スポーツカーは車高を低く、クロカンは高くしたがるのは何故でしょう?

2019年5月23日

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スポーツカーオーナーは車高を低くしたがり、クロカンオーナーは車高を高くしたがります。なぜそのようなことが起きるのでしょうか? どちらもその効果をねらったものである事はわかります。ではその効果とは何なのか?を考えていきましょう。

クルマの目的を考えればわかる

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スポーツカーが車高を下げるのは空気抵抗を減らすためと走行安定性を高めるためです。一方、クロカン4WDが車高を上げるのはオフロードの走行性能を向上するためのものです。それらの競技車両を見れば、そうした事がわかると思います。

たとえば、スーパーGTのマシンは地を這うようなスタイリングですし、パリダカを走っているSUVは車高が高く長いサスペンションストロークが与えられています。そしてこうしたクルマがモデルになったドレスアップも行われているのです。

車高の低さは燃費にも影響する

クルマの空気抵抗を図る目安になるものとして前面投影面積というものがあります。前面投影面積はクルマを正面から見た時にどれくらいの面積があるか? というものです。車高を下げると、この前面投影面積は減りますので空気抵抗は減り、燃費が向上します。1リットルのガソリンで何kmを走れるかを競う「エコラン」用や「ソーラーカー」では、寝そべるように乗車し、極限まで前面投影面積を減らしたマシンが用いられます。

一般走行では不要なのになぜ車高を変えるのか

多くの場合、一般車が車高を変更するのはドレスアップのためです。ドレスアップのために車高を変更するなんてバカらしいと思うかもしれませんが、さまざまな商品でそうしたことは行われています。

たとえば戦場に行って地上戦を行うわけでもないのに、迷彩色の服を着たり、バイクに乗るわけでもないのにライダーズジャケットを着たり……といったものと変わらない部分もあります。

また、スポーツカーでサーキット走行会に出向く人もいますし、クロカンモデルでオフロードコースを走りに行く人もいます。そうして、クローズドコースなどを走っていると、そのコースに合わせた仕様になってきますので、なおさら車高などが顕著に変わってくることがあるのです。


(諸星陽一)

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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