![遊星歯車機構について 遊星歯車機構について](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/046/371/461/46371461/p1m.jpg?ct=c4f9eef6ec19)
先日,SKYACTIV-DRIVE 6AT について調べてみたので,その続き。
SKYACTIV-DRIVE は,従来のトルコン(トルクコンバータ)での滑りを極力抑えてロックアップ率を上げることで高効率を実現しているトランスミッションである。
発進時のみトルコンを使って,走り出すと直結状態(ロックアップ)にしているらしい。低速では,トルコンを使ってクリープも実現しつつ,走行中は従来のステップATにある滑り感をなくし,MTのようなダイレクト感を感じることができるステップATになっている。
といっても,最近のステップATは同様に高いロックアップ率を実現しているのだとう思うが... (Mazdaさんの以外のステップAT車を運転したことがあまりないので分からない(汗))
今回は,ステップAT(Automatic Transmission)の変速を実現する遊星歯車機構について,自分なりにまとめてみる。
遊星歯車機構は,次の4つで構成される。
(1) サンギア(太陽歯車)(Sun gear)
(2) プラネタリギア(Planetary gear)
(3) リングギア(内歯車)(Ring gear)
(4) プラネタリキャリア(Planetary carrier)
(1) 太陽歯車の外側にいくつかの(2)プラネタリギアが置かれ,プラネタリギアの軸が(4)プラネタリキャリアに繋がる。これらが(4)リングギアの内側に置かれれる。
ギアのギザギザを描くのは骨が折れるので,フラットなままで...(汗)
遊星歯車機構の一般的な使い方は,
(A) リングギア(内歯車)を固定する
(B) プラネタリキャリを固定する
(C) サンギアを固定する
のいずれかとなる。
リングギアを固定する場合
(A-1) 入力をサンギアとすると,出力のプラネタリキャリアの出力軸回転は減速
(A-2) 入力をプラネタリキャリアとすると,出力のサンギアの出力軸回転は増速
プラネタリキャリアを固定する場合
(B-1) 入力をサンギアとすると,出力のリングギアの出力軸回転は逆回転(減速)
(B-2) 入力をリングギアとすると,出力のサンギアの出力軸回転は逆回転(増速)
サンギアを固定する場合
(C-1) 入力をリングギアとすると,出力のプラネタリキャリアの出力軸回転は減速
(C-2) 入力をプラネタリキャリアとすると,出力のリングギアの出力軸回転は増速
上記以外に,
(D) サンギア,リングギア,プラネタリキャリアのいずれか2個を接続すると,同速。
(E) サンギア,リングギア,プラネタリキャリアのいずれか1つを入力とし残りをフリーにすると,ニュートラル
がある。
つまり,8つの組み合わせ方ができる。
増減速(逆回転)等を直感的に把握するダイアグラムを書いてみる。
縦軸で軸に与える回転数を,横軸でサンギア,プラネタリキャリア,リングギアを示す。
各ポイントを固定する場合,縦軸 0 の位置とする。
横軸のプラネタリキャリの位置は,今回適当なところにとっているが,これは,ギアの歯数(サンギアの半径,リングギアの内径)によって決まる位置になる。
A-1
リングギアを固定し,サンギアに入力(N回転)を与えると,出力のプラネタリキャリアが約 1/4 に減速されることが直感的に分かる。
以下,同様に...
A-2
入力と出力が逆になると,増速である。
B-1
プラネタリキャリアを固定すると,逆回転(減速)となる。
B-2
プラネタリキャリアを固定で逆回転(増速)。
C-1
サンギア固定で減速。
C-2
サンギア固定で増速。
D
2ポイント固定すると,等速。
6ATでは,遊星歯車機構を3個組み合わせて,1速から6速,リバースを実現する。
例えば,1速であれば,A-1 のようにサンギアから入力し,リングギアを固定してプラネタリキャリア軸を出力とすれば,歯車のギア歯数に応じた減速ができる。
今回書いたダイアグラムでいうと縦軸(N = 1 とみなして)が減速比(カタログに書かれているギア比の逆数)となる。
(つづく)
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Posted at
2022/09/06 21:07:06