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2011年04月12日

1960 CHEVROLET IMPALA

EVERYBODY’S KIND OF ELEGANCE!

1960年式シボレー・インパラこそは、自分がはじめて意識したアメリカ車であり、タテグロと
並んで自分のクルマに対する認識を改めさせた1台です。

自分が高校生の頃、雷鳴の如きV8エンジンの轟音とともに60インパラが現れ
目の前を走り去っていきました。
今まで見たこがない、巨大で航空機のような翼をもったクルマに一目惚れしました。

その60インパラはすでに地元にはありませんが、自分にとって極めて大きな存在となりました。

そのインパラは427(7002cc)エンジンを搭載しており、その轟音は
はるか彼方からでもわかるほどのボリュームと個性を兼ね備えていました。


今回紹介するのは数々の国産クラシックセダン乗り継いできたベテランの先輩が
所有する個体で、改造されることが多いインパラの中で高いオリジナル度を保っています。

ウィールも純正スティールにハブキャップの組み合わせで、ありがちなローライダー系の
ワイヤーではないところに好感が持てます。

ボディサイドに輝くミサイル型のオーナメントは栄光の1950年代の最期を飾るものです。
発射煙のように白いベルトラインがリヤエンドまで勢いよく続きます。

車名のインパラとは、アフリカに生息するシカのような動物で60㎞の速さで走り、その脚が
生み出す跳躍力は高さ3m、幅10mにも達します。
シボレーはパワフルでスポーティーな最上級モデルに、卓越した能力を誇る動物の
俊敏なイメージを重ね合わせたのでしょう。



直線と曲線の入り混じった複雑な造形が、50年代後半から60年代前半へと変化する
デザイン・トレンドの過渡的な印象をもっています。

フロントウィンドウは大きく湾曲しており、P51やF86などのティアドロップ型キャノピーを持つ
航空機を思わせるスタイルになっています。
ピラーによる死角が一切ないので運転の容易さや歩行者安全にも役立っています。



水平方向に大きな翼を広げたリヤビューは、現代の車には絶対に望めないデザインです。
クルマが様々な制約に縛られず、純粋に夢のカタチであれた時代ならではでしょう。

これを無駄であるとか馬鹿らしいという方も多いですが、無駄こそは余裕であり贅沢なのですから
アメリカと世界を二分した大国であったソビエトの掲げた共産主義が潰えた理由も見えてきます。

インパラといえば丸型6連テールランプが特徴です(59年や66年は違いますが)
下位グレードのベルエアやビスケインが4連となるので、最上級モデルであることが
すぐにわかるアピアランスとなっています。

オプションのコンティネンタル・スペアタイヤ・マウントを装着しています。
給油口はリヤライセンスプレートの裏にあるので、給油の際にはスペアタイヤを手前に倒して
さらにライセンスプレートを倒さなければいけません。



フェンダーの備えられたクリアランス・ソナーもジェット航空機の後退翼をモティーフにした
スピード感溢れるデザインとなっています。



ハードトップ特有の、ピラーが無く開放感に溢れた室内です。
インテリアもエクステリアと同じくターコイズブルーとホワイトのツートーンでコーディネートされて
おり、内外装が統一されています。

ベント・ウィンドウは三角窓というより四角窓といった形状で、いかにフロントウィンドウが
大きく湾曲しているかが良くわかります。



大きく張り出したフェンダーは贅沢の極致といった趣を感じさせます。
ドアは驚くほど分厚く、サイドシルプレートにはフィッシャーボディのエンブレムが輝いています。



大きく傾斜したリヤウィンドウとふんだんに奢られたクローム、明るい色調のカラーが
この時代のアメリカ車しか持ちえない唯一無二の世界を演出しています。

丸型5連メーターやコラム・オートマティック、ホーンリング付ステアリングや左右対称の
インストゥルメントパネルもまた他にはない魅力的なムードを生み出しています。



3種類の生地を贅沢に使い、ソファのように厚くソフトに仕立て上げられたシートは
ホールド感とは一切無縁の安楽極まりない乗り心地を提供します。



基本的には1959年モデルのフォルムを引き継いでいますが、60年型では完全なフラットデッキ
スタイルを完成させていることに注目すべきでしょう。

フラットデッキ・スタイルを採用したプリンス・グロリア(S4)ではパネルの継ぎ目の溶接跡を
隠すためにモールディングを配していますがGM製フラットデッキはそのような加工がありません。
ここにも戦勝国たるアメリカの技術力の高さが表れています。

驚くほど長いノーズには巨大なV8・OHVエンジンが鎮座しています。
ノーズを上回る長さのリヤはただひたすらデザインの為に与えられた余裕です。



このような、大排気量、有り余るパワー、ガソリンガブ飲み、無駄だらけの巨体、鋭く尖ったデザイン
のクルマは二度と現れることはないでしょう。

1950年代、大戦に勝利したアメリカは世界の憧れとして君臨し、平和と繁栄を謳歌していました。

ベトナム戦争もオイルショックも予想だにせず、永遠に明るい未来が続いていくと信じられていた
時代に生まれた1960年式インパラは無邪気なまでの夢のカタマリといえるでしょう。

もちろん、21世紀の今もクルマは空を飛ばず、空中都市も自動運転も叶いはしませんでした。

理想の未来が実現しなかったからこそ、かつて人々が描いた夢の欠片のようなクルマに
惹かれるのかもしれません。
灰色の現代に生きているからこそ、極彩色で彩られた過去に憧れるのかもしれません。


1960年式シボレー・インパラは自分にとって特別な1台で在り続けるであろうクルマです。
ブログ一覧 | シェビー | クルマ
Posted at 2011/04/12 21:45:16

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この記事へのコメント

2011年4月13日 0:31
職人とオーナーの努力の結晶!!!!
素晴らしい個体ですね。
気持ちが1つにならないとこんな車が仕上がらないですね。
コメントへの返答
2011年4月13日 9:38
何台もの旧車を乗りついできたベテラン
オーナーだからこそ、維持の苦労を見せず
サラッと乗りこなせるんでしょうね~

アメ車は落ち着いた大人が
乗ると絵になりますね!
2011年4月13日 10:44
これぞアメ車といった感じのデザイン、このデザインだからこそ映える鮮やかなボディカラー。
60年前後のアメ車は最高ですね!

