車を修理したりいじったりするのに必須なのが工具だ。
コレとスキルがあれば長距離ドライブも怖いモノはない。
その
備えについては以前も述べたとおりだ。
私は新社会人でコレを仕事としたので支給を受け、
「揃える」
と言ったことに不自由を感じなかったので、ココで工具を揃えるという感触にイマイチ実感が持てなかった。
社会人の必須キットで着いてきた・みたいな(^_^;)。
そこで一応私の工具遍歴と実例を。
支給を受けたのは
TONEの業務用基本キットだ。
(さっき調べて解ったが、去年まで社名は前田金属工業だったのね(^^ゞ)
中身は、現物が手許に無いのでざっくりとだが。
・スパナセット
・メガネレンチセット
・9.5/12.7ラチェットハンドル+ソケットレンチセット
・関節着きT字レンチ(10・12・14mm)
・貫通ドライバー大小セット(写真に立ててる木製の柄のモノ。見掛けによらずナカナカ使い良い)
・ハンマー(後にカーボン柄のモノに買い換える)
・プライヤー(写真右手に立てられてるモノ)、ペンチ
と言ったとこか。
スパナとペンチは殆ど使わないし意外に使いものにもならない。
据わりが悪く加え口の肉厚が太いスパナよりもスリムでしっかりトルクが掛けられるメガネレンチをよく使う。
柄がストレートだとエンジン本体とかによく当たる。逆にサブに使うレンチが用意できればそっちはストレートがいい。
メガネレンチは柄にアングル・角度の着いたモノが使い易い。
レンチ径はメーカーにも依るが多用するのが10/12/14mm、他に22mmや24mmだった。
オーディオをいじるのにたまに8mmが必要だったりした。
作業によっては2本要るケースもあったがそうは無く、逆に使わないレンチ径もけっこうある。
ソケットレンチは上級者装備。取り回し次第だが的確にネジを回せる。
仕事で使うのにラチェットというのは実に重要だった。何よりスピードが違う。
仕事の4割に使ってたのではなかろうか。最初に検討したいオプションだ。
ラチェットは片回転が空転する仕組みのことだが、ネジが回ってもレンチを挿し直すことなくワンウェイの行動でネジが緩結してくれる。
ハンドルを持つのが基本だが、私はネジ頭を握ってハンドルをテコ替わりに振って指で回してた。
但し締め付けには使わない事。ソレで壊したし(^^ゞ。
ペンチよりは先の細ったノズルプライヤー、また配線でキボシ端子を多用するので線を切るのは後述の電工ペンチに頼りきりだ。
またなによりプライヤーはシッカリとしたものが必要だ。まさに『鉄の指』として重宝する。
ドライバーも転ばぬ先の爪と言うべき役に立ち、使いよいモノが選べるとイイ。
軸が貫通してて構造が単純な方がよくグリップゴムとかは意外と馴染まない。ネジ締めばかりでなくこじったり突いたりと使途は多い。
可能ならば磁化してネジが着く加工が出来るとなおよい。
支給だけでは仕事に充分ではない。買い足すことになる。
工具卸業者のバンが定期的に工場へ御用伺いに来ていた。
私は壊れたり紛失した工具を補充したが、上司はハイグレードなモノや効率の上がる特別な機械を購入してた。
垂涎ブランドは
スナップオン、一方で
KTCも定番だった。
私があとから買い足したのは現場でしか使わない専用工具を除くとこんな感じ。
・9.5ラチェットハンドル(早晩破損のため)
・片側ラチェットメガネレンチ(10/12/14mm、写真で左手前に刺さってるもの)
・4~5cmの長さの短いスタビドライバー
・貫通ドライバーセット(写真の赤い柄のモノ。10mmスパナでトルクが掛けられる)
と言ったとこ。
あとはキボシなど電工端子をキレイに括れる電工ペンチも上司が新調するのでお下がりで戴いた。むしろ最近重宝してる。
マァこんな恵まれた環境で工具を手にしたので、いざ普通の人が工具を揃えるのにナニが良いのかは実はよく解らない(^^ゞ。
そこを踏まえて、持ってると違う基本的な工具を拾い出してみよう。
レンチの選択は「横からシッカリ回せる」「上から楽に回せる」の視点ぐらい。
ちなみに三菱車の整備をしてたわけなので、メーカーによってサイズが違う可能性はご了承願いたい。
・20cm大ぐらいのシッカリとしたプライヤー
・10・12・14mm/22・24mm(こちらはテコ兼用の約30cm長のモノ)径のアングル着きメガネレンチ
・10・12・14mm径の関節着きT字レンチ
・柄尻まで軸が通ってる貫通ドライバー、大中と非貫通でいいから小(スタビ)・約30cm長の4サイズ
・ニッパー、ノズルプライヤー(ラジオペンチ)
・ハンマー
まずコレを上から順に個買いして、余裕があれば不足工具やソケットレンチやラチェットハンドルなどを所望する。
これだと大枚叩いて1/3は使わない工具セットや着いてたはイイけどスグ壊れるなんて道具に患わされないと思う。
またプライヤーについては最近ツールナイフから派生したアウトドア用のマルチプライヤーがありこれが意外と使い勝手がいい。
無論専用品に比べて使い難いが、多徳道具で荷物を減らせ、意外な用途を求められてもナントカこなしてしまうこともままある。
写真の
SOGはもう買えないが、
レザーマンや
ガーバー(リンクは英文)ならマァ問題は無いだろう。
あと大事なのが工具ではないが軍手。
車には束で積んでおきたい。
汚れの他に寒さや怪我や部品汚損すら防ぐときがある。
また、コストから断念したが一頃手術用の薄いゴム手袋を工場で使ってみて作業の効率は上げられた。
ブレーキオイルとかが着いた手を洗う手間はけっこう大変なんだ。寒いと特に(T_T)。
こんな感じで、マァ故障で泣く思いをしたなら別だがそうでなければ上記の最低限の工具から単品で徐々に購入してみることをお勧めする。
それにしても私が業界に居た頃にはホームセンターには碌な工具がなかったんだが、その意味でも15年ほど前から質量とも品揃えが見違えた。
当時は往生したのにいま恵まれてるよ。ホント。