危険個所が連続するので、登山初心者がいきなり登るのは困難である。
 
一般コース以外にも北方稜線からのコースや、雪渓を登ったりクライミングをするような方法もあるが、これらは一般的とは言えない大変難しいコースで、危険度は更に高くなる。
 
アイゼンやピッケル、クライミング用の装備などはもちろん、これらを使いこなすための教育や訓練も必要である。  
 
 
 
 
一服剱より富山市街地方面を望む。
 
天気が良く視界は非常に広い。
 
ただし、日差しが強いため紫外線の方も強力で、日焼け止めが果たしてどれ位効果があるのかが心配になってくる。
 
あと、一服剱は序盤で到達出来るピークなのだが、急登が始まっているので身体への負担も大きい。
 
この後、更に前剱が控えているので、剱岳本峰はまだまだ先の話になってしまう。
 
 

 
コースのすぐ傍はこのような感じになっている。
 
この先はコースでは無く、下の石には赤ペンキでバツと描かれている。
 
高度感が半端ではないような場所だが、こういった場所は剱岳に限った事では無く、他の山でも割りとよく見られる事ではある。
 
当たり前だが、慎重に通行する。
 
 

 
序盤の一服剱を越えて前剱に辿り着くと、剱岳の本峰が見えるようになる。
 
その姿は岩の壁のようで、果たしてどうやって登れば良いものか、こんな場所に本当にコースがあるものかと考えてしまう。
 
弘法大師が草鞋千足を使っても登れなかったという伝説もあるが、現代においてもその圧倒的な存在感は少しも薄れてはいない。
 
 
前剱辺りからは、一部で登りと下りのコースが分かれている。 
 
登りでは前剱の山頂を通って行くが、下りは巻き道なので間違えないように注意。
 
また、鎖場が多くなってくるので、混雑期には物凄い渋滞も発生するらしい。
 
ここまで来るのに何名かの方に抜かれていったが、中にはおじいさんと言っても差支えのない方もおられた。
 
素早い足さばきで険しい岩場を登っていき、次々と人を抜いていく姿は颯爽としていた。
 
驚いたのが後ろ姿で、何とザックでは無くショルダーバッグで剱岳に登っていたという事…だが相当なベテランであろう事はその動きを見ていれば分かる。
 
凄い人がいるものだと思った。
 
 

 
剱岳の本峰に登る人達。
 
急傾斜の険しい岩場である事がよく分かる。
 
鎖場以外ではこのような岩場が終始続いていく。
  
この方達が背負っているザックは、30~40リットル位だろうか。
 
私が剣山荘に置いてきたザックは50リットルなので、剱岳を登るにはやはり大きすぎて怖かったかもしれない。
 
サブザックを用意しておき本当に良かったと思った。
 
 

 
5番目鎖場と記された岩場の巻き道を慎重に歩く登山者。
 
狭いステンレス製の橋に険しい岩場なので、ここでもよく渋滞が発生するらしい。
 
今日も多くの登山者が見られたが、この辺りまで来ると上手い具合に人の姿が分散されたので、割りとすんなりと通る事が出来た。
 
ここも、登りと下りでルートが別々になっており、橋の下は下り用コースになっているようである。
 
落石を起こさないように注意を促す看板が見られた。
 
 

 
垂直に近い鎖場。
 
鎖はしっかりとしているが、完全に頼らずに基本は三点支持で登っていく。
 
このような場所を年配の方達も登り下りするのだから驚いてしまう。
 
でも、団体ツアーなどにかち合ってしまうと、1人1人がハーネスなどを使って慎重に登り下りするので、渋滞でかなり待たされてしまう可能性もある。
 
今日は、そういった団体の姿は無かったので、混雑は感じられなかった。
 
  
 
 
 
 
遠目だと、何度見てもどうやって登れば良いのか分からない。
 
尾根になっている場所がコースであろう事は想像出来るのだが、あまりにも急傾斜過ぎて人が登るには厳し過ぎるように見えてしまう。
 
 
… 

実はこの時、私は涙が出ていた。
 
恐怖心とかビビっているとかではなく、長年憧れていた山に登れているという嬉しさからだったのかもしれない。
 
今までの人生の中で、夢に思っていた事を叶えたり行動で示した事が一体何度あっただろうか?
 
