ノートの次は、昨年12月20日にマイナーチェンジをした、
ダイハツ工業 ムーヴカスタムの試乗もしてきました。
マイナーチェンジに際し、CMや公式サイトなどで、散々勿体付けて煽っていましたね。
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ダイハツ「新型ムーヴ」:【パンフレット】公開 → 【デザイン】も公開!でも・・・
(Ethical & LifeHack、2012年12月16日)
ところが得てしてそういう場合は、実物は逆にがっかりな出来になる場合が常と、相場は決まっていますw
でも、そんな売り方をしなければならないほどに、ダイハツには危機感があったのでしょう。
切っ掛けは、
本田技研工業 N ONE(DBA-JG1/2)。あれが前評判も実車も売り上げも相当なものなので、同業者は皆焦ったそうです。
何しろ、それを受けて、
スズキ ワゴンR(DBA-MH34S)&
ワゴンRスティングレー(同)のモデルチェンジが、予定よりも前倒しになったほどですし。
日本において軽自動車とは、素人の僕らが想像する以上に激戦区です。
・ダイハツ、新型「ムーヴ」に映る危機感 スズキ「ワゴンR」、ホンダ「N」シリーズを迎撃
(東洋経済ONLINE、2012年12月21日)
・今、軽自動車が大人気!各メーカーも軽自動車の開発に力を入れる・・・軽自動車の魅力とは?
(ピカピカニュース2ch、2013年1月2日)
晴れて公開となったムーヴ&ムーヴカスタムは、ほとんどモデルチェンジと言っても過言ではないものになりました。
新技術もふんだんに投入。
エンジン冷却水とCVTフルードを相互に熱交換して温めあう「
e:S(イース)テクノロジー」により、燃費がワゴンR系の28.8km/Lを越えた29.0。
軽初となる衝突回避支援システム「
スマートアシスト」を、「SA」と付くグレードに標準装備。
RSには、前席SRSサイドエアバッグと前後席SRSカーテンシールドエアバッグを、オプション装備。
その甲斐あり、販売台数は中々に好調な滑り出しの模様です。
・ダイハツ「新型ムーヴ」発表!進化は【燃費29km/L】&【軽初の安全性能】
(Ethical & LifeHack、2012年12月6日)
・ダイハツ「新型ムーヴ」発表【エクステリア&インテリア画像&価格】詳細!
(同、2012年12月21日)
・ダイハツ「新型ムーヴカスタム」発表!【エクステリア&インテリア&価格】
(同、2012年12月21日)
・ダイハツ 新型 ムーヴ・ムーヴ カスタム[2012-2013マイナーチェンジモデル]試乗レポート/渡辺陽一郎 (1/3)
(オートック ワン、2013年1月8日)
・【池原照雄の単眼複眼】軽の省燃費技術に限界の見えない逞しさ
(Response.、2013年1月17日)
・【ダイハツ ムーヴ 改良新型】伊奈社長「スマートアシストは半分くらいいってほしい」
(同、2013年1月21日)
・新型「ムーヴ」が1ヶ月で21,000台を受注 ! 月販目標75%超え !
(clicccar、2013年1月24日)
デザインは格好良いし、そもそも今の軽はどんなメーカーのどんな車種を買ってもまず外れはないと思っているので、あとは実際に乗った感触が自分に合うかどうか。

今回お邪魔した、
(株)新潟ダイハツモータース ダイハツ村上です。


こちらが試乗車。
同日にマイナーチェンジをした普通のムーヴもありましたが、僕が試乗したのはカスタムのほう。
グレードはX“SA”、駆動方式はFF、変速機は一律インパネシフトCVT、外装色はタングステングレーメタリック。
型式はDBA-LA100S、直列3気筒DOHC、無鉛レギュラーガソリン駆動、燃料タンク容量は30L、JC08モード燃費は29.0km/L、タイアサイズは155/65R14 75S、乾燥重量は820kg。
車両本体価格は\1,285,714(消費税5%込み\1,350,000)、エコカー減税対象車(取得税と重量税が免税)。
前期型が曲面主体だったのに対し、直線と平面が主体となり、安定感が増しました。どことなく迫力や凄味もあります。ヴェルファイアにも似ているような気がしますし、この厳ついフロントマスクは軽VIPに改造する人が続出しそうです。
リアハッチやバックランプが、ボディから一段盛り上がって尖っており、スポイラー形状になっています。


