NTG5*1 ナビHDD→SSD化
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
本記事は前回投稿時は【失敗】しましたが、対策を行い【成功】しましたので内容を変更します。
現行のMBUX 搭載車以降は定かではありませんが、先代 A, B, CLA, GLA クラス Comand (前期搭載の NTG 4系・後期の NTG5*1) は本体ユニットに取り付けされた車載用ハードディスクにカーナビゲーション(噂によると取扱説明書も含む)のコンテンツが書き込まれており、
この HDD が故障するとカーナビが使えなくなり、
通常はディーラでの新品ユニット毎交換となって60万円コース!! (中古部品交換するは一般整備工場では無理!!!)ということで、
HDD → SSD 換装+クローンを実施しました。
NTG 5系でも 5*2 の Harman製モジュール搭載車(W205などはこれが該当の模様)はそのままHDDスタンドでクローン化できたとのことですが、
MFAアーキテクチャ採用車などに搭載の「三菱電機製モジュール」(この写真の通り)搭載車は前後期共にATAパスワードロックがHDDにかけられているので、
電源断状態でモジュールからHDDを外しての通常クローン化は失敗します。
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ATAパスワードの攻略については GIN -銀-
さんが SLK の NTG4 系で成功した方法がありましたので、本手法を私の車のNTG 5*1にも適用して成功した次第です。
※ちなみにComandのHDDクローン化は小田オート様では 25日付けで「NTG5*1・NTG5*2・NTG5.5 で業務として引き受けする」との動画をアップしましたので、
料金を支払ってお願いしたほうが良いかもしれません。
( GIN -銀- さんの当該整備手帳のコメントではSSD化後に地図のアップデートに失敗したとの記載もあったが、もしかしたら小田オートさんはこれもクリアしたかもしれない。)
必要なもの
・エアコンダクト取り外し用工具
・トルクスのドライバー(T15)
柄の長さが15cmくらいあるもの
(短すぎるとネジの頭に届きません)
・プラスドライバ(No.1程度)
HDDユニットを本体から外す際+HDDユニットの鉄板シールドを分解する際に使用
・HDDクローン用スタンド
お好きなのを使用で良いと思いますが、私は下リンクのものを使用しました。
https://www.fff-no1.co.jp/product/hddcase/mal-5135sbku3.html
・延長シリアルATAケーブル
(オスーメスのもの)
オス側はComandユニット側のシリアルATA端子に、メス側はHDDのシリアルATA端子に接続します。
・HDD用給電アダプタ(兼USBドングル)
HDDへの接続を電源端子とシリアルATA端子で分離できるタイプであること。
事実上、この製品以外は日本では存在しないかもしれません。
https://timely.ne.jp/groovy/usbset/ud-500sa/
・シリアルATA SSDドライブ(240GB程度のもの)
私はキオクシアのドライブを購入しました。
元のHDDが200GBなのでこれより大容量でないとクローン化出来ません。
・車までの100V電源と延長タップ
車内でクローン化するため電源必須です。
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まず、センターコンソール部のエアコンダクト3個のうち、左右の2個を引き抜きします。
引抜には専用工具(ベンツ メータ工具とかで見つかるでしょう)をオススメしますが、
これでも正直取っ手を握って引っ張るのは結構な力が必要でした。
(ダッシュボード傷防止にバスタオルを敷いていたのですが、
これの端を取っ手に巻き付けないと手が痛いくらい)
ダクト内側の可動部最下部に小穴が空いており、ここに工具の先端の90度曲がり(おおよそ7〜8mm)部分をダクト下に突き抜ける様に差し込んでから、
当該工具を90度捻ってダクト外周に引っ掛けて引っ張ります。
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ダクトを引き抜きすると、空いた穴の下側にネジが見えるのでT15のドライバーで緩めてます。
(このネジまでのアクセス上、15cmくらいの柄長さのドライバが適しています。
また、穴位置探しは照明を用意したほうが確実です。)
ネジを完全に外すと落としてなくす可能性大なので、ビス穴からフリーになる程度緩めでOKです(手応え的に一回きつくなるところで緩めるのを止める)。
その後、このビスがついているプラスチックレバーを自分の手元側に起こすように引っ張るとテコの原理で Comandユニット 本体が前方に約 2cm 程度出てくるので、引き抜きます。
5
Comand ユニットを引き抜き、底面を見えるように置くと、HDDユニットが確認出来ます。
底面に3つのプラスビスがあり、これを外すと取り外し出来ます。
(上中央ビス部をこじる)
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HDDユニットの本体接続面には写真の通り NR-218-3-J と記載されていました。
(型番部分はモザイク処理済み)
インターネット上でNTG4 系では類似パラメータで文字列が並んでいた記述を見たような見なかったような...(謎
このシールドに包まれたHDDユニット、よくノートPCから外す際と類似の鉄板のシールドに包まれていますので、側面のビス4本を緩めて外すと開くことが出来ます。
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ATAパスワード解除を伴うHDDクローン作成方法は以下の通り。
①HDDスタンドには事前に書き込み先のSSDや電源アダプタを挿入して準備しておく。
(電源SWはOff)
