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2025年06月18日 イイね!

ダットサントラック ロングボデー デラックス (G521)1968~1969

ダットサントラック ロングボデー デラックス (G521)1968~1969

黄色をベースにボンネットからルーフを赤で塗り
ツートーンとしたブリヂストンタイヤサービスカー


ドアの社章は石造りの橋を築く際の要石=キーストーンマークを象ったもの


今更言うまでもない程に有名だが、社名のBRIDGESTONEは
創業者の姓である”石橋”を英語化したものである





助手席側に貼られた平成11年の点検整備済ステッカーから
このダットラが30年以上現役であったことがわかる
ベンチシート中央には後付ヘッドレストが装着されている


幌は失われているが荷台には追加のアオリと幌骨が残っている


タイヤは当然BS製で1988年に同社初のスタッドレスとして発売された
ブリザックVM-11を履いている


以前、新品未使用デッドストックのPM-10(10インチ)をレックスに履いていた
ことがあるが、最初期のスタッドレスかつ経年劣化によりまぁまぁ滑ったが
使えないものではなかった
Posted at 2025/06/18 07:53:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | ダッツン | クルマ
2011年06月19日 イイね!

幸せの青い鳥 ブルーバード510 2ドアセダン 1300デラックス

先日、K・M・Dさんとお話しているときに話題にあがった510についてお送りします。

こちらは地元の方が新車で購入され、ワンオーナーで平成18年頃まで
お乗りになられていた個体です。
今から7年ほど前、市内を走行中に発見し、御自宅まで追走しお話を伺ったことがあります。
最初期型なので1967年8月のデビューから、1968年10月のマイナーチェンジの間までに
新車購入された車となります。

昔は砂利道が多く、飛び石などで痛んだためにボディの下半分(モールより下)を板金塗装
されたことなどを聞かせてくださいました。
30年以上に渡って乗り続けられたこの車ですが、フロントガラスに張られたステッカーの
車検期間(18年4月)が終わる少し前に降りられた御様子で、現在は中古車販売店にあります。

旧車としての510ブルといえば、スポーツグレードのSSSやクーペが人気の中心ですが
新車時はこういった何の変哲もないファミリーセダンこそが販売の中心でした。
ワイド・バリエーションを誇る510シリーズの中でもっともベーシックな1300ccエンジンと2ドア
の組み合わせは今ではかえって貴重なものになっています。
少し前まではSSSの部品取りとしてドナーになったり潰されてしまう運命の車がほとんどでした。

1300ccエンジンとコラム3速マニュアル、2ドア・セダンという組み合わせは
個人的には510の中でもっとも好きなチョイスです。


サッシがなくスッキリとしたポップアップ式リヤウィンドウは、ベンチレーション機構の強化によって
三角窓が廃止されたフロントサイドウィンドウと相まってクリーンな雰囲気を醸し出しています。
ボンネット~キャビン~トランクと綺麗な3BOXを描くサイドビューは乗用車かくあるべしと
いった趣を感じさせます。
寸法的には小さいにも関わらず、大きく立派に見せる工夫が凝らされています。

サイド・ターンシグナルレンズは最初期型のみ左右非対称の形状になっています。
マイナーチェンジでコストダウンの為に左右共通部品に変更されています。

ウィールキャップは純正品で、4枚とも揃っています。
よく30年余に渡って落とさなかったものだと感心させられます。

派手ではなく、かといって貧相には見えないオーソドックスなデザインは同時期の
B10サニーと並んで好きな日産車のひとつです。



ベーシックなファミリーセダンらしく、万人受けするスマートなフェイスを持っています。
プリンス系である、同時期のC10スカイラインが厳つい顔付きだったのとは対照的です。

対向作動式、いわゆるケンカワイパーは最初期型のみの特徴です。
フラットなフロントグリルは1964年式フルサイズ・シェビーとの近似性も感じます。

釧5のシングルナンバーを掲げるライセンス・プレートからは歴史と風格が漂います。
流麗な砲弾ミラーはスポーツグレードのもので、フォグランプと相まってオーナーが車好き
であったことを無言の内に伝えてきます。



