トヨタ カローラアクシオハイブリッド

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トヨタ

カローラアクシオハイブリッド

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カローラが主役から1バリエーションへと確実に変化しつつある - カローラアクシオハイブリッド

レンタカー

カローラが主役から1バリエーションへと確実に変化しつつある

おすすめ度: 2

満足している点
・街乗りでの燃費の良さ(都内で17~19km/L)
・日本にリーズナブルなサイズ感と広さ
・4.4m有るFF車とは思えない取り回しの良さ(見切り、小回り共に)
・数少ない普及車のノッチバック(セダン)・ハイブリッド車
不満な点
・タイヤも含めた足回りの半端な硬さ(サイズの割にホイールベースが狭いのも一因か)
・ヴィッツのプラットホーム流用によるカローラ感の希薄さ(特にリアの足回りやトランク部分のみヴィッツから足したかのようなオーバーハングの長さから来るデザイン、狭いトレッドから来る走行性能への影響等)
・内装が実用的なようで余り気が利いてない(これならプロボックスみたいな内装にしてほしい)。
・実用的でないのなら、もう少し内装に気を利かせて欲しい(ソフトパッドなどは一切使われず全体的にプラスチッキー)
・実用車のはずなのにトランスクスルーではない
・スマートキーが今更付いてない(ハイブリッドの最下位グレードなので仕方ないが)
・モーター、エンジン共にサイズに対して力不足(やっぱりハイブリッドの醍醐味はプリウスからなのか)

総評
-国民車と呼ばれたクルマの現在-

プリウス、アクアが台頭するまでは国民車と呼ばれたカローラの現在がカローラアクシオとワゴンのカローラフィールダーだ。

実はカローラ、グローバルモデルと国内モデルでは全く異なる車となっており、現在のカローラはガラパゴスな5ナンバーサイズの国内向けモデルだ。

愛車が事故に巻き込まれて1ヶ月程代車として利用させてもらったので折角だからレビューを書こうと思う。

自分は変な車とか外車好きだし、親も当時とすれば相当なカーキチであり、少年時代からトヨタ車に縁がなく、子供の頃からジムニー(JC30)だとか、カスタム化されたダットサンWピックアップ(U620)だとか、挙句日産パオだとか、非トヨタ車ばかり乗っていたので(強いて言えば父は日産派だったと思う)、トヨタ車の、所謂国民車と呼ばれたカローラは自車として乗ったことも無いので、貴重な経験だと思った。

先ず乗っての感想は、思ったよりもサイズ相応の感じがしないこと。これは良くも悪くもである。そして一昔前の国産セダンと比べても、想像以上に乗車姿勢がアップライトな事だ。正直かなりドライビングポジションが低い部類の愛車XEから乗り換えると、まるでミニバンと言うか、それは言い過ぎとしてもフィットみたいなトールワゴンスタイルのクルマに乗っているような気すらする。

昔義父のカローラに乗った時はここまでアップライトな感じではなく、もう少しセダンらしかったと思うのだが、アップライトな姿勢と立ったピラーがサイズ以上のスペース感を感じさせるのに一役買っている。これがポスト・ミニバン、ポスト・トールワゴンな現代日本のクルマの作り方なんだなと改めて独りごちる。

とは言えサイズ的には全長4.4m、全幅1.69mと、CセグからDセグ(国内モデルなので余り関係ないだろうけど)くらいの大きさなのだが、見切りも取り回しも良い。

反面、本来ヴィッツ向けのプラットホームをそのまま流用しているからか、サイズ相応のと言うか、昔のようなある種のカローラ感と言うか、クラス感にはやや欠ける気も。特にリアが気になる。実はヴィッツとホイールベース、トレッドが殆ど変わらないので、リアオーバーハングも今のセダンとは思えないほど長めだし、5ナンバーギリギリの車幅の割に、そういう踏ん張り感は全く感じない。リアのバタつき感はサイズ相応のホイールベースが無いことも有るかもしれない。

例えばほぼ同じ車幅だったミニクーパー・クラブマン(R55)は、全くタイプの違うクルマとは言え、5ナンバーとは思えない程踏ん張り感が有ったが、それは足回りだけではなく、オーバーハングのないサイズ以上のホイールベースやトレッドも影響していたと思われる。

