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2011年03月02日

PRINCE SKYLINE 1500(S5)brochures

1952年、富士精密工業は皇太子殿下(今上天皇陛下)の立太子礼を祝して「プリンス」の名を
冠した純国産小型乗用車を世に送り出しました。

1957年には55年に登場したトヨペット・クラウン(RS10)に対抗すべくフルモデルチェンジを断行。
稜線を意味する「スカイライン」の名を与えて華々しく送り出しました。

1959年には皇太子殿下御成婚をお祝いして、国産初となる3ナンバー乗用車に栄光を意味する
「グロリア」の名を冠して、一億国民の沸き立つ中へ送り出しました。

1962年に兄弟車であったグロリアが独立モデルに昇格、これに伴い1963年の秋に
ダウンサイジングを敢行し、インターミディエートとして新たに送り出されたのが車輌コードS5系
「プリンス スカイライン 1500」です。

デラックス/スタンダード共通リーフレットとデラックス専用リーフレット、いずれも簡易版です。
高級感を強く打ち出していた初代ALSI系とは違い、ファミリーカーであることが窺えます。
夫婦や子供の写真が目立ちますが、女性がステアリングを握っている点に注目すべきでしょう。

(38.9)38.12.の表記がありますので、昭和38年(1963)の秋~冬に発行されたものでしょう。





プリンスが《小型車で4ランプのボデーラインは均整がとれにくい》という定説をみごとに覆した・・・
と自信を持って謳う、極めてバランスのとれたスマートなスタイリングです。

細かなフィンが並ぶ高級感溢れる縦グリル、繊細な造形を見せるヘッドライト・ベゼル
彫刻のような美しさとディティールを湛えるベルトライン、シャープな造形を誇るウィールキャップ

清楚な雰囲気のボディカラーとブルーティンテッドガラスが見事にマッチングしています。
サイズの制約を一切感じさせない、伸びやかで、かつ凝縮された硬質なフォルムが魅力です。



スタンダードに相当する「スカイライン1500」はALSIの意匠を引き継いだ横グリルやフロントドア
から始まるベルトライン、凝ったデザインのリブが輝くセンターキャップ、リヤフェンダーから
フロントドアに移されたエンブレム、モールの無いウェザーストリップやオーバーライダーが無い
ことがデラックスとの相違点です。



秋、家族5人で湖畔へ訪れたというロケーションでしょうか。
手にした水筒やバスケットがいかにもピクニックといった雰囲気で楽しげです。

60年代初頭から流行を見せ始めたボックス・スタイルは、端正な水平基調となっており
コンパクトな車体寸法を微塵も感じさせない威風堂々とした貫録を醸し出しています

逆スラントのフロントから、やや角の取れたウィールアーチを越えてサイドを通り、リヤフェンダー
でBLRA風にして、後のC10に繋がる「サーフィンライン」が見て取れます。



正面から見てもフロントガラス、4灯ライト、縦グリルの関係になんら破綻は無く、1495mmしか
無い幅でありながら数値以上のプロポーションを成立させています。

ライセンスプレートはまだ「品 5」であり、「品川 5」ではありません。
ワイパーはS4グロリアと共通の対向作動式です。



プリンス スカイラインは外観の完成された美しさに劣らぬ技術的完成度を誇ります。

無給油ボールジョイントの開発によって、1年間/3万キロもの期間グリスアップを不要とし
定期的な開腹手術が常識だった時代にエンジンも「封印」しメンテナンス・フリーを先導しました。

定期的なメンテナンスがオーナーの負担になってはならない、というプリンス技術陣の良心が
しみじみと感じられます。
低速から高速までフレキシブルな性能を発揮する70馬力エンジンと3速ミッションの組み合わせに
よって最高速はクラス随一の135㎞に達します。



世界の一級車《グロリア》の雰囲気が、どことなくただよっていると思いませんか?

室内は高級品をふんだんに使い、安全やイージードライビングの為の工夫が心憎いまでに
ちりばめられています。

走行距離がひと目でわかるトリップメーター、誤読を防止する無反射メーター、微妙な加減を
確実に伝達するラバーヒンジアクセルペダル、手元が暗くとも操作を容易にするキー照明は
エンジン始動/停止に連動し点灯するという心配り、前後と上下が連動するシートスライド
車体中央に運転席を配置することによって得られる安定した操縦性・・・

高級車の風格を、贅沢にもファミリーカーに与えた真のプレミアム・コンパクトです。



クラスやサイズを超越した素晴らしい乗り心地を提供するロングスパンオフセットスプリング。
確実な制動を保証する冷却フィン付きブレーキ、低速でも安定した発電を持続するACゼネレーター。

プリンスはいち早く1年/2万粁保証を設定、優れた耐久性に自信があればこそでしょう。



フォード・ギャラクシーやシボレー・シェビーⅡの影響を受けながらも、小さな車体にそれらの
デザインを見事におさめ、プリンス独特の華麗なスタイルに昇華してみせた見事な車です。

外観の端正さはもちろん、ステアリングや内装の格調高さも魅力です。
是非、所有してみたいプリンス車の1台です。
ブログ一覧 | S5系スカイライン(2代目) | 日記
Posted at 2011/03/02 14:09:59

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