同時期のB10サニーとも共通する端正な角張ったスタイルが素晴らしいです。
オールレッド・テールもまた最初期型の特徴です。
シンプルなリヤガーニッシュによって連続性を持たされたテールランプで構成された
リヤビューも、フロントと同じく奇を衒わない万人受けするデザインとなっています。

Cピラーの根元には換気用のエア・アウトレットが装飾を兼ねて配置されています。

広いリヤ・ウィンドウやエッジの効いたトランクの峰は見るからに車輛感覚が掴みやすそうです。
後席には80年代のモノと思われる社外品のカップホルダーが取り付けられており
ファミリーカーとして使用されていた歴史を垣間見た気がします。

現在では消滅してしまった2ドア・セダンというボディですが、かつては後席の子供の安全の
為に選択されることも多かったそうです。
この510もまた、リヤシートでお子さん達の成長を見守っていたのかも知れません。



ヘッドレストはありませんが、当時流行した社外ヘッドレストがそ運転席にのみ装着されています。
ダッシュボードやインストゥルメント・パネルは樹脂で覆われていますが、ボディ同色の鉄板
が剥き出しの部分も多いです。
2点式シートベルトのバックルはHinoのロゴが入ったものでした。

ホーンリング付ステアリングやコラムから生えたシフトレバーが良い雰囲気です。
70年代に入るとホーンリングは安全性の点から廃止され、シフトレバーもスポーティーさを
売りにしたフロアシフトが増えていきます。
他車種用か、汎用と思しき白いシートカバーが当時のオーナードライバー車らしいです。

当時モノのカセットデッキやオーナーのイニシャルが入ったエンブレムから車への愛着を感じます。
オーナーは殊更表立って強調することはありませんでしたが、並々ならぬ愛情と特別な想いが
なければ1台の車に30年以上も乗り続けることはで出来ないでしょう。



特別、インパクトのあるデザインではないのですが、垢抜けた国際感覚を感じさせます。
アメリカ市場に於いてはBMWやアルファ・ロメオといった高性能な欧州車に匹敵する
車が安価に手にすることができるとあって高い人気を得ました。

ピート・ブロック率いるBREの手によってチューンされた2ドアセダンがトランザムの
2500ccクラスで優勝するなどサーキットに於ける活躍もあって、それまでの日本車のように
安価なだけではない、高性能なクルマとして認知され現在も熱心なファンが多く存在します。

軽量かつ剛性に優れた2ドアセダンはレースのベース車輛にはうってつけでもあります。



現在、この車はオーナーの手を離れ中古車販売店にて洗車もされずに野晒しになっています。
車庫保管でしっかりとしていた塗装は浮き上がり剥がれて痛々しい姿になっています。
にも関わらず、値段を聞きに行った知人は60万円(!)と吹っ掛けられたそうです。

かつてオーナーの庇護にあった頃の510は、決して磨きあげられた状態ではありません
でしたが、実用車としての凛としたオーラを纏っていました。

それが今はすっかり生気を失い、くたびれてしまっています。

こういった特別な感情の込められた車は、単なる商品として乱雑に扱って欲しくありません。
もちろん「たかが車」といってしまえばそれまですが、やはり「されど車」・・・
大事にしてくれる新しいオーナーによって保護されるように願ってやみません。
Posted at 2011/06/19 21:48:35 | コメント(8) | トラックバック(0) | ダッツン | クルマ
2011年06月18日 イイね!

NISSAN CEDRIC 2800 Brougham

本日、仕事の休憩時間に330セドリックにお乗りのY山さんが遊びに来てくれました。
しばし近況報告やセドリックに関するお話をしていたのですが、自分が「このセドリックは
どんな走りをしますか?」と伺ったところ「乗ってみて良いよ」と仰ってくださったので
お言葉に甘えてセドリックのステアリングを握らせて頂きました。

これまでもY30やY31を運転させて頂く機会がありましたが、330まで古いモデルは初めてです。
Y山さんのセドリックは車輌形式C-P331、2800ccの排気量から145PSを発揮するエンジンに
3速のニッサン・フルオートマティック・トランスミッションが組み合わされています。
最上級グレードの「ブロアム」で、ベンチシートにコラムシフトの組み合わせです。

