かなりトンがった「何でも８０点主義車」 - WRX S4

マイカー

かなりトンがった「何でも８０点主義車」

S4300
スバル / WRX S4
2.0GT-S アイサイト_AWD(CVT_2.0) (2015年)
- レビュー日：2017年3月25日
- 乗車人数：４人
- 使用目的：レジャー

おすすめ度： 4

デザイン：無
走行性能：無
乗り心地：無
積載性：無
燃費：無
価格：無

満足している点: エクステリアは写真で見るとパッとしませんが、実物を肉眼で見るとプレスラインが筋肉質なフォルムを力強く演出し、結構恰好がいいです。

順番に見ていきましょう。

フロント

グリルの面積が大きいですね。
ここをもう少しタテを縮めて、下の開口部の面積を増やすと、力強いフェイスに変わってくると思います。

リア

ＧＴ－Ｓにはトランクリップスポイラーが標準装備されますが、デザイン的にはなくても良さそうです。
性能面でもＣｄ値が僅かに下がるだけ、ゼロリフトであることは変わりません。
また、灯火類にもう少しコストをかければ、とてもいいオシリになると思います。

このプリケツにデカ羽は不要と考えますが、
ダウンフォース欲しい！（←実際に発生します）
羽がないとＷＲＸじゃない！
・・・と、いう人は迷わず装着しましょう。

サイド

やや背の高さが気になるところですが、実用性も考えらえているセダンですので、見なかったことにしましょう。

攻撃的なフォルムに負けない高い走行性能と日常の使い勝手の良さが融合

エクステリアもいいのですが、やはり特筆すべきは、走行性能と日常の使い勝手を高いレベルで両立させた点でしょう。

子育て世代でも十分に対応できるトランク容量と後部座席の空間を備えながらも、一般道では完全に持て余すレベルの走行性能を有します。

特に素晴らしいのは、２４５タイヤ専用チューンのビル足と、剛性感溢れるブレーキ。

特にワインディングにおいては、基本的に弱アンダーな安楽セッティングであるものの、それがドライバーの不快感とならないように良く調律されています。

キレの良いハンドリングと高いコーナリング性能を有しながらも、高いロバスト性がドライバーの身体にしっかりと伝わり、誰でも安心してコーナーに飛び込み、アクセルを開けていける足です。

Ａ型では、段差を乗り越えた際のリアの収束が悪く、「ドンッ！・・・ワンワン・・・」となかなか収束しない足でしたが、Ｃ型２４５仕様は、同じ段差を通過しても「ドフッ」と、一発で収束します。

もちろん低速域では強烈な突き上げを感じることもありますが、脳みそが揺さぶられるようなドギツイものではなく、カドマルで文句ないレベルです。

ブレーキは剛性感に溢れ、踏めば踏むだけ効く、コントロール性の高いものです。
オーバーサーボ気味の車に慣れた人が乗ると、「ブレーキ効かない！」と言われそうですが、ハイパワースポーティーセダンには、高い制動力とコントロール性を有したブレーキが必要不可欠ですから、このセッティングは正解と考えます。

これだったら、スミンボは必要ないですね！

塗装の質感もＧＶＢから大きく向上
複雑な造形と相まって、昼と夜、それぞれ違った表情が楽しめる
不満な点: 気温が下がると、内装のあちらこちらから異音が出始めます。
暖かくなると異音は収まりますが、冬場は少し嫌な思いをします。。。

また、Ａ型からは改善されているものの、ロードノイズがかなり大きいです。
無印のＷＲＸとせず、Ｓ４というブランド名を育てていきたいのであれば、室内に入り込んでくる雑音の処理も手抜きせず行ってほしいところ。

タイヤがＳＴＩと同じＲＴであることも、ロードノイズを増幅させている要因か

あと、特定の回転（１，４００rpm付近）で、安っぽい籠り音が室内に響きます。
これもＤ型以降では対処すべきポイント。

何が原因なのか不明だが、この籠り音はいただけない
総評: 総じて満足度の高いクルマです。

しかし、サルーン的な静粛性を求める方にはオススメできません。
ロードノイズがとにかく大きく、また、１，４００rpm付近での「ボォォ～～」という籠り音が耳障りで、静かに会話や音楽を楽しみたいという人には向かないクルマです。

そこが気にならないのであれば、街乗り・スポーツ・ツーリング、何でも８０点以上でこなせる全天候型スポーティーセダンとして優秀なクルマであると言えます。

希少種となったハイパワースポーティーセダン
このようなクルマがＳＵＢＡＲＵのラインナップから消えないことを祈るばかり