※この時読込元と書込先のドライブを誤認しないように繰り返し取扱説明書や本体の記述を確認してからSSDを挿入しておく。
(逆にクローン化した場合はHDDがパーになります)
②Comand本体から外したHDDに直接給電アダプターを接続し、アダプターの電源をOnにする。
③HDDのシリアルATAポートを延長ケーブル+専用基板経由でComand ユニットに接続する。
※延長ケーブルのオス側端子は通常コネクタのガイドレールが両端についていますが、必ずこれを加工して切って下さい。
また、ComandのHDD接続用専用基板やHDDスタンドのコネクタを見ると解ると思いますが、ガイド用の四角錐状突起があるのでこの部分も逃しが必要です。
④キーオンで Comand を起動させ、ナビの現在地が表示されてややしばらく待つ。
(ATAパスワードが解除されて、HDDアクセスが落ち着くまで)
⑤Comandユニット側のHDDコネクタを引き抜く。
(クローン化完了まで当該HDDの外部電源は決して切らないこと)
※アブノーマルな操作であり最悪HDDに止めを指す可能性があるので、”自己責任”です。
⑥Comand側のATA延長ケーブル(オス端子)をHDDスタンドに差し込み、
HDDスタンドの電源をOnにする。
⑦HDDスタンドのクローン化操作を行う。
HDDスタンドの取扱説明書を見て実施。
⑧HDDスタンドでのクローン化作業終了後スタンドの電源をOffにし、
複写したSSDをシールドと接続基板に戻して元通り組み立てする。
(可能ならば動作チェックを行う)
⑨HDDの電源アダプタをOffにする。
(OffにするとATAパスワード解除は無効化状態に戻ります)
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MFAアーキテクチャー系の Comand ユニット取付箇所は背面の配線格納スペースが狭く、
各種ケーブル類が挟まってユニットが奥まで収納出来ずに何度も取付を繰り返すハメになる可能性が非常に大です。
(しかもケーブルが TESA テープで巻かれており、手や Comand モジュールが粘着剤でベタベタになり不愉快です。)
さらに、Comand 本体には側面片側に2箇所(上部奥側+中段前面側)の突起があり、
取付時の最初は上面の突起をガイドとして差し込んでいきますが、
最後に車両内装とツライチにするには
「プラスチックレバーのネジ部を自分の手元側に左右両方とも倒した状態で押し込む」必要があります。
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この写真のようにプラスチックレバーのネジ部が手元側に倒した場合、
本体中段のガイド部分が画面中央のメッキ部の溝→レバー舌部分→レバーの根本という順で奥に吸い込まれていきます。
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この写真のようにレバー位置が悪いと、当該ガイド部がレバーの舌に邪魔されて奥まで入らず10mm程度出っ張ってしまい、
何度も取り付けし直しを繰り返すハメになります。
このレバーのみならず、ケーブルの収まり含めて何度も挿入し直しを繰り返すハメに。
(ざっと20回は出し入れしたかなぁ)
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使用したシリアルATA延長ケーブルのパッケージとオス側コネクタの加工(左右のガイド爪切断)後の写真を貼っておきます。
(パッケージ真ん中の絵で購入直後はオス側コネクタにガイド爪が両側生えているのがわかるかと)
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交換後の感想ですが、
SSD化したことによりComand の起動時間は高速化されますし、
ナビ操作では画面ズームへの追従がほぼ1秒程度で収束して高速化が実感出来ます。
なお、取扱説明書選択直後の初期化時間は本の少しだけマシになったような気がします。
それより増して、「HDDとは異なり回転磁性体ではなく半導体化したことにより機械的故障から逃れることが出来た」+「HDDの元データが手元にある」2点による「故障のリスク回避」の安心感は非常に得られます。
※自己責任で本作業をもし行いたいが初期投資がイヤって方が居られましたら
「HDDスタンド」・「シリアルATA延長ケーブル」・「HDD電源アダプタ」を無償でお貸ししますのでプライベートメッセージを下さい。
(ただし、送料は負担して頂くこと、作業終了時は返却が条件です。)
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週末にとある事情で再度Comandユニットを脱着する必要が生じて、やっとケーブルの取り回しについて気づいたことがあったので追記します。
写真はComandユニットが収容されている空間を撮影したもので、
太いケーブルの束のうち左が電源・CAN用光ケーブル・音声ケーブル分、右がTVアンテナ・モニター向けケーブル他です。
また、右の太いケーブル束から分岐している細い束(写真右端)のがComandユニット底部のハザードボタン他のためのものになります。
左に太い電線束は画面左上から左中央あたりに、
右の電線束は折りたたまさって写真中央に入るようにならないとケーブルが邪魔になり、Comandユニットが所定位置に収容されません(おおよそ残り1cm程度で底づきする)。
なお、SSD換装時にComandユニットを手前に引き出す際は右の電線束についているフック(中央部のタイラップに金属色のがチャ玉みたいのが見える)のComandユニット取付用樹脂製フレームに食い込んでいるのですが、これを外さないと手前に出てきません。
↑
このフックがあることにより、右側のケーブル束の収容時取り回しをうまくキープしているようだが、
外したらうまく取り回し出来ずに収容作業を繰り返す羽目になる。
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