まず驚いたのはステアリングの軽さです。
高級セダンの最上級グレードだけあって、パワーステアリングが装備されているので
軽々と操舵できます。
ギアチェンジやクラッチ操作の必要のないATと相まってスムーズな操作が可能です。
ステアリング自体もS4グロリアと比べて小径かつグリップが太いので現行車の感覚です。

排ガス規制エンジンや、当時のATに対して一般的に抱かれている「重く、遅く、走らない」
というイメージを良い意味で裏切ってくれる走りでした。
もちろんアクセルをグッと踏み込むようなことはしませんでしたが、Y山さんは登坂でも
ストレスなくパワフルに走ると仰っていました。

車重は1.5tをギリギリ切るので自分のグロリアとほぼ同じです。
(S4グロリアの車重は1.4tを切りますが、エアコン装着車だと1480㎏となります)
走りはまさに「重厚」で、大海を征くクルーザーの如き悠然なドライブフィールでした。
石原プロはこれでカースタントしていたのだから凄いです・・・



磨きあげられたヘッドが美しい直列6気筒O・H・Cエンジンは2800ccの大排気量を誇るL28です。
ショーファードリブンがメインであるプレジデントやセンチュリーを別とすれば、オーナードリブンの
国産車としてはトヨタのM型2600ccを凌ぐ排気量を誇るエンジンでした。

流石にこの時代となると、S4と違いエンジンルームもスカスカとはいきません。
NAPS(ニッサン・アンチ・ポリューション・システム)やインジェクション関係のバキュームホース
などが複雑に張り巡らされています。
角張った樹脂製のエアクリーナーや、大きなマスターバック付きブレーキマスターシリンダー
などが隙間なく配置され、10年以上の技術の進歩が明快に表れています。

本調子のインジェクションはキャブレターよりも高性能かつ安定しているのですが
当時の複雑かつ未成熟な電子制御システムの為、現在では調整が難しい面があります。



デトロイトの影響が色濃く感じられる、流麗なコークボトルラインがデザイン上の最大の特徴です。
なだらかに傾斜したフロントフェンダーがBピラー根元でキックアップして、ボリューム感溢れる
リヤフェンダーへと流れてゆきます。
彫りが深く、押し出しの強いフェイスは車格にマッチしたデザインといえるでしょう。
当時モノ新品のコーナーポールが素晴らしく似合っています。



エクステリア・デザインと同じように、インストゥルメント・パネルやシートも当時のアメリカ車に
準じるものとなっています。
230から引き継がれたインパネのデザインは、現在も生産されているY31まで連綿と
受け継がれていくことになります。
警告灯モニター、エアコン、パワーウィンドウ、FM/AMラジオ、カセットデッキ、プリントアンテナ
などの豪華装備が並び、現在の車と比べても見劣りしないどころか優っている部分も多いです。

分厚いドアや、しっかりとしたクッションのシートなども贅沢な造りを感じさせます。
メーター内に納まっているATのポジション・インジケーターは光量不足なのか
やや視認性に難があるように感じました。



こちらは今年の初頭に撮影したもので、純正カラードキャップが組み合わされています。
メルセデスに倣った、ボディ同色のキャップは車体色とマッチしておりファッショナブルです。

スタイリッシュに傾斜したリヤウィンドウと、太く力強いCピラーはフォーマル感とパーソナル感を
絶妙にバランスしており、フォーマルさを基調としたMS80クラウンよりも派手好きな
オーナーに強く訴求したことでしょう。



個人的な見解ですが、330のフェイスは1967年式ダッジ・フルサイズを参考にしたように思います。
吊り目がちなヘッドライト・ハウジングや3分割されたグリルなどに類似性を感じます。
330のデビューは1975年なので、8年も遅れて採用されたデザインとなりますが当時の
日本車のデザインはアメリカの流行と大きなギャップがあったので時代遅れとはいえません。

一例として、マスタングの日本版といえるセリカのデビューが本家の6年後、ファストバックに
相当するLBはさらに3年後という点から見てもかなりの時間差があります。
ちなみに三菱コルトが日本初のファスト・バックを謳っていますが、あちらはどちらかというと
欧州のルノーの影響が強いです。

