E36から始まり、早くも20年にならんとするBMWライフですが、E46をすっ飛ばしてE90へ、そしてF30と来ていたので、やはり一度はE46に乗っておきたい気持ちがありました。
勿論、E30へ先祖帰りしたい気持ちもありますが、それこそジックリ探す必要がありますので、まずはE46をクリアしておきたい・・・。
普通なら、例えばM3だとか、330iなどを考えるわけですが、悩んだ末に、一石二鳥(?)を思いつき購入したのが、この"ALPINA B3S"でした。
M3は2ドアクーペで仕事を含む普段使いには若干不便。かといって、330iでMTを探すとLHDしかなく、趣味車ならともかく、やっぱり普段使いには不便・・・。E46セダンでRHD MTとなると318iしかありません(だったはず・・・)。BMW4気筒搭載車のシュアなハンドリングは体感済みで、その良さを知ってはいるものの、ちょっと非力なところは否めない。それに、別に峠とか通うつもりないしなぁ・・・。
そこで思いついたのが・・・"ALPINA"でした。
数は少ないがRHDの設定があり、4ドアセダン、ここが本題の所有したことがないE46型であり、しかも"ALPINA"・・・!!!
こりゃ~、もう、いくしかない!!!ということで、数の少ないRHDですが、良い個体が出るまで約一年間ジックリ探し、某BMW専門店に「これは!!!」と思う個体が出現したところを即GETしました。
ALPINAチューンによるストレート6エンジンは、勝手にシルキーの極みを期待していた私にとってはイメージが異なる、些か荒々しいフィーリングで、かの"ALPINA"というメーカー製とはいえ、立派なNAチューンドエンジンであることを認識させるに十分な迫力のあるものでした。
ただ、私のクルマは"B3S"で3.4Lエンジンでしたので、"B3"が搭載する3.3Lエンジンであれば、また印象が異なるのかもしれません。
とにかく、3.4Lの排気量ながら高回転域で豪快に吹け上がる様は、堪らないものがあり、そのコンパクトなボディと相まって、実に痛快な走りを見せてくれました。
エンジンよりも、"ALPINA"のイメージにふさわしいジェントルさという観点で言えば、やはり「足回り」でしょうか。この点に関しては、自分が持っていたイメージとピッタリ一致するもので、エンジンよりも足回りに魅せられたところも大きかったですね。
事前に持っていたイメージと多少異なる部分はあったものの、E46までと言える普段使いに絶妙なサイズ、滋味とパワーに溢れたALPINA謹製チューンドNAエンジン、腰のあるしなやかさで快適性とスポーティネスを両立させるマジカルな足回り、それらが絶妙に組み合わされることによる痛快な走り・・・。
と、この選択は大正解・・・!!!
のはずでした・・・。
あれだけ探して入手したのに、なんと、僅か4ケ月で手放すことになってしまいました・・・。
その一番の理由としては「エンジンかけた直後(特に朝イチ)のブレーキの効きが甘い。」というところにありました。
E46型ALPINAのブレーキシステムはバキュームポンプという装置によって負圧を発生させて動作する構造になっています。詳しく調べてもおらず、そこまで構造を深く理解していないのですが、それにより、「エンジンを切って時間が経った状態(例えば朝イチ)での再始動直後は、時間にして30秒~1分位の間はブレーキの効きが甘いことがある。」ということのようです。
実は、こうした説明そのものは事前に聞いていたのですが「まぁ、ちょっとした時間のことだから大丈夫だろう。」と甘く考えていたんですよね・・・。ところがどっこい(苦笑)、とにかく朝イチのワタクシときたら、暖気運転なんてゼロの如く、エンジンかけたら即出発というくらい毎朝慌ただしく出勤するスタイル(?)なんですよね・・・(恥)
なので「30秒なんて、ましてや1分なんて待てない!!!」とウッカリ動き出した挙句、ちょっとブレーキが必要な状況になろうもんなら、渾身の力をもって、それこそ全身全霊(苦笑)でブレーキペダルを踏みつけないと、まったく止まりません。もちろん、一旦負圧が十分にかかれば、素晴らしい効きを見せつけるブレーキシステムなんですが、残念ながら自分の使用環境においては、ちょっと合わなかったなぁ・・・、と(悲)
ただ、それが本来の状態なのかと言えば、RHDによる取り回しの違い(違うのかは不明ですが・・・)によるものかもしれませんし、あるいは単純に個体差なのかもしれませんし、新車で買っていないのでなんとも言えません。
それこそ、バキュームポンプ周辺一式を新しくすれば解決できたのかもしれません・・・。なんですが、実は、手放した理由が他にもありまして・・・。
それは、数が少ない"ALPINA"だけあって目立ちすぎる!!!ということでした。
「"ALPINA"とは言っても、ごく普通のセダンの古いBMW、たいして目立たないだろう。」と考えていたのですが、なんのなんの(苦笑)
普通の人は興味無くて分かんなくても、とにかく「クルマ好き」の方からの反応が凄かった。今まで大して会話したことのないご近所の方から「いいクルマですね~!!!」なんて満面の笑顔で話しかけられたり(^^;
勿論、これが趣味車ならオーナーとしても喜ばしく嬉しいところなんですが、一応は仕事での活用も視野に入れていたため、「やっぱり、思ったより目立っちゃうなぁ・・・(汗)」ということが後押しとなりました。"ALPINA"の象徴たる「デコライン」を剥がすのも気が引けましたので、その手も使えず悩んでいたところ、ちょうど
長年探していたクルマが出てきたタイミングとも重なったため、迷った挙句、結局手放すことにしました。
僅か4ケ月という所有期間ではあるものの実感したことは、さすが"ALPINA"、クルマ好きを惹きつける、実に魅力溢れる良いクルマだということ。パフォーマンスやスタイリングは勿論、ユニークな歴史、マニアックな製造工程といったところも含めて、オーナーとして満たされるポイントが多々あります。所有期間が短すぎて、何処にも遠出が出来なかったため、ろくすっぽ写真も撮れておらず、本当に勿体ないことをしたなぁ・・・、と思います。
ああ、今こうして写真を見ても、本当にカッコイイ・・・(感涙)
出来ることなら、もう一度所有(出来れば、3.3L搭載の"B3")して、今度こそはしっかり味わってみたいクルマです!!!
もう少し詳しい画像は、愛車紹介をご参照ください♪♪♪