勉強や仕事でもそうだが、自分の好きな趣味の世界ですら中途半端に過ごしてきたのではないか?
 
私は、登山を始めたのが30代半ばからなので、若い頃に憧れていた剱岳登山は夢のまま終わるだろうと思っていた。
 
だが、友人が登山を始めたのをキッカケにして私も始めるようになった。
 
最初は体力が絶望的なほど無くて愕然としたが、自分でも信じられない位の努力をして体力や脚力を備える事が出来たつもりだ。 

そして、長年の夢を実際に叶える時が来たのかと思うと、今までの夢や努力が報われたような気がしてたまらなく嬉しかった。
 
他人様と比べれば小さな志かもしれないが、今までいい加減に生きてきた私にとっては今回の登山はとても大きな出来事だった。
  
 

 
鎖場で順番を待つ登山者。
 
この辺りで一緒になった方々は、大学の学生さん達のグループと、単独で立山・剱岳の取材に訪れたというカメラマンさんだった。
 
学生さん達は、山岳部なのかと訊いてみると「ハイキング部です」と陽気に答えていた。
 
「山岳部」や「登山部」だと重々しくなってしまうので、和気あいあいとした雰囲気を持つためにあえて「ハイキング」にしたのだとか。
 
ノリが良く今どきの若者という感じがしたが、明るく丁寧な好青年達でもあった。
 
カメラマンさんは、重い一眼レフカメラを持っていたようだが、本当はビデオカメラで動画を撮りたかったらしい。
 
だが、剱岳はあまりにも険しいので、重い機材を運ぶのは困難なため諦めたそうだ。
 
学生さんもカメラマンさんも私より遥かに健脚だったが、鎖場の順番待ちの度に追い付くので話をする頻度が多かった。
 
 
 
 
カニのタテバイ。
 
登り専用のコースで、カニのヨコバイと並び剱岳で非常に有名な難所の1つ。
 
高低差数十メートルの鎖場が続くため、剱岳を代表する難所として知られている。
 
だが、カニのタテバイのような見た目でハッキリ危険だと分かる難所は、皆が注意をするため近年では事故はかなり減ってきているという。
 
むしろ、もっと容易な筈の箇所で滑落事故は起きているらしく、これは剱岳が終始険しく危険なコースである事を物語っている。
 
カニのタテバイは、その難易度からも渋滞の起きやすい場所ではあるが、前にいるのが先程の学生さんやカメラマンさんだったのでスンナリと登る事が出来た。
 
高度感が半端ではないので、高所恐怖症の人にはかなり厳しい場所だと思う。
 
実は私も高い所はそんなに得意ではなかったりする(軽度の高所恐怖症)。
 
 

 
順番待ちの間、頻繁に大きな声が聞こえてくる。
 
声のする方を見ると、クライマーが絶壁を登っているのがよく見える。
 
もちろん一般コースでは無く、クライミングの専用装備が必須なので難易度は非常に高い。
 
断崖絶壁というシチュエーションは見ていて怖ろしいが、見事な動きをしているので見ていてとても爽快であった。
 
   

 
 
剱岳山頂に到着。
 
先程、感極まって泣いてしまったせいか、山頂に着いた時は意外なほど落ち着いていた。
 
涙が出るような事はもう無く、いつもの山歩きと変わらぬ喜びを味わっていたと思う。
 
以前は山頂に祠があったようだが、何年か前に雷が落ちて燃えてしまったらしい。
 
 
剣山荘を出発してから2時間半ほどの行程だったが、まあこちらは参考時間と理解していただきたい。
 
もちろん私よりも遥かに早い時間で登り下りする方もいるし、遅い時間の方もいる。
 
 
昭文社が発行する山と高原地図では、参考タイムが2時間半となっているが、このタイムは高齢者の方にはかなり厳しいタイムなので、剱岳に関しては最初から健脚者向けのタイムを記しているように感じる。
 
ただし、タイムが早い=技術が高い・上級者という事では決してないので、あまりガイドのタイムを意識し過ぎる必要はないと思うし、別に競技をしているわけではないので、タイムに勝ったとか負けたとか言うのもナンセンスだと私は思う。
 
朝早く山小屋を出発し、慎重に歩けば午前中には山頂に着くし、下りも慎重に歩けば夕方前には充分に山小屋に着く…誰もが健脚ではないのだから、これは仕方のない事だと思うし充分ではないだろうか。
 