一方、コークボトル・ラインのボディは70年代のフォードの影響が色濃く感じられます。



本日の330のドライブ、大変貴重な経験となりました。
この場を借りてお礼を申し上げます。

にしても、人様の車を運転するのは恐いですね。
ましてやこのような特殊な車となると、キズひとつ付けただけでも大変なコトですから・・・
Posted at 2011/06/18 21:56:34 | コメント(3) | トラックバック(0) | ダッツン | クルマ
2011年06月04日 イイね!

ニッサン セドリック(Y30/WY30/Y31)

さてさて、恒例のお友達登録記念ブログのお時間です。
今回はWY30グロリア・ワゴンにお乗りのタカシさんに向けて、写真多めでお送り致します。

Y30ワゴン/バンといえばスクエアなボディ形状、二段ルーフ、サイドの昇降するガラス
リヤゲートのウッドガーニッシュなどが魅力です。
登場は1983年、スタイルがきわめて近似した430系まで遡れば1979年から基本的に変わりない
スタイルは登場時は斬新なデザインであり、時とともにスタンダードなものへと変化していきました。

しかしながら生産終了となるのは1999年で、実に16年間のロングセラー・モデルとなりました。
ゆえに高年式でも基本設計は古く、現在の感覚でいけば充分に旧車といえるでしょう。
90年代にはブームにのって多数のY30が走っていましたが、今は本当のマニアだけが乗る
クルマになっています。

こちらは低走行、程度極上の公用車あがりのセドリック・ワゴンです。
淡いシャンパンシルバーのカラー、フラットなサイドバイザー、ウッドとクロームの2段構えの
リヤ・ガーニッシュ、バンパーのコーナー・プロテクションモールなどがクラシカルな雰囲気です。
下向きのマフラーが良い感じです。



角張ったフェンダーミラー、クリアランス・ソナー、高級感溢れる縦基調のグリルが保守的な
高級車らしさを演出しています。
ヘッドライトの下にアンバーのレンズを配置するのは当時のアメリカ車の流行で
いかに日産がアメリカを強く意識していたかが窺えます。



インストゥルメント・パネルも基本的には80年代のままです。
シートもいっさいヘタリやホツレのない素晴らしいコンディションです。
角張ったスピードメーターや、一直線のダッシュボードに整然と並んだエアコン吹き出し口が
シンプルながら広々とした室内を演出しています。
フロアから伸びる細長いATのシフトレバーが時代を感じさせます。



オーナーはこのクルマの前はHA30グロリアをお乗りでした。
シャシーの傷みがかなり進行してしまい、残念ながら降りざるを得なくなってしまいました。
以前にはRT50トヨペット・コロナHTにもお乗りでした。

このウィールキャップはHA30グロリアの忘れ形見で、ホワイトリボン・タイヤと組み合わされる
ことによって足元をクラシックに装っています。
年式的にはかなり離れていますが、思った以上にY30のデザインとマッチしています。



こちらがそのHA30グロリアです。
詳細は後に改めて御紹介いたします。



こちらもセドリック・ワゴンです。
グリルと一体化したフォグランプは同時期のクラウンなどにもみられるスタイリッシュなデザインです。
ケツ上げのホットロッド姿勢、クリアレンズなどが「ワル」な雰囲気でオーナーとマッチしています。



ウィールは定番のエンケイ・バハです。
バハといえばカースタントで破壊されるセドリックには高い確率で選択されるオプションです??



