散文 201

「ブレーキとアクセルを間違えた」


決まってこのセリフが放たれますが



不思議なことに…



「フットレストとアクセルを間違えた」


という事案は聞いたことがありません。



アクセルを床まで踏んでフットレストとして代用……


右足のフットレストはアクセル全開




厳かな右足の休息…？




車は絶望的に加速してゆき


タコメーターとスピードメーターは


時計回りに鞭を打つ








休息であるわけがない。




しかし


「左足にはフットレストがあるのに右足に無いのは不自然だ！」



妄言極まりないセリフを放つ。


もはや


古民家のように床が抜けないか不安になるし

頭をリノベーションしたほうがよい。


発言にもスロットルコントロールが必至





そもそも

右足の休息はたてまえで


心の救済が目的らしい。




床と右足の支え合い運動





「ささえ愛」と言ったほうが正しいかも。


言葉を粋に着こなしている気がするし


素敵な花言葉にもきこえる。





なにより愛が足りていないからだ。






花言葉は



「ささえ愛」……




地平線まで続く美しい花々

蜜蜂の大群をエンジン音と錯覚する彼ら

天と地をグラデーションの輝きでつなぎ

右足が奏でるレクイエムがそれらを包む






仮にスギ林が地平線まで続いていたら


こうはいかない







おそらく天国ではない……。




その場合




鼻言葉は



「未来に羽ばたく魔の花粉」

「悲惨な飛散」

「悲しくないのに涙が止まらない」

「1リットルの涙」

「ティッシュ１日３箱分の憂鬱」

「源泉かけ流しな鼻水」

「鼻は壊れた蛇口」

「呼んでくれクラシアン」

「鼻の周りにメンソレータム」

「ヒスタミンよ静まれ」









マスク不足も深刻だが



心の救済不足も心配…。









いずれにしても









私は春のおとずれを感じたのだ。