目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
センタースピーカーは音声信号の定格入力電圧が低いので、PXA-H800のラインをつなげると過大入力となってしまいます。そこでアッテネータを作ります。
図は回路図です。
目標とするスペックは、入出力インピーダンスが15KΩ。-11dB減衰させるものとします。音質重視のため可変抵抗は用いずオーディオ用抵抗部品で簡素な減衰値固定の回路にします。
減衰値は以下の理由で-11dBとしました。PXA-H800のマルチスピーカー音量調整でセンターのボリュームを相対的に-10〜11dBにしぼるとようやく他のスピーカーとの音量バランスがちょうど良くなるためです。しかしPXA-H800は各スピーカーの音量調整が±10dBまでなのでこれ以上の音量調整が難しい状況です。また-10dB減衰とは約1/3に音量を絞ることになり、音質的にも不利という事情があります。そこでアッテネータで-11dB落として基準音量を他のスピーカーに揃えて調整しやすくします。
インピーダンスの安定性を考慮してπ型アッテネータ回路を採用します。抵抗値の計算をして回路設計をしなければなりませんが、便利な計算ページがあるのでこちらを使いました。
http://www5.atpages.jp/gampf/calc/attcalc03.html
計算すると例えば26.7KΩというように理論的に必要な抵抗値が算出されますが、実際にはできるだけ部品点数を少なく既製品の抵抗で組み上げることを考えます。
理想値に近い市販品の抵抗を選ぶと20KΩと47KΩの抵抗の組み合わせになります。
2
LTSpiceでシミュレートします。製作するときは、計算上の理想値に近い抵抗値の部品を選ぶわけですが、近い値の抵抗を選んだつもりでも実際に組んでみると想定とかなり違う減衰となってしまう場合があります。
そこで失敗すると部品代が勿体無いので、回路シミュレータで机上実験します。
グラフの実線(左側スケール)を読むと-10.5dB前後。
インピーダンスは計算上14.9KΩ
ほぼ狙い通りのスペックになりそうです。
LTSpiceは無料で使えるので、私のような素人でもじっくり実験できます。
3
材料です。
抵抗を数本多めに用意しました。計測してできるだけ理想に近い値の抵抗を選定します。
4
ケースの穴あけを行い、RCAソケットを取り付けます。
5
抵抗を取り付けます。
アースの線はOFC線を使いました。
作業効率を優先してアース周りは回路図と理論的には同じ意味の回路のつもりです。
しかし、その後オルタノイズに悩まされましたので、これで正しかったのかどうかは怪しいです。
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仕上がりはRCA端子がある小さな箱になります。
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後日、オルタノイズ対策をすることにしました。
アッテネータの回路図から明らかなように、この回路は抵抗を経由して音声ラインのHOTとCOLDを接続する形になります。
これが少なからずグランドループやアース不良の原因になるようです。
こいうときは1:1のトランスで音声信号を伝達する方法を使い、回路を切り離します。今回は市販品(
http://bit.ly/2LObNxv)を使いました。
こちらのノイズフィルタの中身はトランスが入っているだけなので、時間があればトランスを使いグランドループを切り離す回路を自作しても良いと思います。部品代も片Chあたり1000円前後です。
接続手順は試行錯誤の結果、
PXA-H800 → ノイズフィルタ → アッテネータ → センタースピーカー
の順序にしました。PXA-H800のラインアウトにテスターを当ててみたところ、すべてのChでGNDが共通でした。したがってPXA-H800のラインアウト直後にフィルタを入れて共通GNDから他の回路を切り離すと良いようです。
次回製作する際は、アッテネータとアイソレーショントランスを組み合わせて一つの箱に収めて自作したほうが良いと思います。
後日わかったことですが、今回のように抵抗を使用したパッシブアッテネータはカーオーディオの場合オルタノイズが乗ってしまうことがよくあるようです。
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