でも、自分の後ろにずっと列が出来ているのに全然気付かず、後続の人達をずっと待たせてしまっていた…というのはさすがに迷惑になってしまうので、、自分のペースが遅いなと思ったら、無理のない場所で後ろの人を先に行かせるなり譲り合うとか他人への配慮はもちろん必要だと思う。
 
 

 
せっかくの剱岳山頂なので、暫くの間眺望を楽しむ事にする。
 
1番高く見える3つコブになった山が立山。
 
その手前に真砂岳や別山の稜線。
 
立山の右奥には浄土山や龍王岳。
 
鞍部には三田平が広がり剱沢キャンプ場がある。
 
深い谷になった雪渓のある沢は剱沢。


 
 
黒部湖を挟んで後立山連峰が見えている。
 
画像真ん中に見える綺麗に尖っているのは針ノ木岳だろう。
 
 
実は、針ノ木岳のすぐ左側に富士山が見えているのだが、デジカメで上手く撮れていなかったようで残念。
 


 
遠方に見える一際尖った山は、皆さんご存知の槍ヶ岳。
 
周囲に見えている稜線は穂高連峰のようだ。
 
 
 
 
毛勝三山。



  
富山市街地と富山湾。
 
 

 
黒部川を挟んで後立山連峰、白馬岳周辺の稜線。
 
 

 
剱岳山頂の様子。
 
眺望は非常に素晴らしいが、日差しが強いせいかやや霞んで見えるのが少々残念だった。 

山頂で30分程過ごし、充分に眺望を楽しんだら剱岳を後にし剣山荘へ戻る事にする。
 
 

 
 
 
剱岳からの下り。
 
登りがきつかった分、下りも急峻で気が抜けない場所が続く。
 

大小様々な石が転がるガレ場なので、落石も起こさないように注意せねばならない。 
 
すぐに別山尾根コースと早月尾根コースとの分岐があるが、私は早月尾根へ間違えて入りそうになった。
 
コースを修正し落ち着いて下る事にする。
 
 

 
岩峰に危ういバランスで乗っている巨石…こういうのも奇岩と言うべきなのだろうか。
 
 

 
 
剱岳の難所の1つ、カニのヨコバイ。
 
こちらは下り専用のルートで、カニのタテバイ同様気の抜けない鎖場が続く。
 
現地を歩いている時に、タテバイよりもヨコバイの方が怖いという声も聞いたが、どちらにせよ危険箇所である事は間違いないので慎重に行動したい。
 
こういった不安定な岩場は、身長が高い人の方が有利な場面が多いように感じるが、もちろん身長が低くても手掛かり・足掛かりは問題ないようになってはいる。
 
 

 
下り専用の梯子場もあるが、こういった場所での梯子は高度感があり恐怖を感じてしまうので、私はあまり好きではない。
  
 

 
 
高度感と急傾斜が分かりやすい画像。
 
 

 
眺望が良くて見とれてしまいそうだが、画像の手前を見ると急峻なガレ場を下っている登山者の姿が見えている。
 
遠くから見て崖や壁のように見えていた場所は、現在自分自身が歩いている場所なのだと考えると、恐ろしい場所を歩いているなと強く実感する。
 
 


 
物資輸送用のヘリコプターが剣山荘あたりを飛んでいるのが見えた。
 
昨日もヘリがよく飛んでいたが、今日も相変わらず頻繁に飛んでいる。
 
天気が良ければ毎日のように飛んでいるのだろうが、宿泊客の少ない今頃が特に良い時間帯なのだろう。
 
 
 
 

段々と標高が下がり、今朝スタートした剣山荘が見えてきた。
 
しかし、この高度から剣山荘を見ていると、なんだか箱庭のように見えてくる。
 
やはり、こういった高山帯は見るもの全てが絵になるなと思った。
 
随分と下がってきたなと思い振り返ると、剱岳の本峰は一服剱や前剱の陰に隠れて見えなくなっていた。
 
 

