決勝日の朝、6時起床。身支度を整える。
今日はフレンドシップデイに買っておいた、琢磨帽子と琢磨Tシャツでびしっと決める。
(ふたつで¥13,500なり)
6時30分の朝食が済み次第速やかに出発。
ホテルのフロントには同じような琢磨グッズを着た人が数人いた。
閑散とした水戸駅周辺を通過する。
日曜日の早朝なので道路はスイスイ。
順調にツインリンクに到着。
がしかし、ここから先が大渋滞。
インディ観戦で駐車場に行くまで渋滞した経験がなかったのでかなり焦る。
去年までとは確実に人の入りが違う。
朝食を食べている場合じゃなかったと少し後悔する。
今までだったら砂利の駐車場に案内されていたのだが、今年は少し様子が違う。
今まで行ったことのない方に誘導される。
おとなしく誘導に従ってはいるが、行き先がわからず不安なのと
なかなか進まない焦りとでイライラし始める。
場内のラジオ放送で中の様子を伺おうとしたが電波が届くところと
届かない所がありよく聞こえない。
途中チケット確認の場所を過ぎると一気に流れが良くなる。
ちょっとほっとするが、やはり砂利駐には向かっていない様子。
これはもしや…と思いながらゲートをくぐるとそこはオーバルコースだった。
ターン3手前付近から侵入、駐車したのはターン2付近。
オーバルコース場をインテRで走行。
この時点でテンションがレッドゾーンを突破
コース上は恐ろしく広い。あまりに広いのでスピード感覚が狂う。
100キロ程度ではスピード出している感じがしないのだ。
VTECを利かせてバンバン走ろうかと思ったが、
ブレーキが間に合わなくて事故等起こしたらやだなと思ってやめておいた。
バンク角が見た目以上にある。真っ直ぐ立つのもしんどいくらい。
ドアの開閉、車輪のついたカートは要注意。
車を降りるとバスに乗り中央エントランスへ。
前日までに買い物は終わらせているのでもう食べて飲んで自由である。
牛串とお好み焼きが美味かった。
特に感激したのがお好み焼き。キャベツが沢山入っていてとてもうまかった。
東北にもお好み焼きはあるがこんなに美味しいのは初めて食べた。
中央エントランス到着が9時30分、オープニングセレモニーが12時開始。
その間はなんだかんだであっという間に過ぎた。
ついにインディ・ジャパンファイナルのオープニングセレモニーが始まる。
夢中で見ていたのでカメラで撮るのを忘れてしまった。
YOUTUBEの映像を転載したい。
日本国歌斉唱~アメリカ国歌斉唱~F4改飛来~レースダイジェクトまで網羅されている。
http://www.youtube.com/watch?v=giSLPZs-pEo
レース開始後応援したくなるのはやはり日本人ドライバー。
武藤英紀は開始直後ピットに入る大胆な作戦を取ったが
残念ながらタイミング悪くイエローが出てしまい1度ピットをスルーしなければならない
というアクシデント。
レース自体も荒れた展開がなく日本人ドライバーも上位にいない
いわばつまらない展開。
しかし残り僅かという時点でイエローフラッグが振られる。
トップとの差が縮まる。琢磨にとっては大チャンス。
ジャンプアップも狙える絶好のチャンス。
ピエール北川が観客を煽る。船員総立ちで手を振っている。
「いけ―!琢磨ー!」
残念ながらチームメイトと接触し、上位に食い込むことは出来なかった。
でもこの時の興奮は忘れることができない。
ありがとう!琢磨!
レース終了後も帰るものはごくわずか。
こんなに楽しいインディ・ジャパンも今日で最後。
そう思うと帰りたくなかった。
そして帰りたくなかったもう一つの理由、応援ありがとうステージが始まった。
レースを終えたばかりの佐藤琢磨、武藤英紀、そしてピエール北川が
ステージにたった。
実のところ私はこのステージはキャンセルになるのではないかと思っていた。
まさに命がけのレースを行った直後、興奮しているさなかに
トークショウを行うことはさすがのドライバーもできないのではなかろうか。
しかし予想に反して2人ともにこやかに現れた。
まあ、琢磨はインを開けなかったチームメイトへの不満を爆発させていたが、
それでもファンに感謝の言葉を述べ終始笑顔だった。
武藤英紀は琢磨に組んでルマンを走ろうと誘っていた。
こんな話が聞けるのはトークショウならではと思う。
この発言に会場も驚きの声を上げた。
でも実現したら応援に行きますね、必ず!
トークショウが終了し帰る通路にはサイン待ちのファンの山。
佐藤琢磨がこれに答えて全員にサインを書いているのが印象的だった。
ファンを大事にする人なんだなと思った。
更に感銘をうけたのがピエール北川。モタスポ専門のアナウンサーである。
彼はインディ・ジャパン開催してから全てのMCを担当しているはずである。
私は観戦したからわずか3年のにわか。
にわかにもかかわらず、感動してしまった。
ピエールにおいては14年である。
その気持ちはいかなるものであろう。
私の人生の中では14年もの長き間続いたことはまだない。
1970年生まれとのことなので41歳。
27歳から41歳まで続いたことが終りを迎える。
まさに青春時代の思い出ではなかろうか。
賛否両論があるかもしれないが、
琢磨も武藤もINDY参戦はここ数年の話である。
14年の思い出は計り知れない。
私は彼が泣くのではないかと思っていた。
泣くのが当然のことだろうと思っていた。
しかし彼は泣かなかった。
やや興奮してはいたものの、終始笑顔で話したいた。
プロだと思った。
けして自分のことは話に出さなかった。
14年の思い出を笑顔でこらえるその姿に、感動した。
ありがとうステージが終わったあとも、帰ることが出来なかった。
もう完全に日没していた。でも帰ることが出来なかった。
待っていれば何かが始まるかもしれない。
そんな幻想を思い中央エントランスで何かを待った。
しかし何も始まらない。
諦めのムードがあたりをさまよう。
「もう終わったんだ」
帰るしかなかった。
インテRに乗り込み水戸に帰る。
いつものラーメン屋にいき、生ビールとラーメンを食べる。
夢の様な時間が終わろうとしている。
楽しかった気持ちと、これで終わってしまうという残念な気持ち。
いろいろなことを考えているうちにいつの間にか眠りについた。
次回!最終回!!
「アフターインディジャパンデイ」
お楽しみに!