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もはや登場しないであろう究極の“自動車” - Sクラス
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SILBERPFEIL
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メルセデス・ベンツ / Sクラス
S600L (1991年) -
- レビュー日:2020年3月1日
- 乗車人数:1人
- 使用目的:その他
おすすめ度: 5
- 満足している点
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往年のダイムラー・ベンツが“究極の自動車”を具体化したのが140
1 ダンピングの効いた乗り心地
2 鬼のような剛性
3 半端ない気密性と静粛性
4 1日で1千キロ以上走らせても疲労が少なく、今時のメルセデスより圧倒的に質感が高く疲れないシート(レカロらしい)
5 大柄な車体なのに恐ろしく小回りが効く
6 ロールはするけど破綻しない限界の高さ
7 力士でも満足できるであろう車内空間
8 威厳あるデザイン
9 モーターの如く、滑らかに回るM120エンジン
10 変速ショックが小さく、変速タイミングの完璧なメルセデス内製AT
11 ガッツリ効くブレーキ
12 視認性抜群のメーター。お気に入りは4つの数字しか振られていないアナログ時計
13 タイヤとステアリング以外曲線が見当たらない直線基調のデザイン。見切り抜群
14 レインランネル、凹凸のあるリアコンビランプなど機能に見えない機能が素晴らしい
15 夏は車内が寒く、冬は車内が暑くなるほど効くエアコン
16 お代官臭いものの、ボンネットフード上のマスコットがあると転がしやすく、フロントウィンドゥに虫が付着しにくい
17 エンジンが完全に冷え切っている状態で、エンジン始動直後に奏でるファーストアイドル時の猛々しい重低音
18 鋭く強いセルの音
挙げたらキリがないですね(笑) - 不満な点
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1 プラ、ゴム部品は寿命が短い
2 プラ製部品は日本車の方が圧倒的に優秀(リアエアコン吹出口のプラは少し溶けました…)
3 車齢20年超なのに地方警察から現役ヤ〇ザ扱いされる(笑)
4 600は専用品が多いため、日本国内在庫は少なく、自然と本国在庫や海外在庫品取寄になりがち
5 理解した上で乗っていますが、燃費向上は望めません(笑)
6 たまに言うことを聞かなくなるマルチ
7 日本の気候に耐えられない接着剤
Cピラーインナー、サンルーフのボードライナーがベロッと剥がれます - 総評
-
(令和2年9月20日加筆修正)
【140を超えられるのは140しかない】とすら思います
ダイムラー・ベンツのマイスター達が耳元で“これが自動車なんだから、お前はこれを受け入れれば宜しい”と囁いているような気がします(笑)
- デザイン
- 5
-
角目世代らしい無駄な曲線のない直線基調のデザインでありながら、空気抵抗を考慮した細部の処理が素晴らしいです
丸っこいクルマが当たり前の現代では、寧ろ新鮮な印象すらあります
全てにおいて完成されたデザインと感じますが、車体の大きさに比して小さいテールランプがいかにも欧州車らしいですね
夕闇で見る典型的な3BOXセダンらしいシルエットが最高です - 走行性能
- 5
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腰が高い印象は否めないものの、ロールはすれど峠道も余裕で曲がっていきます
角目世代はブッシュやマウントの状態が走りを左右するので、足回りのブッシュやマウントがヘタっている場合、腰砕けになります
足回りが良好な個体ならば、峠を攻めようと思えば攻められます
M120は下から上まで綺麗に気持ちよく回る上、2t超の車体をトルクで悠々と走らせてくれます
1600~1900回転ではドロロロロンという重低音、2000回転以上はヴァーーーンッという乾いた“音楽”を奏でながら軽快に走ります - 乗り心地
- 5
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ダンピングの効いた乗り心地です
具体的には、路面の段差や凹凸をタイヤが小刻みに動いてストンストンと“いなす”感じです
走行性能にも係わりますが、足回りのブッシュやマウントが問題なければ、究極の乗り心地を堪能できます
個人的な経験から、W210の乗り心地に比べて相当な柔らかさと感じますが、昔の日本車のようなブワンブワンな乗り心地ではないです
リアシートに収まる人は、恐ろしいほどの静粛性も相まって例外なく眠気に襲われる乗り心地の良さですが、運転する本人も眠くなることがあります(笑) - 積載性
- 4
-
トランクは広いし、開口部も広い
しかし、トランク左側にマルチのユニットがあり、その出っ張りがなければ文句なし
