初代 30型系は、貴賓を運ぶのにふさわしいくらい立派なセダン車を務めていた
日産自動車自慢のセダンは、数多くあるが、その中の一つであるセドリックセダンは、独自の麗しい姿を保っていて、自家用車だけではなくタクシー、教習車、パトカー、ハイヤー、社用車、公用車などに使われることも多い。誕生してから休むことなく駆け抜けてきた道のりは長いもので、どの代でもずっと変わらない意思が受け継がれているのは素晴らしい。そして初代の誕生は1960年にさかのぼり、たった5年間の間でも改良すべき所を積極的に改良して、セドリックセダンの原点を果たした。
ヨーロピアンスタイルの要素を取り入れた2代目 130型系は、最上級グレードもある
初代が終わって間もない頃に、2代目のセドリックセダンが登場した。今度は直列6気筒L20型エンジンが搭載され、イタリアのデザイナーであるカロッツェリア・ピニンファリーナがデザインを手がけ、ヨーロッパ車のような風貌に整えたのが特徴。マイナーチェンジによって内外装が大幅に変わり、開閉可能だったリアドアの三角窓が固定式となり、1969年には最高級グレードとなるパワーステアリング・パワーウインドウを装備した「スペシャルGL」と「パーソナルDX」が加わった。そして1970年6月にニッサンマチック・フロアタイプを追加して2代目は終了する。
3代目 230型系から新たにハードトップモデルが加わり、グロリアと肩を並べた
とうとう3代目に突入することになったセドリックセダンは、新たにハードトップが加わってフロントドアの三角窓が廃止になり、、元プリンス自動車のグロリアと肩を並べる双子車になった。1973年には昭和48年排出ガス規制適合にも対応でき、セダンのリアターンシグナルランプはハードトップと同様にレンズの色がアンバーに変更され、独立して点滅するようになった。
グロリアシーマは「シーマ現象」を引き起こした名車
4代目 330型系からアメリカンスタイルのデザインに切り替わり、多くのTVドラマで使われた
セドリックセダンの発展は留まることを知らずにどんどんと続き、3代目が終わった1975年に4代目へと進んだ。2000ccのパワー不足を補うためEGI仕様のSGL-E/GL-Eを追加して、ガソリン車は51年排出ガス規制適合で331型に変わり、53年排出ガス規制適合/2000SGL-Eエクストラが加わった。
5代目 430型系に突入するとターボモデルが加わり、集中電子制御システムが採用された
大きな曲がり角を迎えて、ついに5代目へと突入することになった時は、ターボモデルが追加され、
L型エンジンをベースとした日本初の直列6気筒ディーゼルエンジンLD28及びECCS(エンジン集中電子制御システム)を搭載した。その後はマイナーチェンジが行われて後期型となり、電子制御OD付フルロックアップ4速ATの性能が格段に強くなった。そして1983年に5代目は終了する。
6代目 Y30型系は最後のフルラインナップを果たし、今までよりも大きな注目を集めた
やっと6代目まで到達したセドリックセダンは、今までのような直列6気筒のL型エンジンではなくV型6気筒のVGエンジンが搭載され、乗車定員が6人まで対応できるようになった。外観はセダンのみになり、貴賓を乗せて運ぶのにふさわしい印象に整った。ちなみにV型6気筒エンジンは馬力が180psに向上し、中南米で展開する時はメキシコに構えた工場に製造を任せることになった。ちなみにこの代の姉妹車は、高級車として肩を並べるグロリアセダンである。
日産が景気良かった時に誕生した。最後のモデル・7代目 Y31型系で有終の美を飾る
バブル経済の影響が強かった1987年に、7代目 Y31型系が誕生して、そこには今までをはるかに凌駕する装備が加えられた。この代から軸の回転数を示す計測器・タコメーターが登場し、より高級感が強くなったロイヤルリムジンが登場した。エンジンは6代目と同じV型6気筒がそのまま受け継がれ、マイナーチェンジによって電子制御5速オートマチックやインタークーラーが加わり、フルオートエアコン、リヤオーディオコントロールユニットなどを標準装備した。平成に切り替わった頃にはターボエンジンが廃止され、アンチロックブレーキシステム・ABS、運転席エアバッグが装備されてグリル、ヘッドランプ、バンパーのデザインが変更となった。1999年になると姉妹車のグロリアセダンが統合され、エンジンがRD28Eに切り替わり、海外輸出も終了となって、とうとうセドリックセダンは2002年に終了を迎えることになる。今改めて振り返ってみると、日産・セドリックセダンは、54年間も歴史を紡ぐことができたと感じる。
完全に終了した後は、同じセダン型乗用車を留めたブルーバードシルフィに受け継がれた
ずっと途切れることのなかったセドリックセダンは、同じくセダンの形を留めたシルフィに受け継がれた。こちらも日産が誇る名車で、日本ではブルーバードシルフィという名前で展開した。やっぱりどんな形状になっても、日産のセダン車らしさは捨てていない。
ブログ一覧 |
日産 | 日記
Posted at
2019/08/30 12:48:56