こちらは先輩の駆るY30セドリック・ハードトップで、1985年式です。
1985年6月にフェイスリフト(ライトの下にウィンカーの「クマ」が出来る)を含むマイナーチェンジを
実施しているので、6月以前に生産された前期型になります。
偶然?にも、自分の誕生年のクルマを運転する機会を与えられて嬉しかったです。



エンジンは日本初のV6エンジンであるVG型で、グレードは特別仕様車のエクセレンスです。
V型らしい快音を立てて軽く吹け上がる2000ccエンジンは、1.5tの車重を感じさせない
軽快なドライブを提供してくれました。
グリルは大きな格子状で、後期型の縦基調と比べてとてもシンプルなものです。
オーナー自身はフェンダーミラーが好きだそうですが、HTにはドアミラーが似合うと仰っていました。



ミッションはフロア5速マニュアルで、運転には特段、気を遣う部分もなく現代のクルマと
変わらないレベルを当時既に達成していたのだなぁと感心いたしました。

6ライト・スタイルなど凝ったサイドビューであった430と比べて、シンプルで塊感をもった
フォルムとなっています。
リヤガラスは3枚構成のラップアラウンド・タイプで、やはり同時期のクラウンも採用しています。
ワイヤーウィール風の外観を持つキャップも当時アメリカ車で流行したものです。



こちらはまた別の先輩の駆るY31セドリック・セダンです。
4ライトのボディに改められた中期型で、スーパーカスタムという低グレードがお気に入りの
ポイントだそうです。
パッと見は覆面かタクシーか?といった妖しい雰囲気が溢れています。
ベンチシート+コラムATの組み合わせもセダンの本流を感じます。

テールはターンシグナルやバックランプが下側に薄くまとめられている為、赤い部分が
とても大きい面積を占めています。
これがオールレッド・テール風の光り方をするのがオーナーのお気に入りポイントです。
見方によってはこのデザインが最終型レパードのテールに影響を与えたようにも思えます。



スーパーカスタムでは本来ボンネット側にモールが付きますが、ボンネットのみをSTD用に
換装したため落ち着いた表情となっています。
オーナーは330セドリック(こちらもベンコラAT)も乗っていたことがあり、STD用のお椀キャップ
もお持ちでこのY31にも装着して楽しんでいらっしゃいました。



この時はなんらかの理由で前後のウィールが別でした。
なんでだったかは忘れてしまいました・・・

エンジンは基本的に先に紹介したY30HTと同じVG20で、5速MTとコラムATとの違いはありますが
いずれも過不足ない走りを披露してくれました。
今やマイノリティになってしまいましたが、セダンはやはりベンチシートにコラムシフトが最適
だと改めて感じました。
フェンダーミラーも車幅感覚の把握や後方確認に威力を発揮します。
電動調整装置はめちゃくちゃ便利に感じます・・・



さてさて、如何だったでしょうか?
自分の判定的には「高年式」なのですが、80sも今や充分に旧車ですね。
これから段々と価格も引き上げられ、部品も枯渇してゆくと考えると今が手に入れるのには
良いタイミングかもしれません。
Posted at 2011/06/04 21:28:11 | コメント(9) | トラックバック(0) | ダッツン | クルマ
2011年06月02日 イイね!

ニッサン セドリック ディーゼル(Q230)

こちらの車輛は貴重な旧字体の「帶」ナンバーを掲げる、新車からのワンオーナー車です。
オーナーはセドリックがまだ130系の頃に、ディーゼル・エンジン搭載車がリリースされたので
新車を購入しようとしたものの、内地での引き合いが多く北海道の販売店が入荷できなかった
為にフルモデルチェンジまで待たされたと仰っておりました。

ディーゼル・エンジンはトヨタが初代クラウンに試験的に搭載するも量産はせず、ディーゼルを
十八番とするいすゞがベレル及びベレットに搭載したのが日本のディーゼル乗用車の始まりでした。
日産は30セドリックにSD20型ディーゼル・エンジンを搭載したのが初となります。

230セドリックは1971年に登場、吸収合併したプリンスのグロリアを兄弟車としました。
同年には1955年の登場以来、3代に渡ってその名の通り「王座」に君臨してきた
トヨペット・クラウンがきわめて冒険的なデザインを纏ってデビュー。
保守層はクラウンのアバンギャルドなデザインを嫌い、オーソドックスなスタイルのセドリックへの
乗り換えが続出する事態となります。
さらに名門プリンス自動車のグロリアのオーナーも取り込んだことでセドリックは宿願であった
クラウンを遂に打ち破ります。