 
11時少し前に剣山荘に到着。
 
6時に出発したので、約5時間ほどで戻ってきたという事になる。
 
行動中は頻繁に水分補給をしていたものの、山小屋に着いたらドッと喉の渇きを覚えたので、山小屋で売っている500ccのカルピスウォーターを購入。
 
程良く疲れていたので、カルピスの甘味が丁度良かった。 

大型ザックを引き取った後、山小屋の女将さんにお礼を言い外に出た。
 
 
外のテラスで荷物の整理を行っているうちに、相部屋で話をした方が下山してきたのでしばらく話をする事にした。
 
この後、私は剱御前小舎に向かい宿泊するのだが、もう1人の方も同じ宿との事なので、後でまた会いましょうと言い先に出発する事にした。
 
 

 
今回の立山・剱岳登山ではライチョウは見られなかったが、イワヒバリという鳥は頻繁に見掛けた。
 
頻繁にさえずり、人の近くにも寄ってくるので撮影もしやすく愛らしい。
 
全身が保護色になっているので、ジッとしているとあまり目立たないが、よく鳴くのであまり保護色が役に立っているとは思えない。
 
 

 
昨日通ったガレ場を今日は引き返すように登っていく。
 
ここから別山乗越にある剱御前小舎までは約300mの登りである。
 
剱岳登山を終えてそれなりに疲れているが、まだまだ体力は充分で、大型ザックも昨日背負って慣れていたので平気だった。
 
 

 
 
剣山荘が段々と遠くなっていく。
 
 


 
紅葉が始まっているナナカマド。
 
 
 
 
 
ついさっきまでいた剱岳が遠くに見える。
 
4時間前までは、あんなに険しい山の山頂にいたのかと思うと、人間の足というのも馬鹿には出来ないなと思ってしまう。
 
 

 
別山乗越にある剱御前小屋に到着。
 
今日は、14時位に着いたので、山小屋泊としてはちょっと早く着いたかなと思う程度の時間。
 
まあ、早く着いた方が時間に余裕があるので、早めに明日の準備をして、あとはゆっくり過ごしている方が気持ちに余裕があると思う。 
 
少し時間が経ってから、剣山荘で一緒になった人が来たので、外で暫く話をして夕食近くの時間までを過ごした。
 
 

 
五竜岳。 

剱御前小舎は、稜線上にある山小屋なので眺望が良い場所としても有名である。
 
剱岳はもちろん、後立山の山々もよく見えるのでゆっくり過ごすには良い山小屋かもしれない。
 
 

 
唐松岳。



 
白馬岳。
 
 



 
17時20分頃、夕食を済まし外に出ると、目の前には雲海が広がっていた。
 
夕食を済ませた他の人も外に出てきて、その光景に感動し声を上げていた。
 
今日は昨日に引き続き晴天に恵まれたが、夕方にもこんなに素晴らしい景色が見れたのはとても幸せだった。
 
 

 
地獄谷を見ると、火山性ガスが大量に噴き出していて、ロッジ立山連峰や雷鳥荘といった山小屋に煙が掛かっているように見える。
  
 
あれだと、臭いも相当なものでは?と想像してしまう。
 
 
 
 

 
西日が差していく剱岳。
 
天気に恵まれて無事に登山出来た事に感謝したい。
 
 
 

 

大日岳、奥大日岳の方角に日が沈んでいく。
 
雲海の次には見事な日没が待っていた。
 
雲海と同様、日没を見ていた人達は声を上げて感動していた。
 
 

 
日没後は、完全に暗くなり富山市街地の灯りが見えてくる。
 
寒くなってきたので、ストーブのある談話室へ行き天気予報を見る事にした。
 
明日も天気は良いようで、計画の立山登山も絶好の登山日和はほぼ確実のようである。
 
ニュースは見終わったので、相部屋へ行き消灯時間まで過ごす事にした。
 
相部屋は8人が基本だが、4名のみの利用なので余裕のあるスペースで寝る事が出来そう。
 
今日は熟睡が出来そうかなと期待したら…
 
剣山荘で一緒になった方のイビキが凄まじく、今まで聞いた中で最強クラスのものだった。
  
最初は我慢していたが、結局我慢出来ず耳栓を使い眠る事になった。
 
 
果たしてしっかりと寝れるのかと心配しながら5日目は終了した。
  
6日目につづく。

Posted at 2013/10/06 15:32:28 | コメント(6) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記
2013年09月28日 イイね!

