エンジンのライフはオイルで決まります。

S2000に限らずどのレシプロエンジンでも、10万kmでスカスカに
なるか、20万kmエンジン未開封でも元気なエンジンを維持できるか。
これは使用するエンジンオイルに大きく依存します。

メーカー純正オイル。

メーカーが膨大なコストと時間を掛けて開発した・・・・と
都市伝説のように聞かれます。
事実、膨大なテストを繰り返し、配合を決定しています。

でもオイルの製造元はほとんど同じで、ベースとなるエンジンオイルに
添加剤の配合を決めてラベルも変えています。
なのでオイルを１からメーカーが製作している訳ではありません。
これはどののオイルメーカーも一緒です。

メーカー推奨交換時期10000km/6ヵ月（シビアコンディション5000km）でも
エンジンは確実に”動作”するように設計されています。


一般的にクルマの平均使用期間は10年10万キロ。
この期間、どのような地域、国でも壊れず走れて、低コストで開発されたオイル、
これが純正オイルです。
たしかに純正オイルを入れておけば、街乗りでは壊れることはないでしょう。
壊れはしませんが、メーカー推奨交換サイクルでオイル交換していると、
エンジンは少しずつ元気がなくなりますし、
そういうモノであると認識しているのが一般的。

特にS2000では、他のファミリーカーと比較して顕著ではないでしょうか。
壊れたら保証期間内は保証されますが、エンジンのヘタリは保証対象外です。

大半の一般的ユーザーが低コストオイルのそれを求めているのですから、
それはそれで間違いではありません。
クルマは壊れず走ってくれればOK的なユーザーには十分。

メーカーも10万kmでエンジンがヘタってもらったほうが、買い替えてくれますから、
このほうが良いに決まっています。
BMWの純正オイルは特に酷いらしく、エンジン７万kmでヘタるように設計されている
との噂も・・・

高回転エンジンのS2000を良いコンディションのまま
”末長～く乗り続けたいユーザー”には純正オイル、社外低価格低品質オイルよりは
遥かに安心ですが、
私個人的には利用していません。
10万kmごとにOHするコストを気にしないユーザーなら別ですが・・・・・

街乗りしかしないから大丈夫・・・・
これも良く聞く話です。

しかし。走行ごとにオイル交換するマメなサーキットユーザーよりも、街乗りユーザーのほうが
実はオイル環境はシビアです。

ストップ＆ゴー、渋滞、長時間アイドリング、高速、短距離走行・・・

このようなシビアコンディションでは純正オイルは2000kmが良いとこです。
でもエンジンを

”壊さず確実に動作させる”

という機能はメーカー推奨交換サイクルまで十分保っていると思われます。


交換サイクル5000kmとすると、あとの3000kmはもう劣化が進行したオイルですので
この3000km、通常交換サイクルは8000kmまでの間でエンジンの”LIFEに影響するダメージ”が少しづつ蓄積されていくと予想されます。


そして10万km走行したときに、高性能なオイルを使用し続けたエンジンと明らかなコンディションの
差が出ます。

シビアコンディションのクルマの場合、純正オイルでも本当にエンジンの事を考えたら、
2000kmでのオイル交換、VHVIの全合成オイルでも3000kmではないでしょうか。

\4000/L　もする高級オイルでも”本当に優秀なオイル”は、余裕で7000～8000km。
ベースオイルそのもののLIFEでは数万kmまでの耐久性を持っています。
ベースオイルが優秀なので、ノンポリマーでスラッジも皆無です。

私のS2000　AP2　新車から一環してエステル系のNutecやA.S.H,
最近では驚愕のPowerClusterを使用し続けて
もう13万ｋｍに達しました。
でもOHの必要性はまったくないコンディションです。
もちろんコンプレッションも落ちていません。
※それ以外の劣化は当然あると思われます。

BMW　20万km未開封エンジンでも新車よりコンプレッションがあるクルマも実在します。


オイルメンテナンスの考え方はそれぞれですが、少しでも状態の良いエンジンを
長く維持したい場合は、優秀なエンジンオイルに勝るものは無いと思います。

いろんな個体を乗らせてもらって、自分のクルマと乗り比べたときに、
良くわかります。