アクティブボンネットキャンセル(調査レポ)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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NDロードスターにはアクティブボンネットが付いています。
これサーキット走行や車高調の突き上げ等でもよく展開するらしく、「爆弾処理」としてキャンセラー噛ませてアクチュエータを外す人も結構います。
外すは良いとして、それだけで処置は十分なの?
→ 現実的にはそれが一番マシですね…
そんな調査レポです。
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アクティブボンネット展開動作の順番は
1.所定の衝撃を受け、SASコントローラ(※)が展開判定を行う
2.SASコントローラがアクティブボンネット展開指示を出す
3.アクティブボンネットが物理的に展開する → 困る!
※SASコントローラ=エアバッグECU
ここでよく3番の物理的な展開が問題視されます。
対策としてアクチュエータを外してキャンセル抵抗を噛ませる。
それはよくわかります。
ボンネットをバコンと持ち上げられたら修理代が高額らしいですね。
それが防げるのは大きい!
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しかし2番の問題が残っています。
展開指示を出すプログラムは生きてるんです。
プログラムが展開指示を出すとどうなるか?
燃料遮断信号が出てエンストします。
サーキットの立ち上がりで縁石突き上げ時にエンストしてるのはこれが原因だと思います…。
さらにSASコントローラには展開判定履歴が入っちゃいます。
整備書を見る限りではこんなにいっぱい。
・B1193:SASコントロール・モジュール作動 (展開)データ記憶
・B1206:SASコントロール・モジュール作動 (展開) (燃料遮断信号出力)
・B143A:SASコントロール・モジュール作動 (衝突検知) 信号出力
・U2107:SASコントロール・モジュール作動 (展開)信号出力
この履歴が入るとメーターのアクティブボンネット警告灯の点滅が止まりません。
エアバッグ警告灯じゃないので厳密には車検通るはずですが、ディーラーだと通してくれるか怪しい…
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【まとめ】
抵抗キャンセラーでの爆弾処理は有効。誤爆による高額被害の軽減になる。
ただし展開信号を出す仕組みまではキャンセルできない。
展開信号が出て履歴入っちゃったSASコントローラは交換しましょう。
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おまけ(ボヤキ)
北米向けMX-5はアクティブボンネット非装着です。当然ですが突き上げの際に誤爆どころか展開コードも出ないわけです。
https://www.autoblog.com/2017/03/29/mazda-mx5-miata-engine-bay/
ということは、北米のSASコントローラの当該コンフィグを突き止めて移植すれば「そもそも展開信号が出ない、アクティブボンネットの完全なキャンセル」が可能。
理屈の上では……
しかし北米仕様はエアバッグ関係で仕様が異なる箇所が多すぎて、アズビルトのコンフィグの異なる箇所の条件抽出が難しすぎる…
世界各国のVINと現車装備を調査して、まとまった台数で装備とアズビルトのマトリクスを整理しないと追いきれない。
いやそこまでやっても抽出条件ちゃんと揃うか怪しい。
バリエーションが不明変数の数より少なかったら方程式は解けないんですよねー。
へたなコンフィグを入れてSASコントローラに異常出して交換等になったら元も子もないので、体当たりで試行錯誤する訳にもいかないし…。
そこまでやる位なら
「展開信号出たらコントローラ交換」
で済ませちゃうのが現実路線でしょう。
だから誰もコンフィグキャンセルに手を出さないんですね。
ちゃんちゃん。
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おまけ3(2023/2/11追記)
アクティブボンネット非搭載車はSASコントローラの品番自体が異なるようです。
もしアクティブボンネット非搭載化で完全整合を目指すなら、コントローラの
・内部回路
・ソフトウェア
・コンフィグ
全部の違いを掌握したうえで、どのレベルまで移植して整合取るか検討が必要かと。
チャレンジャー求む。
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