前回のブログで書いた通り、早速山歩きのブログを書きたいと思う。
今回の山歩きは、南アルプス北部にある鳳凰山。
薬師岳、観音岳、地蔵岳という3つのピークがある事から鳳凰三山とも呼ばれており、最高峰は観音岳の2841mで山頂付近の稜線が森林限界を超えている。
登山口までの交通アクセスが悪い南アルプスの山々の中でも比較的交通アクセスが良いという事や、難所などの危険が少なく登る事ができ、山頂からの眺望が良い事などから人気のある山である。
友人から正月に鳳凰山に登ろうと誘いを受けていたので、金峰山にしようか迷ったが今回は鳳凰山に決定した。
1月2日、夜叉神の森。
ここには鳳凰山の登山口があるのでここから山歩き開始となるが、登山シーズンにはここからバスなどを利用して南アルプススーパー林道を通り広河原という場所まで行き、そこから北岳などの白峰三山を登山するコースがあったり、広河原から更にバスに乗って北沢峠まで行き甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳を登山するコースもあるので、この場所は南アルプス北部の交通の要衝となる場所である。
もちろん現在は厳冬期のためバスなどは発着しておらず、広河原や北沢峠へ行くには徒歩で行かなければならない。
連休という事で駐車スペースに車を停められるか心配だったが、意外にも車の数は少なく容易に停める事が出来た。
ここは駐車場が混んでいる事が多いので、何故こんなに少ないのかと友人も不思議がっていた。
画像の車は、山歩きを見越して一昨年購入した軽自動車で、狭い道でもすれ違いが容易で最低地上高が高いフルタイム四駆という理由で購入したスズキのKei。
この車が駄目になったら、次はハスラーを候補にしようか。
車の横に置いてあるザックは、冬季登山などで使う機会があるオスプレーのバリアント37(旧モデル)というモデルのザックだが、こちらは頻繁に使う事はないが結構長く使っているザックになっている。
登山届を提出し山歩きを開始。
登山口にはよく「クマに注意!」の看板が設置されているが、こういった看板は登山コースがある山ではよく見られる物である。
本当に最近目撃されていると、詳細が書かれていたり目撃例の貼り紙などが貼られている場合が多い。
山歩きを開始してしばらくすると、積雪が見られるようになってきた。
当然標高が上がるに従って積雪している可能性は高いので、この先にある夜叉神峠でアイゼンを付ける事にした。
夜叉神峠。
ここは、夜叉神の森から徒歩で約1時間くらいの位置にあり、白峰三山の眺望が良いのでハイキングなどで訪れる人が多い。
今の時期はこの夜叉神峠を目的に訪れる人は殆どおらず、多くはここを通過して鳳凰山を目指す人達である。
肝心の白峰三山は山頂付近に雲が掛かっているように見えるが、もしかしたら強風で雪が舞い上がっているのかもしれない。
実際にこの夜叉神峠でも強い風が吹いており、気温も氷点下5度を下回っているので体感温度が非常に低い。
早いところアイゼンを付けようと急いでザックに入れてあった袋を取りだすと…
出てきたのは6本爪アイゼン。
実は、使うつもりだったのはこの6本爪アイゼンではなくチェーンアイゼンという物だったのだが、中身をよく確認せず間違えてこちらを持ってきてしまったのだ。
こちらはチェーンアイゼン。
ゴムバンドで固定するので、靴下を履くような感覚で簡単に装着出来るし、短い爪が細かく無数に配置されているので岩場でも歩きやすい。
6本爪アイゼンは、靴の真ん中付近に長い爪が6本配置されているので平地だとどうしても不安定になるし、つま先やかかと部分には爪が無いので狭い場所での歩きだとアイゼンの爪が掛からず滑ってしまう可能性がある。
間違えてしまったのは仕方ないので6本爪アイゼンを付けようとしたら、今度はアイゼンを固定するためのバンドが壊れてしまっていた。
ロックが出来なくては使う事が出来ないので6本爪アイゼンを諦める事になり、あまりにも情けない自分への怒りから癇癪を起こしてしまい友人に咎められてしまったが、これで帰るわけではなく万が一のために用意していた12本爪アイゼンを使う事にした。
12本爪アイゼン。
