BMW 318i (2016年モデル)試乗

BMW 3シリーズの新たなエントリーグレード、318i Mスポーツに試乗する機会を得ました。

【スペック】
・全長×全幅×全高 4,645×1,800×1,440mm
・車両重量 1,550kg
・燃料消費率 17.2km/ℓ
・直列3気筒BMW ツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジン
・総排気量 1,498cc
・最高出力 100kW〔136ps〕/ 4,400rpm（EEC）
・最大トルク220Nm〔22.4kgm〕/ 1,250-4,300rpm（EEC）

1550kgの車重を136馬力で。数字だけを見るとどうしてもアンダーパワー感が拭えません。
期待せずに走ってみるとびっくり。
確かに速くはないですが、踏み込むと不足感のない加速をします。
8ATは街中でもそこそこ高回転まで使う制御ですが、それがかえって運転している感覚が強くなり好印象。
というか1.5LノンターボのND型ロードスターでも130馬力出てるわけで、ターボで136馬力というのは、燃費のためにピークパワーをかなり抑え込んでいる気がします。
トルクは2.2L並の22.4kgmが1250という極低回転域から出て、それが4300回転まで続きます。
これが街中で不満を覚えない加速を実現しているのでしょう。

好印象はエンジンのフィーリングにも起因します。
遮音が入念なのか、3気筒にありがちな振動や騒音はほぼなし。
サウンドが独特で、どことなくレトロなビートを奏でます。回すと「ガォォ」と勇ましい音に。
高級サルーンの音としては間違いなく失格なのでしょうが、私は好みです。

ハンドリングはさらに好印象。
320dもニュートラルな旋回に驚きましたが、比べるとこちらが一枚上手。
フロントが軽い3気筒エンジンのおかげか、車体の大きさと重さを感じさせない軽いフットワークを披露します。
アクセラのほうが重く感じるくらい。
間違いなく3シリーズ最強のハンドリングマシンだと思います。
ロールは多少起こりますが、それが軽快感と人馬一体感に繋がっているのでネガに思えません。

乗り心地は多少固めですが不快な上下動は押さえ込まれており、好印象。
320dのほうが乗り心地はしっとりしていた気がします。
ドラポジは極自然。

総合すると、街中メインではこれがベストと思える出来です。
フットワークの軽さと程よいエンジンで、街中の速度域で徘徊するだけでも楽しいクルマです。