勤めからの帰り道、JR岐阜駅からは30分ほどバスに揺られて帰ります。たいていは寝ているか携帯とにらめっこ。変わり映えのしない車窓の景色に目をくれることなどほとんどありません。先週のある日、珍しく車窓の景色に気づいて、思わず「おっ!」と声がでました。それがタイトル画像。
バスの中では寝ていることが多いので、たまたまこの日に初めて気づいただけで、以前から照明は点灯していたのかも知れません。とにかく、その日に初めて岐大病院跡地に建設中の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」が点灯されている姿を目にしました。
美しい。久しぶりに建築物を見て感動しました。
足場が取れて外観が表れた頃から、一度写真を撮って発信してやろうとはもくろんではいたものの、なかなか足が向きませんでしたが、これを見たらいてもたってもいられなくなり、早速、今日、写真を撮ってきました。
まずは昼間。もちろん、照明は点灯されておらず、内部はあまり分かりません。
西面の外観。道路の反対側から。
施設のオープンは今年の夏ごろが予定されているようですが、建物の竣工予定は・・・ひょっとしたら年度末? 建設業界ではいまだに土曜日の作業は当然のことですが、竣工に向けて最後の追い込みの時期だと思われます。照明の点灯もおそらく、夜間の作業のためだったんでしょう。
敷地の北西角から見た西面外観。
今回の写真は、竣工写真風の加工が施してあります。どういう加工かと言うと・・・下の写真と見比べてください。
どこが違うか分かりますよね。建築物は広角レンズで撮ることが多いのですが、宿命としてどうしても端の方がゆがんで、この場合だと垂直の壁が倒れているように見えます。それを矯正してあります。フィルム写真の時代はシフトレンズという高価なレンズを使って竣工写真を撮っていましたが、おそらく現在はプロもデジタル画像をソフトで加工してるんじゃないかな?
南西角から見た南面外観。おそらく南面がメインのエントランスだと思われます。
さらに歩道を南下して。
建物の南東部。右端の山の上に岐阜城。
上の写真の庇のクローズアップ。この建物のハイライトの一つはこの岐阜県産ヒノキの薄い板を3方向に重ねあわせながら組んで作られた屋根でしょう。
設計者の伊東豊雄が主催する伊東塾のHPでこの屋根の施工中の写真がご覧いただけます。
現場は苦労したでしょうね。
建物の西側のメイン道路に面する歩道部分はすでに完成し解放されています。
わざわざ川まで作られ、水も流れていますが、こういうのはメンテナンスが大事なんですよねぇ。
そして夜。
この建物は夜が美しい。グローブと呼ばれる漏斗を逆さまにしたような形の照明器具(?)が浮かび上がります。
ここで、撮影技術の話に移ります。夜景のような明暗の差が大きい場合の対処方法として最近はHDRと言うものがありますよね。実は私、それを使ったことがなかった。ここで初めて使ってみることに。
私のカメラは±1から3までの強度のHDRを選べるんですが、これはちょっときつ過ぎましたね。でも面白い。
グローブのクローズアップ。
グローブの仕組みを説明した図です。省エネ効果もあるそうな。
南面の夜景。これもHDRで撮影。
夜の歩道。これもHDRですが、説明的な写真を撮るには適してますね。
建物は年度末に完成し、おそらく施設としては夏の長良川の花火大会前にオープンさせ、花火をこの施設の南側の広場で鑑賞する人でにぎわうことになるでしょう。そして暫くは全国から見学者が訪れるんでしょうね。
「みんなの森 ぎふメディアコスモス」は国内では話題になるとは思いますが、伊東豊雄作品で世界レベルの話題性から言えば「台中メトロポリタンオペラハウス」でしょう。これは凄いですよ。
興味のある方は、
TOTOのギャラリー間 のページで。
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Posted at
2015/02/22 01:30:44