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成田のオッサンのブログ一覧

2022年11月06日 イイね!

眠れなくなるほどキモい生き物

眠れなくなるほどキモい生き物今日は岐阜市の中心部を信長に扮したキムタクらが行列したようですが、我が家は混雑を避けて家に引きこもっております。

さて、久し振りに読書カテゴリのブログです。
”読書の秋”って聞かなくなったって思うのは私だけかな? 皆さん、本を読んでいらっしゃいますか? 以前も書きましたが、私が本を読む時間はもっぱら電車やバスの中だけしたが、それもスマホを持つようになってからめっきり減ってしまいました。
それでも新聞や雑誌の書評欄を読むのは好きで、中に気になる本があるとスマホを取り出してAmazonで注文したりしてます。注文が簡単すぎるんですよね。本屋が減って行くわけだ。てことで、模型も今生では絶対に作れないほどの数を積んでますが、本もそこそこ積んでます。
今回はそんな、買っただけで長らく放置してあった本の内容のご紹介です。

本のタイトルは「眠れなくなるほどキモい生き物」。27種類の寄生生物ばかりを取り上げた本です。眠れなくはなりませんが、確かにキモい生物のオンパレード。宿主を栄養源とする寄生ならまだ分かりますが、宿主の脳や神経を弄ってその行動を自分に有利になるように操るやつがいたり、宿主の生殖能力を無くしたりするのまでいるらしい。そして驚くことにこの世には寄生虫に寄生する生物(ハイパーパラサイト)ってのまでいるようです。

タイトル画像ですが、見覚えのある方も多いのでは。コロナ禍が発生してから見る機会も多くなったWHOのシンボルマークです。このマークずっと不思議だったんですよね。何で杖に巻き付いた蛇が医学の象徴なのか。
この杖は”アスクレビオスの杖”と呼ばれています。Wikipediaには・・・

ギリシア神話に登場する名医アスクレピオス(アスクレーピオス)の持っていた蛇(クスシヘビ)の巻きついた杖。医療・医術の象徴として世界的に広く用いられているシンボルマークである。しばしば「杖にからむ蛇」として表される螺旋(らせん)は生命力や権威などを象徴しており、「ギリシアの医療神アスクレピオスのもつ杖や,ヘルメス神の持物のカドゥケウスにおける二重の蛇の螺旋は,いずれも超自然的な力を示す」と『世界大百科事典』にはある。

と書いてあるわけですが、「脱皮を繰り返して成長するというその生態が、医療にまつわる治癒や再生のイメージに通じるから」(本書より)という意味合いもあるようですね。
この杖に巻き付いた蛇の図柄はWHOが採用しているからなのかどうかは分かりませんが、世界中の医療機関で使われています。

alt

上は岐阜大学医学部付属病院高次救命医療センターのロゴマークですが、よく見ると抽象化されてはいますが、杖に巻き付いた蛇が図案化されてますね。

で、この本にはこのシンボルマークの由来のもう一つの説が紹介されています。

まあ、このブログを読みながら食事してる人はいないと思いますが、万が一食事中の方がいたら、これから先を読まれるのは別の機会にされた方が良いかと・・・。

もう一つの説というのは・・・
このヘビの巻きついた杖は、より直接的にある病への伝統的な対処法を表したものだという説がある。その説に寄れば、杖に巻き付いているのはヘビではなく寄生虫だという。
・・・中略・・・その大型寄生虫はメジナ虫という。人に寄生する線虫で、古く紀元前からアフリカ、中近東、インドなどではよく知られている。
・・・中略・・・雌は最大120センチと細長く、学名が示すように小さな竜-つまりはヘビに見えなくもない。
・・・中略・・・この寄生虫に有効な治療薬やワクチンはない。対処法としては虫が皮ふに出てきたところを棒に巻きつけながらゆっくりと引き抜くしかなく、この処置が古代から現代まで行われている。虫が途中でちぎれると体内に残った虫体に沿って化膿し、蜂巣炎などが起こるため数日から数週間かけてゆっくりと巻き取らねばならない。棒に巻き取られた細くて長いメジナ虫は、さながらヘビである。そう、古代から繰り返されてきたこの対処法こそが、医神アスクレピオスの持つ「アスクレピオスの杖」の起源とされているのだ。
」(本書からの引用)

