2019年12月09日
458イタリア納車3ヶ月のインプレッション。
主に前に乗っていた991型の911と比較してみました。
1.とにかく固い足回り
458の運転を始めると毎回足回りの固さに驚きます。
458と911はホイールのサイズも幅も扁平率全く同じなのに、ここまで変わるとは…。911のPASMをスポーツモードにした時よりも固く、今まで気にしたこともない道でも凹凸が気になります。
911で道が悪いな…と思った道を走ったら、もはやダートコースのようでした(笑)。あまりの振動でドライブレコーダーが反応した時にはさすがに笑ってしまいました。
458にはステアリングに「サスペンションの減衰力制御スイッチ」があり、これを使用するとだいぶ緩和されます。正直長野の道はあまりよくない良くない箇所が多いので、今では常用しています。
2.街中を流すと911よりも静か
朝一のエンジン始動音は911と同じぐらいですね。
今まで自宅の駐車場で聞いた始動音を比べると、エキシージ(V6)>458≒911>ケイマンになります。早朝にエンジンをかける際は、周りに気を使います。
街中を流すと室内に響いてくる音は911よりも若干ですが静かです。911を普段走らせる際は、スポーツエグゾーストをオンにしてバルブを開いた状態で走っていました。458のバルブはスイッチではなく回転数で決まるため、街中を3000回転以下で走るような際の音は911の方がうるさいです。
3.性格が違うトランスミッション
トランスミッションは911同様に7速のDCTですが、比べてみると911とは異なります。
まず458には疑似クリープがありません。街中を走っている際はそこまで気になりませんが、バックで駐車を行う際には取り回しにとても苦労します。
911のようにシフトレバーはないため、変速はパドルシフトのみです。911はハンドルを切るとパドルシフトの位置も合わせて動きますが、458は位置が固定されていて動きません。ただし、458の方がパドルシフトのサイズが大きく、実際に運転してみると458の方が操作性が良いことは意外でした。
911の7速目は高速巡航時のもので、高速道路で使用するとエンジン回転数を抑えた運転ができます。458は…そんなこと考えていませんね。やっぱり、比べてみるとポルシェの方が同じ7速DCTでも実用性を重視していることがわかります。
マニュアルモードで走るとDCTにも性格が出ます。
911のDCT(PDK)はシフトアップのショックが少なかったです。その反面シフトダウンは苦手で、ある回転数以下(主に3000回転以下)でシフトダウンすると変速がギクシャクします。
これに対して458は性格が真逆で、低い回転数で変速しても違和感なくシフトダウンが行えます。逆に回転数が高い状態でシフトアップした際のショックが大きいです。
この衝撃がなかなか曲者で、思わずアクセルを緩めてしまうほどです。最近ではだいぶ慣れてきましたが、458と同様にシフトダウンが行えて、911と同様にシフトアップが行えるトランスミッションがあれば理想なのですが、どこかにトレードオフがあるのか…。
4.ブレーキはやっぱりポルシェが優秀
458をはじめて運転した際はブレーキの利きに驚きました。効いて驚いたのではなく、効かなくて驚きました(笑)。大雨の中で運転していたことが大きいのでが、カーボンセラミックブレーキは冷えていると素人でもわかるほど性能が顕著に落ちます。感覚としては軽自動車に乗っているときのブレーキ感覚に近いです(ブレーキペダルを踏んでから効き始めるまでラグがあります)。
もちろん458もブレーキの温度が上がってくると問題なく効くのですが、朝一、街中を流しているとき、峠道を攻めているときでブレーキの効きが変わるため、ブレーキには若干気を使います。
ここら辺911は優秀でした。環境や状況を問わず、いつでも思った通りに安心して止まれる車でした。ただ、この違いはカーボンセラミックブレーキとスチールブレーキの違いが大きいと思います。ポルシェの911でもカーボンセラミックブレーキを選択すると同じなのかもしれません。
余談ですが、カーボンセラミックブレーキはホイールが本当に汚れません(最近洗車して驚きました)。
