(友人の当時のバイクはトリコロールカラーでしたが、この写真の物とはデザインが違うような気がします…)
20代後半、仲間内でバイクの中型免許を取得するブームがあり、私も負けじと自動車学校に通い、無事取得しました。
そのときはまだバイクを購入する前でした。しかし無性に乗りたくなり、友人に「バイク一日貸してけれ」と頼むと快諾してくれました。
そのバイクはホンダ・CBR250RRというレーサーレプリカで、爆音のカーボンマフラーが装着されおりました。
そして免許証が交付されてから3日目、そのバイクで日帰りソロツーリングに行きました。
出来るだけ遠くへ行ってみようと早朝に自宅を出発しました。高速道路には乗らず、ひたすら下道を走ります。
はじめは、まるで産まれたての子鹿のようにヨタヨタの、屁っ放り腰ライディングです。
教習所のホンダ・CB400(?)のネイキッドタイプとは全然違う、不自然な前傾姿勢および不慣れな手足の操作で緊張の極みでしたが、徐々に慣れてきました。
往路はどのルートを辿ったのか記憶にありませんが、やがて操縦にも慣れ、ランナーズ・ハイならぬライダーズ・ハイとなり、走れば走るほど楽しくなってきました。
最終的に、福島県のどこかの道の駅まで走りました。片道350kmくらいでしょうか。ちょっと走りすぎたかな?
キリの良いところでUターンし、復路は国道4号線を北上し、岩手県北上市で国道107号線を西へ走り、秋田県横手市で国道13号線を北上し秋田市で国道7号線に入り、そして帰宅しました。
横手市入りしたとき、既に夜になっていましたが、そこでいきなり土砂降りに見舞われ、シールドに注ぐ雨で前が見えないやら、雨具はないので体が冷えて寒いやら、心も涙の土砂降りです。
雨に打たれること約60km、自宅到着まで止むことはありませんでした。帰宅後は緊張と冷えにより体が硬直し、ロボットのようなギクシャクした動きで玄関をくぐりました。
それから風呂に入り、ようやく人心地つきました。こうして往復で約700km、初ツーリングは散々な目に遭ってしまいましたが、福島一人12耐をリタイアすることなく頑張りました。
こうして人間の慣らし運転は1日で完了したと思います。ユーノス・ロードスターで既にヒール・アンド・トゥをマスターしていた私は、ごく自然にブリッピング・シフトダウンが出来るようになっていました。
論語に「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」という言葉があります。
意味は「朝に人としての大切な道を聞いて悟ることができれば、その晩に死んでも心残りはない」です。…座右の銘にしたいですね。
今回の私の場合「朝にヨチヨチ歩きの子鹿が夕べにはグレート小鹿と成れり」でした。
意味は「野生動物のように急成長する」です(適当)。…後にそれは過信であったことを思い知るのですが、そのときはまだ知る由もありませんでした(待て、次号!!)。
ということで、長距離移動も濡れる激しい夜も、今となっては良い思い出となっております。
その日のただ一つの後悔は、せっかく福島県まで行ったのに、名物ままどおるを買いそびれたことでした。
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2023/06/06 05:47:10