引用文をタイプしてるだけでキモい。
しかし、こっちの説の方が、棒とそれに巻き付く細長い生物との関係をちゃんと説明できていて説得力があるような気がしませんか? まあ、どっちが正しいのか詮索してみても意義があるとも思えませんが。


Posted at 2022/11/06 17:51:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2021年06月23日 イイね!

知の巨人

知の巨人立花隆が亡くなりました。
間違ってもあの元N国党党首の立花孝と間違えないでくださいよ。あんなくだらない男と一緒にしてほしくない。あいつはまだ生きてるし。

ネットのニュースしか見ていませんが「知の巨人」と評している記事が多いですね。蔵書は何と10万冊だとか。

私も何冊か読んでます。

彼を一躍有名にしたのは文芸春秋に載った「田中角栄研究」(1974年)だと言われていますが、私が一番印象に残っているのは「脳死」(1986年)。
何でこの本を読もうと思ったのか思い出せません。ひょっとしたら、この映画のことが頭の片隅にあったのかも知れません。若い人は知らないだろうなぁ。



「ジョニーは戦場に行った」(1971年)です。
主人公のジョニーは上官の命令で敵兵の遺体を処理するために塹壕を出るのですが、そこに砲弾が・・・。
ベッドの上でジョニーは意識が戻りますが、手足をすべて失い、呼吸はできるものの目も口も耳も機能しない。コミュニケーションの手段は全て失ってしまった。だけど意識は残っている。
ひょっとすると意識はあるんじゃないかと疑った看護婦が胸にChristmasと綴ると、彼は首を動かしてそれに反応するという場面で映画は終わります。

当時、何で脳死が語られる機会が増えたかと言うと、移植医療の可能性が広がりドナーとして脳死者に注目が集まったためですね。



厚い本ですが決して難解な本ではありません。立花隆の「脳死」はこの脳死の定義から優しく解説してくれます。脳死と混同されやすいのが植物状態ですね。上のジョニーの例は植物状態ですらありません。
ただ、この本が出版された1986年頃はまだ脳死も珍しい病態だったようで、脳死と植物状態を混同したり、脳死者を一度も見たことがない医師も多くいたようです。医療機器の進歩で末期患者の生命維持が容易になったことにより脳死者が増加した。脳死とは意識を取り戻すには既に不可逆的な状態であり、(言い方は悪いですが)それによって臓器ドナーとしての脳死者に期待が集まったってことです。
「脳死」は意識があるのにそれを表現できなくなってしまった人を脳死判定してドナーにしてしまったり、生命維持機器を外してしまう、つまり死なせてしまう(殺してしまう)ことの懸念を回避する手段についても丁寧に解説しています。

で、この本が面白かったんでしょうね。続編ともいえる「脳死 再論」も読んでます。内容は「脳死」の蒸し返しだったような?



こんな本も読んでました。



「ぼくはこんな本を読んできた」(1995年)
これから読む本の参考にさせてもらおうと読んだような・・・。
私が読んだ本も1,2冊はあったかな? 被る本があると嬉しかった思い出が・・・。

そしてこんな本も。



「精神と物質」(1996年)
ノーベル生理学医学賞を受賞した利根川氏との対談ですが、難しい本読んでたなぁ、過去の俺。今だったら絶対に手に取らない自信がある。

この後だったかな、彼は臨死体験だとかオカルティックな方面にまで向かうんですよ。私はそういうの嫌いですから、彼とは離れて今日に至り、訃報に接したってところですかな。

でもやはり凄い人です。統一感のないような様々なジャンルに首を突っ込んで、それを深堀りして解説してくれる、まさに「知の巨人」でした。

当時の教育テレビでだったかな、その直前に亡くなった音楽家の武満徹のことを解説している最中に、言葉がつまって涙ぐんでしまった場面も忘れられません。
Posted at 2021/06/23 22:24:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2017年11月25日 イイね!

