2日目の朝、予報どおり外は雨がぱらついていました。
とりあえず今日最初の目的地、宿泊場所の会津若松駅からほど近い飯盛山へ。
「山」と名前がつくだけあって、入口正面には見上げるように階段が昇っています。
朝からこの階段を登っていくのかとちょっとげんなり。
・・・と思って近づくとすぐ脇に「動く坂道」と書いてあるスロープコンベアが!
いや~安心しました。
ここ飯盛山は白虎隊が自刃を遂げた地で、白虎隊十九士の墓がある場所としてガイドブックに紹介されている事が多いのですが、ワタクシが行ってみたかった理由は白虎隊とは関係なく、
この通称「さざえ堂」とよばれる不思議な形状をした建造物を見たかったからです。
正式名称は「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」、または「旧正宗寺三匝堂」と言って、正宗寺という寺の境内に建てられた建物です。
当初この建物の中には西国三十三観音像が安置され、参拝者はこのお堂をお参りすることで「簡単」に三十三観音参りができるという触れ込みをしていたと、ネット情報には書かれています。まぁいわゆるお寺のお布施集めのための、人寄せパビリオン的な目的で建てられたもののようですが、ワタクシにとって建てられた経緯はそれほど重要ではありません。
なんと言っても興味を惹かれるのは「さざえ堂」という呼び名が実にしっくりくるその異形な形状。普通建物は地面と平行に屋根や窓は配置されるものですが、この建物は庇と窓が斜め上に登ってゆくように配置されています。
いったい何故にこのような設計で建てられたのか、その理由を確認するべく中に入ってみます。
斜め上に向かって配置された窓と平行に階段が回り込んでいます。
外から感じるより急な傾斜ですが、それほど登ってゆくのに体力がいるほどではない絶妙な角度。当時はこの階段に沿って観音像が設置されていたのでしょう。
ゆっくり登っていって5分もかからずに最上階に辿り着きました。
一応この建物は国重要文化財に指定されてるんですが、それにしてはおびただしいシールが貼られています。これお札ではありませんので。
さて、最上階まできたら長さ2mほどの太鼓橋のような小さな橋の形状をした廊下を渡って下っていきます。
下りの景色です。
天気が悪く比較的早い時間帯にも関わらず、思っていたより多くの人が私たちより前にこの「さざえ堂」に入っていったのですが、登り下りともにすれ違う人は誰もいません。実はこの建物の階段は、登りと下りがそれぞれ廊下と天井の関係になっている二十螺旋構造になっていて、登りと下りはそれぞれ別のルートを歩くように設計されているのです。なんとも不思議な感覚でした。
少し小雨になってきましたが相変わらずの曇り空の下、「さざえ堂」から車で5分ほどの七日町通りにやってきました。明治~昭和初期の時代の建物が残っている街並みです。
七日町駅構内はショップが併設されてるとの事でやってきました。
レトロな雰囲気です。
「国光」「紅玉」「緋の衣」の3種類のりんごジュースの飲み比べセットを注文。
飲み比べると確かにそれぞれ違う味わいで楽しめます。
駅舎を兼ねているカフェなので裏が七日町の駅になっています。
実はこの七日町駅は「絶景ローカル線ランキング」第1位に選ばれた只見線の駅の一つで、始発の会津若松から一つ目の駅です。ここから新潟方面に向かって乗っていけば、第1位に選ばれた絶景「第1只見側橋梁」に向かって走る事になります。
今回も旅のコースの候補に挙げていたのですが、時間と天候の兼ね合いで諦めたのでした。
そんな只見駅ですが、特に改札はなく無人じゃないけど無人駅となっています。
お昼は七日町から車で1時間ほど南下して須賀川市にある「大黒亭」へ。
ここで冷やし麺の「カッパ麺」と
きゅうりラーメンを注文
どちらも麺にきゅうりが練り込んでいると書かれいます。
で、何故か嫁さんが興味を示し食べてみたいという事でやってきました。
ワタクシ自身はまったくきゅうりに麺という組み合わせに食指をそそられず、いまいち乗り気でなかったんですが食べてみると意外と旨い。
特に麺にきゅうりの味がするわけではないのですが、普通にラーメンとして美味しいものでした。
テーブルの上に「かっぱ麺」の食べ方が書いてありました。
その説明の最後に「どんぶりの底にキュー吉君をみつけたら会計の時に、あ~うまかっぱ!と言って下さい」と書かれてあります。
で、おそらくどのどんぶりにも描かれているであろう「キュー吉君」と思われるキャラクターの絵が私たちの食べたどんぶりにも現れました。
そこで試しに会計のときに「うまかっぱですよ」と言ったら・・・
ごまだれスープを二つサービスで頂きました。
さて、実はここ須賀川市はあの特撮のレジェンド円谷英二の故郷だったりします。
なので歩道でウルトラマンが雨に打たれながら街の平和を守ってくれてたりするんですね。
ピグモンとカネゴンは特に仕事をする体でもなく、のんびりしてました。
そんな須賀川市ですから市民交流センターというお堅そうな公共施設の中に「円谷英二ミュージアム」があったりします。さっそく行ってみる事にしましょう。
入口ではレッドキングとキングジョーがお出迎え。
あとから初代ゴジラも挨拶に。
おお!子供の時のあこがれだった万能戦艦マイティ号のミニチュアが!