父は「今こんな形の車を売りだせば売れると思うんだけどな~」なんてよく言ってますが、
現代の安全基準ではボディーから突起した装飾品なんか完全にNGですね。
コメントへの返答
2011年4月13日 17:26
まさにアメリカン・グラフィティの世界です!
この時代のアメリカ車はあるイミでは
スーパーカーですよね~

現在の法規じゃあ尖った羽根もノーズも
アウトですからね・・・
59キャデのテールフィンなんてバックで
歩行者を串刺しにしそうですからね(笑)
2011年4月13日 10:49
素晴らしい輝きのインパラですね~

現車を見たら、きっとナメまわすように隅々まで見てしまいますよ~


クルマは乗って走ってこそ楽しいと思っているので、このような古いクルマがGOOD!!コンディションで走るのはいいですね!
コメントへの返答
2011年4月13日 17:21
大変キレイな状態が維持されています☆

ボンネットのロックが外からリリースできる
とか、エンジンを掛けた後はキーを抜いても
大丈夫とか、今では有り得ない仕組みに
字かに接することが出来ておもしろいです。

やっぱりガレージのお飾りにするよりも
ストリートに出てガンガン走ってこその
クルマですよね!!
2011年4月13日 21:29
良い時代の、これぞアメ車って車ですね。

この車って滅茶苦茶程度が良さそうですがレストアされて国内に入ったのしょうか?

マッハ1とは別次元のオーラを感じますね。

インパラは地元にも数台走ってますが全部ハイドロ組んでピョコピョコする車に改造されてます。

運良く生き残った車なのに可愛そうだな~!って見る度に思いますね。
コメントへの返答
2011年4月13日 22:34
コンディションは素晴らしいです!
いつごろ輸入されたのか、レストアをいつ
受けたのかはちょっとわかりません。

この頃のアメリカ車は現代のクルマと
かけ離れたディティールがたくさんで
おもしろいですよね~

ローライダーはクルマが可哀そうで
ツラいですね~
人の趣味なんでケチつけたくはないですが・・

車検は1度きり、元に戻せない改造ってのはあまり良いとは思えません・・
2011年4月13日 21:49
インパラは自分も衝撃を受けました。
某北海道の真ん中のイベントに2回目に行った時のことでしたが、当時中学2年生だった自分にはインパラはとても大きく幅広く見えました。
イベントにエントリーしていたのは59年型のテールが異なるタイプの車でした。

初めてみたピラーレスハードトップの窓に驚き、トランクの形状や、フロントグリル、ライト周りのメッキが眩しくて思わず目を細めてしまうほどでした。
当時はただただすごい車だと思っていましたが、数年経った今でも時々イベントで撮ってきたインパラの写真を見つめています。

いつかこんな車にも乗ってみたいです。
コメントへの返答
2011年4月13日 22:37
イベントの常連だった赤い59年は自分も
見たことがあります。

とても綺麗な車輌でオーナーの情熱が
伝わってきました。

あらゆるパーツが現代では考えられない
デザインで良いですよね。

自分もいつかはアメ車と考えていますが
先立つものがありません・・・
2011年4月13日 22:39
やはりあのクルマ、ご存じでしたか…。
色を書こうか迷ったんですが、nanbuさんならきっと知ってると思って書きませんでした(笑)
コメントへの返答
2011年4月13日 22:48
道内では赤2台と紫、鶯色、白、青が
ありますよ。
今もあるかはわかりませんが・・・

ちなみに中標津や帯広にも
あります(ありました?)
2011年4月13日 23:45
やはり素晴らしいデザインですね☆
仰るとおり車に無邪気な夢が溢れています♪
ルーフやフェンダーなんかたまりません☆
段々と、格好いい定義がベビーフェイスからヒールっぽくなっていったのも、
その夢の限界が見えて行った/来たからなんですかね?
こんな車を見たら、、子供は一発で車好き決定でしょうが、
今の車達には絶望もするでしょう。。。(^_^;

いつまでも走っていてもらいたい車です♪♪
コメントへの返答
2011年4月14日 21:49
衝突安全とか環境問題とか、様々な
わずらわしさとはまったく無縁の
デザイナーが自由にデザインできた時代
ならではですよね!

この時期のフェイスは奇抜ですが
厳つくはないのが特徴ですよね~

クルマに興味のない子どもたちも
他と違うオーラを感じ取ってくれると思います。

横に座って街中を流してもらうとさすがに
視線があつまりますね(笑)

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「2013 FIAT500 twinair pop http://cvw.jp/b/949539/47550084/
何シテル?   02/24 12:48
戰前から昭和40年代頃迄の自動車を趣味として居ります。 2輪・3輪・4輪、國産車/外國車の何れも興味の対象です。 此の他の趣味としては、艦艇及び航空機が在り...
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