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2011年08月31日

三菱360 ライトバン・デラックス(1962~1964)

三菱360は1961年にデビューした、三菱初となる軽4輪車です。
戦後すぐの1946年から始まったオート3輪の生産経験を生かして水島製作所で製造されました。
ボディ後半をノッチバック・セダンに改めた「ミニカ」(1962年~)やボディをキャブオーバーに
改めたミニキャブ(1966年~)のベースともなり、三菱の軽4輪の原点にして
三菱自動車躍進の原動力となりました。

シルバーピジョン・スクーターやみずしま/レオ・オート3輪が戦後復興の先駆けならば
360/ミニカは500やコルトと並ぶ中興の祖と云えるでしょう。

ミニカ・バンと言われることも多いですが「三菱360」が正式名称です。
前述のとおり、三菱360から派生したのがミニカなので順序が逆になってしまいます。



屋根は大きく凹み、フロントガラスは粉々に砕け散っていますが、ガラスの破片が大量に
残っているので割られたのは移動の際にユニックで吊りあげた時のようです。
運転席側のドアウィンドウには波板が嵌め込まれているので、もしかすると物置として
使っていたのかも知れません。

ボンネットに走る2本のアクセント・ラインが、アウター式ヒンジに繋がっているデザインが
なかなか洒落ています。
隣のオールニュー・レオーネと比べると、360軽が如何に小さいのかがわかります。



最初期モデルではターンシグナル・レンズはグリル内に納まっていますが
こちらはマイナーチェンジでグリル下に移されたモデルです。
おそらく1962年のミニカ登場時の前後にマイナーチェンジが行われたと推測されます。

1964年のマイナーチェンジではグリル形状がスクエアなものになり、グリル下には
4つの長方形の孔が並んだデザインに変更されます。
エンジン型式がME24になり、2ストローク・オイルの分離給油化、リードバルブ採用により
出力が18馬力(従来は17馬力)に上昇しています。

全国的に見ても最初期型や、この初期型は残存率が低いように思います。
初期モデルはあきらかにフォード・ファルコンを意識したデザインで、オーバル形状の
フロントマスクやフロントフェンダーから走るサイドのプレスラインにも強い影響が感じられます。
同時期のトヨペット・クラウン(40系)もまたファルコン・ルックを採用しています。



デラックスなのでリヤゲートは上下開きで、スタンダードでは横開きとなります。
アッパーゲートは現代のガラスハッチのように独立して開くことが出来ます。
後席のサイドウィンドウにはSTD/DX共にスライド式ガラスが採用されています。
サイドモールはデラックスにのみ備わります。

ドアはリヤヒンジの前開きで、いわゆるスーサイド・ドア(自殺ドア)です。
これは半ドアの状態で走行中、風圧で開いてしまう事故が多発したことから付けられた
ありがたくないニックネームです。

アーリー60sらしい、リヤフェンダーのディープスカート形状がたまりません。



なんだかヨレヨレな感じの、ユニークな「de-luxe」のエンブレムがリヤゲート右下に備わります。



本来はステアリングに逆台形のホーンリングが備わるのですが、破損しています。
扇形のメーターには中央に速度計、左側にH(ハイビーム)C(チャージ)インディケーターと
右側に燃料計が整理されて納まっている美しいものです。

下側にはターン・インディケーター(左右独立)と、オドメーターが配置されています。
当時の多くのクルマにはトリップメーターは備わっておらず、後付け品が流通していました。

ボディ同色(鉄板剥き出し)のインパネに並ぶスイッチはW(ワイパー)とL(ライト)はわかる
のですが、「S」が何を意味しているのかがわかりませんでした。

細長いサイドブレーキ・レバーやDX専用の赤いシートがセンスよく、様々な制約の中で
豪華な雰囲気を演出しています。
乗用車同様の扱い易いコラムシフトを採用、スバル360がRRのフロアシフトだったのに
対してFRならではのアドバンテージでした。
メーターの真下には独特のシフトパターンのラベルが残っていました。

カタログには、今日では常識となったオートストップ・ワイパーやオートキャンセラー式の
方向指示器がアピールされていました。
グローブボックスが無い代わりに、手荷物を入れておける大きなパーセルシェルフが
備えられているのが良心的です。



初期型の三菱360は良い意味での野暮ったい外観と、ハイセンスな内装が素晴らしいです。
後期型となると「東欧風」とか「共産圏」みたいと揶揄される地味な雰囲気になってしまいます。
これには三菱が小型車のコルトシリーズに注力していったことも関係あると思われます。

アメリカ車そのもののミニカのテールフィンといい、初期モデルでは三菱が相当な期待と自信を
込めて送り出したのが伝わってます。
ブログ一覧 | 三菱 | クルマ
Posted at 2011/08/31 13:21:20

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この記事へのコメント

2011年8月31日 20:41
この車、大昔に親戚が持ってて乗せてもらった事が度々有ります。

2サイクルで煙モクモクで上り坂も満足に上がれなかったように記憶してますよwww
コメントへの返答
2011年9月1日 18:35
そうでしたか!
昔乗ったことある!ってクルマの年代でその人の年齢がわかりますよねw

これに4人とか乗ったら坂のぼれないでしょうね…w
2011年8月31日 21:20
今乗れば、結構洒落ていて、かつ使い勝手も良くて、重宝しそうですね。
自分が生まれるはるか前のクルマですが、それほど古く感じられず、逆に親しみを感じてしまいます。
このような写真を見ると、自分の360を大事に残していかなくちゃ!と思いますね(^^
コメントへの返答
2011年9月1日 18:37
実際には部品やメンテナンスの問題がありますが、コレにさらっと乗れたらカッコいいでしょうね~

スバル360は他に比べて部品供給が良いのが助かりますね!
大事にしてください♪
2011年9月1日 10:33
てか奥の初期キャンター笑(某プリンス農家んちに最近まで廃車があったので懐かしいね)

コメントへの返答
2011年9月1日 18:38
この手のキャンターもあったんですか!
あそこなら何があっても驚きませんが…(笑)
2011年9月1日 12:06
近々、44年式の縦目グロリアVANがやってきます。SUツインに換装されていてAT車です。
コメントへの返答
2011年9月1日 18:39
おぉ~!
それは楽しそうなクルマですね!
入庫したら写真アップお願いします♪
2011年9月7日 23:34
以前、初代ミニカ(水冷後期)を持ってましたが、あのテールフィン、素敵なんですよね〜

このグリルの初期型ミニカは、いつか手に入れたいです。
コメントへの返答
2011年9月9日 0:06
空冷のミニカの廃車は地元で
見たことがあります。
黒いシュラウドばかりが目立つ
エンジンルームが不思議な感じでした。

このグリルの型は内地でもなかなか
居ないんじゃないでしょうか?

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