ドアは前後とも大きく開いて、乗り降りがしやすいです。感触も、単なる鉄板になっていないのが、好印象。
シートも、座り心地も生地の感触も、中々。柄が黒一色でないところも、単調にならなくて良い。
カップホルダーがプッシュ式なのが良いですね(N ONEは単なる窪みで、ゴミが溜まりやすそうでしたから。ついでにメーター周りも掃除が大変そう)。
ただ、収納スペースが小さく狭く浅くそして遠いのが、玉に瑕。


個人的に、外観だけでなく、内装も気に入っています。
シンプルなデザイン、機械らしい無機質な配置、センターコンソールの計器と計器の間から覗くピアノブラック、シルバーカーボン調の加飾、スポーティで見やすい三眼式メーター…。
ただステアリングは、X系はウレタンなので細く握りづらく、感触も今一つ。X“Limited”系は本革巻きとなり、RSは更にMOMO製となります。
カスタムだと格好良いけど、普通のムーヴも共通デザインなので、あちらは違和感があります。
色を変えてゆるふわなイメージを狙っているものの、基本的なデザインが硬質で男っぽいので、ちぐはぐになっちゃってます。
それぞれ専用内装を用意すれば良いのでしょうけど、コスト削減の都合なのでしょうね。

後席も中々の広さ。
乗り降りはしやすいですが、開口部の広さやシートの位置など、体が不自由になりかかったお年寄りにはワゴンR系のほうが向いてるかも分かりませんね。
用途に応じて多彩なシートアレンジが楽しめるのは、今の軽のスタンダードです。
シート座面の下のふくらはぎが来る場所の鉄板の形状が末広がりになっており、座面も背もたれ側のほうが下がるよう傾斜が付けられているので、半強制的に背もたれに体を預けて脚を若干投げ出す姿勢で座ることになります。それも、広く感じる要因の一つかも知れません。
足下の空間は、N ONEは完全ながらんどう、ワゴンR系は徐々に奥まっていく形状でしたから。


リアハッチは初代からの伝統である横開き。
一般的な跳ね上げ式よりも、女性オーナーからの評判が良いとのこと。ムーヴ系の個性であり、他にはない特徴というのは大切にして欲しいですね。
後席を目一杯前にスライドしてから背もたれを倒せば、かなり広く使える上、可動部の段差も少なくなります。
それでは早速試乗してみます。
今回対応してくれたのは長身の若い女性でしたが、なぜか後席に乗りたがる…。今までの人は皆助手席に乗ったのに。
いつでもどこでも誰とでも、俺はキモオタらしく異性から生理的嫌悪感を持たれてるんですなあ(´ω`)

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【画像あり】電車でのおまえらwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(暇人\(^o^)/速報、2013年1月23日)
ほうほう、低燃費を謳っていたからあまり期待してなかったのですが、中々しっかり走ってくれます。
トルクがあり、アクセル応答が実に小気味良い。
N ONEほどではないにせよ、軽だけど軽薄な感じもほとんどなく、どっしりと安定感があります。
でもアイドリングストップ装着は、あまり洗練されてはいませんね。
作動中は、エアコンが止まってしまいます。ブレーキから足を離すとエンジンが再始動しますが、その際エンジンの振動と音が、一瞬とはいえかなりうるさいです。もっとも、その分ちゃんと機能しているのが分かるとも言えますが。
こういう野暮ったいところはダイハツらしい。ここはワゴンR系のほうが上ですね。
それに、駐車中は気にならなかったのですが、運転してみると、Aピラーの太さが意外に気になります。
三角窓を形作る縦のサブピラーも、外から見ると細いものの車内から見た角度では太く見えるので、Aピラー自体の太さと相俟って、思いの外視界が狭く感じます。
高速道路には乗り入れず、しかし国道からかなり離れた田んぼの中の道路を、高速で飛ばします。
軽トールワゴンにしては、中々走ってくれます。風も雪もなく天気が良かったせいもあるかも知れませんね。
又してもN ONEと比べてしまいますが、あちらはどれだけ踏んでもまだまだ余裕がありましたし、流石に比べるべくもありませんが、ストレスなく走れるのは大事です。田舎住まいとしては、都会へ行くまでは山道を延々走ることになりますからね。
N ONEは個性的だけど、それだけでない力強さと余裕がある。ワゴンR系は優等生すぎる。ムーヴ系は安定感と野暮ったさが共生している。
三者三様です。

お店に戻り、カタログと、粗品のリンゴ型メモ帳、お菓子をもらいましたw
そして「ぜひ参考にして下さい~」と、見積もりまで出してくれました。まだ買うなんて言ってないのにw
軽は激戦区であり、各社競争が激化しています。
ムーヴ系は、一応無難な普及車ではあるものの、その実メーカーの個性が強く反映されているのが面白いです。