この記事は、
マニュアル車が選ばれない現実について書いています。
イイネ!ランキングで話題になっていたのでこっそり便乗してみます。
5MTのインテiSさんが納車になって1年半。
好きなものに「MT車(
死ぬまで乗ってもいい)」と大袈裟に書いてしまってる私。
就職してから、MTもATも色々運転して、ATの便利さを実感した上で、
それでも、今もこの気持ちは変わってません。
なんでMTなの?と聞かれると、手っ取り早く答えるには「楽しいから」と言う他ないのです。
あれこれ考えたけど、やっぱりそれくらいしか思いつきません。
まあボケ防止にいいだろうなっていうのはありますが(笑
「こんなおもしれー乗り物なのになんで誰も乗らないんだ?」
と逆に聞きたいくらいですwww
でも世間からは理解されがたいでしょうね。
自分が、「MTって楽しい!」と思う本当の理由。
それは、『いつでも自分の好きな回転数、思い通りの回転数で走れるから』
かなあと思ってます。
ATの場合、同じ傾斜の道でアクセル開度が同じなら、
車のコンディションにもよるでしょうが、いつも同じギアの同じ回転数で走ろうとするでしょう。
コンピュータが「これくらいのトルクが出れば十分でしょう」
と勝手に判断して変速をコントロールしてくれるわけです。
ただ、もしその車のATが、なんか自分の思い通りに走らない。
走りが物足りない。ここでもっとこういう風にして欲しい…と思っても、
ATではどうすることもできないのです。制御をコンピュータに委託してるから。
登り坂でもっと加速が欲しかったら、アクセル踏み足せばATが勝手にシフトダウンするでしょう。
それ自体はMTもやることは同じなのですが…なぜでしょうか。
ATの、加速足りない→キックダウン→シフトダウン→アクセル戻す→元のギアに
という動作の、なんとも無味で無機質で、ぎこちないこと…!
これは理屈ではないですね。感覚でそう感じてしまうのです。
MTの場合、4速で走れるくらいのゆるいワインディングにいるとします。
たぶん、その気になれば3速に落としても、2速に落としても走れるでしょう。
なんせ、2速でもめいっぱい回せば80kmくらい出ますから。
2000回転の付近、いわゆる常用回転域って、
エンジンの性能の1/3以下くらいしか使ってないんですよね、考えてみると。
普段のギアから一段落とす。
ただそれだけなんですが、それだけでも車の雰囲気が全然違う。
エンジン音がうるさくなって、加速するようになって、エンブレも強くなって、きびきび走る。
まるで車が、運転手の気持ちに応えて気合を出してるみたい。
というより、車の意思が、自分の意思そのものになるんですよね。
のんびりでも、ガンガンでも、その時の自分の気分どおりに走れる。
それには道の形も傾斜のきつさも関係ない(急坂は必然的に低いギアになるけど)。
これがMTの真髄だと思います。
もちろん、MTに慣れて、必要なトルクに応じて的確にギアセレクトできるのが前提ですが。
それがもたらす大きなメリットは、
どんなに古いポンコツでも、低排気量の軽でも、
MTがあったら途端に面白い車に豹変してしまう、ということ。
これは意外と認知されていないのでは、と思われます。
確かに面倒くさいと思うこともあります。
一番思うのは、実は坂道でも渋滞でもなく、自分の調子が悪いときだったりします。
体具合が悪いとき、精神的に不安定なときに運転するMTは、本当に辛いです。
普段のように運転できなくて、ムシャクシャしてクラッチをガサツに扱えば、
途端にギクシャクして、まるで車の機嫌を損ねているみたいで。
そういう時は、車が「乗るな」「無理するな」って教えてくれるんです。
MT車って、まるで生き物だなって常々思います。
乱暴にギアチェンジしてればシンクロ痛んでおかしくもなりますし。
(そういう点でもATよりデリケートだったりする)
コンピュータと友達になったり、仕事を任せることの気楽さは重々承知です。
でも、やっぱり生き物と友達でいたい。人と触れ合っていたい。
その方が楽しいから。生きてる実感が得られるから。
ATではコンピューターにやらせる「変速」という作業を、
人間が自らの脳みそで、リアルタイムに考えて自分で動かす。
たったそれだけなんですが、これがまた大きな仕事で、しかも奥が深いんです。
そして逆に、人間としてこれだけは自分でやりたい。やらせたくないとも思う。
だから、周りの人がどんどんMTを運転できなくなる今の世間は寂しいです。
人間が機械に頼れば頼るほど、人間の運転能力が失われて、
それが人間の衰退を意味してるような気がして…大袈裟ですかね?
あ、私は別にコンピュータアンチではありませんよ?
(アナログ大好き人間ではあるけど)
むしろその恩恵には与りまくってますが、
これだけは誰にも任せたくない、誰にも委託したくない。
自分の力で、体でやりたいっていうものがある。誰だってそうでしょ?
それが私の場合は、たまたまその一つが車だった。それだけの話です。