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る9月29日のブログ「8・9月の松尾池(2) 」で触れた「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ。」の奥付で紹介されていた、同じく川上和人著「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」を取り寄せて読んでみました。いわゆるチェーンリーディングって奴ですね。

先日、地下鉄のホームに貼ってある名古屋市科学館の特別展「恐竜の卵~恐竜誕生に秘められた謎~」のポスターを見て頭がクラクラしてきました。最近の研究で恐竜にも羽毛があった可能性について報告されていることは知らないわけではありません。が、新説を取り入れるのはいいけど、ここまで鳥なの? 私が子供の頃に抱いていた”恐竜はトカゲの大きいの”ってイメージがガラガラと崩れていきます。


↑ポスターの原画

同科学館のHPのキャプションによると、この恐竜は羽毛恐竜「トロオドン」だそうな。
で、トロオドンを画像検索すると・・・・







いろいろと出て来ますな。羽毛の全くないのから中途半端に生えてるのまで。でもこのポスターのように全身が羽毛に覆われているのはない。
それくらい恐竜の研究自体の進化が早いってことなんでしょうね。新たな化石の発見でそれまでの定説が覆りまくりなんでしょうか?
こんなの見せられちゃうと、私は子供時代に観た日活の怪獣映画「大巨獣ガッパ」を思い出さずにいられないんですが・・・。


若い人は知らないだろうなぁ・・・。

「恐竜は絶滅したわけではなく、鳥類に進化した」ってのはいつ頃から言われるようになったんでしょうか? いつの間にか仮説を超えてすっかり定説となっていますね。私が子供の頃は、”恐竜は絶滅した爬虫類”ってことで固定していたんですけどねぇ・・・。

しかし、全ての恐竜が鳥類に進化したわけではない。



本書にある進化樹ではりませんが、近いものをネットで拾ってきました。
いわゆる恐竜は、骨盤の恥骨の向きによって竜盤類と鳥盤類の二つのグループに分かれるらしい。ここでややこやしいのは、鳥の祖先は鳥盤類ではなく竜盤類であること。これは単にネーミングに問題があるらしいので、素通り。竜盤類はさらに竜脚類と獣脚類に分かれます。獣脚類がさらに枝分かれしたのが現在の鳥類ということらしい。ここでご注意いただきたいのは、獣脚類は二足歩行の肉食恐竜ばかりだってこと。猛禽類はいかにも肉食恐竜の末裔って感じですが、スズメやニワトリも肉食恐竜がご先祖様ってことらしい。
上の進化樹で現在も見られるのは鳥類のみ。グレーの網掛け部分は、結局絶滅してるわけですよ。だから、厳密に言うと、「恐竜のごく一部が現在の鳥類に進化した」が正しい。
”恐竜は絶滅した”もほとんど間違いじゃないみたいですね。そして、よく話題になるのは「なぜ恐竜は絶滅したか?」
これについて、本書は「最も合理的に大量絶滅を説明しているのは、メキシコのユカタン半島にあるクレーターを生み出した巨大小天体衝突である」としていますね。このクレーターは直径200㎞にも及ぶもので、衝突によって地震、津波、地球全土の温度上昇をもたらし、地表温度は260℃にも達したと言われているとのこと。ほとんどの生物が死滅したんでしょうね。それを運よく生き残った生物の末裔が我々であり、鳥類だってことなんですね。