2013年9月28日 天子山地の毛無山

2013年9月28日 天子山地の毛無山立山・剱岳のブログを途中までしか公開していませんが、今日は毛無山を山歩きしてきたので先にアップします。
 
以前アップした毛無山のブログはこちら→10月8日 毛無山(けなしやま)

 
 
2013年9月28日 

先週の立山・剱岳登山を終えて富山から帰ってきた後、ふと毛無山に登りたくなった。
 
土曜日は天気が良いという事で、計画を今日に決めて早速現地へ向かった。
 
 
 
 
シリオのP.F.664-GTXというトレッキングシューズ。
 
重量は1kg近く登山靴並であるが、険しい場所を歩くにはむしろ丁度良い感じだった。 

先週は山小屋泊が多かったので、靴を間違えられない様に靴紐を赤色にしていたが、今回は靴紐を元に戻しておいた。
 
地味な色になってしまったが、暫く山小屋泊は無いので間違えられる事は無いだろう。
 
ここ最近、シリオの靴は人気になりよく見掛けるようになったのだが、立山・剱岳では意外に同じ靴の人は見掛けなかった。。
 
私は、モンベルのツオロミーブーツというトレッキングシューズも持っているが、こちらは立山・剱岳でかなりの頻度で見掛けたので、こちらを履いて行ったら山小屋で間違えられる可能性が高かったかもしれない。
 
ツオロミーブーツはコストパフォーマンスが高いので、人気になるのもよく分かるような気がする。
 
 

 
 
今朝も富士山がしっかりと全貌を見せている。
 
8月は全然見えなかったのに、9月になった途端見える日が多くなった。
 
来月あたり、徐々に積雪した姿が見られるかもしれない。
 
 

 
今日山歩きした天子山地の毛無山。
 
天子山地は富士山の西麓にある山域で、標高2000m未満の山々が朝霧高原と富士川の間を南北に連なっている。
 
毛無山はその天子山地の最高峰で、麓から見ていてもその大きさは群を抜いており、非常にどっしりとした姿に見える。
 
山域の名前こそ天子ヶ岳の天子が採用されてはいるが、盟主は毛無山であるので、本によっては毛無山塊と記されている場合もある(正式名称ではない)。
 
ちなみに、この画像は毛無山の麓から撮影したものであるが、地名(住所)も「麓」である…つまり、富士宮市麓となる。 
 
 

 
毛無山登山口。
 
近くにある駐車場(1日¥500)に車を停めて、準備を済ませて出発する。
 
朝方はかなり冷え込むようになってきたが、良い天気なので日中は暑くなるだろう。
 
 
 
 
近くにある神社にもお参りをする。
 
毛無山に登る時は、毎回必ずこの神社に寄りお参りをするように心掛けている。 
 
他の山でも、神社や祠があればお参りをして山歩きの無事を祈っている。
 
 

 
 
毛無山は、静岡県富士宮市から登るコースと山梨県身延町から登るコースがあるが、富士宮市側から登ると序盤で2つのコースに分かれる事になる。
 
1つは不動の滝を見ながら登っていく距離の短いコース、もう1つは地蔵峠を経由する距離の長いコースである。
 
私は、いつも距離の短いコースを歩いていたが、今日は地蔵峠を経由する長いコースを歩いてみる事にした。
 
こちらは、沢沿いを歩いていくコースで、途中で何度か流れのある沢を横切らなければならない。
 
通常は、まあ渡れない事もないが、石を跨いで行くので自信の無い方にはお勧めは出来ない。
 
また、荒天時やその後は増水して渡るのが困難になる場合があるので、事前に天候などを調べて通った方が無難である。
 
地蔵峠経由のコースは、それなりのリスクがあるコースとも言える。
 
 


 
地蔵峠経由のコースは、増水時に通行困難になったり遠回りのコースにはなるが、美しい景観の沢を歩くので楽しくて感動するのはこちらの方が上。
 
 
滝もあちこちに見られるので、ただでさえ遠回りなのに見とれてしまい更に時間が掛かってしまうかもしれない。
 
私は、こちらのコースは今回が初めてだったので、感動してしまい歩いては立ち止まりの繰り返しになってしまった。
 
 

 
歩くのに時間が掛かり過ぎるので、後ろからハイカーに追い付かれてしまった…と思ったら、この山の管理人さんだった。
 
私は以前何度か管理人さんとお会いしており、その度に色々なお話を聞かせてもらっていた。
  
ただし、いつも会うのはすれ違う時ばかりだったので、今回のように登りで話をするのは初めてだった。
 
管理人さん…山に関する情報も凄いが、登山に関してもかなりのベテランで、沢を横切る時の石渡りの足さばきや、急坂での安定した歩き方は見ているだけで只者では無いという雰囲気を醸し出している。
 