想像とかなり違かったのは内装。勿論今の自分のクルマと比べても仕方がないのでそれは別として、余り機能的ではないのである。ドリンクホルダーの位置も取りづらいし、サイドポケットこそペットボトルが入るけど、ちょっとした物置も余り無く、さりとてアームレストボックスも大した容量がない、USB給電機能とかも無いと言う感じで、国産車は軽だって凄く便利というイメージで居た期待とは大分異なった。

だからと言ってデザインコンシャスな内装でもないので、カローラという、日本ではミドルサイズの範疇のクルマとして見た場合でも、質感の低さは気になってくる。質感は価格的に重視しづらいのは分かるので、だとしたら機能はしっかりして欲しいと思ってしまうのだ。

プロボックスが信じられないほど多機能内装なのだから、もはやカローラもあの路線で良いのではと思う。これだと若いユーザはカローラは選ばず、軽やトールワゴンのほうが全然使い勝手が良いとなってしまうだろう。

本音を言えば、ドイツ内では恐らくガチンコくらいの価格設定のはずのVWポロがシンプルながらも決して質の低い内装ではないので、もう少し頑張りようが有る気がするのだけど。。。

デザイン云々を言うクルマではないのかもしれないが、フロントフェイスは最近のトヨタらしく大分凝った造型になっているのだから、ハッチバックから載せ替えたかのような長いリアオーバーハングや、色気のないリアビューももう少し気を利かせても良いのでは?と思う。そうでないと若い子は買わない。アクアの方が未来感も有るし良いよね、となる。家族が多いなら間違いなくシエンタだろう。

最も、今日本でカローラのようなセダンに巨額の開発費を投じるのは難しい時代なのかもしれない。ある程度の年齢で、カローラを何台も乗り継いだユーザやトヨタを大事にしてくれるユーザのために用意しなければならない車種なのかもしれない。だからメカやプラットホームも基本流用なのだろう。昔のように先ずカローラから開発という時代ではない。既に激しい売上争いを繰り広げるライバルだった日産サニーは10年以上前に生産を終了している(後継のラティオも2016年で終売)。

とは言え、ヴィッツやアクアより車格は上なはずで、そういう点での気遣いはもう少し有っても良い気がするのだ。それは内装だったり、静音性であったりだ。先に書いたけど、大きなロードノイズやタイヤハウスからの金属的な色んな音は静音性が高い車の増えた現代ではまるでバンのようなのでそこは気になった所。

車の何処にお金をかけるか、それは内装なのか、走行性能なのか、デザインなのか、はたまたハイブリッドのようなテクノロジーなのかはメーカーや、その国のニーズにもよるのだが、クルマが売れなくなっているのは、クルマが余りに実用道具になり過ぎて、これなら乗らなくても電車で十分という方向になってしまうのではないかと言う現実も感じた。

誰もがクルマ好きで、自分で色々調べたり試乗したりするわけではないので、こういう入り口に居る(居た)ようなクルマが、もう少しだけFunな要素を持っていても悪くはないと思うんだけど、それはクルマ好きの戯言なんだろうか。

そういう意味では愛車ジャガーXEが如何に癖があり、そして自分には如何に愛すべきクルマか思い知ったという点で実りは有るかな。早く元気に帰ってきて欲しいなぁ。

それでも3ナンバーサイズになっているグローバルモデルを国内には投入せず、ちゃんとこれまでのユーザのために国内専用車としてカローラアクシオを作り続けているのは流石トヨタでは有る。視点が違う人間なので厳しいレビューでは有るけど、移動する乗り物としての必要なもの、エコはちゃんと備えているのはトヨタの引き出しの多さでも有る。

ただ、今の若い層がハイブリッド車が欲しいとなった場合、カローラアクシオを選ぶ理由はそれ程無いかもしれない。プリウスのようなHVのフラッグシップ感も無いし、アクアのような若さも無い、ノアやシエンタのような積載能力も無いし、C-HRのようなトレンド感もない。トヨタ以外が良いのならホンダにも一杯HV車は有るし、ガソリンで走るEV、ノートがメカ的には楽しいだろうし広さも有る、スズキなら個性とバリュー感も有る。それらと比べて訴求する要素がカローラというネーム以外にはあまり無いような気がした。