鳥類に関する私の大きな疑問についても触れてありました。それは「いつから鳥類は渡るようになったのか?」
鳥は空を飛んで渡るわけですが、恐竜は当然ですが脚で地上を移動します。当時の地上には舗装された道路なんてありません。山あり谷ありで橋もないし、樹木も生い茂っています。障害が多すぎて簡単に長距離の移動なんてできません。つまり、鳥類になってから、何らかの事情で渡りが始まったと考えるのが自然だと思いますが、進化の過程のいつからなのか? 昔の地下鉄漫才じゃありませんが、考え出すと眠れなくなってしまいます。
ところが、本書を読むとですね、あっさりと「一部の恐竜は渡りをしていたと考えられている」と書いてある。それにですね、何となく私達は(私だけ?)陸上生物は渡りをしないと、固定観念に捕らわれていますが、現在の哺乳類でもトナカイなどは千㎞を超える移動をすることがあるそうで、陸上生物は渡らないと考える方が不自然と言うことのようです。

ところで、これほど恐竜と鳥類が近い存在であり、恐竜にも羽毛が生えていたなんてイメージが定着するとですね、あのゴジラもその姿を修正する必要があると思いませんか? だって、ゴジラって地底に眠っていた古代恐竜が水爆実験の影響で巨大化して眠りから覚めたって設定だったでしょ。恐竜が爬虫類ってことだからあの姿ですが、最新の説に合わせるなら・・・・

私、実は、小学校時代は「怪獣博士」の名を欲しいままにしていました。今でもウルトラQやウルトラマンに登場した怪獣なら、写真を見て全て名前を言えるくらい。で、その知識からゴジラの姿を修正すると、これ。



ウルトラマン第37話に登場した、怪獣酋長ジェロニモン。死んだ怪獣を蘇らせるというオカルティックな能力を持つ怪獣。
ゴジラもこれくらいにアップデートしてほしいね。



Posted at 2017/11/25 20:46:42 | コメント(2) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2017年10月06日 イイね!

1冊だけ読んでます

1冊だけ読んでます昨日、残業してて、ふとスマホに目をやると、ノーベル文学賞のニュース。

ふむ、カズオイシグロ? 誰だっけ? また、村上春樹はダメだったってことね。
ん? カズオイシグロってあれか? 確か、あれの作者か?

と検索したら、やはり「私を離さないで」の作者に間違いない。まだ最近読んだばかりの本の作者がノーベル文学賞を取るとは奇遇だ。
文学作品なんてめったに読まない私がこれを読んだのは、生物学者の福岡伸一の本で紹介されてたから。
タイトル画像は、その表紙。最近見なくなったカセットテープ。主人公が大事にしているカセットテープに入っている曲がこの小説と同じタイトルの「私を離さないで(Never Let Me Go)」。

SFです。未来ではありますが、そう遠くもないような未来。
主人公らは(おそらくイギリスの)片田舎の寄宿舎で暮らし、学ぶ少年・少女であり”提供者”。人間に臓器を提供するために作られた提供者。
彼らはやがてその使命を知り、自分たちに生殖能力がないことも知っています。そして多くても3度も”提供”すれば、その使命を終えることも。
彼らも恋愛したり、長生きすることを夢見たり、通りがかりで見た人が自分に似ていると遺伝学上の親ではないかとソワソワしたり。でも身勝手な人間に反抗しようとはしない。従順に使命に従います。

心理描写が主のストーリーで、抑揚も少なく、少女漫画にありがちなムードの作品です。

読んだ後で検索してみると、予想通りではありましたが、映画化されてたんですね。



そして不覚にも知らなかったんですが、日本でテレビドラマ化もされてた。それもまだ最近。

でも、もう観ようとは思わないな。辛いもん。

Posted at 2017/10/06 23:30:40 | コメント(2) | トラックバック(0) | 読書 | 日記
2016年07月08日 イイね!

