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イイね!
2016年07月08日

たまには本の話でも

たまには本の話でも書いてみるかと過去のブログを検索してみたら、過去の私がちゃんと「読書」のカテゴリを作っていて8本もブログを書いていたことをすっかり忘れていました。

その過去のブログでも書いていたのかも知れませんが、私の読書はもっぱら通勤電車とバスの中。それ以外では本は読みません。要するに暇つぶしなんですね。ところが最近は本に強敵が現れまして・・・・そうスマホ。それはもう簡単に暇つぶしに付き合ってくれますからね。スマホの本来の用途はコミュニケーションなどではなくて暇つぶしでしょう。なかなかこれに勝てる本はないんですが、最近、連続して面白い本に出合えたのでご紹介させていただきます。

まずは井上章一の「京都ぎらい


”新書大賞第一位”の文字が踊っていますね。井上章一は京都大学建築学科を卒業し、現在は国際日本文化研究センターの副所長。この人の守備範囲は建築に留まらないんですが、もちろん建築関係の本も多いです。最初に呼んだのは「作られた桂離宮神話」か「霊柩車の誕生」だったか? 「作られた桂離宮神話」は内容を忘れてしまったので最近買いなおしました。まだ読んでません。
「霊柩車の誕生」は日本に霊柩車が導入されたいきさつが説明されていますが、それは何と葬儀を簡素化するためだったんですよ。因みに日本で最初に霊柩車を導入したのは名古屋の一柳葬祭か横浜の葬儀社なんだそうです。
そう言えば、名古屋でデザイン博が開かれた年かその前年に講演会で、一度だけこの人の講演を聞いたことがありますが、面白いオッサンでした。
しかし、何といってもこの人を一躍有名にしたのは「美人論」でしょうね。明治時代の道徳の教科書には堂々と美人は性格が悪いみたいなことが書いてあったそうです。そうした美人に関する歴史をつぶさに調べ上げて書かれた本で、未読の方には強くお勧めします。昔の女学校で言われた「卒業面(そつぎょうづら)」ってどんな意味か分かりますか?
また、最近は風俗関係の著作も多く、遊郭やラブホの変遷を詳しく調べて、まとめた「愛の空間」なんて本もあります。リンク先のアマゾンの一文を引用しておくと「終戦直後には「皇居前広場」という言葉が性交を連想させるほどに、かつては野外性交が一般的だった。しかし、待合、ソバ屋、円宿、ラブホテルなどの施設がうまれ、人々はもっぱら屋内で愛し合うようになる。それらの性愛空間は日本独特の意匠をこしらえ、ついにはディズニーランド風の建築に発展するのだった…。日本人の男女が愛し合う場所の移り変わりを探る、性愛空間の建築史。 」
いいですか、玉音放送を聞いて国民が泣きながらひれ伏したという皇居前広場が、終戦直後には広く知られたアオカンの場だった歴史があると・・・。もう読まずにはいられないでしょ。あ、総鏡張りの部屋が日本で最初に登場したのは岐阜の遊郭の可能性があるってことも書いてあります。岐阜も捨てたもんじゃない。
ふう、やっと本題の「京都嫌い」。井上は嵯峨で生まれ、結婚してからは宇治に住んでるそうです。はたから見ると生粋の京都人ですよね。ところが京都に住んでるとそうは行かない。実は京都の中にはそれはそれは陰湿なランク付けと選民思想を持つ人々がいるってことを明るみに出した本です。そう、井上のような育ちのものは京都人扱いされないのが京都。京都人を名乗ることさえ咎められるダークシティー。新書大賞を取るだけの面白さはあります。