ちなみに上のミニチュアはウルトラマンのジェットビートル1号ではありません。
バラン、バラゴン、アンギラスのゴジラ怪獣の3脇役。
ゴジラと思われる骨格。
地球最大の決戦の1シーンですね。
他にも色々な展示物が置かれていて、昭和40年代~50年代にかけて小学生だった世代にはたまらないものばかり。それでいてなんと入場無料!
外の雨などなんの気にもならず、思い切り当時の思い出に浸る事ができます。
円谷英二ミュージアムを後にしてそこから西へ車で15分。
白い倉庫のようなものに怪獣の絵が描かれた建物が見えてきました。
(スカキングという名前らしいですが、どうみてもウルトラマンのオープニングシルエットに登場するネロンガにみえます)
こちらは庵野秀明プロデュースでできた特撮アーカイブセンター。
特撮資料の保存・展示を目的に、須賀川市と非営利法人によって設立された半公共施設。なので入口の雰囲気はさびれた市民センターみたいなとこです。
ですが入口にはしっかりウルトラマンが。
というかこちらは庵野秀明プロデュースですから「シン・ウルトラマン」ですね。
1階の倉庫には撮影に実際に使われたミニチュアが並べられています。
2階には街のジオラマが置かれていて
目線を低くして覗き込んでみるとジオラマの世界に入ったような気分に・・・
このジオラマの向こう側には当然怪獣が現れる設定になるわけですね。
この日は雨の降る中、ほとんどインドアで過ごしたのであまり濡れる事を気にせず楽しむ事ができました。
今日は山形で夕食の予約を入れているのですが、ここから車で2時間ほど北上しなければなりません。特撮の世界を堪能したのでそろそろ出発しましょう。
時間に余裕があったのでワイナリーに立ち寄ってみます。
時刻は4時半でもう閉館にちかいようで人もまばら。
1分前に終わっていたラフランスジュースの試飲をさせて頂きました。
ありがとうございます。
そこから「コストコかみのやま倉庫店」によって給油をした後、予約していた「イルコテキーノ」と言うイタリアンの店へ。
しかしイタリアンと言っているのは店主だけのようで、メインは自家製のハム。
店の奥で熟成されている大量のハムをみると俄然テンションがあがります。
つかみはOKな前菜の後にでてきたのは・・・
大量のハム!これで2人前です。
加熱系が8種類、非加熱系が7種類。これ全部自家製とのこと。
皿に盛られたハムの説明書。これ持って帰れます。
キッシュにバーニャカウダ。
揚げパンにハムが乗せられた料理。
「ニョッコフリット」とか言うそうです。
ちなみに土曜日の夜という事もあってか満席でした。
そしてその中でアルコールを頼んでいないのはどうも我々夫婦だけのよう。
メニューはコース料理一択なので、イタリアハム居酒屋という感じでしょうか。
最後の料理にようやく、ここイタリアンだったと思わせるパスタ料理が登場。
昼間に散々みたせいか、岡本太郎が書いたウルトラマンの顔にしか見えないデザートを食べて終了。
いや~、ハムを堪能しました! しばらくハムいらん。
問題は明日も天気が悪そうなのでどうするか・・・。