
12月2日、前日の天狗岳に続きこの日は八ヶ岳連峰にある蓼科山に登ってきた。
12月1日に友人と登った天狗岳は強風により登頂を断念したが、蓼科山のほうは天気は大丈夫そうだったので期待して登れそうだった。
白樺湖付近から蓼科山を望む。
蓼科山は、富士山のような綺麗な三角形をした火山でよく目立つ。
この三角形はどの位置から見ても概ね共通しているが、位置によっては画像のように単独峰のようにも見える…ただし、蓼科山は八ヶ岳連峰に属する連山のうちの一峰。
蓼科山へ登るための登山口は複数あるが、そのうちの1つにすずらん峠と呼ばれる登山口があり、私と友人はそこから蓼科山に登る事にした。
ここからなら、直登で参考コースタイム3時間と分かりやすい。
私達がここへ来たときは既に多くの車が停まってはいたけど、駐車場はそこそこ広いので停めるのにはまだまだ余裕があった。
天気は良いし、登山口から見ても蓼科山方面に雲など掛かっていないので、絶好の登山日和となるだろう。
ちなみに、このすずらん峠はワインディングロードで有名なビーナスライン沿いにあったりする。
時期的にスポーツカーや二輪は通らないかなと思っていたら、まだまだ日中は普通に通っているみたい。
登山口に入るとしばらくは笹原のなだらかなコースが続くが、それもすぐに終わり険しい岩稜の坂をずっと歩かねばならない。
コースの大半はこんな感じで、段差のある急登なので非常に歩きにくい。
私は、山歩きをする癖に登り坂が苦手という致命的な弱点を持っているので、特にこういう段差のある場所はなかなか足が前に進んでいかない。
そういう苦手を少しでも補うために、平日に山坂道をジョギングするというトレーニングをしているが、実際にコースを歩くとなると使う筋肉が違うのかなかなか上手くいかない。
友人は私より健脚で羨ましい限りだが、どうも脚に負担がかかっているようで怪我や故障が心配のようだ。
私は故障はあまりしないほうなので、人にはそれぞれ得手不得手があるものだなと思う。
この日は12月と言うのに割りと温暖で、ずっとこんな急登を歩いているから汗がどんどん出てきて暑い。
私も友人も、やがて上着を脱いでTシャツ1枚で歩く事になった。
山頂が近付いてくると、樹林帯が終わりハイマツ帯…つまり高山帯に切り替わるが、蓼科山は火山なので山頂付近は溶岩がゴロゴロと転がっている荒地である。
溶岩に遮られ植物は自生出来ず、山頂は殆ど植物が見られない。
高山帯のため、遮る物が無いので冷たい風が容赦なく吹いてくる。
Tシャツで歩いていた私はたまらずに上着を着たが、周辺を見てもTシャツだけで歩いている人はさすがにいなかった。
山頂付近はハイカーの姿が多く色んな人とすれ違う。
中には、5歳に満たないと思われる子供が泣きながら岩を飛び移っているのを見掛けた。
危ないかなとは思ったけど、泣きながらもしっかり岩渡りをする姿は逞しくも感じた。
そんな私は登り坂で既に足が終わりヘロヘロだった。
蓼科山の山頂。
火山らしく溶岩がゴロゴロ転がる殺風景な山頂だが、遠くに人の姿が見えるだろうか…これだけなだらかな広い山頂を持つ山はなかなか珍しい。
なだらかと言っても、人が歩いて移動するにはゴツゴツしていて歩きにくい事このうえないのだが。
眺望は素晴らしく、遠方には北アルプスの広大な稜線がほぼ全て見えていた。
画像は、上から八ヶ岳連峰、南アルプス、木曽御嶽山。
このように、山頂は遮る物がない大パノラマである事がよく分かる。
やっぱり高山帯の山は、こういう眺望が得られるのが素晴らしい。
おっと、そう言えば富士山が見えなかったな。
後で各地のライブカメラを確認してみたら、この日の富士山は雲が掛かり殆ど見えなかったみたい。
山頂には蓼科神社の奥宮が鎮座している。
ただし、山頂があまりにも広大なため目立たないので見つけるのがちょっと難しいかも。
今回唯一撮影した(してもらった)自分。
いつも友人に頼んで撮影してもらう時、毎回逆光の事を言われるので今回は順光の位置をしっかり確認して頼んだら、今度は景色が見えていないと言われた。
まあ、山頂に行ったという記念だから、景色があまり写っていなくても充分だと思った。
しかし、後ろに見えているケルン…これだけ大きな物でも、広大な山頂の中ではあまり目立たないんだよね。
山頂から見た白樺湖周辺。
テレビCMでお馴染みの白樺湖リゾートがある辺りである。
周辺にはスキー場も多いはずだが、まあとにかく雪が少ない。
こんな標高2500mを超える山ですら雪が少ないのだから、そりゃあ麓は雪が全然無くてスキー場もオープン出来ないわけだ。
蓼科山山頂からの下り。
広大な山頂のため、下る時は注意しないとルートを間違えやすい。
適当な位置から下り始めたら、全然違う所に降りてしまいちょっとだけ遠回りしてしまう羽目になってしまった。
元来た道を下り登山口へ向かう。
苦手な登りと比べて、下りはそれなりのペースで歩けるので気持ちが軽い。
また、このコースはひたすら登って山頂に着き、ひたすら下って下山なので余計な登り返しもないので本当に助かる。
足腰への負担は大きいものの、体力をあまり使わずに済む下りは登りよりも早いペースで歩く事が出来る。
登りでは息切れしないよう無口で歩くようにしているが、下りは喋りながら歩いても平気なので時間が経つのも早く感じる。
ビーナスライン沿いにある登山口まで下りてきて今回の山歩きは終了。
前日の天狗岳はちょっと残念だったけど山小屋では楽しかったし、この日の蓼科山は素晴らしい眺望で満足する事が出来た。
でも、私自身の脚力の無さは如何ともしがたい…身近なトレーニングをあれこれ試行錯誤するよりも、実践で鍛えるほうがより効果的だと思うので、もっと山を歩いて経験を重ねるしかないかな。
スント アンビット2で計測した今回の山歩きのデータ。
歩いた距離が約6km、累計標高差は約900mとそんなに厳しい行程では無いはずだが、その割りに脚が悲鳴を上げたのは歩きにくい段差のある岩場が体力を削っていったものと思われる。
歩いていて地元の毛無山(天子山地の毛無山)に似ているなと思ったのは私も友人も同じ意見だった。
高度グラフを見ても分かるように、ひたすら登ってひたすら下るという分かりやすい行程のコース。