個人的に素晴らしいと思うのは、トランクを開けた時にニョキッと出てくるトランクハンドル(俗に“ベロ”とも…)
手を汚すことなくトランクの開閉ができるのに、なぜ140限りだったのかが不思議
標準的な大きさの日本人ならばトランク内に寝られます(笑) - 燃費
- 5
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1 街中メインでは5~6km/L
2 地方の郊外では7~8km/Lです
ただ、上り(下り)勾配が少ない、割と平坦な路線では10km/L近くまで伸びます
3 高速道路は8~10km/Lです
中国道や中央道のように平坦区間の少ない路線は8~9km/L
スラッジナイザー等の非分解洗浄で内部を綺麗にしてやれば1km/Lは燃費が向上します
因みに、私の個体の経済速力は110kmです - 価格
- 3
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140が底値だったのは平成26~27年頃でしょう
私が140を入手した時は18年落ち、約3.5万kmで総額224万でした
今同じ条件で探すと、車両本体価格だけで300万は超えます
今は140の再評価が始まり、年々中古車価格が上昇し始めています
しかも、程度の良い左ハンの個体はことごとく海外に輸出されてしまい、左ハンは欲しくとも程度の良いタマは少ないです
しかし、裏を返せば未だに残っているのは淘汰を免れた個体のみともいえることから、程度を見極めれば乗るに値するでしょう - 故障経験
-
【当たり】の個体のようです
消耗品交換では…
1 足回りO/H
100万ほど掛かりますが、新車の乗り心地になります
フロントアクスルのボルト2本だけは入手できませんでした
2 ウォーターポンプ、パワステポンプ交換
純正リマン(リビルト)部品ならば部品代の約15%くらいは戻ってきます(コアチャージ)
OEMはコアチャージこそないものの、純正リマンより安価です
パワステポンプはADS装備車がタンデム型のため、非常に高価です
3 ロックポンプ2種類
リアシート下のは新品で63万、トランク内のは新品30万
4 ドアロック交換(運転席)
開閉頻度の高いドアのロックが寿命を迎えると、クロージングサポートが効かなくなります
20万とお高いですが、交換すればクロージングサポートが効きます
5 ADSプレッシャーセンサー交換
ちっさい部品なのに高い。ダメになると後ろの車高が落ちます
6 オルタネーター
ある日唐突に寿命が来ます
寿命を迎えると“ミ~ン”という音がします
7 セルモーター
これもある日唐突に寿命が来ます
ただ、完全に亡くなってない限り、連続してセルを回すと起動できる瞬間があります
純正リマン(リビルト)ならばコアチャージがあります
8 ウィンドゥレギュレーター
重たいペアガラスなので仕方ないですね
滅多に開けないウィンドゥをたま~に開けると寿命が来るので、普段から定期的に全ての窓を開閉しましょう
9 シートベルトリトラクター
助手席(右)がダメになり、ベルトを巻き取りません
平成29年にメーカーバックオーダーをかけ、現在は生産待ち。価格は送料込で16万超
10 ブレーキフルードホース
経年でホースに無数の亀裂が入ります
11 サーモスタット
きっかり10万キロで寿命を迎えす
寿命を迎えると冬の高速走行時の水温が60°くらいまで低下し、暖房が効かなくなります
12 ヘッドライトワイパー
故障率の低い左側は供給終了
オイルクーラーが近くにある右側はもって1年
あってもなくても外観以外変わらないので撤去しました
13 ラジエーターサブタンク
サブタンクからラジエーターにLLCを送り出すホース接続部に亀裂が入ってLLCが漏れました
意外と安価です
14 Vベルト
部品代は高くないものの、1本掛けなので工賃は部品代を上回ります
15 エンジンマウント
経年でペチャンコになります
替えてやるとエンジンの振動が車内に伝わらなくなります
16 ミッションマウント
替えましたが、効果は体感できないです
17 ヘッドランプスイッチ
ダイヤル内部が粉々になります
18 ヒーター系のプラ製部品
走行中にLLCが全量抜けてオーバーヒート直前まで行きました。ホースは問題なくとも、プラ製部品の耐久性の低さは欧州車の宿命です
19 コンパニオンプレート
50Nmを超えるトルクを伝達する部品の1つだけに定期的な交換をお薦めします
旧車の良いところとしては、ヒューズ1枚交換すれば復活することもあるので、数種類のヒューズを車載しています
いくら外観を綺麗に保ち、定期的に入庫整備していても普段見ない(見えない)箇所は劣化が進むのは避けられません
故障対応で重要なのは重症化させないこと、部品調達の目途はつけておくことでしょう
海外の部品商は部品を豊富に持っていますので、複数の部品商を知っておくと良いでしょう。純正やOEMでもディーラーなどの正規ルートで買うより断然安価です
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