2冊目は福田まさみ著「モンスターマザー


実話のルポルタージュです。この著者の本を読むのは初めてでしたが、ちょっと読み難さを感じました。
丸子実業実業(当時)のバレーボール部に所属する不登校気味の高校生が自殺した。部内のいじめを疑った母親が学校を追求し、人権派弁護士もそれを支援する。学校はそれを否定する・・・・。こうなると世間はどうしても典型的な学校によるいじめの隠蔽と思いがちですよね。実際、初期の報道はその方向でのものばかりだったようです。ところがこの事件では、訴えられた教師たちが逆に母親を提訴し勝利する。そしてその意外な結末はほとんど報道されない。
タイトルが全てを語り過ぎてます。もう少し捻った構成にして、読者を謎解きの興味で引っ張ればいいのに思うのは間違いなのかな? 何せ事実ですから、いじり過ぎはよくないのかも知れません。
報道をありがちで分かりやすい枠に落とし込んで考えることの危険を教えられます。

3冊目は遥洋子著「私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ



遥洋子ってご存知ですか? 顔を見れば「ああ」と思う人も多いかも。関西を中心に活動しているタレントさんです。芸人ではありません。
私には啓蒙され好きな傾向がありまして、未知の価値観から眺めた世間に新鮮さを感じます。そんな意味から日本のジェンダーフリーの旗手とも言える上野千鶴子の本を何冊か読んでいました。そこから派生して読みだしたのがこの遥洋子。なにせ遥には「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」なんて著作がありますから。他にも「介護と恋愛」なんて本も面白かった。
そうそう、彼女のコラム「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」で最近東海ラジオで生放送中に起こったあの事件について言及しています。(購読には登録が必要かも知れません)
で、この本ですが、遥洋子がストーキングされる?って思われる方も多いでしょうね。そう美人と言うわけでもないし・・・。ところがこれまで壮絶なストーキング体験をしてきたようです。最初のストーカーは、まだストーカーという言葉が一般化する前。その筋の方とおぼしき男が両親のいる実家に上がり込んで彼女の帰宅を待ってるって・・・・。別のストーカーのときにはボディーガードまで付けていたのに役に立たず、彼女がカーチェイスの末にその男を捕まえるとか・・・。
普通は警察を頼りますよね。もちろん彼女もそうしました。でも基本的に警察は何かあってからしか動いてくれません。彼女を救ったのは、本当に親身になって警察以上のことをしてくれた刑事さんと、逃げること。そのためには何度も引っ越しをして、親しい知人とも連絡を絶つなどして身を守ったそうです。

最後はちょいと硬めの物理学の本。青木薫著「宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論



人間原理ってことばをお聞きになったことがありますか?
人間が自分は止まっていて天が自分の周りを回っていると考えるのは自然でしょう。それが観察や研究によって実はその逆で、自分たちが太陽の周りを回っているってことが分かってくる。ご存知のようにそこで宗教と科学の対立が起こったわけですが。天動説から地動説へのパラダイムシフトが起きたとき、神が創造したはずの大地は宇宙の中の一辺境に成り下がってしまったわけですね。
ところが、最近の物理学は、この宇宙を観測してる人間って何なの?ってことで悩んでるようです。もし宇宙の種々の条件が少しでも変われば人は存在できない。やっぱり人間て特別なんじゃね? 人間あっての宇宙なんじゃね?って話です。つまり一周回って天動説。それが大雑把な人間原理。
人間原理にもいろいろあって、本当に神を持ち出す人もいるようですが、やはりそれは広くは受け入れられない。
多元宇宙なんだそうですよ。最新の研究では低く見積もっても10の500乗の数の宇宙が存在するそうです。それだけの数の宇宙があるなら、その一つにたまたま宇宙を観測できる知的生命体が存在するのも有り得るってことのようです。
その内に科学が進めば隣の宇宙からの重力の影響を測定できるかもしれないそうです。
たまにはこんな浮世離れした本もいいかも。難解で読破に時間がかかりましたが。

出てくる本のすべてにアマゾンのリンクを張っておりますが、アマゾンからは一銭ももらっていません。

ブログ一覧 | 読書 | 日記
Posted at 2016/07/09 10:46:53

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この記事へのコメント

2016年7月10日 23:07
本の話!
恥ずかしながら最近は滅多に読むことがありません。だってコンタクトレンズしてると細かい字は苦痛で苦痛で。
成田さん、お目々が達者なんですね。