変なクルマが美徳であるという家系で育ったので小さい頃から街中で見かけたカローラへのアンチと言うか、そこまで日本人が愛する「普遍の良さ」には愛憎的な想いが有ったような気がする。ウチには無くても友人のお父さんや奥さんの義父など、何処かで乗った記憶が何度も有り、それ程までに愛される良さは何なんだろうと。その時に感じていた「普通であることの重厚さ」みたいなモノは現在のカローラに対して僕は感じなかった。

つまりそれはカローラが最早トヨタの代表とは限らないと言う事なんだと思う。例えばゴルフに乗ればVWの現在地が解ると言えるし、今でもVWの真ん中にいるクルマだと思うけど、このカローラに乗って「これがトヨタだ」と言うのはちょっと違う気がする。つまり時代や日本人のニーズの変化の中で、中心からトヨタのバリエーションの要素になったのが、カローラの現在地なのかなと、そう思った。
走行性能
無評価
低速ではEV走行してくれたり、本当に燃費のためにマメにモーターとエンジンを切り替えたり合わせたりしているし、そのつなぎもとてもスムーズ。以前代車で乗ったBMW3シリーズ、アクティブハイブリッドよりも全然自然なのは流石(正直アクティブハイブリッドの時はその繋感が煩わしく感じて、直6が勿体無い!と思ってしまったので)。

但し、EV走行は思ったよりこらえてくれず、直ぐにエンジンがかかるのでモードを選んでも中々モーターだけでは走れない。また、ハイブリッド特有の力強さを期待したが、力感は全然なく(ヴィッツやアクアと同等のエンジンとモーター)、正直カローラのサイズにはちょっと力不足を感じる場面も。

ちょっと加速したいとアクセルを踏んでもエンジンが唸るだけで力は然程出ない。CVTもらしい感じ。最も、走って楽しいとか、回してどうこうというクルマではないので、そこを期待してカローラを乗る人は居ないだろうから愚論だとは思う。

普通に安定して走る能力は勿論高いし、直ぐに乗りこなせる癖の無さは流石トヨタ車だと思う。
乗り心地
無評価
セダンの割に腰高なのでコーナリング性能云々も特筆するところはないけど、60km位までは結構コーナリングもしっかり曲がっていく。ハンドルも思ったよりクイック(この辺りがセダンらしくないのかもしれないけど)。

足回りはエコタイヤの影響も有るのかやや硬め。特に1~2人乗車だとリアの軽さと足回りが余り付いてこない(接地性が薄い感じ、バタつき感もある)感じがするのは本来Bセグ向けのプラットホームを流用しているためなのかな。

何れにせよ僕みたいに走るのって楽しいなとかコーナーは楽しいなって言う人のためのクルマではなく、行儀よく、正確に、破綻なく、人も3人位は余裕で乗せられれば良いという人のためのクルマなので、その点で見れば全く問題ない。

但し、静粛性は課題ありだと思う。ハイブリッド車は目立つと言うが、それにしてもロードノイズが多く入る。タイヤハウスに当たる石の音もいちいち気にかかる。あと、車内が寒い。ECOモードを切っても余り変わらないので暖房をかなり強くかけてしまう。密閉性の問題なのだろうか。
積載性
無評価
トランク内は思ったよりも広い。約470L有るようで、特に幅が広く取られているのには感心。正直幅だけなら3シリーズやジャガーXEより広い(全幅20cm近く差が有るのに・・・)。

但し、トランクスルー機能は無いのは疑問。今やジャガーXEでも普通に付いてるし、オープンだったVWイオスでもセンター部分のみだがスルーした事で結構長尺のものを運ぶ時に助かっていたので付けるべきだと思う。

カローラを選ぶということであればこの辺りも含めてワゴンであるフィールダーでないと、現代的ではないかもしれない。
燃費
無評価
都内だけの街乗りでどんなに雑に走っても15km/Lを割ることは無いだろう。それくらい燃費は良い。因みに1ヶ月ほど乗って、その間買い物や近所が中心で燃費は17~18km/Lくらい。主にECOモードで走らせていたが、そうでないモードでも然程落ちない。

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