「ひと夏の熱い経験」
何とも甘酸っぱい青春の記憶のようだが、還暦越えの爺さんにもそんな事は起こる。それは盆休み中の一本のLINEから始まった・・・
僕は北海道・旭川市の某写真愛好会にオブザーバーとして参加している。そこのカメラ仲間からこんな依頼を受けたのだ。
「程度の良いスバルR2が欲しい。道内の安価なR2は殆ど融雪剤の影響でボディ下部が錆びている。やっぱり融雪剤が撒かれない関東車を手に入れたい。お前なら散財してるからR1やR2の程度には詳しいだろう、グレードは問わないから探してくれないか?。予算は20万円だ。」
娘に買ったR2も僕のセカンドカーR1も、実に味の有る良いクルマだ。それが分かってるから断れない。まあグレード問わずで20万円なら探せるだろうと、割と気楽に受けた。goonet中古車とカーセンサーで探して、良さそうな玉を何台か連絡して、気に入るようなら現車確認してやって、あとは引き継げば良い。・・・そんな風に思っていた。
探し始めたらグレードF等のベースグレードなら、それなりに関東でも玉数は在った。高回転でパワーの出るグレードRも少しは有ったし、それらを連絡してどれを現車確認するか気楽な気持ちで聞いてみた。
「悪い、一つだけ条件が有った。色は赤。赤限定で頼む。あと盆休み中に欲しい。」
一気にハードルが高くなった。20万で買えるR2は白や水色なんかが多くて赤は関東で僅か4台。しかも盆休み中に納車となると5日しかない・・・。4台全ての店舗にメールするも、即応してくれるのは2店のみ。旭川殿と相談して外装に痛みの少ない茨木県鉾田市の1台に決め、電話連絡して現車確認に行った。
クルマ自身は及第点だったので買う事に決め、建て替えで代金を支払った。即納条件は予備車検を受け店舗受け渡し現状渡し&仮ナンバーで旭川の軽自動車検査協会に持ち込んで登録してくれとの事(書類と仮ナンバーは店舗側で用意)。陸送業者は即対応出来ないそうなので、旭川殿が取りに来れば良い訳だ。
契約を終え、旭川殿に、仮ナンバーと車検登録の事を話し、全て終わったと伝えた。・・・そこで聞いた驚くべき旭川殿の声・・・
「旭川まで持って来る間に壊れたらどうすんだ?、俺はクルマにからっきし詳しくない。お前が現車確認したんだし、しっかり責任持ちたいだろ?、どうせ盆休みで暇だろうし8月13日までに持って来てくれよ。ガソリン代と高速代は払うから。建て替えてくれた金はその時に渡すから。飯くらい奢るよ!」
へっ?、僕が他人のクルマを陸送するの?。えっと・・・旭川って遠いよね・・・。それに責任持つならオイル+フィルター交換とすり減ったタイヤ交換は最低でもしたい。切れてるフォグバルブだって交換したい。この店舗は安くするため一切の整備は請け負わないから、整備店も探さないと・・・・
「あー、それならさ、最新地図データのナビも買って取り付けて貰って。タイヤ代なんかと一緒に払うから。」
店舗に近い整備工場を何件も廻るも、盆休み明けからの営業ばかりで断られた。かなり戻るけど、やっと鹿嶋のオートバックスで8月12日16:00からの整備予約が完了。
帰宅して陸送ルートを調査する。津軽海峡が有って鉄道トンネルは在るが、自動車はフェリーしかない。鹿島発なら大洗港から苫小牧港まで、商船三井フェリーが出ている。19:45発で翌13:30着(17時間45分)・盆休み料金は軽自動車42,010円、コロナが怖いから個室で行くと1人使用で23,805円、合計で65,815円。食事代などを入れても7万円程度。まあこれなら楽は出来るか・・・
「7万円で夏の北海道への船旅って結構豪華じゃないか。それで構わないよ、お前が負担するんだからさ。」
それって・・・キツイ。大間港~函館港の近距離フェリーも有るけど案外に高いし、大間までと函館からも長い。フェリー運賃と楽さのバランスを考えて、八戸港~室蘭港のフェリーに決定した。このフェリーはコロナ対策で個室1人使用でも追加料金なしになっている。シルバーフェリー:6:45発(5:15までに乗船待機)で14:00着、軽自動車+特等個室で28,800円。鉾田市の中古車屋まで電車で行って、午後にクルマを受け取り、鹿島まで走って整備の間に晩飯を食べ、夜には鹿島を発って早朝に八戸に着き、フェリーのホテルのような豪華な部屋で爆睡して行ける。こうして僕の陸送ルートは決定したのであった。
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R2 | クルマ
Posted at
2021/09/07 17:59:49