本気で歩いたら、恐らく私はあっという間に置いて行かれてしまうだろうが、今回はコースを点検しながらテープを巻いたり邪魔な枝を撤去していたので、私も一緒に行動させてもらう事にした。
 
台風の影響か倒れた木や枝が多く、その度に鋸で切ったりコースからどかしていたので大変そうだった。
 
私も微力ながら少しだけ手を出してみたものの、あまり役に立ったとは思えない。
 
 


 
 
毛無山は、昔は金鉱山だったので、その遺構があちこちに残されている。
 
この辺りの金山と言えば、戦国時代の甲斐の武田氏の金山が有名で、実際に武田氏が支配下に置いた時代もあったようだが、金山として採掘が始まったのはそれよりも昔の鎌倉時代頃にも遡るという。
 
現在はもちろん金鉱山としては閉鎖されているが、沢の中から砂金が見つかる事は今でもあるそうで、実際にテレビ番組でも紹介されていた事がある。
 
ただし、前述の通り毛無山は私有地になっているので、そういった物を見つけても持ち帰るのは犯罪行為になってしまうので要注意。
 
 

 
 
沢の源流が近くなってきたせいか、滝の水量がかなり少なくなったように感じる。
 
不動の滝経由のコースは、正直なところ歩いていてあまり楽しいと感じないコースだが、地蔵峠経由のコースは景観が素晴らしいので、あちこちで腰を下ろしてゆっくりと休みたい衝動が起きてしまう。 
 
 

 
 
ただ、地蔵峠経由のコースはあちこちで沢を跨ぐコースなので、コースをよく確認しておかないと沢をそのまま下ってしまい、事故や道迷いの原因になってしまうので注意。
 
沢を辿れば麓に着くだろうという考えは甘く、沢には高低差の大きい滝があり、それはつまり人が通るには危険な場所という事にもなるからである。
 
コースには赤テープが張られているので、それを見逃さないように注意すれば道迷いの心配はない。
 
何年か前に、友人がここを下山道として利用した時、沢から森に入るコースが分かりにくかったという事を言っていたが、最近は管理人さんも頻繁に点検をして下さっているようなので、目印のテープは分かりやすくなっていると思う。 
 
 


 
 
毛無山では、大きなアザミがよく見られる。
 
このアザミは、オヤマボクチという種で「ヤマゴボウ」とも呼ばれ食用にされる事もあるらしい。
 
別の種で「ヤマゴボウ」と呼ばれる花も存在するが、こちらは毒があり食べられないので間違えないように注意。
 
 


 
イワシャジンという花らしい。
 
特別珍しい花というわけではないようだが、私は見た事が無い花だった。
 
釣鐘のような均整の取れた形と、鮮やかな青色が大変美しい花だった。
 
 

 
管理人さんと話をしているうちに地蔵峠の稜線に出た。
 
先週歩いた立山や剣岳の話もしてみたが、管理人さんはその山域の情報も抜かりはなく、私以上に情報がスラスラと出てくるのには驚いてしまった。
 
 
剱岳の北方にある毛勝三山がお勧めだと言っていたが、実は私も興味を持っていた山なので是非とも将来歩いてみたい。
 
 
 
地蔵峠…名前の由来は、この場所に置かれているお地蔵様の像だと思われるが、数十年前にはそのお地蔵様はもっとたくさん置いてあったらしい。
 
管理人さんの話によると、昔お地蔵様がブームになった事があるらしく、持ち去ってしまう輩が多かったのだそうで、今では僅かなお地蔵様しか残っていない事になってしまった。
 
でも、割りと最近新たにお地蔵様を置いていった人がいたようで、画像にも真新しいお地蔵さまが見えている。
 
 
ちなみに毛無山には地蔵峠が2つあり、こちらは古い方の地蔵峠で、新しい方はもう少し山頂寄りになる。
 
 

