
とりあえず何とか落ち着きましたが、今週頭頃から、我が家のわんこさんのうちの一匹の体調が一時重篤な状態になり、ここのところ獣医通いが続いてまして、気がついたら6月になってました(^^ゞ
この件は、また折々お話しするとして…。
すでにご存じだと思いますが、先月29日に、あの法案が議員立法という形で衆議院に提出されてしまいました。
自民党と公明党、日本維新の会の3党は児童ポルノの所持規制を強化する「児童ポルノ禁止法」の改正案を国会に提出しました。
現在の児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを提供する目的での所有が禁止されていますが29日、3党が提出した改正案では個人が趣味で児童ポルノの写真などを持つ「単純所持」も禁止し、違反した場合には罰則を設けています。
自民、公明両党は以前から「単純所持」を禁止する法改正を目指して国会に同様の法案を提出していましたが、去年、衆議院が解散されたことによって廃案となっていました。
TBS系(JNN) 5月30日(木)8時16分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130530-00000024-jnn-pol
現段階ではまだ噂レベルの話ですが、来月から交渉参加となるTPPにおいて、
日本の著作権法の非親告罪化をアメリカ側から求められているという情報が有り、所謂同人業界が戦々恐々としているという話が聞こえているという流れで提出されたこの法案。
これが果たして偶然なのか、それとも何らかの意図が介在しているのかは未だ見えないところですが、個人的には後者の方が強くも思えてなりません。
この法案が提出された日の夜、TBSラジオ系列で放送された
「荻上チキ・Session22」という番組でこの法案について取り上げていて私も聞いていました。
*その時の放送内容は番組公式サイトからポッドキャストで聞くことが出来ます。
番組では、
表現の自由に詳しい弁護士の方や
漫画家の赤松健氏に加え、今回の法案の反対派で有り、この法案の危険性を訴え続けている
山田太郎・参議院議員が出演されましたが、一方で、
法案を提出した議員を始め、「賛成派」とされる議員に出演依頼したところ、
スケジュールの都合等の理由で出演を断られたとこのこと。
確かに、日頃我々国民のために粉骨砕身で働いてらっしゃるセンセイ方ですから、お忙しいのはわかるんですが、たまたまかもしれないとはいえ、
雁首揃えて全員から出演拒否するってのもなんだか解せない話。
端から見ても、
ピンを抜いた手榴弾でキャッチボールをするかのような危険度の法案であり、ネット民発祥とはいえ世の関心が高まってるわけですから、いくら急なお願いとはいえ、
最低でも文書か何かで自分たちの考えを出すべきだし、それじゃ
ディベートにもなりゃしないと思ったのは私だけじゃないと思います。
まとめサイトも立ち上がってますし、
提出された法案全文やそれにまつわる資料は先の番組サイト内や山田議員のサイトから読むことが出来ますので、詳しくはそちらをお読みいただくとして、では、
一体何が問題になっているのか?
「児童ポルノ」というセンセーショナルな文言もさることながら、今回の法案の一番の目玉である
「児童ポルノの単純所持禁止」という部分が、まずさしあたっての問題です。
ここで言う「児童」とは
18歳未満の男女を指すのですが、性的好奇心を満たすために児童をモデルとした図画を所持することを禁止しますという内容。
つまり、
18歳未満の子供を使った裸体画像を理由もなく持ち歩くのは、麻薬や覚醒剤と同じで処罰されますよ、っていうこと。
まぁ、確かに文字だけ見れば至極まっとうなことですし、現状から見れば
「思い当たる節がありすぎるキモイヲタクの間での話」だと見られがちですし、
賛成派がそういう論調に持って行きたがってる節も見え隠れしています。
しかし、そこが
大きな間違いで有り、落とし穴でもあるのです!
