私はVOLVO車の美点はまず内装にあると考えます。
豪華さや華美とは無縁ですが、これ見よがしで幼稚な煽り感もない、シンプルな中にもモダンで清潔なインテリアはドアを開けてシートに収まった瞬間に居心地の良さを感じます。
デザイン文法は変わりましたが、これは昔からVOLVO車が持つ内装の一貫した特徴ともいえるでしょう。
この「ほっとする居心地の良さ」はXC40にも受け継がれています。もっともVOLVO車の中では味付けがややアクティブというか若々しいフレーバーが添えられているのが特徴でしょうか。
細かいところはもちろん値段なりに違う部分もありますが、上位モデルのXC60やXC90と比較してXC40が明らかに劣っている部分はリアシートの作り(設計)のみだと感じます。
少なくとも前車であるMY2014のXC60と比べて、XC40は殆どの部分でアップデートされていると感じました。
特にロードバイクを2台車載してみてよくわかりましたが、全長がかなり短くなっているにも関わらず荷室に関してのレスは全長よりも少なく、そのスペース効率のよい設計に驚きました。
少なくともローバイクの車載性についてはMY2014のXC60と比べての遜色のない運用ができています。
そのリアシートも頭上や前席までのスペースは十二分に確保されていますので、子供や小柄な人であればネガティブな部分も問題にならないと思います。
デザインではプレーンでややフォーマルな雰囲気を持つ上位モデルに比べるとXC40はカジュアルでヤングアットハート(死語?)な雰囲気を醸し出すことに成功しているのではないかと思います。
メーカー側が想定するXC40の顧客層は「me」とされています。これは「パーソナルカー」として楽しんで欲しいという事だそうですが、私に言わせれば「うすらでかいパーソナルカー」です。
とはいえ確かに一人ないし二人分の「遊びのギア」を詰め込んで(積み込んで?)、アクティブに「使い倒す」には丁度いいカジュアルさ、丁度いいラフっぽさがドンピシャであろうと思います。
同様に上位モデルと違い、よりSUVらしい……別の言葉で表現するとラフでワイルドで、積極的にどろんこ遊びに使おうと言う気になる黒い樹脂パーツでのアウトドア志向を打ち出している点も個人的には好ましいと感じています。
革靴でもおしゃれなレザー素材のスニーカーでもなく「ズック靴」の持つ軽やかさがXC40の美点の一つと言えるのではないでしょうか。
同クラスの国産のコンパクトSUVに比べると確かに価格は高いですが、数の問題で人とはあまりかぶらない点、個性的なエクステリアデザインに魅力を感じる人にはいい選択肢になると思います。
また他の同クラス輸入車と比較した場合は必要な装備やサービス、エンジンのスペックなどを比較するとかなり割安であることに気づくはずです。
候補として検討してもらえると、XC40をとても気に入っているオーナーとしては嬉しい限りです。