エンジン腰上OH（組立編）＃3

バルブ関連の部品が手に入っていないため、ピストン＆シリンダーブロックの組立を進めます。
まず、ピストンに新品のピストンリングを組付けるため、リングをチェックします。サービスマニュアル通りトップ＆セカンドリングの上面側に『R』の文字が印刷されていました。

よーーく見ると、トップとセカンドの違いは判りますが、最初から色がプリントされており、間違い防止の優しい設計です。

このままではリングがシリンダーに入らないので、自作ピストンリングコンプレッサーでリングを縮めた状態にします。

３年以上、エンジンを動かしたことがないため、念のため全てのクランク軸にオイルを指します。

ピストンピンにもオイルを塗ってピストンを装着し、忘れたら大変なガスケットも装着します。

ボア内周面にエンジンオイルを塗布して、まず1＆４番をシリンダーに組み込みました。思いのほかすんなりと入りました。

２＆３はちょっと手こずりましたが、こちらも順調に挿入する事ができました。この状態で手で押してもシリンダーが下がっていかなかったので、ウエスを上面に置いて、軽くプラハンで『トントン』とミッションケースに当たるまでたたきます。
ちょっとした力で入っていくので、叩くたびに安心が拡大する感じです。

この状態でボア内面にオイルを再度塗布し、クランク軸をクルクル回して、ピストンリングをなじませました。軽い力で回るので、安心感が倍増です！
ちなみに・・・サービスマニュアルにピストンリングの合い口をトップとセカンドで１８０°位相をずらして組むように記載がありますが、それは意味がない事はご存知でしょうか？
２stと違って4stにはピストンリングの回り止めが無いので、ピストンリングが左回りで回転するのです。実はピストンリングは台風と同様に『コリオリの力』が働くのです。
なので、南半球だったら右回り・・・自然の力はす・ご・い