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2011年08月29日

Mercedes-Benz SLS AMG

今回御紹介するのはメルセデスのフラッグシップ・スーパースポーツ「SLS AMG」です。
メルセデスのチューナーとして有名なAMGの手による、初の独自開発モデルとなります。

ポジション的にはSLRマクラーレンの後継モデルとなりますが、マクラーレンが開発を主導し
往年の名車300SLよりも、マクラーレンがコンストラクターとして手掛ける現在のF1や
ランボルギーニ・コンプレックスを感じさせるバーチカル・ドアから脱却した
オリジナルの300SLに忠実なプロポーションやガルウィング・ドアなどが特徴です。

ヘッドライトは縦型で、300SLRや300SL/190SLロードスターを彷彿とさせます。
目元には格納式のヘッドライト・ウオッシャーが装着されています。



外観上の最大の特徴はやはりガルウィングです。
このスタイルは「BTTF」のデローリアンが有名でしょう。
よく混同されますが、ランボルギーニのドアはガルウィングではなく
バーチカル・ドアやスウィングアップ・ドアと呼ばれる別の形式です。

トランクリッドには昇降式のスポイラーが備わっており、マフラーエンドは
バンパーインテグレーテッド・タイプとなっています。
鍛え上げられた筋肉のようなウェストラインや、小さめのテールレンズやシルバーの車体色と
相俟って金属の塊感の強い造形は、ディティールに頼らずにスーパースポーツの
オーラを演出しています。



ロングノーズ・ショートデッキのスタイリングは古典的ながら、いつの時代も変わることのない
スピードの象徴として、強烈なインパクトを見るものに与えます。

メルセデスのスポーツモデルといえば「シルバー・アロー」の銀色でしょう。
赤い内装とのコントラストが非日常的なSLSに相応しい雰囲気です。
「シルバー・アロー」とは、レースに於いて車輌重量がレギュレーション規定値から1kgオーバー
してしまった対策として、塗装を剥がして軽量化しアルミ剥き出しの状態でサーキットを
駆け抜け優勝した際に奉られた愛称です。



ノーズの長さが凄まじいです。
ボンネットの後端には熱気を抜くためのダクトが備えられ、その高性能を静かに語ります。
グリルとフードの先端には世界に覇を唱えるスリーポインテッド・スターが輝いています。



長い鼻先に納まるエンジンはV8・6200cc・571PS/66.3kgのモンスターで
フロント・ミッドシップにレイアウトされ後輪を駆動します。
ゲトラグ製7速「AMGスピードシフトDCT-7」トランスミッションは重量配分に優れた
トランス・アクスル配置となっています。

この特別なエンジンは1人のマイスターによってハンドメイドで組み上げられ
その証明としてサイン入りのプレートが装着されています。



高性能を隠さない巨大な放熱ダクトと、アクセントの2本のモールディングが
長いフロントフェンダーを退屈なデザインになることを防いでいます。
カー用品店でダミーの「ベンツ風ダクト」が売られていますが、やはり本物は格が違います。



いかにも剛性の高そうなワイドなサイドシル、滑り込むような低いシートポジション。
ドイツの工業製品らしい合理的で機能的なセンターコンソール、眩しい鮮烈な赤いレザー内装。
オリジナルの300SLへのオマージュが込められたエアコン吹き出し口。

スーパースポーツでありながら決して華美に走らずに、飽くまで機能的であろうとする姿勢は
「最善か無か」を掲げるメルセデスの良心を感じさせます。



こちらがオリジナルの300SLです。
シルバーのボディ、赤いインテリア、特徴的なガルウィング、フロントフェンダーの放熱ダクト。
現代風に翻訳しているとはいえ、AMG SLSがオリジナルの300SLにかなり忠実に
造られていることが伝わってきます。



こちらは300SLRです。
AMG SLSのヘッドライトのデザインに影響を与えたと感じます。



参考画像として、300SLR(手前)とマクラーレンSLR(奥)のツーショットを上げておきます。
ガルウィングドアとバーチカルドア、印象がかなり違うのがわかります。
F1のノーズコーン風のフロントや、当時のメルセデスのトレンドであった丸4灯ヘッドライトなど
オリジナルとは関連性のないデザインが多く見受けられます。



SLSは正直なトコロ、外観の派手さではマクラーレンSLRに劣ると思います。
その価格帯や顧客層を考えればマクラーレンSLRのような華美なスタイルが望ましいのは
当然ですが、メルセデス自身がその誇るべき革新と挑戦の歴史を振り返った時
オリジナルの300SLを尊重したのは当然の帰結であったと思います。
ブログ一覧 | 欧州車 | クルマ
Posted at 2011/08/29 16:02:20

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この記事へのコメント

2011年8月29日 23:09
CGTVでも言ってましたけど

技術的には、何の意味も無くなった
ガルウイングに拘りをもって
古典的に仕上げた感覚はいいですね~
コメントへの返答
2011年8月31日 13:17
あくまでも「復刻」的な過去の名車への
リスペクトなんですよね。
そもそもこのクラスのスーパースポーツには
実用性や合理性などあまりプラスには
ならないと思います。

非日常的なクルマにカップホルダーが
たくさん付いていても意味はないでしょう。
2011年8月29日 23:27
マクラーレンSLRは、どちらかと云えば富裕層に只 阿るだけの車に感じていましたが、
今度のSLSは、歴史に対するオマージュを含めて
世に問う姿勢が見て取れます。
久し振りにメルセデスらしい車だと思います。
コメントへの返答
2011年8月31日 13:15
マクラーレンSLRは派手で、いかにも
富裕層受けを狙った感じですよね。
それはそれで良いのですが、過去の
遺産をモティーフにするならば、それに
リスペクトがなければいけないでしょう。

タダの商売ではすまないのが
リバイバル・モデルだと思います。
2011年8月29日 23:48
こんばんは。

通称ランボドアとガルウィングって
混同しがちですよね。
正式な言い方が定着してない(笑)。
コメントへの返答
2011年8月31日 13:13
どうもです!

ランボ・ドアそのものが通称ですもんね。
ベンツやフェラーリに「ランボ」ドアじゃあ
怒られそうです(笑)

個人的にガルウィングといえばデローリアン
よりもトラックのハコが連想されます。
2011年8月30日 1:21
エンジンは1人のマイスターによって・・・

いかに特別な車かがわかりますね。
300SLは乗り降りがしづらそうですね(笑)
コメントへの返答
2011年8月31日 13:11
やっぱり個体差とかあるのでしょうか??
3000万円の車にアタリ・ハズレが
あったら嫌ですね(笑)

300SLは乗るというより、バスタブに滑り込む
ような恰好になりそうですね(笑)
2011年8月31日 23:13
「シルバー・アロー」ってそのような経緯があったんですね、知りませんでした。

本当にノーズは長いですね~ そこに収まるエンジン6200cc・571PS/66.3kg、当たりまえですが想像できません(笑)
コメントへの返答
2011年9月1日 18:32
シルバーアローのエピソードはWikipediaに書いてました~

とりあえず燃費が悪いことだけは自分にもわかります(笑)

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