ある日、とある自動車シンジケートから一本の電話が・・・
「19,000キロしか走ってない極上のプジョー406要る?」
私「406?もしかして、あの白いD8?」
「そうそう、覚えてた?」
白い406との出会いは2年前であった。所用でそのシンジケートを訪れた時に出会った。
1999年式で度肝を抜かれる程美しい車だった。聞けばワンオーナー車で走行は17,000キロ、車検で入庫中であったその406は、まるでタイムマシンで時空を飛び越えて来たような極上車だった。
私はその美しい406に向かって念じた。
「いつか私の手元に来ますように」
そしてその406をついにオーナーが手放すことになった。聞けばあまりに乗らないので、もう車を所有することをやめるとのこと。私自身、自分の念が恐ろしくなった。学生時代、街で見かけたシトロエンBX16TRSに同じように念じたことがあったのだが、それから5年後、そのBXは私が初めて所有するシトロエンになった。それに続く今回の406である。しかし、年数の割に走行距離が少ない車が危険であることは百も承知である、おいそれと手を出してはいけない。 でも一応、参考までに値段を聞いてみた。
「○○円」
「来週取りに行きます」
私は、自身の思考と行動に差がありすぎるのかもしれない。しかし、その悪魔の電話を終えて冷静になると後悔の念が襲ってきた。SMの硬化したタイヤを交換する予定ではなかったのか?そう言えばもうすぐ総司令のプジョー5008の車検だし、数ヶ月後にはSMだって車検だ。脳みそがグルグルした。しかし、悪知恵に長けた私は素晴らしい案を思いつき、私と同じ中古車バカの伯父に電話をする。自分では所有できないけれど、自分の親しいところに置いておく作戦である。
「程度極上のプジョー406要らない?」
伯父「値段はいくら?高かったら要らない」
私「○○円、車検は来年の9月まで付いてるって。走行は19,000キロだって」
伯父「・・・来週一緒に取りにいけるか?」
さすが車バカの筆頭である私の父と血を分けた兄弟である。
次の週末、伯父と共にエグザンティアにてシンジケートのアジトへ向かい、406と対面する。
2年前に見た時と全く変わっていない美しさとオーラがあった。
2年でプラス2,000キロ
下周り左リアサスペンション部。雨の日走ったことないんじゃない?
伯父は「すげー、すげー」と感嘆している。
しかし、良いことばかりではない。整備記録簿を確認すると、この18年間に交換された物は、エンジンオイル、ブレーキオイル、クーラント、バッテリー、タイヤ、ワイパーブレードだけである。サービス担当者の話では、何度か車検時にタイベル等やATFの交換をオーナーさんにオススメしたらしいが「あまり乗らないからやらなくていい」と却下されたそうだ。
危険な香りが漂ってきた。帰ったらすぐさま交換しなければ・・・
帰路は最初に私が運転して、車の現状を確かめることにした。ゆっくりゆっくり帰ろう。途中でタイベルのテンショナーが吹っ飛んだり、燃料ポンプが止まったらどうすんべ?不安と共に走り出したのであった・・・
つづく・・・
Posted at 2017/05/14 00:01:06 | |
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