親友の死

今日、久しぶりに友人からメッセンジャーで連絡が来た。普段はそれほど連絡などしないので、どうした風の吹きまわしかと思い、メッセージを見てみると、「〇〇が亡くなったと聞いたんだけど、カウは何か聞いてない？」と。カウは勿論初耳だったので、どこから聞いた話なのか聞いてみると、高校時代の伝から連絡が回ってきたようだ。〇〇とは中学からの親友で、高校は別だったが、一緒に音楽をやっていたので、殆ど毎日のように、家族よりも一緒に居た時間が長かった。社会人になってからは、仕事で関西方面へ行ってしまったので、なかなか会う機会もなく、最近は疎遠になってしまっていたのだが、その気になればいつでも会えると思っていたので、何かなければ特別連絡する事もなかった。いつ亡くなったのかも分からず、思い当たる節に連絡を入れたところ、年末も押し迫った昨年暮れ、奥さんの実家に帰省した時に突然倒れたそうだ。くも膜下出血であっという間だったらしい。一番最近会ったのは、ちょうど4年前に〇〇の母親が亡くなった時だった。カウはかなりお世話になっていたので、通夜の時は他に声を掛けた友人と叔母さんの亡き骸の側で、夜通し楽しかった日々を語り合ったのが、ついこの間のようだ。その後四十九日で納骨が終わり墓参りするまで、久しぶりに昔のように話をした。カウは社会人になってから暫くして音楽は辞めてしまったが、〇〇はずっと続けていて、関東に来た時はライブハウスで演奏していた。ずっと続けているのが羨ましかった。カウは〇〇と一緒に音楽ができた事がとても良かったと思っている。正直、社会人になり生活圏が変わって、〇〇と音楽が出来なくなった事で、他の誰とセッションしても楽しくない、熱くなれない、つまらなくなって辞めてしまったのが事実。それ程〇〇のギターには魅力があった。〇〇もギター一本でプロ街道を突き進もうとした矢先に身体を壊し長期の入院。身体の事を考えて「仕事に着いて、ギターは趣味でやるよ」と言った時の〇〇の表情を見て、自分の事のように納得できなかったのを痛烈に覚えている。その後、一緒にやっていた時とジャンルは変わったが、好きな音楽が続けられて、仕事も家庭もうまくいっていたようで良かったと思った。晩婚だったので、子供はまだ小さかったが、今は中学生か高校生くらいだろうか。まだこれからという時に。昔から肝心なところは自分一人でやってしまう奴だったが、先走り過ぎもいいところだ。これから先、隠居してから昔のようにあれこれするのも悪くないと思ったのに、死に目にも会えず、まったく勝手な奴だ。先に逝きやがって。とりあえず墓へは会いに行ってやるよ。親友だからな。