230系はトヨタにはない4ドアHTを設定するなど勢いに乗って販売を拡大、オイルショックや
排ガス規制に苦しめられながらも最後まで逆転を許しませんでした。
330系になるとまた逆転され、それ以降は遂に勝利することは叶わなかったのですが・・・

刑事ドラマのカースタントで派手なアクションを披露し、破壊される役で有名な230です。
グレードは「ディーゼル」だけで、スタンダードとはアナウンスされていませんが装備や仕様は
ガソリン車やLPG車のSTDに準じます。

前期型の「寄り目」とも表現されるフロントです。
オーバーライダーや角型ミラーのない、スッキリとしたプレーンな顔付きが好ましいです。
フォグランプはNISSANロゴ入りの純正オプションです。



フロントフェンダーには「CEDRIC Diesel」の車名が掲げられています。
「I」の部分がセドリックのエンブレムになっているのがオシャレです。
当時、自家用車でディーゼル・エンジンを選択する方はどれほど居たのでしょうか?



モール類がほとんどないため、デザイン上の最大の特徴である「コークボトル・ライン」が
強調されています。
伸びやかで、奇を衒わない正統派の3BOXセダンとなっています。
柔らかいラインは厳つさを感じさせず、スマートな雰囲気を醸し出します。



インストゥルメント・パネルも当時のアメリカ車を参考にした常識的なレイアウトになっています。
角型3連メーターはフォーマルな雰囲気を演出しています。
もちろんタコメーターはありません。

70年代になると樹脂成型の聳え立つようなダッシュボードが流行しました。
STDとはいえ、60年代のように鉄板剥き出しの部分はもうありません。
クッションや手回り品などが「普通に乗っている」ということを証明するかのようです。



マニアが仕上げた「オリジナル仕様」と違い、ウィールやタイヤは純正ではありませんが
醸し出す雰囲気はやはり「ホンモノ」にしか持ち得ぬものがあります。
倉庫には純正の「お椀キャップ」もしっかりと保管されていました。

立てられたアンテナはラジオを聞いている証拠です。
全体のラインがシンプルな為、プレーンなグリルやバンパーに馴染む乳白色のターンシグナル
レンズ、平たい丸形ミラーなどがややゴテっとした上級グレードのものよりも好ましいです。



72年のマイナーチェンジでターンシグナルがレッドからアンバーに変更されました。
ディーゼル車らしい下向きのマフラーや、モールの付いていないリヤウィンドウのウェザーストリップ
からは良い味わいが漂います。
厚みのあるウェストラインやなだらかなラインを描くCピラーがスタイリッシュです。



オーナーは「別に古いクルマじゃないよ」と仰っていましたが、新車で買った車が乗ってる内に
マニアが見に来るくらい古くなってしまった、というだけの自然体がとても印象的でした。

特別、気を遣って状態を保っているというわけではなく、夏も冬も乗っているとのことで
新車の頃から変わらずに「乗用車」として接しているのが伝わってきます。
もちろん、ただ乗りっ放しでこれほどの綺麗さを維持することは不可能ですから、ことさらに
表に出さないだけで愛情を注いでいるのは間違いないでしょう。

途中、エンジンが駄目になってニッサン・フォークリフト用SDエンジンに載せ替えたなど
様々なトラブルもあったようですが、手放すことなく今日まで乗ってこられたそうです。

シングルナンバーやワンオーナー車というものは、いくら大金を積んでも買えないものです。
何より「その車と共に過ごしてきた時間」は、金額に換算することの出来ないとても素晴らしい
ものだと思います。
このような「自然体」で乗られている方と接すると、当時の空気やそのクルマにまつわる
リアルなエピソードを聞くことが出来るのでとても楽しいです。
Posted at 2011/06/02 22:23:55 | コメント(6) | トラックバック(0) | ダッツン | クルマ

プロフィール

「1971 Plymouth Fury Ⅲ(PM23K1D) http://cvw.jp/b/949539/48436650/
何シテル?   05/18 08:09
戰前から昭和40年代頃迄の自動車を趣味として居ります。 2輪・3輪・4輪、國産車/外國車の何れも興味の対象です。 此の他の趣味としては、艦艇及び航空機が在り...
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