 
地蔵峠に出ればあとは稜線歩きなので、途中で富士山の絶景ポイントがあちこちにある。
 
今日は、天気が良いうえに富士山も全貌が見えたので、大変満足のいく眺望だった。
 
私は、毛無山には何度か登っているが、こんなに綺麗に富士山が見えた事は1度も無い。
 
ちなみに、管理人さんは毛無山には2000回以上登ったのだそう…麓から山頂までの標高差は1000m以上あり体力的に厳しい山で、2000回の間には他の多くの山々に登っている筈なので、毛無山だけで2000回というのは驚異的な回数だと思う。
 
 
 
 
道志山地の御正体山や鹿留山や杓子山が見えている。
 
 
  
 
愛鷹連峰や遠くに天城山が見えている。
 
 

 
 
タマゴダケという不思議なキノコ。
 
卵の殻を破るように出てくるのが名前の由来のようで、食用にもな
るキノコだそうだが味の方は分からない。
 
 
愛嬌のある形が目を楽しませてくれる。
 
 

 
不動の滝経由のコースと合流する地点。
 
ここまで来ると、毛無山山頂は程近い距離になる。
 
稜線も倒木が多く、管理人さんはその処理に忙しいようで、私はここで別れる事にした。
 
また近いうち会えるだろう。
 
 

 
北アルプス展望台と書かれた岩場に登ってみる。
 
過去に何度も登ってみたが、1度もまともに見れた事は無かったが、今回は…
 
 

 
雲が多いものの、南アルプスの多くの山が見えていたので、条件は割りと良かったように思える。
 
しかし、北アルプス展望台と書かれてはいるが、実際に見えるのは南アルプスがメインになっている。
 
北アルプスは、余程条件が良くなければ見えないだろう。
 
 

 
聖岳(ひじりだけ)。
 
 

 
赤石岳。
 
 

 
悪沢岳(荒川岳)。
 
 

 
塩見岳。
 
 

 
白峰三山(農鳥岳、間ノ岳、北岳)。
 
ここまで画像に載せた山々は全て3000m超えの山々…正に日本の屋根。
 
 

 
鳳凰山も見えたが、すぐ傍に見えるはずの甲斐駒ヶ岳は雲に隠れて見えなかった。
 
 

 
南アルプスでは無いが、八ヶ岳も見えていた。
 
 

 
毛無山山頂。
 
富士山は木々でちょっと見えにくいが、少し移動すれば絶景ポイントがある。
 
 

 
一等三角点。
 
ちなみに毛無山の最高点はここでは無く、離れた場所にある大見岳というピークらしい。
 
 



 
毛無山周辺の稜線は木々に邪魔されない開けた場所があり、眺望の良い場所が多く富士山もよく見えている。
 
 

 
毛無山とほぼ同じ高度をパラグライダーが飛んでいる。
 
私はパラグライダーの経験は無いが、飛んでいる時の視線は画像のような感じなのだろうか。
 
 


 
木々の紅葉が始まり、見上げれば青い空。
 
稜線は風が冷たかったが、日差しが強いので歩いていればそんなに寒くはなかった。
 
山歩きをするにはとても良い条件だったと思う。
 
 

 
帰りは、不動の滝経由のコースを歩いた。
 
こちらは距離は短くなるが、傾斜はきつく岩がゴロゴロしているので、実は結構歩き難い。
 
 

 
五合目付近にあるヘリのレスキューポイント。
 
木が伐採され開けた空間になっているので、レスキューはもちろん休憩するにも良いスペースになっている。
 
 

 
今回はここでお湯を沸かし、カップ麺とコーヒーを飲む事にした。
 
普段は、ウィダーインゼリーや水だけで済ませてしまうので、わざわざストーブを出してお湯を沸かすような事は非常に珍しい。
 
他人が旨そうにカップ麺を食べているのを見ると、自分もいつか真似したいと思っていたので、今回はゆっくり歩いている事もあり休憩もゆっくりする事にした。
 
 

 
不動の滝を見学。
 
落差が大きく、いつ見ても水量が多い見映えの良い滝。
 
もうすぐ紅葉の時期になるので、その時には更に美しい姿になるだろう。 
 
 

 
 
無事に下山し駐車場へ。
 
コースを下っている最中は多くの人とすれ違い、私が駐車場に着いた時には車の数がかなり増えていた。
 
今日は、皆満足のいく山歩きが出来ただろう。
 
またこんな日に山歩きをしたい…そう思った1日だった。
Posted at 2013/09/28 22:07:38 | コメント(5) | トラックバック(0) | 山歩き | 日記

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