実は、この法案の問題点の根本でもあるんですが、肝心要の
「児童ポルノ」の定義が余りにも曖昧すぎるうえに、
「性的好奇心を満たすための所持」か否かを判断するのは検挙する側にあるという無茶苦茶さなのです。
だから、仮に
自分の子供の成長記録として撮影した画像や動画なのに、
水着が映ってるとか、風呂に入れている場面で全裸になってるというシーンがあれば、
有無を言わさず両手にワッパをはめられるという不条理がまかり通ってしまうかもしれないのです。
「自分の子供で欲情する馬鹿がいるか!」と言われれば確かにそうなんですが、この法案が施行されてしまえば、
そんなのは屁理屈にもならないという事になるのです。
加えて、
撮影時点で児童に該当する年齢だった場合すべてに該当しますので、例えば、一世を風靡した宮沢りえのあの写真集を持ち歩いてるだけでもNGだし、かのトレイシー・ローズのヌード画像(撮影等に17歳だったそうな)なんて持ってた日にゃ警官ホイホイ・冤罪ホイホイなのですよ。
*「宮沢りえのあの写真集」がNGという見解は、すでにある自民党議員により国会答弁で出された、とのこと。
そうそう、冤罪で思い出しましたが、
気に入らない奴のPCのHDDに、こっそりその手の画像をある程度の枚数を忍び込ませるだけで、「児童ポルノ法違反」をでっち上げることも容易になります。
こうなると、漫画・アニメファンを、
偏見の上に歪曲が数十回重ねられた上でマスコミが取り上げてきたことすら、まるでおとぎ話に思えてきますな。
ですが、こんな馬鹿げた話がそう遠くない将来、現実になるかもしれません。
さて
、「児童ポルノ」がらみっていうといつも目の敵にされてきている「漫画・アニメ」関連の方へも波及する文言が付け加えられました。
「今後3年間で、漫画やアニメが児童ポルノに及ぼす影響を調査・研究し反映させる」というもの。
所謂三次元ものだけでなく、
「二次元」のものも例外対象としないという事なんですね。
まるで、あの
東京都青少年育成条例の時のようなことが、
今度は全国レベルの「法律」という形で規制される可能性があるという事になるのです。
…法案提出者にある維新の会の共同代表の片方は
あのお方ですから、名前が出てきても不思議じゃないですけど。
これに関しては、先述の山田議員や赤松氏を始め、漫画アニメ業界や出版業界からも抗議が出されています。
つまり、「そのものズバリ」ってのはともかくとして、例えば「ドラえもん」におけるしずかちゃんの入浴シーンなんてのも、今後は
「有害図書指定」される可能性をはらんでいます。
確かに、昨今の深夜アニメの中には
「ちょwwwおまwww」って言うぐらいの描写がされているものが散見されるようになり、
それを許容している我々ファン側にも非があるといえるでしょうし、いくら「表現の自由」が確立してるとはいえ、一定の線引きは必要だと考えます。
しかしながら、性的な意図がないにもかかわらず「あれもダメこれもダメ」って言うのは、いわば
言論統制そのものであるといえるでしょう。
結局、何が言いたいかというと、「児童ポルノの被害に遭う子供を少しでもなくそう」と言うのが本来の姿であるべきにもかかわらず、
賛成派の連中が望むもの以外は徹底的にこれを排除するという体になってる時点で、全くお話にならないという事なのです。
それに、本当に
「漫画やアニメが児童ポルノに影響を与えるもの」なのかを真剣に討議すらせずに、何でもかんでもやり玉に挙げ吊し上げてるくせに、一方では
国策として「クールジャパン」を提唱するというダブルスタンダードがまかり通るのであれば、
何も国策としてやっていただく必要もないのです。
それであれば、「児童ポルノ」の定義を明確化した上で、
議員立法という目立たない方法で不意打ち的に提出するのではなく、しっかりとした国民的議論を呼び込んで、大いに問題にすれば良いのです。
そのためには、より多くの方にこの問題を知ってもらい、
ネットの中だけではなく、一人一人が声を上げていくべきだと考えます。
最初は小さな音量でも、数が集まれば大音量になって必ず届くのですから。
まぁ、何となくですが、
裏で手を引いてる団体とか個人は何となく想像が付きますし、この問題に少しでも関心がある方はおわかりかもしれません。
私としても、是非そういう連中を吊し上げたいところですが、それやっちゃうとただの誹謗中傷になりますし、抑もそれが目的でこの記事を書いてるわけじゃないんでやめときますが…。
「イマイチピンと来ない」という方は、
丘の上であの人の心をひなげしの花を使って占ってれば宜しいかとと存じます。ハイ(笑)
再三繰り返しになりますが、
是非この法案に付いてのまとめサイトなどに一度目を通してください。
今回のこの記事ですべてを網羅してるとは言えませんが、今回タイトルに
「悪法」と入れた意味がおわかりいただけるのではないかと思います。
Posted at 2013/06/01 23:53:18 | |
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