靴底に10本、つま先の前方に2本の爪が飛び出ている厳冬期登山の縦走や登攀に使われるアイゼンで、積雪歩きのグリップはもちろん最高だが爪が長いので岩が剥き出しの場所や平地では非常に歩きにくく、重量もあるので足に掛かる負担が大きくなる。
見た目がかっこいいので冬山で使っている人を多く見掛けるが、途中で積雪していない場所を通過するのにかなり歩きにくい様子をよく見るので、出来ればこれは使いたくなかった。
でも、6本爪が壊れている以上はこれを使うしかないので12本爪アイゼンで歩く事にした。
南御室小屋。
長い長い登りをひたすら歩き、せっかく稼いだ高度を下げてしまった鞍部にある山小屋で一旦ここで休憩。
ここへ来るまでは低温と強風の中での歩きとなり、普段暑がりなはずの私も友人も氷点下10度と強風の中ではさすがにたまらない。
何とかここまで辿り着いたが、私達が泊まる山小屋は更に300m以上登らなければならない。
更に、高山帯歩きでは最早お約束になってしまったが、今回もまたしても軽度の高山病になってしまったようで頭が重かった。
全然激痛ではないのだが、偏頭痛持ちの私としては頭が重いという感覚が痛いに変わってしまわないかと心配だった。
長い登り坂が終わると森林限界を超えて高山帯となる。
画像は高山帯に入ったばかりの稜線にある砂払岳という場所で、雪みたいに白い花崗岩の砂が広がっている場所。
この辺りに雪が積もっていないのは、ここは風の通り道で積もった雪が吹き飛ばされてしまうからである。
台風みたいな風なので身体を安定させるにも一苦労で、ふらつく身体を何とか踏ん張りながら富士山を撮影した。
砂払岳から見る白峰三山。
山全体が見えるようになっていたが、あちらはもっと寒くて強い風が吹いているだろう。
何しろむこうは3000m峰が3つあり、鳳凰山よりも300m以上高い北岳や間ノ岳があり、両者は国内2位と3位の高峰なのだから気象条件はより厳しくなるはず。
薬師岳小屋。
今回私達が泊まる山小屋で、昨年建て替えが終わったばかりの新しい山小屋になった。
中に入って手続きを済ませるが、今回の年末年始の営業では夕食のみの提供となり朝食は各自用意してくれとの事。
まあ、腹が減っていたらお湯を沸かしてインスタント食品を食べる事にしよう。
新築の山小屋なので中もとても綺麗だし、個室のような作りになっていて落ち着く空間に生まれ変わっていた。
布団も新しい暖かそうな物になっていたので寝るにも快適そうだ。
部屋の真ん中は長テーブルが置かれ談話スペースのようになっており居住空間が広く取られているが、その分定員は以前の60名から40名に減っているようだ。
これは夏のシーズンは事前に予約しておかないと泊まれないなと思ったが、今回私達が泊まる日は20名の宿泊という事であまり混雑はしていなかった。
ただ、トイレが屋外にあるというのは昔から変わっていないようで、強風吹き荒ぶ中で用を足しに行かなければならないと思うと不安になった。
かなり早い時間に山小屋に着いたので、とりあえず薬師岳山頂まで行ってみようと外に出てみた。
相変らず風は強く、特に顔面が麻痺してしまうような寒さがとにかく辛かったが、更に登り坂で既に本日の脚力が終了していたので、すぐ近くにある薬師岳までの道のりがとても遠く感じてしまった。
友人は12本爪アイゼンの重さが効いているのではないかと言っていたが、たぶん私もそう思う。
薬師岳山頂。
鳳凰山は眺望の良い山で薬師岳からの眺めもとても良かったが、とにかく寒さが辛かったので隣の観音岳にはとても行く気にはなれずすぐに山小屋へ引き返した。
観音岳は明日天気が良かったら行こうという話になったが、翌日はもっと荒れるだろうという予想しか出来なかった。
山小屋に戻ったものの夕食までにはかなり時間があるので、友人はビール、私はジュースを飲んでその後はストーブの番人となってジッと座っていた。
特にする事がなくなってしまったので、ふと山歩きのデータを測定していたGPSウォッチを確認していたら、近くに座っていた女性が興味深そうに時計の質問をしてきた。
カシオのプロトレックのように気圧計や高度計やコンパスが付いた時計や、最近は更にGPSで歩いた軌跡を記録出来る腕時計があるんですよ的な話をしたりした。
話をしているうちに、その女性は何と広島から車で夜叉神の森まで来たのだと言う。