たまには本の話でも

たまには本の話でも書いてみるかと過去のブログを検索してみたら、過去の私がちゃんと「読書」のカテゴリを作っていて8本もブログを書いていたことをすっかり忘れていました。

その過去のブログでも書いていたのかも知れませんが、私の読書はもっぱら通勤電車とバスの中。それ以外では本は読みません。要するに暇つぶしなんですね。ところが最近は本に強敵が現れまして・・・・そうスマホ。それはもう簡単に暇つぶしに付き合ってくれますからね。スマホの本来の用途はコミュニケーションなどではなくて暇つぶしでしょう。なかなかこれに勝てる本はないんですが、最近、連続して面白い本に出合えたのでご紹介させていただきます。

まずは井上章一の「京都ぎらい


”新書大賞第一位”の文字が踊っていますね。井上章一は京都大学建築学科を卒業し、現在は国際日本文化研究センターの副所長。この人の守備範囲は建築に留まらないんですが、もちろん建築関係の本も多いです。最初に呼んだのは「作られた桂離宮神話」か「霊柩車の誕生」だったか? 「作られた桂離宮神話」は内容を忘れてしまったので最近買いなおしました。まだ読んでません。
「霊柩車の誕生」は日本に霊柩車が導入されたいきさつが説明されていますが、それは何と葬儀を簡素化するためだったんですよ。因みに日本で最初に霊柩車を導入したのは名古屋の一柳葬祭か横浜の葬儀社なんだそうです。
そう言えば、名古屋でデザイン博が開かれた年かその前年に講演会で、一度だけこの人の講演を聞いたことがありますが、面白いオッサンでした。
しかし、何といってもこの人を一躍有名にしたのは「美人論」でしょうね。明治時代の道徳の教科書には堂々と美人は性格が悪いみたいなことが書いてあったそうです。そうした美人に関する歴史をつぶさに調べ上げて書かれた本で、未読の方には強くお勧めします。昔の女学校で言われた「卒業面(そつぎょうづら)」ってどんな意味か分かりますか?
また、最近は風俗関係の著作も多く、遊郭やラブホの変遷を詳しく調べて、まとめた「愛の空間」なんて本もあります。リンク先のアマゾンの一文を引用しておくと「終戦直後には「皇居前広場」という言葉が性交を連想させるほどに、かつては野外性交が一般的だった。しかし、待合、ソバ屋、円宿、ラブホテルなどの施設がうまれ、人々はもっぱら屋内で愛し合うようになる。それらの性愛空間は日本独特の意匠をこしらえ、ついにはディズニーランド風の建築に発展するのだった…。日本人の男女が愛し合う場所の移り変わりを探る、性愛空間の建築史。 」
いいですか、玉音放送を聞いて国民が泣きながらひれ伏したという皇居前広場が、終戦直後には広く知られたアオカンの場だった歴史があると・・・。もう読まずにはいられないでしょ。あ、総鏡張りの部屋が日本で最初に登場したのは岐阜の遊郭の可能性があるってことも書いてあります。岐阜も捨てたもんじゃない。
ふう、やっと本題の「京都嫌い」。井上は嵯峨で生まれ、結婚してからは宇治に住んでるそうです。はたから見ると生粋の京都人ですよね。ところが京都に住んでるとそうは行かない。実は京都の中にはそれはそれは陰湿なランク付けと選民思想を持つ人々がいるってことを明るみに出した本です。そう、井上のような育ちのものは京都人扱いされないのが京都。京都人を名乗ることさえ咎められるダークシティー。新書大賞を取るだけの面白さはあります。

2冊目は福田まさみ著「モンスターマザー


実話のルポルタージュです。この著者の本を読むのは初めてでしたが、ちょっと読み難さを感じました。
丸子実業実業(当時)のバレーボール部に所属する不登校気味の高校生が自殺した。部内のいじめを疑った母親が学校を追求し、人権派弁護士もそれを支援する。学校はそれを否定する・・・・。こうなると世間はどうしても典型的な学校によるいじめの隠蔽と思いがちですよね。実際、初期の報道はその方向でのものばかりだったようです。ところがこの事件では、訴えられた教師たちが逆に母親を提訴し勝利する。そしてその意外な結末はほとんど報道されない。
タイトルが全てを語り過ぎてます。もう少し捻った構成にして、読者を謎解きの興味で引っ張ればいいのに思うのは間違いなのかな? 何せ事実ですから、いじり過ぎはよくないのかも知れません。
報道をありがちで分かりやすい枠に落とし込んで考えることの危険を教えられます。

