「知る権利」の果てに

せっかく、今日昼間のTVで見た「クロワッサン餃子」から話を拡げるつもりでいたのに、ちょっとカチンと来た出来事を見つけてしまったので、急遽予定変更です。

まずは、少々長いんですがこちらの映像をご覧ください。


今日放送された「とくダネ！」で、NZ大地震で被害に遭われ、救出のために右足切断を余儀なくされてしまった方へのインタビューの様子がこれ。

ご覧になって、どう思われましたか？
私がこれを知る切っ掛けになったのが関連情報のリンク先の記事だったのですが、正直これはないだろと思いました。

しかし、救助のためとはいえ、片足切断という現実を受け入れた方に対して、この態度は果たしていかがなものかと。
まして、ろくすっぽ落ち着けている状況ではないのに「まだたくさんの方が行方不明で…」なんて話をされたとしたら、どう思うのか！

過去にも、こうした大事故や災害現場におけるマスコミの取材に対しての批判が多くあったにもかかわらず、何ら反省しようとしていない。
なんというか、肥溜めに落ちた土足で他人の茶の間にずかずかと上がりこむようなマネを一向に改めようとしないこう言った姿勢には反吐が出ます。

ただ、誤解しないでいただきたいのは、私は知る権利を否定するつもりは毛頭ありません。
そのためのマスコミですし、それが仕事ですから。
それに、私が携わってきた整備士という仕事も、ある面で見れば「人の不幸でメシ食ってる」という側面があることは否めません。

しかし、物事やるにしてもやり方と限度はあります。
高額な修理を請け負うにしても、ハナッから「ダメじゃんこれ。買い換えたほうが早いわ！（爆笑）」 なんて態度をとったら、それこそ客に恨まれますし、遺恨が残ります。
なにより、こう言った姿勢で自滅すらしてしまうのです。尤も、どこでもそうですが。
 
ですから、出来る限りのことを考えられるだけ行って結果を出す為に努力します。
勿論、それにも限度はありますから、最終的にはお客様に納得が得られるまで話し合い、理解をしてもらって廃車なり代替なりの交渉を行うというプロセスとなることも当然あります。

今回の場合、生命の維持と救助のためとはいえ、究極の決断を過酷な状況の中 で迫られ、かつ、それを受け入れた人に、「これから大好きなスポーツもできなくなりますよねぇ」なんて話を面と向かってできますか？
仲が良かった友人たちの安否さえ不明という、絶望の真っ只中に突き落とされている状況の方に、果たして「まだ大勢の方が生き埋めになっていますが」なんて聞けますかね？

「これをきっかけに、マスコミには猛省を…」と言いたいところですが、あまりにも自浄作用のない者共に、多くは期待できないでしょうね。

いまもそうですが、多分今後も私にとってテレビとは「NHKニュースとアニメ以外には用事が無い」物でしか無いと思います。