レンズを外せば見えるんですが、今度は近眼すぎて5cmくらいの距離でしか見えないのでスマホサイズでないと読みにくい。

などと言い訳ばかりしてますが、何としても本くらいは読まないとダメですよね。
最近では高校の後輩が出した本を買って読みました。二冊目も出されてますがまだ買ってないです。
そうだ、今はスマホで買って読めるんですよね。

今回紹介されたなかでは、モンスターマザーに興味があります。
近いところ見る用の度が少ないコンタクトをして読んでみようかなー。
今度貸してください。
コメントへの返答
2016年7月11日 0:32
コメントありがとうございます。

私も眼鏡こそ持っていませんが、先日の免許の書き換えでは、視力検査で下駄を履かせてもらってどうにか裸眼合格。次回は眼鏡を作られた方がいいですよと言われました。でもまあ、何とか本を読むには支障ない程度です。

古いのかも知れませんが、スマホやタブレットで本を読むってのはどうも・・・。古本屋に売れないし。

モンスターマザーですが、仕事でいろんな人に会うと、たまにこんな人がいますね。私たちにとってはモンスタークレーマーとして現れます。精神的に病気とまでは言えないが、その傾向のある人です。自分の発言や予測できない行動で多くの他人が振り回されるのを何とも思ってない人。
校長や担任、部活の教師だけでなくその家族までこのモンスターマザーの攻撃を受けます。そして一番の被害者は自殺した息子。
因みに、この女は裁判で負けてもいまだに賠償金を支払っていません。
2016年7月30日 14:20
人間原理と宇宙論、ブログに書かれた文だけでは、ちょっと理解できませんでした。
種々の条件が重なっていないと人間≒知的生命体が存在できない事は以前から分かっていますし、いわゆるハビタブルゾーンのことを言っているのだろうということも理解できます。
多元宇宙論とて最近の話ではありません。

ただ、「一周まわって…」というあたりは、よく分からない。
だから天動説、ということになぜ行き着くのだろう・・・。

うーむ、やはりちゃんとその本を読まないとダメなんでしょうね(^_^;)
コメントへの返答
2016年7月30日 21:12
人間原理って物理学の用語にはちがいありませんが、まあ、哲学ですよね。人間が存在する意味と価値観と世界観の話。

「一周回って・・・」のところは、ちょっと言葉足らずでしたかね。
キリスト教圏で科学は進化したわけですが、人間の自然な感覚とキリスト教の教えとも調和が取れる天動説が最初の宇宙観として生まれるのは自然だと思います。そこでは神が創造した大地に神が創造した人間が生活する。人間は神に選ばれた特別な存在で、この大地は当然宇宙(その当時に「宇宙」という空間の広がりを想像していたかどうかは分かりませんが)の中心であるとの確信がありました。ところが地動説が明らかになると、地球は太陽を回る惑星の一つに過ぎず、その太陽系すら銀河系の中の端っこに位置し、さらに銀河系は・・・なんてことまで分かるようになった。その時、人間は神から選ばれた特別な存在ではなくなるわけです。まあ、それで何事も客観視できるようになったともいえるわけですが。
ところがここへ来て、宇宙のことを知れば知るほど、この宇宙は特殊過ぎる。物理定数の一つがちょっとでも違えば人間は存在できない。明らかに人間向けにできている。これはやはり神の御業ではないか?てのが大まかな人間原理。つまり天動説時代の神と人間の関係の復活。
もちろん、物理学者のすべてが神を持ち出してるわけではなく、人間原理の信じ方にも強度の違いがあるようですが、「人間がいるからこの宇宙があるんじゃね」と考える人もいるようです。

まあ、一度この本を読んでみてください。当然ながら私も中途半端な理解で飲み込んでるだけですから。

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「交通事故の目撃者探しのタテカンは時々見るが、これは珍しい。倒れてたのは刑事課だから、行き倒れとかじゃなくて暴行事件の被害者なのか?」
何シテル?   08/17 17:51
昔、メルマガで漫画のコラムを書いてました。
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