その話にビックリする私と友人だったが、かなりの頻度で山歩きをしている本当に山好きの方みたいで、話がとても面白かったので結構長い時間話し込んでしまった。
でも、その話をしていたお陰で重かった頭の感覚がとても楽になったし、とても助けられた気分になった。
知らない人と話をして過ごすというのも山小屋の魅力なのかもしれない。
山小屋の夕食。
当たり前だが、普通の旅館などと比べれば食事はシンプルになってしまうが、こちらの山小屋はとても頑張って極力質素にならないよう作って下さってると思う。
テレビに天気予報が表示されていたが、翌日は麓の天気が雪になっているので御来光は無理かなという考えになった。
友人は御来光よりも睡眠時間が大事そうな事を言っていたが、やはり天気次第では起きるという気持ちもあるのだろう。
とりあえず早朝に外の様子を見て決めようと思った。
ブログの容量が心配なので、1月3日のブログは別の機会に。
12月23日、本日は富士宮市に完成した静岡県富士山世界遺産センターがオープンする日。
今月何度か外観を撮影していて、そのデザインや演出に感心していたのでオープンの様子を見てみたかったが、今日は絶対に山歩きをすると決めていたので諦めた。
静岡県富士山世界遺産センター。
近いうち建物の中も見てみたいね。
12月23日の朝、日守山駐車場に車を停めて山歩き開始。
歩くのは奥沼津アルプスと沼津アルプス、標高400mに満たない低山が複数続く縦走だが、アップダウンが激しいため結構大変なハイキングコースとなる。
気温は0度くらい。
寒いには寒いけど、登り坂を歩けばあっという間に汗だくになってしまう。
麓を見ると狩野川の水面から煙のようなものが立ち込めていたが、もしかしてあれが「けあらし」なのだろうか。
既にスイセンの花が咲いていた。
伊豆方面は花の開花が早いね。
大嵐山(地元では日守山と呼ばれる)の山頂から見る富士山。
丁度紅富士の時間に撮影出来たが、積雪量が疎らなので若干残念な感じがする。
大嵐山の次の大平山に着く頃には身体は完全に温まっていた。
と言うより、大平山手前にある急勾配で汗を掻きまくり、シャツは既に汗でベットリしていた。
大嵐山と大平山の間はアプローチが比較的長く、地形も急峻で梯子やロープが設置されているので注意が必要だが、低山ながら非常に変化に富んでいて面白い。
大平山と鷲頭山の間には、こんな人工的な階段が作られている。
こういう場所は比較的歩きやすいからいいけど、土砂流出を防ぐための丸太の階段が年数と共に崩壊したような箇所は歩きにくくなっている。
鷲頭山。
木々が多いものの、広い山頂と部分的に眺望が良い方向があるのでゆっくり休むのに良いかもしれない。
でも、この先にはもっと眺望の良い場所がたくさんあったりする。
海に近い場所をハイキング出来る山というのは魅力的だと思う。
徳倉山に着く頃には山歩き2時間以上経過していたが、雲が掛かりやしないかと心配していた富士山はまだまだ綺麗に見えていた。。
徳倉山の激しいアップダウンを過ぎて横山に到着。
既に累計標高差が1000mを超えているので、脚が結構疲れてきている。
今回の山歩き最後のピーク、香貫山。
ジョギングやウォーキングコースとしてよく歩いている地元の岩本山とほぼ同じ標高の山だが、脚が結構疲れていたので山頂に着く頃にはヘロヘロになっていた。
山頂近くの芝住展望台は眺望が素晴らしい。
富士山はもちろん、沼津市街地や駿河湾が良く見えるいわゆる大パノラマってやつかな。
中腹の香陵台にある忠霊塔と富士山…と言いたいところだが、富士山は木に隠れて見えにくい。
富士山と忠霊塔を一緒に撮れる場所がないか探したが、なかなか見つからず厳しいので諦めた。
この後下山してバスで移動して日守山駐車場へ戻った。
今回の山歩きのデータ。
最大高度が400mに満たない割りに累計標高差が1300m近くになっており、アップダウンがかなり激しい山域である事がよく分かる。
今回の山歩きは、いつもと違う場所から富士山を眺める・撮影するという目的が強かったのでとても満足だった。
山歩きのトレーニングとしてもなかなか効果的だったと思う。
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