2016年10月13日
《エンジニアリングとマーケティング》No74 トヨタとスズキの提携の先
トヨタとスズキの提携が正式に発表された。
水面下で交渉されていた事は知られていたので、やっと!という感じである。
発表が遅れた理由の一つはダイハツとの関係性である。
ダイハツを資本提携から完全子会社にしたのはスズキとの提携の為とも言える。
スズキとの提携にはダイハツの了承を得る必要がある。
完全子会社化によりそのハードルを下げたのである
もう一つは上記の理由とも関連するが、独占禁止法の回避である。
今回の提携は資本提携でなく技術提携とうたっている理由である。
提携形態の整合に時間がかかったと推測される。
この提携は両者にとってメリットが大きい。
報道されているようにスズキとしては、次世代の環境技術の担保がで来たのである。
(他社からの買収防衛策の面が一番だが)
トヨタとしては苦戦しているインド市場の足がかりが出来る事が最大のメリット。
スズキを他社に取られるのは、何としても阻止したかったはずである。。
マツダとの提携も、マツダの技術が他社に流れるのを嫌ったのと考えている。
(トヨタの意向でマツダとスズキの資本提携は考えられる)
さて、この提携で何が起きるか?
一番大きいのが、軽自動車規格の撤廃である。
軽自動車の大手2社がトヨタグループになった事で、その土俵が出来たのである。
軽自動車の枠があるから独占禁止法に抵触し資本参加出来ないのである。
また、グローバル戦略上軽自動車規格が足かせになっていると考えていると思われる。
個人的にはクルマが肥大化していく中で、軽自動車規格は価値のあるモノだと思っているが…
おそらく軽自動車を含む自動車税制の抜本改革の検討が始まる
排気量に応じた税制区分はハイブリッドや小排気量ターボの技術が進んだ今となっては、そぐわないからである。
課題もある
それはスピード感である
例え電気自動車へのアプローチや展開計画はトヨタですら世界から遅れ始めている。
トヨタはテスラやウーバーとの提携しているが、具体的な成果や道筋を示していない。
手をつけて、それで安心してはいないか?
自前主義であったトヨタは他社との提携が苦手に見える。
トヨタとスズキの提携は液晶と同じ、日本の弱者連合になりかねない。
そしてトヨタ連合の問題は各メーカー間の役割分担が出来ていない事。
下手すると共食いになりかねない。
特にプレミアムブランドが手薄である。
(ここはVWグループがダントツである)
そして、今や世界最大の市場となった中国市場への足がかりがつかめていないのである。
これらを鑑みてトヨタの次の提携を考える
まずプレミアムブランドに対しては、ブランドを買う事が手っ取り早い。
例えばランチア辺りはフィアットは手放す可能性が高い。
若しくはPSAやBMWとの提携を深める可能性もある(BMWへに資本参加は、その生い立ち上難しいと思うが)
そして中国市場向けてはGMとの提携が考えられる。
GMとしてはトヨタの技術が欲しい。
トヨタとしてはGMに技術や部品供給する事で、特に中国市場が主戦場となる電気自動車のコストを大幅に下げる事が出来るからである。
政治的な意味もありトヨタが直接中国市場をカバーするより、GMと連携して技術的にカバーする方が得策である。
次は何が起きるか⁉︎
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Posted at
2016/10/13 07:37:45
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