人々がお昼ごはんを食べて心やすまる時間帯のお昼。
そんな中一人与えられた試練をクリアすべく走る俺
それを涼しい顔をしてモニタリングする闇社会の老人達…
男A:「まさか神兵を突破し、さらに仲良くなってしまうとは…」
男B:「恐るべしPチーム隊長といったとこか」
男C:「フッ ジャングルの王者ターちゃんにでもなったつもりか」
男B:「しかし奴の命運もここまで」
男C:「“鶏”の試練こそが今回の最大のハイライト」
男A:「真価が問われるところだが…」
男C:「真価も何もここで死ぬのが運命」
男B:「残念だがそういうことだな」
男A:「“暗”“緑”でおとなしくリタイヤしておけば苦しまずに済むものを…哀れな」
ここまで見てきたとおり“暗”“緑”はまさに山。
しかし“鶏”とは一体何なのか?
老人達の指し示す通りに俺は最後の試練の地とおもわれる場所へたどり着いた。
と・ん・ま・さ…定食屋か?
なーんだちょうどお昼時でまだ食事をとってない俺に老人達はまずは英気を養えというのであろう。
闇社会に君臨する非情な老人達にしては随分優しいじゃないかwww
で、試練の続きはその後行われるんだろうと推測♪
浮かれているところふと入口横にはこんな看板が
「に、日本一…だと?」
やはり老人達は何かよからぬ策を用意してるみたいだ
この謳い文句だけで想像を絶する、何かとてつもない予感がした。
そして建物の中に入ると俺は老人達に予め指定されたメニューを頼んだ。
「若鶏カツ定食(大)お願いします」
とりあえず普通に注文した。しかしそれの何が山で何が試練なんだ???
頭のなかがメダパニ状態で待ち続けると…その答えは「お待たせしました~」の声とともに示された。
ご飯にお漬物に赤だし…あとソースの小皿とドレッシングと割り箸だけ。
山どころかお盆の上には広大な平野が広がっているだけ。
しかしそれは初期形態。そしてこのあと背後から忍び寄る驚異
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
そしてラスボスは遂に真の姿を表した
ま、まさしく山!!
とんでもないカオスマウンテン!!
先ほどの初期形態は普通に一気にお持ちすると余裕で山体崩壊するためご飯味噌汁とは別に単独で両手で支えながら持ってこないといけないためなのである。
まずは食事をして英気を養うどころか、これそのものが最後にして最大の試練“鶏”だった…
こ、これを完食せよ…ということか
とりあえず崩れてテーブルにこぼさないように慎重に上のカツから下ろして行かないと…
と、ご飯茶碗の上蓋を小皿代わりにジェンガのように高く積まれたカツを丁寧に崩していく。
さっそく腹も減っていたのでむさぼり食う!ひたすら食う!徹底的に食う!
カツの山を半分も食べた頃に下に積まれたキャベツの千切りが顔を出した。言うまでもなくこれも超山盛り…
この時点ではカツを半分は制したこともあり「この試練もひょっとしたらイタダキ?」などと考えていたがここに孔明の罠が隠されていた…
皆さん小学校や中学校の運動会でよくやった組み立て体操のピラミッドという演目を思い出してください。
その時の人員配置はどうするか?
下層の土台部に体の大きい重い生徒を配置し、上層や頂上は体の小さい軽い生徒というのがバランスを考えて常識的な配置ですよね…これにもそれがピッタリあてはまっている。
どういうことかというと今まで快調に食べてきたのは小さめの上方のカツ。
下方はそれらをバランスよく支えるべく大きく、長く、重量のあるカツ。
山の半分は制したとも言えるがカツの総重量からしたら半分すらいっていないのであるw
まんまと罠にハマったのを自覚しても後の祭り。その後は健闘から苦闘、更に死闘へと続く。
脳の満腹中枢はとっくに警報を鳴らしている。
胃袋の中はすでに修羅の世界。
カツがあまり進まずキャベツばかりつまむ時間帯が続く
そしてこうなった
店の人に泣きついてパックを出してもらってお持ち帰り(´;ω;`)
最後の意地でご飯、赤だし、キャベツは完食したがもはやそれも虚しい言い訳。
そう、俺は負けた。完膚なきまでに“鶏”の試練に屈した…
日本一のとんかつ(今回はチキンカツだがw)の称号は伊達じゃなかった!
男C:「決まったな。これで奴の称号剥奪だ」
男A:「うむ、惜しい男だったが処分撤回や譲歩は無い」
男B:「さて今後の課題は新たな人選だ」
男A:「人選は我々の元で忠実に動く、死をも恐れぬ特攻精神の持ち主が条件」
男B:「新たな人選は容易では無いな…優秀でなくては話にならん」
男C:「最優先課題だがあせることはなかろう。新たな適格者、じっくり探そうではないか」
男B:「で、失敗した奴の今後の処遇は?奴は裏を知りすぎているが」
男A・C:「抹消以外にあるまい…」
たっぷりの胃袋と敗北感を胸にグダグダになりながらプレオを運転して家に帰ってお持ち帰りのカツを冷蔵庫に入れ、即ベッドイン。
胃袋がヘヴィな状況に変わりはなくもう動けなかった。
目覚めた時はすでに夜。
だがその日の晩飯はコップに入れたアクエリアスをちびちびとやるのみ。
固形物は何も入らなかった。
次の日の昼めしまで固形物は食べられなかった。
それほどのダメージが残っていた
その次の日の夜、食卓にはそのお持ち帰りカツがどーんと鎮座していたのは言うまでもない
今度こそ威勢よく食べたけどw
最終報告ファイル提出へ続く