5.排気量は4499cc
故に税金が高い…間違えました。発熱が凄いです。
今の時期はだいぶ良くなりましたが、夏場はミラーを見た際に「蜃気楼が見えるんじゃないか」ってくらい熱くなります。このため、911に乗っていた際にはなかった習慣として458では自宅に戻った後に必ずエンジンフードをしばらく開けるようにしています(そもそも911はエンジンフード開けてもあまり効果がないですね…)。
発熱の副産物として(ドライサンプの効果ですが)、458のエンジンは水温・油温の立ち上がりが極めて良いです。乗り始めて5分もすれば、どちらも70℃を超えています。911は水温が上がるのは早いのですが、油温がなかなか上がらず…。始動直後はしばらくエンジンを回せなくて、よくモヤモヤしていました。
燃費は5km/L…くらいですね。あまり考えないようにしています(2.7Lのケイマンが9.0km/L、3.4Lの911は7.5km/Lくらいでしたので、順調に?下がっていますね/笑)。
6.やっぱり高回転NAは最高
街中を走っている際、458は911よりも静かです。ただし、マネッティーノスイッチをレースモードにすると化けます。
回転数が3000回転を超えるとバルブが開くため、ちょっとした直線があればバルブを開いた音が聞けます。ただし、このバルブの開閉が曲者で、バルブを開閉する前後では音が濁ります。特にバルブを開いた直後の音が、低く唸ったような音になるのは残念です。
そもそもレースモードのため、回転数が3000回転以下になる前提で作られたモードではないですね。
レブリミットまで回した際の音は…、思わず笑ってしまいます。この車を選んで間違いなかったと思う瞬間です。
個人的にポルシェの音と、フェラーリの音を比べるのはナンセンスと思っています。これは違う楽器の音を聞いてどちらの楽器の方の良いと比べるようなもので、やっぱりポルシェのフラット6はそれだけ独特な音がします。
911ではレブリミットまで回すとエグゾーストサウンドと一緒にエンジンのメカニカルノイズが室内に響いてきました。これに対して、458は純粋なエグゾーストサウンドの割合が大きく感じます。ポルシェとの最も大きな違いが、その音に何を思うか…です。ポルシェの音は、やっぱりポルシェです。これに対し458の音を聞いていると、頭の片隅でF1を思い出します。
この違いは…やっぱり大きいですね。
もちろんV12エンジンを積んだフェラーリにはかないませんが、V8エンジンでもその片鱗くらいは感じ取れます。
なお、エンジンのレスポンスは911も458も素晴らしいです。本当に気持ちよくエンジンが上まで吹き上がります。これは最近のターボ化されたエンジンでは味わえないこと。やっぱり高回転NAは素晴らしいです。
7.ただし乗って行く場所を選ぶ
458に乗って変わったのが、乗って行く場所です。911はどこへでも楽しく走りに行けましたが、458は走る道を選びます。
車幅が1937mmもあるため細いトンネルなどがある峠道は厳しいですし、サスペンションが固いため道が悪いと乗っていて疲れます。そして570PS/9,000rpmを生かせる道は田舎の長野ではとても少ないです。
思い返すと峠道を楽しく走れたのは、若干非力な2.7Lのケイマンが一番だったかもしれません。
もう3ヶ月…
どういう巡り合わせか、458のオーナーになってもう3ヶ月…。本当はもっと乗って色々な場所に行きたいのですが、今年は本当に秋が短いですね。
長野では先週に雪が降り、駐車場を見ると多くの車がスタッドレスへの履き替えを終えていました。高速を走ると塩カルの撒かれている箇所もちらほらとあります。
このため、しばらくは冬眠し、来年の春に備えたいと思います。
4月初めはブランチ、4月下旬にはオーナーズデイズが待っています。
果たして同じ世代のオーナーさんと巡り合えるかどうかが気がかりですが、今後がとても楽しみです。
Reki
Posted at 2019/12/09 22:35:01 | |
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Ferrari 458 Italia | 日記