3冊目は遥洋子著「私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ



遥洋子ってご存知ですか? 顔を見れば「ああ」と思う人も多いかも。関西を中心に活動しているタレントさんです。芸人ではありません。
私には啓蒙され好きな傾向がありまして、未知の価値観から眺めた世間に新鮮さを感じます。そんな意味から日本のジェンダーフリーの旗手とも言える上野千鶴子の本を何冊か読んでいました。そこから派生して読みだしたのがこの遥洋子。なにせ遥には「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」なんて著作がありますから。他にも「介護と恋愛」なんて本も面白かった。
そうそう、彼女のコラム「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」で最近東海ラジオで生放送中に起こったあの事件について言及しています。(購読には登録が必要かも知れません)
で、この本ですが、遥洋子がストーキングされる?って思われる方も多いでしょうね。そう美人と言うわけでもないし・・・。ところがこれまで壮絶なストーキング体験をしてきたようです。最初のストーカーは、まだストーカーという言葉が一般化する前。その筋の方とおぼしき男が両親のいる実家に上がり込んで彼女の帰宅を待ってるって・・・・。別のストーカーのときにはボディーガードまで付けていたのに役に立たず、彼女がカーチェイスの末にその男を捕まえるとか・・・。
普通は警察を頼りますよね。もちろん彼女もそうしました。でも基本的に警察は何かあってからしか動いてくれません。彼女を救ったのは、本当に親身になって警察以上のことをしてくれた刑事さんと、逃げること。そのためには何度も引っ越しをして、親しい知人とも連絡を絶つなどして身を守ったそうです。

最後はちょいと硬めの物理学の本。青木薫著「宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論



人間原理ってことばをお聞きになったことがありますか?
人間が自分は止まっていて天が自分の周りを回っていると考えるのは自然でしょう。それが観察や研究によって実はその逆で、自分たちが太陽の周りを回っているってことが分かってくる。ご存知のようにそこで宗教と科学の対立が起こったわけですが。天動説から地動説へのパラダイムシフトが起きたとき、神が創造したはずの大地は宇宙の中の一辺境に成り下がってしまったわけですね。
ところが、最近の物理学は、この宇宙を観測してる人間って何なの?ってことで悩んでるようです。もし宇宙の種々の条件が少しでも変われば人は存在できない。やっぱり人間て特別なんじゃね? 人間あっての宇宙なんじゃね?って話です。つまり一周回って天動説。それが大雑把な人間原理。
人間原理にもいろいろあって、本当に神を持ち出す人もいるようですが、やはりそれは広くは受け入れられない。
多元宇宙なんだそうですよ。最新の研究では低く見積もっても10の500乗の数の宇宙が存在するそうです。それだけの数の宇宙があるなら、その一つにたまたま宇宙を観測できる知的生命体が存在するのも有り得るってことのようです。
その内に科学が進めば隣の宇宙からの重力の影響を測定できるかもしれないそうです。
たまにはこんな浮世離れした本もいいかも。難解で読破に時間がかかりましたが。

出てくる本のすべてにアマゾンのリンクを張っておりますが、アマゾンからは一銭ももらっていません。

Posted at 2016/07/09 10:46:53 | コメント(2) | トラックバック(0) | 読書 | 日記

プロフィール

「交通事故の目撃者探しのタテカンは時々見るが、これは珍しい。倒れてたのは刑事課だから、行き倒れとかじゃなくて暴行事件の被害者なのか?」
何シテル?   08/17 17:51
昔、メルマガで漫画のコラムを書いてました。
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