教科書にないGT-Rの前足。

･･･以前のブログのロール剛性の配分に関する記述、全力で間違ってました。
訂正します。


「GT-Rレース仕様車の技術開発」でどうなっていたかを確認してみたところ、画像のような不思議なデータが記載されていました。ノーマルのスタビのレートが分からないのでハッキリしない部分も多いですが少し考えてみたいと思います。

前後比でザックリ見てみるとバネレートは前後で前が低く、減衰力の伸び側はフロントが高い。GTS-R比では前後のバネレートが逆転し、スタビはフロントが少し弱く少しリアが強く、フロント減衰力の伸び側が高い。

つまり前後重量配分の比率が同じFRと比率で比較した場合、32GT-Rのフロントサスペンションはスプリングのレートが低く、伸び側の減衰力が高く、スタビは少し弱い傾向です。
これは開発～レースデビューぐらいの期間の話でもちろん市販車とも大きく異なると思われるので、鵜呑みしてまんま同じ方向を目指すというのもどうかとは思いますが、32乗りにはちょっと無視できない話でもあります。

「GT-Rレース仕様車の技術開発」にはタイトコーナーブレーキング現象とか2G対応のGセンサーのネタだとかオーバーラップ60度のネタだとかは書いてこそありますが、かなりおざなりで、「グループA車輌の開発はこうした」「結果この車輌はこうだった」ということばかりでなんのためにそうしたのか？ということとアテーサ制御の核となる部分についてはうまいことトボケてウヤムヤにしてる印象です。

例えばアテーサは横Gと前後回転差以外にもいろいろやってるが複雑なので省略しますだとか前後同じ重量配分のFR車とFRベースの4WDで足回りのセッティングがこれだけ違う理由とかは書かれていません。LSDについてはアテーサのセッティングに影響を与えると書かれていながらそれ以上のことは何も書かれていません。

グループAのネタを調べるたびに、もう20年以上経ってるんだからいいかげん丸出しにしてくれたらいいのに、といつも思ってしまいます。