超手抜き工程でのカムシャフト交換作業(カム交換自体は失敗。。。)
1
以前実行した「プレオ用ローラーロッカーアーム移植」の記事において、「ローラーアームとスリッパーアームはロッカー比が同じだからカムシャフトの交換は必要ないと思う」と書いていましたが、実はこれが間違いで、カム山を比較してみても右のローラーカムと左のスリッパーカムではかなり形状が異なっています。
本来右側の山の頭が大きなカムが必要なローラーアームで、左の山の頭が小さなカムを使うと、バルブオーバーラップが少なくなってしまいます。
これではどの道本来の性能が発揮出来ないので、ひとまずプレオ用のカムを組み込んでみることにしました。
2
本来EN07はカムシャフトを取り外すには、タイミングカバーを上下両方取ってタイミングベルトを取り外し、タイミングベルトのスプロケットをカム・クランク側共に直接目視出来る状態でそれぞれのタイミングマークを合わせなければならないのですが、単にカム交換だけならかなり手順を省略出来ます。
具体的にはタイミングカバーを上側だけ外し、クランクプーリーの合いマークを0に合わせつつ、カムスプロケットの目印とタイミングカバーの切り欠きも合うことを確認。この状態でカムスプロケットの目印にホワイトマーカーで印を入れ、カムスプロケットを外してしまいます。
3
カムスプロケを外したら、その下の上タイミングカバーのエンジン側部品も外します。この時に上下のカバーの間にあるゴムシールを無くさないように注意してね。
上タイミングカバーが表裏両方外れたら、ベルトテンショナーをゆるめ、ディストリビュータ、ロッカーアーム、カムキャップの順番で外してカムシャフトをヘッドから外します。
4
ディストリビュータにも切り欠きと合いマークがあるので、組み付けの時には確認を忘れずに。
5
組み付けの際にはカムシャフト、カムキャップ、ディストリビュータ、ロッカーアーム、上タイミングカバー(エンジン側)、カムスプロケットの順番で組み込んでいきます。
バルブタイミング合わせは簡単。テンショナーを最大に緩めた状態で固定ボルトを仮締めし、クランクプーリーのタイミングマークを0に合わせておいて、ベルトを引っ張りながらカムスプロケットをカムシャフトに組みます。この時にカムスプロケットの目印がタイミングカバーの切り欠きに合うようにベルトの山が掛かる位置を調整。
その後テンショナーの固定ボルトを緩めてベルトを張り、固定ボルトを緩めた状態のままクランクプーリーを2回転させて、クランクプーリーのタイミングマークを再び0に合わせた際にカムスプロケットの目印がタイミングカバーの切り欠きに合えば、バルブタイミング合わせは完了です。
テンショナーは自動調整式なので、固定ボルトを緩めた状態でクランクプーリーを何周かぐるぐる回すと、ベルト全体の張りの偏りが無くなって最適な張りに調整されます。最後に固定ボルトを締めるのを忘れずに。
6
こうした手抜き工程でプレオカムを組んで、エンジンを始動すると・・・。ボボンと初爆は来るけど、すぐにエンストしてしまう。。。エンジンチェックもエラー54「吸気経路異常」を示しており、プラグを外すと全気筒ガソリンでカブった状態。
何かおかしいなーと思ってもう一度カムを外し、二つを並べてみると・・・。(上がサンバー、下がプレオ)
なんか明らかにカム山の向きがおかしい。。。
カムを手でくるくる回してみても・・・。本来1-3-4-2で回ってくるはずのバルブタイミングが、プレオのカムは1-2-4-3でタイミングが回ってくる。。。
7
この作業をするまで全然気にも留めていなかったのですが、サンバーのRR用エンジンと、その他のFF用エンジンって、エンジンの回転方向が同じでも吸排気の配置が左右逆だったんですね。。。
サンバーのヘッドにFFのカムを組むと、バルブの開閉タイミングがめちゃくちゃになってしまう訳だから、初爆以外まともに点火出来るはずがありません。
つーか、よくバルブクラッシュが起きなかったもんだ・・・。(TVサンバーでローラーロッカー導入後のエンジンだと、ピストンにバルブリセスがないので、こんな組み付けミスをしたら間違いなくバルブクラッシュします)
無知って本当に恐ろしいもんですねorz
8
KV時代のサンバーのバルブタイミングと同じローラーカムは、色々調べた結果、00-01年ごろの一部グレードで使われていた13015KA560という部品番号のカムである事が分かりましたので、予算が確保出来次第、部品を取り寄せて再度組み付けを実行することにします。
関連パーツレビュー
[PR]Yahoo!ショッピング
入札多数の人気商品!
[PR]Yahoo!オークション
関連コンテンツ
関連整備ピックアップ
関連リンク